◯ どうすれば第2回公認心理師試験で6割取れたの?
のっけから6割取れなかったら合格できないの?ダメなの?と思われそうなタイトルで申し訳ありませんがそう僕が考えて断定しているわけではありません。
楽々と6割取れた、という感想は今回の試験ではなかなか聞けなかったです。
今回の問題を良問と言う人もいますが、どうすれば6割取れたのか?ということについて再考してみます。
以前述べた内容の繰り返しもありますが、より詳しく記述してみます。
まだ点数調整があるかないかもわからない段階で「もう今回の試験は捨てて来年にしよう」という人もいます。
じゃ、来年の対策を今から考えよう、ということではなく、今回の試験とは何だったのかをもう一度、より細かく考え直してみたいのです。
第2回試験は実際に出た問題よりも10倍以上の勉強をして、それでも合格できるかどうかという非常に厳しいものでした。
第1回試験はなんとなく感覚で解けた事例問題が多かったと思います。
だから事例問題3倍傾斜配分で救われた人は多かったでしょうけど、第2回は違いました。
第2回試験のハードルでまず受験生の前に立ちはだかったのは公認心理師法を含む法律です。
法律の条文では心理学専修者では読みきれない意味合いが多く含まれています。
「罰則」「行政処分」の違い、公認心理師法の条文をなめるように一言一句理解していないと答えられない問題もありました。
基礎心理学は充実した出題内容、第1回試験は心理学の基礎的な教科書をある程度読み込んでおけばよかったと思いますが、心理学検定特1級レベルでもまだわからない問題があったと思います。
統計学は僕が試験直前書いたように、例えば多変量解析、主成分分析、判別分析、数量化Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ類、分散分析、重回帰分析などを読んで理解しておけばなんとなく正答にたどり着けるかと思っていたのですが、どんな場合にどういった統計手法を用いるのかをきちんと理解しておかなければ正答に結びつかなかったようです。
今回の試験は事例問題で曖昧な選択肢が多かったので、知識問題も1点も落とす事ができないぐらい大切で、基礎心理学、統計法の比重は大きいものでした。
発達心理学、社会心理学については某出版社から公認心理師受験対策シリーズとしてそれぞれ発達心理学、社会心理学の巻があったのですが、第2回公認心理師試験後にこのテキストを読んでみたのですが、そこに書いてある知識だけでは太刀打ちできませんでした。
このシリーズが出版された際には「高い本だし、こんなに読みきれないほどの学習量は必要ないだろう」と思っていたのですが、実際に全然足りないものでした。
基礎、統計、発達、社会、教育等の心理学はみっちりと学部でその授業を1年間受けて自分でもどんどん調べていたレベルないとハイレベルでの正答率は取れなかったでしょう。
医療、神経心理学、脳科学は臨床心理学を超えた完全に医学、看護学的出題です。
現役医療従事者でなければ、医療の基礎からきちんとした医学用のテキストを読み込んでおくことが必要でした。
精神医学についてはアメリカ精神医学会診断基準DSM-5で、どんな疾患や障害について出題されてもほぼ1冊丸暗記しておかないと解けない問題が多かったでしょう。
精神医学の教科書も、非医師、看護師で知識が不足しがちな人(ある人でも復習で)は厚めのものを読んでおかないとならなかったと思いますし、それだけでも足りないかなと思いました。
厚生労働省、文部科学省のガイドラインは関係ありそうなものは全部読み込むこと、基礎の基礎から応用各論まで根拠を学ぶことが必要でした。
心理テストは以前、心理テスト販売会社のカタログをインターネットで読み込んでおくこと、と記述したのですが、これだけでは足りないかもしれません。
心理検査を総花的に記載してあるテキストはあまり役に立たないでしょう。
PF-スタディ、バウム、TAT、K-ABCや新版K式は詳しく知識を得ておき、それ以外も知っておく必要性がある、ということだったと思います。
ブループリントの用語を調べたり、市販のテキストだけでは対処でき切れないということでした。
コメント
コメント一覧 (15)
カウンセラーって何ですか?臨床心理士や公認心理師はカウンセラーって言う言葉はあやしいので、一切使わないと思うのですが?
ひなたさん、あなたは一体何者ですか?
コメントいただきましてどうもありがとうございます。
僕は趣味でブログを書いている一介の心理職です。
ペンネームで書かせていただいてますので、保有資格についてはお答えを差し控えさせていただきます。
発表まで2週間を切りましたが、色々と発信してくださり、ありがとうございます。
今回の記事は「そもそも誰のための公認心理師試験なのか」に通じるものですね。
自分は受験後に、これは精神科領域の心理士に相応しい試験内容なのでは、と考察しました。
5領域の心理士(現任者の方も含み)を受験対象にするのであれば、共通問題と専門領域を含み3領域位の選択など、試験のシステムを変えてもいいのでは、とも思っています。
難度については、1回目、追試の事例が甘過ぎでした。ただ、2回目の上げ方が、また極端な気もします。
それにしても、それぞれの専門の領域で活用出来る国家資格となることを願いたいです。
今日は振替休日で、ゆっくりコメントさせていただきました。
いろんな考えがありますが、毎日に近い発信を、冷静に読ませていただいています!
しばらくぶりにブログを拝見しましたが、色々なコメントがある中で、ひなた様が苦心されている様子が伝わって来ました。私たち第2回受験者のために少しでも前を向けるようなメッセージをくださり、感謝しています。批判や問題提起など、その都度、対応されるのは時間的にも精神的にもきついのでは?と懸念しております。
第2回試験の難易度は特に午後、高かったように思います。ひなた様がこの記事の中であげてくださったような内容を網羅していなければ正答するのは難しかったですが、知識では消去法で何とか点数を稼げました。事例は第1回試験の比ではないくらい難解でしたね。ポストトラウマティックプレイなど、こんな用語あったっけ?というような問題や、厚労省のガイドラインを見ていなければ解けない問題など、受験者を混乱させました。
私の結果は氷上で、もし点数調整があるのであれば、何とか受かっているかなという感じです。
公表まで、あと2週間、毎日落ち着かないですが、ひなた様のブログに励まされています。
次回の記事も楽しみにしています。よろしくお願い申し上げます。
ひなたさんのコメントをもっともと思いながら、色々きついだろうなぁ、と心配しています。
無理は、なさらないでくださいね。
現場の者と、行政の文化は違うとこの歳になって気がつきました。
良い悪いでなく、文化が違いは、なかなか超えられないからです。
あまり期待しないで、発表の日を待ちます。
結果はどうあれ、現場を一番に考えている、ひなたさんは、素敵だと思います。
確か昨年もひなたさん、あの試験で6割を取るのは難しいとおっしゃっていましたよね。
今年もそのようなご趣旨の記事をアップされています。
去年も難しい、追試は去年の本試より難しい、今年の試験はもっと難しい。
そんな認識でよろしいでしょうか。
私も同じ条件で今年の問題を解きましたが、昨年、合格した時とほぼ同じくらいの点数が取れました。
前にも書きましたが、本当に問題が難化したのでしょうかと思います。細かい言葉や法律の言い回し、資料統計を読み込んでいないと答えられない問題ではあったと思いますが、その程度のことは、現任者の多くはしているはずですし、それが期待されています。私が受験した時代の国家1種の心理、家庭裁判所調査官補1種の当時の択一式問題と、そう、大きく変わらないか、むしろ公認心理師の問題の方が易しいとさえ思いました。国家1種の心理職の択一式問題の練習や学習をしておれば、ポストトラウマティック・プレイは知らないと言えなくなります。
得点の下方修正があるかどうかは分かりませんが、発表まで二週間を切りました。
もう合否は決まっていて、今頃は合格証明書、結果通知などの袋詰め作業や、合格者番号の記載に取りかかっているものと思われます。
一人でも多くの方が合格しておられますように。
そして、ひなたさんが、責められたり、いわれのない罵詈雑言を投げつけられたりしないようお祈りしております。
記事を拝読させて頂きましたが、あまりにも試験の難易度を過大評価した記事で驚きました。
記事に書いてあるような勉強法をしてきた受験者は、ほとんどいなかったのではないかと思いますが、第1回の過去問とブループリントを読み解き、自分なりの傾向と対策を取っておけば6割以上の正答率を得られる問題だったと思います。
合格点を下方修正させたいという意図を前提とした一面的で中立性を欠いた記事だと感じました。
私は、市販の問題集2冊と、補助的に利用した問題集の穴を補うためのページ数が少ない参考書1冊で、某業者さんの採点で7割越えていました。問題集を参考に、重要な部分は自分でネットなどで調べて資料を作って補いましたが。
なお、市販の問題集のうち1冊は、質が今一つで 、間違いと思われる部分が少なくありませんでした…… しかし、かなり参考にはなりました。
明日から9月ですね。
ほんと!合格基準てどうなるのでしょね!
神のみぞ知る事なんでしょうがね
本文と全く関係ないなんてすが
激レアさんの弘中アナと
私も今回お世話になった
フロロゴスの山崎先生の声やトーンが
激似なんですよ!小さな発見でした
ひなた氏に、よく見てますけど公認心理師や臨床心理士資格を持ってるんですかとか、カウンセラーっていう名称は胡散臭いとか言ってる人がいるようですが、
これらの方は、ホントにブログをよく読んでるんですかね?ホントによく読んでれば資格も属性も分かるでしょ(笑)
様々な観点から、記事を書いてくださり、ありがとうございます。
大して勉強しなくても7割超えたという声をSNS上で拝見していました。青息吐息の受験者の方もいらっしゃる中で、よくもそういうことが言えるものだと唖然としていました。
こちらにコメントしようと思いましたのは、合格は勿論ですが、実際に心理職として働いている自分は仕事をする中で「必要な知識や観点」を身につけるために勉強した者もいることをお伝えしたかったからです。
私は6社程で自己採点をしました。70から75%の得点率ですが、自分では8割超えを目指していたので落とした問題を見直すと悔しかったです。
検査を取ってフィードバックするにしても、子どもの様子から見えたことをコンサルテーションするにしても根拠が必要だと思います。それが「分析」なのでしょう。
そのためには、基礎心理の学部で学習するところが頭に入っているから、相手に分かりやすく話すことが出来ますし、心理職の間でも自分の考えの根拠として伝えられるものだと思います。
私は心理の履修科目は有りますが、他学部卒なので今後、プロパーで卒業して合格する移行措置後の公認心理師と同程度の要件を満たせるようにカリキュラムを見て勉強しました。
大項目に関わる学部の教科書にも使用される書籍を読んでノートに纏め、心理学検定の問題で演習しました。身体や精神医学については、社会福祉士や臨床心理士養成用のテキストを使いました。
そこまでやっても7割かと思う人もいるかもしれません。
発表まであと少し、受験者の皆様も不安はあると思いますが、穏便で平和な毎日を送りたいものですよね。