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Gルート現任者にとっての第2回公認心理師試験

Gルート心理職現任者というカテゴリーはかなり甘いのではないか?といい加減な受験認定資格ととらえられていた向きは当初からありました。

確かに心理業務を週1回のペース、ボランティアで行っていても受験可能というのは大学院卒を必須とする臨床心理士の受験資格よりもはるかに甘いです。

Gルート創設の狙いを考えることによってこの試験が理想とする公認心理師像を考えていくと、目指しているゴールが見えてくるのではないかと思いました。

1.そもそもGルート創設の狙いは?

⑴ 心理職を医療職の中でのヒエラルキー下位に位置付ける

臨床心理士と医療心理師の2資格1法案が潰れた際には大学院卒の臨床心理士と学部卒の医療心理師とに峻別するという医師団体側の意向がありました。

Gルートはさらにその傾向を強めて、施行令で定める26施設で5年以上の実務経験があれば受験資格が与えられるというものです。

僕はそれまで不勉強だったので驚いたのですが、受験の手引きを取り寄せて「あれ?大学や大学院の卒業証明書とか要らないの?」と思いました。

Gルートに必要なのは学歴でもなく臨床経験値の深さでもなく、臨床をやっていた、という事実でした。

ナース・プラクティショナー制度が日本でも導入されれば僻地医療で看護師がある程度の診断、投薬を行えるようになるのですが、医師会の猛反対に遭っています。

医師団体は医師を頂点とした階層構造についてかなり敏感です。

⑵ 旧院、科目読替え不可能な現任者の救済

実際に活動している心理職、臨床心理士が科目読替え不可能な旧院卒や臨床心理士大卒者など、言い方は悪いですが「古い」臨床家の救済措置のためにGルートが作られたとも思います。

また、大学臨床心理学教員でもクライエントをほぼ持っていない教員のために「週1回のボランティアでも可」にしたのだと思いました。

⑶ 臨床心理士以外の臨床発達心理士、特別支援教育士の現職者救済

臨床心理士をそのまま国家試験にスライドさせる構想は以前からありましたが、どの国家資格でも過去、試験なしに現職者を任用したことはありません。

第1回試験は臨床心理士だけでない心理関連の資格所持者にも門戸を開くべくGルートを開設したのではないでしょうか。

⑷ 他職種に門戸を開く

医師、看護師等医療職、福祉、教育、司法職員に公認心理師資格を付与することができるのは現段階しかありません。

児童福祉司任用資格にも公認心理師が入り、在宅ケアチーム、地域包括センターでも公認心理師の活躍が期待されるでしょう。

だからこそ大学、大学院公認心理師養成のためには各機関に公認心理師が勤務していることが必要になります。

2.Gルート公認心理師の質の担保について

Gルートは北海道追試での合格率は6割に到達しませんでした。

確かに元々心理プロパーでない現任者にとってはこの試験は難しかったでしょう。

第2回試験では心理専門性と幅広い知識、ケースの見立てに関する紛らわしい問題が多く出て、Gルート非心理職にはかなり厳しい試験だったと思います。

第1回試験後の北海道追試から急にハードルを上げて現任者には不利になったように思えます。

Gルートは心理職でもそうでなくても質の高さを求められるようになりました。

第2回試験はさらにその傾向が強まったように思います。

3.Gルート受験生に第2回試験が厳しかったように思える理由

第1回試験での合格者2万8千人のうち未登録者が4千人います。

試験前に提出した他資格所有アンケートの意味合いも実は大きかったと思います。

どんな資格を持っている人が登録をしたのか、しなかったのかは試験実施当局にはわかっているでしょう。

今回1万7千人の受験者がいました。

どういった職種を合格させるかさせないかは、心理専門色がより濃く困難な試験によってふるい落としをしようとしているようにも思えます。

9月13日合格発表で各ルート受験者の合格率も出ます。

そこには「この資格所有者にふさわしいのはどんな知識があり、どういった仕事をしている(しようとしている)人か、資格所持者をどのように運用していくか」という国家施策が見え隠れしているように思えます。