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◯ 臨床心理士資格を守るために公認心理師を受験しました

こう語っていたのは古くからの心理職の知己Pさんです。

当初のきっかけは、彼女の職場では臨床心理士以外にも精神保健福祉士、保健師など多職種の人たちが相談業務を担当しています。

その中で公認心理師受験希望者がいるので「どうやって説明してあげればいいの?」という話をしました。

Pさんは幼稚園教諭から心理職に転身、大学院の学費を払って勉強を続けるために大学院時代、家庭教師をしたりファミレスで働いたり、臨床心理士試験も難化しつつあったので猛勉強して臨床心理士を取得しました。

そして本当は第1回試験受験を目指していたものの、職場の出勤体制があったため、どうしても受験できなかった、だから第2回試験を受けて辛くも合格点すれすれで受かった。

そこで若い看護師さんから「Pさん国家試験受かったんだあ、私も受けて取っちゃおうかな」

と言われて「どう答えたらいいのかなあ」と世間話ついでにそんな話題が出ました。

看護師Qさんは産業カウンセラーを去年取得、キャリアコンサルタント受験予定でついでに公認心理師試験も受験してみようという話とのこと。

ちなみに臨床心理士Pさんの職場で去年第1回試験で数点差で落ちてしまった真面目で熱心な精神保健福祉士兼社会福祉士の相談員さんは今年もどうも難しかったようで、何もその話題に触れないのでPさんも話しにくくてその後を聞いていないようです。

Pさんは今回の公認心理師試験は死にものぐるいで家庭を犠牲にして家事を旦那さんに任せて勉強、毎朝職場に2時間早く出勤して自習、休日は家族サービスを投げ出して1日5時間の学習をしていました。

その看護師Qさんの「取れるものならついでに公認心理師を取っておく」という言い方に釈然としないということでした。

僕「うーん、キャリコンと同時に勉強して公認心理師は取れるような資格じゃないと思うよ。公認心理師のことどれだけ知ってるの?」

Pさん「うーん、知らないんじゃないのかな?現任者講習にお金や有給使わなくちゃいけないとか、宿泊費用もかかるとか、どんな試験範囲とか」

僕「Qさんは受かる気満々なのかなあ?」

Pさん「そうそう、満々。産業カウンセラーの時に産業関連法規や心理学たくさん勉強したから大丈夫だって」

僕「ふーん」

Pさん「ほら、うちの職場、いろんな職種の人たちが集まっててね、でもみんな国家資格持ちじゃない」

僕「うん」

Pさん「『臨床心理士って国家資格じゃないんだ、ただの民間資格なんだあ』って就職した時にみんなから言われてさ」

僕「うん」

Pさん「私はね、臨床心理士です、心理相談に乗れるきちんとした資格なんですって言いたかったのよ。あんなに苦労して取った臨床心理士資格が認められなくって悔しかったけどその場は笑ってやり過ごした。」

僕「大人の対応だね」

Pさん「で、『私はきちんとした臨床心理士なんです、そして国家資格の公認心理師も持ってるんです。』って言いたかったのよ。臨床心理士の資格に私は誇りを持ってるし、公認心理師も取って、きちんと裏付けがある仕事をしたかったの」

僕「きちんとしたプライドを持てて患者さんに接していたら説得力も出てくるよねえ」

※ 公認心理師の受験動機は様々です。試験に「たまたま無勉で受けたら受かった」人は日ごろから十分に心理学と関連諸知識の情報収集に余念がなかった人でしょう。

心理の素養が全くない人が何の準備もなく徒手空拳で臨んだら惨敗は免れません。

決して軽い気持ちでは取得できない公認心理師資格です。

Pさんのように心理職としての矜持を保ちたいと思い公認心理師を臨床心理士の資格とリンクさせて考えているのはある意味立派なことです。

臨床心理士養成課程が次々と廃止となってきている昨今の情勢です。

臨床心理士関連団体には、心理職としての独自の意味合いやメリットを臨床心理士資格にどう付与するかを有資格者やクライエントさんのために真剣に考えて欲しいとも思っています。