3B8C3CEA-E6D1-44F2-AF12-17F506198532

◯ 何のために公認心理師になるのか?

公認心理師試験発表は本日まもなくです。

僕は去年からずっと公認心理師試験、制度を題材にしてブログに書いてきました。

会う人々、ネットで繋がっている人やコメントやメッセージをいただく読者の人々、関係者の方々から多くの示唆、知見を得て感じたことがあります。

この資格はまだ誕生したばかりです。

公認心理師は臨床心理士よりも様々な行政的権能を付与されます。

臨床心理士ホルダーを持っていない公認心理師単独ホルダーにとっては各機関で心理職としての十全の信頼を得て働くことは難しいでしょう。

元々心理プロパーで臨床心理士院卒者にとってはこの資格を取れるかどうかは名誉と待遇を将来的に見据えると死活問題です。

それでも無勉強では第1回試験に合格できない臨床心理士はいました。

公認心理師Gルート、実務経験者中、大学院科目読み替えで受験した臨床心理士もいましたが、他資格者も多かったはずです。

法に定められている26の機関で所属機関長の職印があればよかったので、心理業務は広く解釈されていました。

学校教員が受験者の1割程度という噂も聞きました。

医師、看護師等コメディカル、福祉職の人々は合格しても心理業務のみを担うわけにはいかないです。

28,574人合格者のうち3月末は未登録者4,517人、6月末現在での未登録者1,807人、果たして資格は生かされていくのか?

そして現在公認心理師資格所持者がこの資格を生かし切って仕事ができているのかというとその答えはノーと言わざるを得ません。

経過措置が続く混沌とした5年間、その後もこの資格のあり方や試験実施をめぐって紆余曲折はさまざまにありそうです。

公認心理師試験は心理職に対する独特の哲学を求めている試験です。

その哲学を読み取った上で、新資格のガイドラインに完全に従うことは困難です。

その思想を見据えながら、今後の対人援助業務に従事する人たちの今後の未来に期待したいと思っています。

合格発表直前の今日、この試験を様々な動機から受験した方々のそれぞれの目的を大切にして欲しいと思っています。