
◯ Gルート現任者公認心理師の強み・弱み
1.序
あちこちで心理専門職の心理プロパー公認心理師、そうでない非心理専門職公認心理師との対立構造がクローズアップされているように思います。
心理専門職の人たちは縄張りを荒らされたようで面白くない、専門知識がそれほどなく、非専門家は心理テストが取れない。
「心理テスト取れないからやっておいてよ」「心理テストの取り方教えて」と言う発言があれば確かに心理職の琴線に触れるでしょう。
そしてもしそんな事を言えばそれは有資格者になったというだけで専門性がないよというその人の弱みを露呈していることにしかなりません。
ただ、現実に非心理専門職の人たちが公認心理師資格を取得しているのも事実でお互いにただ争っていてもなんだかなあと思うわけです。
5年後の制度見直しを見据えた上で、非心理専門職の方々が公認心理師を取得したことの意味合い、資格の活用、元々の心理職との協働協調体制について考えた方がはるかに生産的だと思います。
2.非心理専門職が公認心理師を所有することのメリット
⑴ 多資格所持者は横断的視点の人間観・制度を理解することができる
こういった人々は多いと思います。
元々福祉、医療、教育などさまざまなバックボーンがある中で活躍してきた人が高い心理的専門知識を持つことで、心理専門職が何をやっているのかわかる。
心理専門職の強みも弱みも理解した上で心理専門職をチームの一員として考えるとより円滑な協調体制が取れるのではないでしょうか。
⑵ 資格取得のために学んだ知識の習得を仕事に生かす
これも大きなメリットです。
心理職を長年やっているとどこでどんな知識が役立つかわかりません。
医療、教育、福祉、司法、産業5領域は無関係のようで実は深くかかわることがあります。
認知症老人専門施設でも成年後見人の申立てがあると家裁が調査の申入れをしてくる場合があり得ます。
心理職同士でも思わぬかかわりがあるでしょうけれどもこれが関係領域職種になるとさらに輻輳してかかわりが出てくる、その時に「心理職の考えていることや立場はよくわかる」と思ってもらえればそれは非心理専門職の強みです。
そしてお互い仕事もやりやすくなると思うのです。
3.結語
非心理専門職の公認心理師受験機会はあと3回に限られています。
また、すでに行われた2回の試験でも多くの非心理専門職がいるはずです。
「初回試験はたやすかったから資格の価値が低い」という意見もすでに聞いたことがあります。
多分、ですが3回目以降の試験は2回目と同じ水準の難易度と思います。
Gルート非心理専門職の合格者を生かすのも生かさないのもその資格を取得した人、そして周囲の環境によるところが大きいでしょう。
とある大規模クリニックでは臨床心理士が公認心理師を取得したことと同時に、作業療法士、精神保健福祉士が公認心理師を取得したことを心理に理解が深い院長自らが大変喜んでいました。
単にクリニックの箔付けということではなく、スタッフが心理専門領域の知識を身につけて資格を取ることが患者さんのためになるという考え方で、僕はこれはこれで十分に納得できる考え方だなあと思います。
この資格の価値は新卒者が心理職の第一線として働いていくであろう10年後、20年後までわからないし、評価も定まらないものだと思っています。
互いに争うよりも、磨きあって新しいものを構築していくことが将来につながっていくと思うのです。
コメント
コメント一覧 (5)
しかし、今年、試験に合格した方々のコメントを見ていると、まるで、心理職VS.教育職でバトっているみたいです。臨床経験バッチリのベテラン心理職が落ちて、受験テクニックで詰め込んだ非心理職が高得点(?)取って合格したことを自慢している的な。
まだ、公認心理師になる前からこんなでは、ひなたさんが言うように、互いに磨きあって新しいものを構築できるんでしょうか?
もっと、多様性を認め合わなければ、カーストつくって、臨床心理士かつ公認心理師が、ヒエラルキートップの構造に安定するような気がします。
これでいいんでしょうか?
試験終わったらノーサイドじゃダメなんですか?
いがみ合っているみたいでつまんないです。
心理検査とは適切なメンターから学ばなければ質はともかく実施が出来ないものなのでしょうか?
カウンセラーと公表できる基準はなんなのでしょうか?
あんな心理職にとっても簡単とは言えない試験を、ご自分の専門領域に生かすために受けようと思うだけで尊敬しかありません。合格はさらにすごいです。
批判されているのは、実際は心理業務をしていないのに(個人的には、その職種の業務に必要な心理支援は「心理業務」には本来ならないはずだと考えます。たとえば教員の生徒指導、PTのリハビリへの動機付けを高める支援や、薬剤師の服薬指導等は、その職種の業務の中の「心理的側面を含む支援」であり、「心理業務」ではないと思います)公認心理師を取得し、なおかつ、本当は「心理業務」をしていないという自覚がなく、「これで自分も心理職と対等だー、さあ、心理業務どんどんやるぞー」となっている危険な人たちです。
危険というのは、ユーザーにとってです。
ですから、甘い現任者審査で資格は取ったけれど、心理業務をするつもりはなく、資格手当て増額目的とか箔付けや自慢だけする人なら、別にいてもかまわないと思います。実害はないので。
Gルート批判は、資格の価値がどうとかではなく、ユーザーに害が及ぶことを懸念することから生じてきたのではないでしょうか。
善意と熱意で人を傷つけることもあるのです。
試験は資格さえあれば受験させるというのはカリキュラム検討委員会で決まったことです。
心理専修者でも落ちることがあるこの試験を大学院卒程度の知識をつけて他職種が参戦したのは実に努力をされたのだと思います。
記事本文に書いたように、心理職と心理の知識を持つ他職種との協働協業が望ましいわけで、お互いの専門性を貶めることがあってはならないと思っています。第一に考えなければならないのはクライエントさんのためであって、この人たちのポテンシャルを最大限に引き出すことを多職種連携の中で望みたいと思います。