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◯ 真木よう子公認心理師役でドラマ化主演・キャスティングの意図は?

先日この作品で公認心理師役で女優北川景子さんが映画出演するという話を記事にしました。

http://hinata.website/archives/21979205.html

この作品を女優真木よう子さんが今度はテレビドラマにで主役を演じます。この作品に出演することについて

「この作品をお引き受けしたのは、とても漠然としたもので、 何か、この主人公、由紀になってみたい思いが強かったからです。
それが何なのかは、撮影が始まってから答えが出ると思います。」

と、ザテレビジョンのインタビューに答えています。

真木よう子さんは数々の受賞歴があり、演技派女優として知られているのです。

元々女優になったのも親の反対を押し切って、高倍率の名門俳優養成学校入学、塾長と大喧嘩して退塾、その後に女優として大活躍しています。

本人は男まさりの性格と自分を評していて、写真を見ると確かにそんな雰囲気があるかもと思うのですが、心理職が番宣用の写真だけでその人の性格を判断しようとするのはイケナイことです。

でも「勝気」「強気」「意志が強い」そんな印象の配役にこの役柄がぴったり来そうです。

知人の心理職、というかカウンセリング関連の仕事をしている人は70パーセント程度女性です。

現実の女性心理職も「気が強い」「性格がさっぱりとしている」「理知的」などと評される女性カウンセラーも多く、このドラマ脚本に似ているように思えます。

(実際のところ、もちろんそれだけではなく、まず受容的で優しく物柔らかで傾聴を大切にする態度は男女問わずカウンセリングをする上では重要な資質ですが)

ドラマのあらすじで、公認心理師が父親を自らの手で葬り去った女子大生の取材をしながらルポルタージュを書いていくという役柄は、むしろプロファイラー?捜査官?に近い役割のような気もします。

小説だとこの女子大生の取材にかかわっていくうちに公認心理師(原作だと臨床心理士)が心情的に巻き込まれていくといういわば極限状態を描いたストーリーです。

こういった心理士モノのドラマはいくつもあり、井上真央がスクールカウンセラー役の「明日の約束」

坂口良子主演、病院心理士が明快に事件解決をしていくドラマ、タイトルもずばりそのものの「臨床心理士」

などですが、ドラマや映画の世界ではスリリングさとサスペンス的要素が重視されるのでダイナミックなシナリオ構成になっています。

心理職の女性というのは頭が良く、しかも事件解決力に優れていて絡んだ糸を解きほぐすように事件の真実を心理学的手法を使って行うという資質がドラマの世界の価値観のようです。

こうした、心理学的プロファイラーの小説などを読むと心理職が狙われたり、命がいくつあっても足りないような気がするのですが作り物は読んでいて面白くないといけません。

公認心理師の職責とか、公認心理師活躍の5領域の紹介、公認心理師法第二条による公認心理師の定義、一要因分散分析などはどのエンターテインメントにも出て来ないでしょう。

それはなぜならば面白くないからです。

もれなく心理カウンセラー役で主演をする女性は眼光鋭く、受容的でありながらも真実を見通す、行動力にあふれるパワフルなタイプということです。

このイメージは心理職に対する世間からの期待です。

カウンセラーは世間から見ると憧れの対象で、万能なのかもしれません。

これはカウンセラーに対するある種の投影Projectionとも言えます。

心理カウンセラーは優しくそして逞しく、カッコよくクールかつ人助けをして危機を乗り越えていく存在です。

現代人は社会、学校、仕事、家庭などさまざまなストレスに晒されています。

それらを淡々と、そして的確に解決してくれるカウンセラーがいたとしたらそれはフィクションとして見ていても爽快です。

というかそんなカウンセラーがいたら僕がカウンセリングをお願いしたいぐらいの気持ちです。
ズバッと真実を当てて、洞察させたり変化を引き起こすという事は現実のカウンセリングでは行われません。

なぜならば危険だからです。

「あなたがそうやって私に対して口ごもって一瞬沈黙をするのは私に対する敵意の現れで、それはあなたの父親に対するネガティブな気持ちをそのまま私に向けているんですね」

というような切れ味がいい大太刀は、うまく急所に入ればズバッと切れて爽快に問題解決ができますが、外れた所を切りつけたらこっちも相手も大怪我をしかねないからです。

ドラマや映画もなぜか、というか業界の人たちはニュースに敏感なので「臨床心理士」だったドラマや映画の配役も公認心理師シフトとなっています。

臨床心理士にせよ公認心理師モノにせよ、心理カウンセラーが出てくるエンターテインメントは人々の幻想も入り混じった期待が具現化されているものです。

メンタリストDaiGoさんが流行っていますが、若いスタッフの子から「同じことできるのぉ?」と聞かれて「えっと、できません」と何回か答えています。

催眠術を創始したメスメルの時代から人の心を扱って魔法のような効果をもたらすというスキルはそれ自体が魅惑的です。

できるできないにかかわらず、初めてやってくるクライエントさんや、知人はそんな目で心理職をカッコいいものとして見ることもあるでしょう。

誰しも万能ではないのですが、今後国家資格となった公認心理師認知度が世間で広まっていくにつれてそんな目で見られる事が多くなるかもしれません。

期待に無理に応えることは不可能ですが、公認心理師の仕事が何なのか、情報発信したり丁寧に説明していくことも責務、また社会的に正確な認知を広めていくことに役立つのだと思います。