
◯ 公認心理師現任者Gルートへの批判に対する批判とそれに対する批判
この話題はくどいようですが、実際に公認心理師受験生たちの間で多く取り交わされているという実情もあります。
「元々心理の仕事をしてこなかったのにこれから心理の仕事をやるためじゃない、自分のキャリアアップのつもりだけで取るの?」
「ペーパーテストができればカウンセリング能力や心理テスト能力が認められるのってのはおかしくないの?本当に心理業務ができるの?」
「試験に通ったからといって心理の領域に口出しされたらたまらない」
等々です。
元々公認心理師カリキュラム検討委員会(2016)では現任者として週一回でも心理実務経験者を認めていました。
例えば週一回しか稼働していないけれどもその日はスクールカウンセラーをしている、週一回でクリニックのカウンセリングをしている人も現任者として認めようというゆるい受験者要件を現任者としていたからです。
実際、そういった働き方をしている心理職もいたわけで、そういう人に公認心理師国家資格を与えるのは理にかなっているような気がします。
カリキュラム検討委員会で把握していた全国の心理職の稼働人数はおよそ数万人、その心理職の人たちを対象とするという趣旨でこの試験は行われています。
つまり現職心理職の国家資格化を狙った試験だったと思われるのですが、公認心理師法施行令に定められた26施設で働いてきた相談業務担当者はカリキュラム検討委員会では心理を主たる業務としない場合には「心理職」としての読みをしていなかったことになります。
そして実際に現任者Gルート受験者、合格者を見てみたら心理を主とする業務としない人々が多かったのはカリキュラム検討委員会や試験委員会の予想外、ただし当局は試験後には把握していた事実だったでしょう。
邪推になりますが、だから第2回試験のハードルを上げて心理を大学院で専攻した対象者でないと合格できないレベルにしたのではないかと思うのです。
カリキュラム検討委員会も日本心理研修センターもザル審査しかしないことはすでに決定事項です。
今さら「看護師はおかしい」「教師は違う」「せめて心理学部卒」と言っても試験制度がそうなっている以上、さまざまな合格者も出ている、これからもGルートで多種多様の合格者が出てくるのは事実です。
博士号を持つ臨床心理士でもその他の民間心理資格取得心理職でも1点点数が足りなければ合格できません。
そしてこの試験によって受験者の臨床対応能力は正確に測定できません。
それは他の心理試験でも同じことです。
だから他領域専攻者でも点数が取得できれば資格は取れます。
これはきちんと試験カリキュラム検討委員会でも試験委員会でも定めていることなので、つまりはそういうことです。
2024年からはもう新課程の院卒者が受験者の中心になり、精神科医であろうと現任者を逃すと公認心理師にはなれません。
旧院ルート、科目読替えができなかった人たちもGルートに入っています。
「過渡期」のこの時期に公認心理師となった人々がどのようにこの資格を活用していくかがこの資格の価値を決めるでしょう。
5年後の制度見直しにも色々な意味での影響を与えていくことに繋がっていくと思うのです。
コメント
コメント一覧 (4)
公認心理師って?との思いは変わりません。
試験についていえば
受験資格があれば、受けられるので
なんとも言いようがありません。
さて、本題に。
私は教育職ですが
医療分野に足をいれるつもりもないですし
そこで、心理療法をする力ももちえていません。
しかし、教育分野において
学校心理士としての実践を積んでおり
不登校援助
支援の必要な児童のアセスメントや手立ての
経験を積んでいます。
一方、私の地元にいる臨床心理士さんで
WISCができる人があまりいない
という現状もあり
重要なのは、今いる分野で実戦力があるか
アセスメントできる力があるか等が問われるのだと思うのです。
今後は
K-ABCⅡや
感覚統合の学びをしていこうと思っていますし、
臨床発達心理士資格取得も視野に入れています。
私は、心理職について、私は詳しくありません。
しかし、私のフィールドの教育職は
子どものやる気
意欲
不登校であれば、認知行動療法的な
アプローチもします。
ゆえに、心理と教育はきりはなせません。
公認心理師資格をとることは、
今の仕事に深みを与えるとも思うのです。
Gルートといえど
現場で通用する力をつけているか、が問われるので、自己研鑽を積んでいきたいと思います。
病院で高次機能の評価をしています。
職場からは実務能力があるので、正社員だし、ワザワザ資格を取らなくても定年まで大丈夫だし、65まで延長で待遇は一切変わらないから安心して無資格でいいよ、といわれていわれてます。
年収が上がらないなら勉強して資格をとる意味がないですよね。
Gルート合格者で公認心理師法第2条1〜3にある、「心理業務」を5年以上やっていたと胸を張って答えられる現任者は一体どのくらい居るのでしょうね。心理業務ですよ。悩み相談とか付き添いとかじゃないですよ、心理業務です。
私は臨床心理士等の有資格者や公務員心理職と同じ水準で心理学を大学や大学院で修めたし、今からでも現場で心理職として同じ水準の実務が提供できますというGルート有資格者は何人いるのでしょうか。
これから学ぶ?
え?有資格者でしょ?何言ってんの?
資格取る前に大学大学院の心理師養成課程入ってよ。その力量でクライエントからお金取る気?心理師として現場出る気?心理師補とかじゃなくて?
内心そう思われても仕方ない資格制度の運営をされてしまっています。純粋に心理の臨床を志す人のための、国民のこころの健康のための資格なのに、箔付けや劣等感の補償に使われていることが情けないです。
痛いところ突かれて激昂したり、落ち込んだりしている素人有資格者の方は、現在養成カリキュラムの課程で学んでいる現役学生に負けないように、しっかり勉強してください。
ベテラン有資格者も驕ることなく日々研鑽に励みましょう。