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◯ 公認心理師制度を動かす隠れた団体
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(久しぶりにGoogle先生で検索したら「おい」と思った検索候補)

公認心理師制度には、厚労省と文科省という行政組織が主導するほか、2つの公認心理師職能団体があります。

しかしこれとは別に、心理職で構成されていない組織が介入し、制度を大幅に変えていく可能性があります。

今日はその背景について書いてみます。

1.歴史・問題提起

以前「 産業公認心理師ちゆみちゃんのリベンジ」という記事で「心理職=安上がりの精神科医」という構図があるのではないかと書きましたが、その傾向はだんだん加速されていくのではないかと危惧しています。

最近のSNSでも書かれていましたが、心理職を国家資格化する上で日本臨床心理士会が求めていたのは大学院卒レベルでした。

それが学部卒、専門学校卒の水準にまで切り下げられたことに関連する歴史的事実への言及もありました。

結局公認心理師資格創設者たちの内紛が公認心理師を安い資格にしてしまったのではないか?という趣旨の内容の投稿と読めました。

2.現状

実際公認心理師カリキュラム検討委員会では週1ボランティアカウンセラーも「その程度の実務経験があれば大丈夫」と決めてGルート実務経験者資格を定めたわけです。

これについては

⑴ 心理テストも取れるかどうかわからない専門性が低い公認心理師は即戦力にならない。

という批判があります。

また、それに対する反論としては

⑵ 現役臨床心理士も落ちるような難しい国家試験に合格したのだから、心理畑出身でなくても専門性は十分にある。

多職種協働を謳っている資格なのにそれを認めないのは主として臨床心理士側の既得権主張のエゴイズム

というところでしょうか。

3.未来予測

産業場面では、産業医が衛生管理者資格を持っていると「たくさんの人間を雇わなくてもいいから便利」なように医療現場でも「精神保健福祉士と公認心理師両方持っているからデイケアも任せながら心理職業務をやらせて保険点数も取れるなど」の理屈で人員削減も可能になるわけです。

(実際公認心理師カリキュラム検討委員会第5回では他職種からの公認心理師資格取得者参入の可能性はすでに予測ずみということが言及されていました。)

医療、福祉保険点数加算や産業での権限増加、教育、司法での心理職登用資格に公認心理師が加わることは、それ自体はいい事ですが、危険性もあります。

開業精神分析家北川清一郎先生も心理畑出身でない新公認心理師に臨床心理学の研鑽を求める発言をしていましたが、他職種から参入した公認心理師が心理職専門にキャリアチェンジしていく場合に確かにそれは求められるべき事です。

公認心理師資格を取得した他職種の人たちが近縁職種の専門家としてそのまま働いていく場合を考えてみます。

僕は心理の素養と心理専業プロパーに理解を示してくれる他職種の人たちとの協働ができればいいと思っていますが、上記のようなSNSでの発言や、中医協での公認心理師権限の強化を推進したいという厚労省の発言、公認心理師成立の経緯等を考えてみると若干の不安があります。

4.分析

保険点数化され他資格と併任させられる心理国家資格は、安上がりなメンタルヘルス担当者として特に待遇を上げるわけでもなく、責任だけを負わせられる使い勝手がいい便利な存在になってしまうのではないかという危惧を抱きます。

ちなみに2019.11.25現在ハローワークインターネットサービスで常勤雇用職を検索するとキーワード「臨床心理士」は334件、フリーワード「公認心理師」162件のヒット数でした。

まだ公認心理師は臨床心理士に比して少ないように思えますが2019.4.15時点での検索では臨床心理士307件、公認心理師71件だった事を考えると劇的に増加しています。

公認心理師に対する社会からの期待が増えるにつれ、公認心理師の運用が便利屋として使われてしまったり、ただの人数合わせとなってしまうのでは創設の意図とは正反対になってしまいます。

様々な弱味を抱えている公認心理師制度が他職種団体からの介入で、大幅に変質させられるのではないかという心配が杞憂であればいいと思っています。

(校正by僕の愛するちみちゃん)