第5回公認心理師試験問題予想
1.はじめに
あくまで僕の個人的な見解による出題予測ですが、当たり前と言えば当たり前の事ばかり書いているので「なーんだ」と思われるかもしれません。
ただ、なぜこの記事を書いているかというと、勉強を始めたばかりの人にとって、あるいはある程度勉強を進めた人にとって、参考書の最初からちまちまやっていると「木を見て森を見ず」という結果になってこの試験の全体像を見渡すことが困難になってしまうからです。
したがって過去問5回分(北海道追試含む)を見て、何がテーマとして出題されていたかを見てみたいと思います。
国家試験、選択式なので限られたスペースの中でしか問題も出せないですし、過去問は集積すればするほど同じ分野からしか出題せざるを得ないことになるでしょう。
そこでこれまでの出題傾向を俯瞰してみたいと思うのです。
2.具体的出題傾向
⑴ 心理学史・基礎心理学
心理学史は必須です。心理学史を知るとWundt,W.M.の意識心理学から始まってゲシュタルト心理学の祖Wertheimer,M.やKo¨hler,W.について知ることができます。また、頻出のTolman,E.Cの認知地図や潜在学習についても覚えておくと得点源になります。
ちなみにWundtは現代心理学でも認知心理学の実験に使われるほどの重要な人物です。
次に、事例問題はセンスで解ける」ことに自信を持つと危険です。今年は得点調整も入ったので、最低でも知識問題で6割以上は取れていないとまずいと思います。
基礎心理学をしっかりやっておくとみなさん苦手意識を持ちがちな学習心理学、認知心理学と進めることができるでしょう。僕は受験生のみなさんと同じ条件で勉強するために「心理学検定基本キーワードをぼろぼろになるまで読み尽くしました。
それからなぜかSeligmanの実験神経症は出題者の好みです。
⑴ サイコロジカルファーストエイド
PFA(psychological first aide)は得点源問題です。何がなんでもすぐにカウンセリングをしようとするのは正答選択のコツから言っても✖️です。勇み足で災害現場に公認心理師が私的に乗り込んで行ったら公認心理師が被災者になりかねません。
災害派遣精神医療チーム(DPAT)の一員として公的に選ばれたら初めて活動ができることになります。被災者に必要なのは水、食料などの支援物質やライフラインであることを忘れずに。
⑵ 生活習慣病指導・糖尿病・心身症
これは言わずもがなです。こと心理職はうつ病・双極性障害の患者さんに臨床場面では出会うことが多いのですが、実際のところそういった気分障害よりも生活習慣病や糖尿病への知識を求められることが多そうだと思っています。
心身症は過敏性腸症候群IBS、慢性疲労症候群が出ていますが何度も繰り返しますが、そろそろ線維筋痛症がでるのではないかい?と思っています。線維筋痛症は全身の痛み、慢性疲労症候群との併発も多いです。
それからクローン病や潰瘍性腸症候群UCも出そうだなあと思っています。アレキシサイミアもありますし、心身症関係は網羅して押さえておかないとならないというのが僕の印象です。
⑶ 心理テスト
このあたりは過去のテストは鉄板で出る可能性があります。なにより僕が注目しているのは16歳まで取れるWISC-ⅣがWISC-Ⅴにバージョンアップされることです。ネット上なので詳しくは書きませんがネットを調べるとそれなりに下位検査も出てくるので覚えておくといいのではないでしょうか。
何しろこの試験は新しもの好きです。最新の知識を身につけて現場に出ることを求めているのだと思います。
⑷ PTSD
毎年必ず数問は出ています。IES-R(出来事インパクト尺度)、K-10、K-6もネットで調べると出てきます。半構造化面接CAPSは選択肢に何度か出ていました。トラウマティックプレイについても出題されたこともあります。
治療法としてEMDR、持続エクスポージャー法、CPTといった治療法も押さえておきたいところです。
⑸ 司法
みなさん「これは出る」と思って狙って勉強しているのが少年法が改正されて「特定少年」概念が創設されることです。
詳しくは
法務省・少年法が変わります!
に掲載されています。特定少年と第5種少年院との関係についても覚えておきたいと思います。
3.おわりに
以上「そのぐらいはわかってるよ」とさくっと思っている人は学習を進めていくと合格圏内に入れそうです。
上記に書いたことが「何が何だかわからない」と思っていてもまだ半年程度試験まで時間があることを考えると試験の全体像と部分をうまく組み合わせながら勉強していけばいいのではないかと思っています。
新院卒者は時間が多くない中での試験になると思いますけれど、ぜひご健闘をお祈りしています。
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
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