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◯ 厚生労働省、公認心理師シフト体制本格化を言明

公認心理師登録者数27,344人、合格者36,438人(2019.11.20厚労省)との発表がありました。

医療・介護のためのウェブニュースマガジンCBニュースでは中央社会保険医療協議会の席上、厚生労働省が心理職の役割として医療保健領域の仕事としてカウンセリング、心理検査を行っていることに加え

(以下CBニュースからの引用)

「厚労省は、児童・思春期の精神疾患を有する患者数が増えており、これまでも診療報酬上の対応を行ってきたことに触れ、「公認心理師制度が開始され、小児科等において、公認心理師が児童・思春期の患者を対象とした心理カウンセリング等の心理的支援業務を行っている実態がある」と説明した。

こうした状況などを踏まえ、「児童・思春期の患者に対して、公認心理師がカウンセリングを行った場合の評価のあり方について、どのように考えるか」と議論を促した。」

(同ニュース2019.11.22からの引用終わり)

中央社会保険医療協議会(中医協)という機関は普段馴染みのない方が多いと思われますが、保険組合、労組、政策担当者、医療側団体等で構成されている厚生労働省が設立した諮問委員会です。

この会議が11月20日に開催されたわけですが、その中でこれまで何の国家的裏付けもなかったのに実際に医療保健領域で心理職が多くの働きをしていたわけです。

それについて厚労省が言及したのは心理職の重要な役割を再認識させるものでした。

また、さらに中協医では踏み込んで児童小児科領域での公認心理師活動の「評価」についても触れているわけです。

実際には従前から臨床心理士として働いていた心理職が公認心理師資格を取得してそのままスライディングして児童小児領域で働いていると思われるわけですが、厚労省側が言う評価とは、中協医の役割を考えると、とりもなおさず保険点数化と繋がってくるように感じられます。

診療報酬は2020年度、全体的にマイナス改定となったわけですが、個別事項を見てみるとこのようにプラス加算を示唆していると思われるものもあるわけです。

この厚労省見解は、民間資格文科省所管の臨床心理士から今後医療保健領域では厚労省が自ら所管する国家資格公認心理師にどんどんシフトさせていくのは間違いないことだと思わせる発言でした。

第2回公認心理師試験合格発表が2019年9月13日、合格者7,864人のうち大部分が登録申請を行うと思われますが、そうすると第1回登録者と合わせておおよそ35,000人程度の国家資格心理職が誕生することになるわけです。

保険医療、福祉、教育予算は大幅に増減することはないので、パズルのピースを組み合わせるように公認心理師の役割をこれから多く当てはめていくのだろうなと思います。

現場では「何も変わらないねえ」と思っているのがタイムラグを経てどんどん公認心理師シフトは進んでいき、20年ぐらい経つとすっかり公認心理師=心理職という体制になるでしょう。

政策を作っているのは実際には官僚です。

日本臨床心理士資格認定協会は創設記念講演に政治家を呼び、公認心理師職能団体2つも同様に政治家を呼んで自らの権威を喧伝しています。

いつぞやブログ読者の方から鋭い指摘のメッセージをいただきました。

政官を動かして公認心理師制度を運用していくのは心理職とは全く異なる団体になる可能性も高いということです。

忘れてはならないのは中医協には心理職団体は加入していないということです。

これだけ大人数の心理専門家集団がその識能を高く評価されることは大変ありがたいことです。

ただしこれまでの心理職国家資格化抗争のような事を繰り返しているとせっかくの国家国民からの期待に応えられなくなってしまうのではないかと危惧します。