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◯ 公認心理師制度のダブルバインド

公認心理師制度そのものがアンビバレンツさを内包した二律背反の特殊なものです。

それがゆえに当然批判も出てくるのですが、一般人から言われることがある、また予測される批判はなんでしょうか。

1.秘密保持義務

「果たして公認心理師はきちんと秘密を守ってくれるのか?」

これは公認心理師法に秘密保持に罰則規定があるにもかかわらず、一方では多職種連携の中で情報共有することが強調されていて、心理師自身が板ばさみになります。

臨床心理士でもスクールカウンセラーは「集団守秘義務」と言われていましたが、チーム学校の観点からは、スクールカウンセラーが児童生徒保護者の秘密を独り占めにしてしまうという選択肢を選ぶと公認心理師試験では不正解になります。

クライエントさんの秘密は校長を頂点としたチーム学校の中に組み込まれます。

クライエントさんはスクールカウンセラーが全ての秘密を守れない立場だということを理解していたら信頼して話をしてくれるでしょうか?

また主治の医師の指示についてもクライエントさんが絶対医師に黙っていてくれという事柄は公認心理師が説得して医師に伝える努力をすることにガイドラインでは定められています。

それでも黙っていて欲しいというクライエントさんが医師の指示に従って医師に言う、医師から家族に情報が流れる、さてどのようにして心理師はリカバリーしたらいいのでしょうか。

説得している過程で信頼関係は壊れてしまう可能性も大きいわけです。

また、労働契約法5条の安全配慮義務と守秘義務の問題もあります。

運転中に眠ってしまう、意識消失してしまう運転手はそのまま続けさせると大事故を起こすかもしれません。

ただ、運転手は他に生計を立てる手段がなかった時、どうすればいいのでしょうか。

2.公認心理師のカウンセリングの満足度

ここでは仮に認知行動療法としておきます(精神分析やイメージワークでも別の切り口から同じ事が言えます。)

「それは認知様式が普通と違いますね、認知の歪みです。」と言われて1回で腑に落ちて情緒と行動が劇的に変化するクライエントさんはいません。

認知行動療法ではクライエントさんの行動をつぶさに観察、時には「行動記録表」のようなホームワークをクライエントさんに出します。

ここでもクライエントさんのためのオーダーメイドの手法でカウンセリングを実施しないとクライエントさんは宿題をこなさなければならない、生活指導されているだけで共感されていないと感じるかもしれません。

認知行動療法はエビデンスに基づくものだといっても過激な暴露療法でドロップアウトしたクライエントさんの救済については何も書かれていません。

他の心理療法の研究では人道的見地からドロップアウト群や、治療を全く受けなかった統制群についても治療を試みた例が報告されています。

精神分析で過去に触れられるのが嫌な人もいます。

イメージワークだけをしていると現実は置き去りにされます。

要するにやり方と流派との相性によってはクライエントさんはカウンセリングに対するアレルギーを起こしかねないですし、その役割を担っている、新しい制度、新しい資格は相当にいいものだという期待と現実が相違した時に不満が募る可能性があるということです。