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◯ 隠された公認心理師試験科目・研究活動

公認心理師法第2条に規定されている公認心理師業務は

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助

(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

となっています。

臨床心理士資格審査規程」第11条には「臨床心理士に求められる固有な専門業務」と定められている中には臨床心理士の研究活動が含まれています。

公認心理師法上では研究活動はその職務の中に含まれていません。

ところが公認心理師カリキュラム委員会では心理統計、心理学実験法は当然の履修科目として論議し、むしろ公認心理師必修科目の中でも大きな位置付けをされるようになりました。

現任者講習でも心理職に求められる当然の役割としてアメリカの「科学者ー実践家モデル」を強調して教えられます。

公認心理師法に定められていないのにもかかわらず、研究活動は公認心理師に必要な知識として試験科目として出題されるわけです。

公認心理師試験の出題範囲を示してあるブループリントでも心理学研究法は必須です。

心理学における研究(含む統計)出題2パーセント、心理学における実験出題2パーセント、4パーセント総得点230点9.2問は合否を大きく分ける境目となります。

純粋な文系受験者にとっては苦手科目となるであろう統計法・調査法は実際に使ったことがあり、体験していないとわからないものもあるんけです。

学者は研究が仕事ですが、心理職も実践と研究が必要だと公認心理師カリキュラム検討委員会ではとらえられ、試験問題が構成されました。

臨床心理士は修士、博士で論文を書き、就職したあとも学会発表や査読論文で研究デザインを組み統計を使って検定をします。

Gルート受験者中、医学関係者、医師看護師、保健師は統計や患者さんに対する治療計画を立てるのが仕事で、公認心理師試験にも比較的馴染みやすいような気がします。

もちろん教育、福祉系の受験者も研究を日常的に行っている人たちは多いわけです。

一人で研究計画を立てて科学的検証に耐えうる研究を実施できるという能力は、臨床心理士心理職にとっても、そのほかの現任者にとってもこの試験で得点をあげるためには必要な能力です。