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◯ 臨床心理士資格放棄→公認ピン理師へ・橋口誠志郎さん

僕は心理学、精神医学等の情報を探していつもネットをふらふらしています。

僕がこのブログを始めたころ、心理関係のブログで「読んで面白く」「人を引きつける」ので、こんな記事を書けたらいいなあと思っていつも読んでいたのが橋口誠志郎さんの「ねことひるね」です。

(すみません、とっても親しみやすい文を書く方で大学講師もしているのに「先生」ではなく「さん」付けにしてしまいました。)

さて、いつものようにふらりとしていて橋口さんのブログを読んでいたところ、日本臨床心理士会退会、臨床心理士更新取りやめ、ナニそれ?

的な記事がありました。

橋口さんは稀代のyoutuberを目指しているということで、ご尊顔やユニークなトークも拝見することができます。

僕が見て面白かったのは橋口さんのyoutube動画

【臨床心理士】資格を更新しないことにしました。【公認心理師オンリーに】



です。

(カウンターは僕が見たときは230でしたがとても語り口が軽妙で面白かったのでおすすめ動画です。)

「ねことひるね」プロフィールによると橋口さんは熊本県の高校卒業後、熊本大理科を4浪した後中央大英米文学専攻卒業、桜美林大学院留年、卒業し臨床心理士の資格を取得しました。

その後も筑波大修士入学、首都大学東京研究生などを経験したのち、現在スクールカウンセラー、大学講師をしています。

博士取得、常勤大学教員への道を志していたとのことです。

さて、上記動画を見ると橋口さんは臨床心理士更新ポイントは十分にあるけれども来年は更新しないことに決めたそうです。

橋口さんは別に臨床心理士資格のことを「キライ」なわけではなく、進路に迷いつつ転々としながら苦労して大学院を卒業できたことについての感動の思いも述べていますし、ブログ記事を読んでいると心理の仕事や研究活動への愛情を十分に感じます。

こういった思いは臨床心理士資格を取得した方ならわかる事と思います。

臨床心理士は心理関係の資格で一番権威があり、さまざまな尊敬する先達が研究者として、また現場でも臨床心理士資格を手にして働いていました。

臨床心理士は心理職を志す学生にとっては憧れの的の資格だったのです。

民間資格にもかかわらず、大学院臨床心理士養成課程は爆発的に増え、教員が足りない臨床バブルの時期もありました。

臨床心理士を取得した方々がまだ公認心理師制度が始動していないころは臨床心理士資格を手放すなどは夢にも思わなかったでしょう。

もし資格喪失となったら勤めている病院や学校の仕事が続けられなくなるかもしれないと思いながら、きちんと日本臨床心理士資格認定協会所定の研修を受けつつ更新し続けていたのです。

さて、橋口さんが今回資格放棄?脱退?を決めた理由について動画で話していました。

日本臨床心理士資格認定協会から、再受験してまた合格すれば資格は与えますよ、という回答が得られたからということです。(注:橋口さんから「要確認ですよ」とTwitterで聞いてみたところお返事をいただきました。)

そう考えると「放棄」というより「休止」なのかもしれませんが、スクールカウンセラーほか心理職をしていて臨床心理士を再度取得するメリットはあるのか?

と思えないと再受験する意味はありません。

これまで臨床心理士心理職は資格更新2万円、各種研修、学会参加(も面白いものも義務的なものもあり)、日本臨床心理士会、地方臨床心理士会とお金と時間と手間をかけて資格を維持し続けてきました。

「果たしてこれから臨床心理士資格を持ち続けなくちゃいけない意味がなにかあるの?」

と問われたら、どんどん国や自治体、就職先がさまざまな制度や採用について公認心理師シフトを進めていき、臨床心理士を必須要件としなくなってきています。

「心理職業務経験豊富な◯さん、資格は?」

「臨床心理士をかつて持っていましたが今は国家資格の公認心理師だけですね」と言われて不利益、ディスアドバンテージが何かあるか?

というと特にない可能性が大きいです。

公認心理師は更新もしなくて済みます。

勉強したい人にとっても心理臨床学会会員資格は特に臨床心理士であることは問われていません。

各種心理関係研修はもともと資格要件がゆるいところが多く、厳しいところでも臨床心理士or公認心理師でOKです。

橋口さんは臨床心理士資格を持たない公認心理師のことを「公認ピン理師」と呼び、自らも公認ピン理師になることを宣言していました。

さて、僕の周囲でも臨床心理士&公認心理師ダブルライセンスの人たちが「臨床心理士はもうオワコン」的な発言をしているのをよく聞きます。

思い返してみます。

心理職にとって以前はそれほどまでに憧れと羨望の対象だった臨床心理士資格とは一体何だったのか?

職場では医師看護師、精神保健福祉士など国家資格所持者ばかりで民間資格臨床心理士だと肩身の狭い思いをしてきた方が多かったでしょう。

ところが「国家資格公認心理師を持っています。」と言えるようになった今、やたらと手間ヒマ金銭がかかる臨床心理士資格維持は急速に魅力が褪せつつあります。

前回の臨床心理士試験受験者は(H30年)前年2,427人→2,214人と213人減少しています。

1割程度です。

令和元年度資格更新6,175人のうち何人が更新するのでしょうか?

これから橋口さんのような「公認ピン理師」は増える可能性が高いなあと思いつつ、かたや「臨床ピン理士」を選ぶ人がいたとしたら、その利点、アドバンテージがある資格なのだろうかということを臨床心理士について思うのです。