ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2022年05月

58A0FE27-3D42-4B22-B91F-C81F385A3BE4

医師団体が公認心理師認定資格を作ることの是非

以前から僕は公認心理師職能団体が2つに分裂していることについて、職能団体が統一しなければ公認心理師制度そのものが危機に晒されるという持論の持ち主なのですが、ここに来て、もし医師団体が公認心理師の専門認定資格を作ってしまったらどうなのだろう?

と思うわけです。

思い返すに2資格一法案の時から(従前国家資格として「臨床心理士」と「医療心理師」を創設しようとした試み)医師団体と心理団体は微妙な対立、というか緊張感のある関係にあってなかなかお互いの主張が噛み合わないという印象を受けていました。

資格問題とは直接関係ないのかもしれませんが公認心理師法第42条2項についても主治の医師に対しての守秘の義務を患者がどのような意向であろうと、必ず患者の合意を取り付けて医師に報告しなければならないという意見を見て、意思のある患者さんの合意を必ず取り付けなければならないという医師団体の主張に絶句した覚えがあります。

さて、もし医師団体が公認心理師にかかわる認定資格を創設するとすれば、公認心理師制度に大きくかかわってきた日本精神科病院協会(現任者講習会も主催していた)わけです。

というのも日精協(略称)は看護師、栄養士についても認定資格を作っており、医療にかかわる職種の専門資格を認定していました。

ここで看護師の認定資格を見てみると認定されるのは年間40〜50人と決して多くはないものの、こういった資格をもし公認心理師で作るとすれば、この時期日本公認心理師協会(師協会)と公認心理師の会(の会)が上位資格構想をぶち上げてしまった今、かなりナーバスになっている公認心理師を刺激することになるのは火を見るより明らかです。

結論から言えば僕はこの時期に公認心理師の専門資格を医師団体(医師の職能団体にしても医師の学会にしても)創設することについては「否」という見解を示すことしかできません。

職能団体が公認心理師側で分裂していてあたかも大喧嘩をしているかのように上位資格を作り上げてしまった今、医師団体が専門資格認定を始めてしまったらかなりの緊張状態が、今でも十分崩れているバランスをさらに崩すことになりかねないと感じるからです。

仮に医師団体が公認心理師の医療領域における専門性を高めるつもりで認定資格を作り上げたとしてもそれはまた上位資格問題と複雑に絡まり合う概念になることは必至であり、この制度を混乱させるばかりになると思います。

もし医師団体の専門認定資格ではなく、本当に医師団体が公認心理師上位資格を創設してしまったら「師会」も「の会」もいい気はしないでしょうし、何よりも現場の公認心理師が困惑することになるのは自明の理でしょう。

思うにこの辺りの上位資格問題については以前から注目していた人たちはともかくとして、師会が上位資格を創設した時、何も知らない公認心理師からは「新しい資格ができたからまた取らなくちゃならないのかなあ、またお金がかかるなあ」との相談を受けたこともあります。

僕はすかさず「その必要はないよ」と言ったわけですが、厚生労働省が新設された公認心理師制度の普及に必死になっている時にあたかもドヤ顔で「どうだ、専門性を高めてやったぜ」というような職能団体2つの動きにはげんなりした気分でその動きを見ています。

僕は開業心理師としてあちこちの法人を営業回りをしているのですが、だいたいにおいて臨床心理士も公認心理師も産業カウンセラーも知名度が低く、誰も資格そのものを知らず一般人にとっては「ナニソレ?」状態で、相当に心理学に理解を深めようとしている人しか知りません。

福祉職で公認心理師を取得している人も多いのですが、福祉職が働く現場でも公認心理師のことは誰も知らないことは多いです。

クライエントさんに至っては長年の歴史がある「臨床心理士」の方が有名で公認心理師の名称は知らないことが多いでしょう。

そこで僕も面倒になって、公認心理師の名称を冠したこんなやくたいもないブログを書いているわけですが、自己紹介をする時には面倒になって「臨床心理士です。」と言うことが多く、それでも知らない人たちがかなりの割合でいます。

そこでなお上位資格を作り上げて「○○公認心理師です」と鼻の穴を膨らませるように言ったとしても意味はありません。まず誰もが知らない公認心理師名称と専門性があることを広めていかないとどうにもならないというのが初手だと思います。

「師会」も「の会」も勝手なことばかりをしているという印象を僕は受けているのですが、もしこの上医師団体が公認心理師上位資格にしても専門認定資格にしても作り上げてしまったら、なお現場の公認心理師は混乱するばかりだと思います。

僕はもちろんこの辺りの動きの中枢にはいないのですが、医師団体と心理団体がお互いに牽制し合っているように感じられるような動きは素人ながら肌で感じています。ここでくんずほぐれずしてさらに何かの資格を創設してしまったら悪い意味での三国志にならざるを得ないと思うのです。

さて、市井の一介の心理職としてはこのように感じるのですが、資格ホルダーのみなさんとしてはどのように感じるのでしょうか。

資格商法がひとつまた増えただけでワープア心理職からまた上納金をみかじめ料として支払わせるという意図に取られてしまうのではないかと危惧する次第です。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_



公認心理師試験にも必出・また、患者さんにも知っておいて欲しい知識として向精神薬副作用についてyoutubeにアップしました。お役に立てることができたら幸いです。

A5073838-A0C3-49AA-9C79-D3935A7A4CB9

臨床心理士の価値<公認心理師 なのか?

表題の記事を新卒者向けに書いて見ました。

さて、今年の臨床心理士試験&公認心理師試験のスケジュールをあらためて見直してみると結構ぼんやりしながら見ていたのですが

8月26日/公認心理師試験合格発表
8月31日/臨床心理士試験申込締切日

と今さらながら気づきました。

これが何を意味するかというと、「公認心理師試験に合格したからもうリンシはいいや」という大学院新卒者が出て来るのかな?

ということでした。

僕の予想としては昨今の新卒者・経験の5年目ぐらいの求人募集状況を見てみると両資格保持者となっていることが多いので、新卒者にとってもそれはないかな、と思っています。公認だけ取ってリンシは取らないというのは受験資格があって就職先の選択範囲が広がるであろう新卒者にとってはもったいないだろうと思うからです。

ただし、これはフタを開けて見ないとわからないことです。

そして新卒者は昨年度もそうでしたが、ダブル受験となると修論→公認→リンシ

とスケジュールはかなりタイトです。

これまでの受験生さんから聞いていても勉強スケジュールを立てるに当たって、ダブル合格(は当然したい)けれどもどちらかに学習時間の比重を置いて、1年目は臨床、2年目は公認、と比重をかけて勉強していて、なかなかの実力がある人でも両方の資格は取りきれなくて2年目にどちらかの資格を取る、という人の話も何人か聞いたことがあります。

公認とリンシの両方は確かに心理学の試験で、つながっているところもあるけれどもどちらかの試験には出題されてどちらかの試験には出題されない範囲もあって、本当に難しい課題を突きつけられているのだなあと思っています。

そんな中で公認の方がリンシよりも価値が高いと考えて受験者数が少ない、「公認取ったからもうリンシはいいや」と思う人がどれほどいるのかなあとも思っています。

受験資格があるからと言ってリンシを受けない人もある程度(若干)は出てくるものと思います。

現在〜今後5年ぐらいは新卒者にとっては過渡期だと考えています。

国家資格であるということを考えて臨床は取らないという人も多くなって来るかもしれませんし、長年の歴史を考えて臨床も受験しようと思う人も多いでしょう。

僕が心配しているのは今年度、そして来年度からはさらにタイトなスケジュールになるということで、新卒者は短期間で受験勉強をしなければならないので焦っていることは間違いないですし、そのメンタル面で大丈夫かなあと思っているからです。

理想を言えばそれは両方の資格を取っておくに越したことはありません。しかしながらほとんどどこの院も受験生向けの特別講座などは設けていないですし、学問としての心理学や実務者向けの実習を行っているということです。

そこで僕が思うのは乱暴な言い方ですが「どっちだっていいじゃない?手のつくところをやってみたら?」と思うのです。

みなさん経験があるかもしれませんが僕なんぞは「あれもこれも」と一挙に課題を出されると固まってしまって身動きができなくなってしまうタイプの人です。

そう考えると地道にコツコツやっていればパニくらないで済むのかもしれないと思うのですが、ダブル合格を目指すためにはこの辺りのモチベーションを保っていくのが難しいと思います。

さて、世の中の両資格に対する評価というものはこと一般の人々にとっては「ナニソレ?」です。

資格の中に「心理」とついているのをぼんやりと見ているぐらいなもので、最近福祉事業所を回っていても臨床心理士資格も公認心理師資格のことも全くわからないという人たちが全員という体験をしました。

新卒の人たちはまず無資格のまま心理職をやらなければならないという高いハードルがあって、たいていのみなさんは仕事&受験勉強に勤しんでいるところだと思いますし、バイトもしなければならない人も多いでしょう。

これも暴論ですがこういったタイトなスケジュールの中で二兎三兎を追うことになってしまって、どれもこれも取り逃がしてしまっても初年度はいいんじゃないの?

ということです。

科目読み替えが効かないの人たちは院だけ心理、大卒の心理職の人たちもいたわけです。

新卒の人たちは双方とも受験資格は一生あるわけですから長い目で人生考えればゆとりを持ってあまり自分を追い詰めなくてもいいのではないかと思いますし、若ければ1年2年ぐらいは人生の中でいくらでも取り返しはつきます。

そして今行っている勉強も仕事も今まで学んできた事柄も決して無駄にはならないでしょう。

一度に何もかもを要求されているようで厳しい心情になってしまい、本当に寝込んでしまう人たちもいるのではないかと思いますがそれはそれでもいいんじゃないのかなあと思います。

もしどちらかひとつの資格が取れれば運がいいことですし、某院では「資格は2〜3年ぐらいゆっくりかけて取ればいいんじゃないの?」という、ゆったりとした雰囲気のところもあると聞きます。

確かに今新卒受験生の人たちは大変だなあと思っていますが、あまり根を詰めて自分を追い込まないで欲しいなあという気持ちと、必死で努力している人たちを応援したいなあと両方の気持ちが交錯している次第です。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_

今日は依存症について話してみた動画をアップします。
依存症は大変奥が深く、何年、何十年単位でかかわって治療が必要なことも多いです。
受験生の方、そして患者さん方のために役立つような知識を話してみました。
最近ではアルコールについては「断酒」よりも「減酒」に治療の注目が集まっていること、スリップダウン(再発)をしたとしても患者さんを責めないという位置づけが治療の主流になりつつあります。

初めてyoutubeに投稿してみました。
今回は公認心理師試験だけでなく、患者さんにも役立つ内容を心掛けたつもりです。
サムネの録り方がよくわかりませんでした。

↑このページのトップヘ