ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2022年04月

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公認心理師法人営業・ココロラルゴ代表光戸利奈博士の挑戦

ココロラルゴHP

以前別のプロジェクトで一緒になったこともあったのですが、開業心理職として先輩の教えを乞うために法人向け心理学研修のココロラルゴを主催しているHNりりー、光戸利奈(みつと・りな)さんに開業直前に図々しくも営業方法について無料で指南を受けるためにZoomでの会話を申し込み、快く引き受けてくれました。

まあ雑談がてらということでなかなかためになる話もできたのですが、5月16日のZoomセミナー(仮称・心理職のための法人営業)とかぶるところも多いので内容は割愛。

りりーさんは病院心理職を10年行った後に一昨年独立、兼業主婦として2人の子育てをしながら忙しく毎日働き、現在では一日3件の法人の仕事を行うこともあります。

Twitterでのツイートを見るとなかなか彼女の本気度が伝わってきて、扶養の範囲内で収まるような働き方はしたくないと独立心旺盛ですし、元々認知心理学・神経心理学が専門で臨床心理士資格を取得していなかった彼女は病院の臨床心理士に疎んじられながらも黙々と子育てをしながら広島大学教育学部大学院で心理学博士号を取得、周りの臨床心理士たちも感心するほどの努力をしてきました。僕も博士論文を見せてもらったのですが難しすぎて何がなんだかわからない…

病院では地域連携室長として管理職業務を行う等、八面六臂の活躍をしたのちの開業です。

ホームページを見るとわかるのですが、「新入社員向けA. ストレスコントロール(セルフケア)B. 自分の強みをビジネスに活かすC. 伝わるコミュニケーション術昇進者向けA. コーチングB. 感情との付き合い方C. チームマネジメント管理職・人事向けA. 部下のメンタル・ラインケアB. ハラスメント対策C. ストレスチェックの活かし方」など法人・事業所にとってはかゆいところに手が届くようなメニュー構成になっていて、心理学を仕事にするというと、個人向け開業ばかりに目が行きがちなのですが、心理学開業のもうひとつの新しい地平を見せてくれます。

どの事業所も理念が正しくて崇高なものであっても、従業員の離職率の高さには頭を悩ませています。1人採用するのに100万円近いコストがかかるのに加えて社員の離職は組織全体のモチベーションを著しく下げることにもつながりますから、法人営業の意義は大いにあり、そこはwin-winの関係になれると言えるでしょう。

そのための取組みのひとつとして、恥ずかしながら僕は今調べながら知ったのですが厚生労働省で「健康経営優良法人」と認可されることができるそうですが、りりーさんの事業は健康経営有料法人認可の支援もしてくれるそうです。

彼女のすごいところはとにかくフットワークが軽いことと、楽観的なところです。僕がツイートで法人営業のことばかりつぶやいていたら「ひなた、一緒にセミナーやらん?(普段はお互いタメ口)」と僕が戸惑って「お、おう」と言う間もなく開業心理職のためのいろは、継続営業をやるには、という中身でオンラインセミナーをやることが決まっていました。

2年ぐらい前にりりーさんとは知り合ったのですが、明るく快活なところは全く変わっていません。僕も法人営業をやっていて感じるのですが、確かに法人営業というのは楽しいこともありますがなかなか辛いところもありまして、全く知らないところに電話したりアポがうまく取れても追い返されるようなところがあったり…

りりーさんは新規開拓営業はやったことがなく、紹介で仕事をもらっていると聞くのですが、思えば通常の人だと辛いなあと思うところ、彼女自身もきついと思うことがあっても全く表にも出さないのは大したものだなあと感心しています。

実際にはりりーさんは新規営業はやらないと言っていましたが、認知心理学博士だけあってそこはかなり合理的・システマティックにやっていると思います。僕も彼女の真似をしてセミナーなんぞをやろうとしているのですが、セミナーにやってくる時点でそのオーディエンスは潜在的な顧客です。そういった人たちからの声を拾い上げていくことはなによりの営業活動になるでしょう。飛び込みで電話しまくる根性営業とは一線を画しています。

法人向けに心理学を活用した営業、というか営業活動全般に共通して言えることですが、営業はとにかく社長、研修を実施してくれるキーパーソンと話ができなければどうにもなりません。りりーさんは社長のカウンセリングも行っていますが、会社の代表者と話すことも多く、社外相談役としても活躍しています。心理職はとかく1人対1人を相手にすることが多く、組織を相手にすることは分野によっては少ないのですが、臆せずトップに会い続けるという姿勢が必要でしょう。

ここまで書くと「なぜ」「どうして」りりーさんがそういった活動が可能だったのだろうと思う方も多いかもしれません。確かに誰にでもできることではありません。その辺りのコツが5月16日のオンラインセミナーで聞けるのではないかと期待しています。(注:配信は5月20日からになります)

「開業の糸口ってなんだろう、わからない」「勇気を持って飛び込み営業しなくちゃならないのかなあ」とそういった疑問に真摯に答え、営業の大変さばかりでなく、法人向けセミナー実施の楽しさとそのやり方について当日は語っていくつもりです。ぜひみなさんのご参加をお待ちしています。詳細はまた続報にて。
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公認心理師「の会」の暴走・上位資格は6種類

昨日「の会」の専門認定制度について書きましたが、専門認定制度はさらに細かく分かれています。
専門公認心理師制度「の会」HP
によれば同制度では

公認心理師の実践分野を代表する5分野に応じて、6つの専門公認心理師の資格を認定します。

一般社団法人 公認心理師の会 認定 医療専門公認心理師

一般社団法人 公認心理師の会 認定 福祉専門公認心理師

一般社団法人 公認心理師の会 認定 教育専門公認心理師

一般社団法人 公認心理師の会 認定 司法・犯罪専門公認心理師  

一般社団法人 公認心理師の会 認定 嗜癖専門公認心理師

一般社団法人 公認心理師の会 認定 産業・労働専門公認心理師

を想定しているとのことです。これは日本公認心理師協会(師会)が構想をぶち上げている「認定専門公認心理師」の上位資格を取得した上にさらに上位資格である「認定専門指導公認心理師(保健・医療)」(例)という二階建て資格を創設したのに酷似しています。

「の会」は6つの領域を分類した上でコンピテンス(心理職の発達段階)における
5分野を横断する基礎的なコンピテンスを「共通コンピテンスリスト」として設定しました。

これらのコンピテンスリストにもとづいて研修をおこない、一定のレベルに達した方に各分野の「専門公認心理師」の資格を認定します。
(引用)
として独自に認定することにしました。(5分野と書いてあるのに嗜癖専門公認心理師は6分野目として創設されているじゃないかとか、なんで嗜癖だけで、トラウマとか強迫といった認知行動療法が得意としている分野はどうするの?とか、師会、「の会」に共通した私設開業領域はないじゃんとかツッコミどころ満載なのですが)

とりま
2つの団体で酷似した上位資格を創設してキミたちは一体ナニがしたいのかね?
という疑念は消えません。
さらに「の会」が定める認定資格は5年ごとの更新性、臨床心理士制度を意識しているのだと思いますが、これにお金がかからないわけではきっと当然なく、「資格商法」と言われても全くおかしくないものです。

さらに「の会」のHPには ※コンピテンスリストと認定方法の詳細は、後日発表いたします。とも記されており、to be continuedというこの展開は「なんじゃこりゃ」と思ってしまった次第です。

「の会」が師会の上位資格を意識していないわけではなく、十分に吟味した上で酷似した上位資格制度を作り上げたのはもうケンカを売っているとしか思ません。

昨日高坂先生がツイートで触れていましたが組織率1割未満の職能団体が勝手に定めた上位資格になんの意味があるのかと。

これは師会についても同じことが言えます。

国家資格公認心理師成立のためには抗争に次ぐ抗争、紛糾に次ぐ紛糾がありました。それまでに何百という団体がかかわってきたのですが、それを内側から打ち壊すようなことをして平地に乱を起こして分裂や亀裂を創設していくのかという感想しか持ち得ません。

たった2つの団体が勝手に言い出したことと軽く考えてはならないと思います。

どちらも職能団体を名乗っているのですから、この2つの団体が争い合っていることによって大元の公認心理師制度そのものがアリの穴の一角がダム全体を瓦解させるように公認心理師制度全体に激震を起こそうとしているとしか思えないのです。

これを師会、の会とは何ら上下関係のない各地方公認心理師団体はどのように受け止めているのでしょうか。

以前書きましたが三重県公認心理師協会、大阪府公認心理師会が「の会」とゆるやかにではありますが協定を結んだ意味も激安になってしまうでしょう。

この事態を憂うとともに、勝手に作った上位資格によって公認心理師制度そのものがどんどん薄っぺらで安物の資格になっていくような気がしてならないのです。
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公認心理師「の会」ついに上位資格設立へ

「の会」が従前から提唱しているきた上位資格創設構想がついに実現の運びとなるようです。

「の会」ホームページ

「専門公認心理師制度」と言うようで公認心理師協会(師会)の「認定専門公認心理師」と実に紛らわしい。

これはお互いにお互いを意識し合っているとしか思えない。推測ですがこれには公認心理師制度創設推進役だった日本精神科病院も厚生労働省も呆れているのではないかと思います。

職能団体統一どこ吹く風、お互いに上位資格構想をぶち上げたらますます亀裂が大きくなるばかりでしょう。

「の会」については設立当時からその動きに危惧していたわけで、倫理綱領もなければ、師会は社団法人の中で正会員=社員なのに対して「の会」はごく少数の幹部のみが重要事項を決定できる(まあもちろん話し合いはあるでしょうが形式的に)というものです。

元々師会は日本臨床心理士会がなし崩しになって設立されたものです。また、これもどうかと思うのですが、「の会」は認知行動療法オンリーワン、確かにエビデンスは大切ですし僕も認知行動療法を否定するわけでは決してないし認知行動療法家で尊敬できる先生方もいます。

ですが、他学派に対してとてもアグレッシブな姿勢はいただけない。

「の会」の原田さんなんぞは公認心理師試験に認知行動療法以外の領域が出るとクレーム物申す、描画をやらせるようなカウンセラーの所に通うのは辞めてしまえとかなり過激です。

まあ僕が言ったところで無為に終わりそうですが「の会」も精神分析にだってエビデンスは認められているし、そもそも境界例概念も精神分析なしには成立しなかったわけですからお互いの職能団体を尊重して統一に向かって欲しいです。

厚労省も公認心理師制度をまずは定着させようと必死なわけですし、勝手に上位資格を作らないで欲しいし、職能団体が統一されていなければ官=厚労省、民=職能団体の官民での話し合いもままならないでしょう。

また、師会の上位資格にしても「の会」の上位資格にしても資格ホルダーの大勢からすればとても冷ややかな目でしか見られていないということを知っておく必要があり、単なる上納金マシーンと職能団体がなった「資格商法」としか見られていないことを受け止めて欲しいと思います。

公認心理師が成立するまで実に60年近い抗争や紛糾がかかったわけですからお前ら今度はまた100年戦争でもやるんかいと僕も呆れています。

百害あって一利なしの上位資格でさらに職能団体に亀裂を入れるよりは歩み寄って「公認心理師会の会の会」師会の会」どんな名称でもいいから統一に向かって欲しいと思っているわけです。
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第5回公認心理師試験

※ 前回スペースをやった時の内容の抄録(というか書き散らし)です。

1.公認心理師試験のヤマ

僕は今回の公認心理師試験についてヤマを3つ張っています。公認心理師試験は最新の知識が出題される試験です。

そこで僕は「特定少年」「パワハラ」「WISK-5」がヤマではないかと考えています。少年法が改正されて令和4年4月から18才、19歳の少年を特定少年と呼んで懲役1年以上の犯罪を犯した少年について原則検察官送致とすることになりました。

「18歳以上の少年のとき犯した死刑,無期又は短期(法定刑の下限)1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件

で、下限刑罰金刑は適用されません。

これで強盗、強制性交罪、組織的詐欺罪(オレオレ詐欺)などが家裁の調査・審判を経て検察官送致が原則となることになりました。

特定少年が検察官送致されて刑罰を受ける場合、第5種少年院が新設れました。

少年事件の保護処分(少年院送致、保護観察、児童自立支援施設等送致)は前科になりませんが検察官送致にされて有罪が確定すれば前科になります。

ここで復習ですが検察官送致は14歳以上からできます。16歳以上で人を故意に死に至らしめた場合も原則検察官送致事件です。

少年事件はなかなか奥が深く、観護措置は中間審判決定で2週間から最大限8週間まで少年を鑑別所に措置することができること、中間審判には家庭裁判所の調査官による在宅試験観察と補導委託試験観察もあると熱く語り始めたらはちみつさんからマニアック過ぎるとコメントが入りました。

なお、少年事件では被害者が記録の閲覧、コピーができて意見陳述もできます。

特定少年に話を戻すと18、19歳の特定少年は推知報道が認められ、実名報道が可能になりました。18、19歳の少年が全て特定少年となるわけではないということに引っかかりそうです。

パワハラに着目したのは、令和元年6月に改正された労働施策総合推進法で中小企業にパワハラ対策が義務化されたのですが令和4年4月から全ての事業主に対してパワハラ対策が義務付けられたというところからです。

労働局に電話確認したところ従業員3人の零細企業でも適用されるということ。

パワハラの6類型(身体、精神、過大な負荷、過小の仕事、個の切り離し(仲間外れ)、個の侵害(業務に関係のない))とともにパワハラの定義、① 優越的な関係を背景とした② 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
③ 就業環境を害すること全部を満たす事が必要だと覚えておきたいところです。

部下からの上司に対する優越性を使ってのパワハラもあり得ます。

パワハラ対策には定期的研修、社内外に相談機関設置、相談したことによって相談者が不利益処分を受けないことが定められています。

対価型セクハラ(地位、昇給をちらつかせて)とそうでない環境型セクハラ、職場とは出張する時の車内や取引先の打合せ中も職場に当たる、取引先社員がセクハラを自社社員にした場合にも相互に協力関係を結ばなければならないことが定められています。

2.基礎心理、心理検査等

こんな話をしていたら1時間、心理検査についての話にもなりました。心理検査は新しくなったWISC-5、そう言えばWAIS-Ⅳもあったな、とか頻出のBDI-Ⅱ、Y-BOX、NEO-PI-R、IES -R等は押さえておきたいところです。

統計の話にもなりました。キライだから全捨てというより、文章問題としてわかるところは覚えて欲しい、過去問に出た独立変数、従属変数、剰余変数は、例えば同じテストを小4と小6にやらせたところ小6の方が成績が低かった。

これはどうしたことだろうと調べてみると小6が試験を受けた時には暑い夏でクーラーのない部屋でテストを受けた、この余計な環境が剰余変数で、邪魔なので取り除かなければならないものです。

尺度や古典的テスト理論も文章題と考えれば解けますし、t検定と分散分析の違いなども読んで欲しいですが統計はハマるとドハマりする上に公認心理師試験では基礎的知識のさらに上を行く出題がされるのでほどほどがいいのかなと。

基礎心理学も大切です。基礎心理学を知る上では心理学史を知ることをおすすめします。心理学の潮流を見ていると新しい学説が出てくるのを経時的に見ることができます。

頻出トールマンの認知地図と潜在学習はラットは報酬がなくともいつの間にか迷路の中の認知地図を作り上げて潜在学習しているというものです。

僕は第1回受験者なのでブループリント用語を片っ端からWikipediaなどで調べていたのですが、インプットだけしていると最初に学んだところを忘れてしまうという罠があります。

赤本や過去問を何周かすると言うことにはそういったインプットの繰り返しという必要性があるのでしょう。

心理学検定の使い方についても話題になりましたが心理学検定だけやっていれば10点は底上げできる、ただ学部から心理をみっとりとやってきた人には心理学検定は読めるものですが、やはり初学者には難しい。

僕もキャリコンの過去問を見た時にあまりにも訳がわからないのでそっと閉じたのを思い出しました。

現任者講習会テキストからも毎年数問程度出ます。

こうやって書いているとどこがヤマなのか訳がわからなくなります。

脳は毎年マニアックな問題が出ます。向精神薬の種類と副作用は僕は自然に身についていて頻出の賦活症候群、衝動性がSSRIでは高まるとか、ジスキネジア、ジストニア、アカシジア、まだ出たことがない高プロラクチン血症はどうか、悪性症候群とセロトニン症候群はどうかなど覚えることは山積しています。

3.勉強法・モチベーションの保ち方

僕は合格した受験生さんたちから聞いたのは覚えなければならない事項はふせんに書いて部屋や机やトイレにペタペタ貼っていたというもので、はちみつさんもやっていたとのことでした。

まだ3カ月前なのでインプット中心、アウトプットは1カ月前からかなという話にもなりました。

試験前のメンタリティというかモチベーションの保ち方ですが、ないない時間がないと焦る時通勤通学家事の合間に山﨑先生、橋口先生やえいめい学院、LECの YouTubeを流し聞きするなどながら勉強で補完していくと少しずつ焦らなくなるのでは等の話もしました。

実に3時間半語っていたわけですが、受験生のみなさんは僕よりも上を行く知識を身につけている人もいるでしょうし、今正に焦っている人はここが正念場なのでなんとか工夫をしなければなりません。

今とても大変な時期だと思いますがみなさんのご健闘をお祈りします。
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臨床心理士・公認心理師(心理職)になりたい方へ

1.はじめに

大学心理学部新入生、中高生の方々「心理カウンセラーになりたい」「公認心理師・臨床心理士の資格を取りたい」と思って頑張って勉強している方々も多いでしょう。他の仕事からも心理職になりたいと思って心理学部に入り直したいという人々も多くいます。

心理職は心に悩みを抱えた人たちのカウンセリングをする、そういった人々の心理的支援のために心理査定としてカウンセリングをする、そういった意味ではとてもやりがいのある仕事です。

さて、その選択は正解なのか、メリットとデメリットについて書いてみたいと思います。

まず最初にデメリットについて書いてみます。なぜかというと心理職になるためには厳しい生活が待っていて、それでも心理職になりたいのか?ということについてそれなりの情報を知っておいてもらって「それでもなりたい」という気持ちが本当にあるのかどうか、自分の気持ちを確認して欲しいからです。

2.デメリット

⑴ 給料が安くて身分が不安定

Twitterなどの心理クラスタ(心理職のみなさん)の中でもよく言われているようにこの仕事はとにかく給料が安いです。

だいたい年収で考えると300万円が中央値、非常勤かけ持ちの仕事をしている人たちが多いです。

運良く新卒時、病院やクリニックの仕事をすることができたとしましょう。額面給与16万〜18万円のところが多いでしょう。

額面給与20万円でも保険料など各種控除を含めると手取りが16万円ぐらい、もし一人暮らしを始めたとするとなかなか厳しい経済状態になります。ボーナスはあるところもあればないところもあります。

ボーナスが出ても年間2カ月分のところが多いかなあと思います。

臨床心理士・公認心理師は大学院程度の知識を求められることが多いにもかかわらず給料は安いのです。

なかなか常勤の仕事に就けず、非常勤生活を強いられることもあります。求職サイトやハローワークインターネットサービスで調べるとだいたい時給は1300円前後です。時給2000円ならば高い部類に入るでしょう。

これはなかなか厳しい条件です。僕の学部時代も多くの心理学科の学生がいたのですが(40〜50人)、やはり人気があるので臨床心理ゼミに入ったのは20人前後、学部生のみなさんが公認心理師になりたいのであれば高いGPA(成績評価値)を取らなければなりません。

経験的に言うと院に進んだり公務員になって心理職になったのは4〜5人と記憶しています。他の人たちは一般就職をしていました。それだけ心理職になっていくのは大変な道だと学部時代から思っていたのでしょう。

僕が勝手に呼んでいるのですが大抵心理職には「30万円の壁」があって、手取り30万円もらうのには相当安定していい就職場所を探さなければならず、たとえ有名大学病院でもそれが難しいというところが実情です。

⑵ 勉強が大変・続けていくにもお金がかかる

心理学部・学科は文系です。私大だと数学は入試にないのですが、入学した後は統計法をみっちりとやらなければなりません。

臨床心理をやるからと言って心理学の基礎知識をおろそかにしていいわけではありません。人間の知覚、物の見え方はどうか、皮膚感覚はどうなっているのか等心理学の歴史からはじまって知覚心理学もみっちりとやることが求められます。(資格試験にも出題されます。)

公認心理師課程は実習が450時間あり、その他にも学ばなければならない科目が増えました。臨床心理士と公認心理師のダブルライセンスを取得しようとするとなかなか険しい道です。

院卒まで行ったら勉強が終わりではありません。⑴にも通じるのですが、こと臨床心理士に限ると更新性資格、日本臨床心理士会、地方公認心理師会、臨床心理士会、日本心理臨床学会に大抵の人は所属します。これが年間数万円かかります。

また、いい心理職として活動するにはスーパーヴィジョン(SV)を受けなければなりません。これを大学研究室のボランティア的な補助を受けずに完全な自費で受けると一回1万円、週に一度なら4万円です。

やりたい勉強をするためには各種研修会や学会にも所属、ワークショップに出たり高い専門書を購入しなければなりません。

3.メリット

なんと言ってもこの仕事はあなたが憧れていたようにやりがいがあります。「治してくれてありがとうございます。すっかり良くなりました」というクライエント、患者さんは全体の数パーセントいるかどうかですが、そう言わなくてもクライエントさん、患者さんたちは心理職を頼りにしています。

デメリットを裏返せばメリットになります。一生勉強を続けられるのは心理学徒にとっては喜びでもあります。

学会、ワークショップ、SV、専門書購読、どれも知識と経験を深め、心理職としてやっていく血となり肉となります。ですから真面目に要心理支援者のためになりたいと思うのであればこれほど充実した仕事はありません。

面倒と思うかもしれませんが各種学会、地域の心理職の集まりの世話役を引き受けるとそれだけ顔も広くなり、さまざまな分野の心理職の人たちと知り合うことができて顔が広くなり、交流も深められます。

4.おわりに

なんだかデメリットばかり書いてしまったようですが、それだけの覚悟をして心理職になれれば、メリットに書いたような見返りは必ずあります。

時として人の命にかかわる仕事ということも本当です。

心理職になる、ならないを決めるのはあなた自身です。厳しい世界ですがやりがいはあります。

人口数万人の小さな村のような世界です。悪いことをしてしまったら燎原のように噂は広まってしまいますがコツコツとでも仕事をしていけば真面目な人だという評価につながります。当初あなたが思い描いていたようなやりがいを手に入れることができるわけです。
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