6F397C89-A8A1-4605-B6E3-D4E1C2361EC3

◯ 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針、平成 18 年 3 月 策定、平成 27 年 11 月 30 日改正)

厚生労働省

からの抜粋、補足と解説です。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

労働安全衛生法

「第 69 条 事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な 措置を継続的かつ計画的に講ずるよう努めなければならない。」

第12次労働災害防止計画
平成25年度〜平成29年度が終わり、現在は第13次労働災害防止計画が実施するされています。

心の健康対策(メンタルヘルスケア)に取り組んでいる事業所は大企業ほどそのパーセンテージは高く、厚生労働省目標数値80パーセントに対し、事業所規模100人以上で95.0パーセントなのに対し、多くの中小企業では未実施のため、同年度の事業所割合は59.7パーセントにとどまっています。

◯4つのケア

メンタルヘルスケアは、
「セルフケア」、
「ラインによるケア」
「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」
及び「事業場外資源によるケア」の「4 つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要です。

事業者は、

1心の健康計画の策定、

2関係者への事業場の方針の明示、

3労働者の相談に応ずる体 制の整備、

4関係者に対する教育研修の機会の提供等、

5事業場外資源とのネットワーク形成などを行いましょう。

事業所内産業スタッフについての定義は以下のとおりです。

※それぞれの事業場内産業保健スタッフ等の役割は以下のとおり。

○産 業 医 等:労働者の健康管理を担う専門的立場から対策の実施状況の把握、助言・指導などを行う。また、ストレスチェック制度及び長時間労働者に対する面接指導の実施やメンタルヘルスに関する個人の健康情報の保護についても、中心的役割を果たす。

○衛生管理者等:教育研修の企画・実施、相談体制づくりなどを行う。

○保 健 師 等:労働者及び管理監督者からの相談対応などを行う。

○心の健康づくり専門スタッフ:教育研修の企画・実施、相談対応などを行う。

○人事労務管理スタッフ:労働時間等の労働条件の改善、労働者の適正な配置に配慮する。

(※どこかの模試で出ていたようですが、人事労務管理スタッフは中立性を保つためにスタッフに入ってはいけないという誤選択肢を引っかけで出していましたが、人事労務関係者はむしろ積極的に労働者のケアにかかわり、場合によっては統括安全衛生管理者になることが必要です。)

○事業場内メンタルヘルス推進担当者:産業医等の助言、指導等を得ながら事業場のメンタルヘルスケアの推進の実務を担当する事業場内メンタルヘルス推進担当者は、衛生管理者等や常勤の保健師等から選任することが望ましい。ただし、労働者のメンタルヘルスに、従事してはならない。

※ 中立性を保たなければならないのはストレスチェック制度についてであり、ストレスチェックを受ける者が守秘義務で守られていることが必要です。

◯ 衛生委員会等における調査審議

メンタルヘルスケアの推進に当たっては、事業者が労働者の意見を聴きつつ事業場の実態に即した取組みを行うことが必要です。「心の健康づくり計画」の策定はもとより、その実施体制の整備等の具体的な実施方法や個人情報の保護に関する規程の策定等に当たっては、衛生委員会等において十分調査審議を行うことが重要です。

・衛生委員会の調査審議についての法令上の定め

労働安全衛生法

第 18 条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べ させるため、衛生委員会を設けなければならない。

1〜3(略) 4 前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項

そもそも衛生委員会とは何か、という疑問についてですが、

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/10.html

これも厚生労働省ガイドラインです。

(引用)

事業者は常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、衛生に関することを調査審議し、事業者に意見を述べるため、衛生委員会を設置しなければなりません。

衛生委員会の調査審議事項は、

1.労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること

2.労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること

3.労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に関すること

4.前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項

衛生委員会のメンバーは事業者が指名することになりますが、その要件は、

A.総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で、当該事業場において事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者 1名(議長)

B.衛生管理者 1名以上

C.産業医 1名以上

D.当該事業場の労働者で衛生に関し経験を有する者 1名以上
になります。

また、事業場の労働者で作業環境測定を実施している作業環境測定士をメンバーとして指名することもできます。ただし、A.以外のメンバーの半数については、当該事業場の過半数労働組合(無い場合には労働者の過半数代表)の推薦に基づいて指名しなければなりません。
 衛生委員会は毎月1回以上開催するようにしなければなりません。また、議事録は3年間保存する必要があります。

※ 作業環境測定者は例えば空気環境測定士でしょう。

労働安全衛生規則がメンタルヘルス対策への法的根拠になります。

労働安全衛生規則
第 22 条(衛生委員会の付議事項)
法第 18 条第 1 項第4号の労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項には、次の事項が 含まれるものとする。
1〜7(略)

8 労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置の実施計画の作成に関すること。

9 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること。

10 労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること。

◯ 労働安全衛生法等の一部を改正する法律(労働安全衛生法関係)等の施行について(平成 18 年 2 月 24 日付け基発 第 0224003 号)

衛生委員会の付議事項(第 22 条関係)
第 10 号は、精神障害等の労災認定件数が増加しており、事業場において労使が協力してメンタルヘルス対策
を推進する重要性が増していることから、衛生委員会等の付議事項として、第 8 号とは別に、「労働者の精
神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること」を明記したこと。

なお、この樹立に関することには、

1 事業場におけるメンタルヘルス対策の実施計画の策定等に関すること

2 事業場におけるメンタルヘルス対策の実施体制の整備に関すること

3 労働者の精神的健康の状況を事業者が把握したことにより当該労働者に対して不利益な取扱いが行われる ようなことがないようにするための対策に関すること

4 労働者の精神的健康の状況に係る健康情報の保護に関すること

5 事業場におけるメンタルヘルス対策の労働者への周知に関することが含まれること

※ ラインケアに対する誤解で、メンタルヘルスに対する問題のハイリスク者は、その上司等管理者がきちんと労働者から話を聞くことが必要です。

守秘義務のある産業医やメンタルヘルス専門スタッフの前にまずはラインケアです。

(指針から抜粋)
○ 管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等による相談対応

管理監督者は、日常的に、労働者からの自発的な相談に対応するよう努めましょう。

特に、長時間労働等により疲労の蓄積が認められる労働者などからは、話をよく聴き、適切な情報を提供 し、必要に応じ事業場内産業保健スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促しましょう。

事業場内産業保健スタッフ等は、管理監督者と協力して、労働者の気付きを促すよう、保健指導、健康相談等を行うとともに、必要に応じて事業場外の医療機関への相談や受診を促しましょう。

・今回鳴り物入りで実施されているストレスチェック制度ですが、実施をしなかった場合、または労働基準監督署に報告をしなかった場合は50万円以下の罰金が科せられます。

50人未満の事業所については努力義務がありますが罰則はありません。

繰り返しになりますが、労働者の安全配慮義務は労働契約法5条で、労働法が大幅に制限されている公務員にも適用されます。