ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2021年11月

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最新情報等・公認心理師試験対策

1.はじめに

公認心理師試験は最新の知識が問われる試験です。ICD-11 で認められたばかりの複雑性 PTSD(PTSDよりも重篤なトラウマにさらされて感情統制も悪くなる)ゲーム依存、コロナによるせん妄が前回も試験に出題されました。そこで主に令和4年4月から施行される改正少年法について見てみたいと思います。

少年法が変わります!(法務省)

2. 少年法改正の趣旨

選挙権が 18歳、民法における成年年齢が18歳に引き下げられたことから18歳、19歳の少年を「特定少年」として扱うという趣旨です。

少年犯罪の推移→少年犯罪は減少傾向にあります。少年犯罪が凶悪化しているわけでもありません。

18歳、19歳の特定少年でも家裁は全件送致主義を取っているので家裁には送致されます。し
たがって原則逆送(検察官送致事件)対象事件が拡大されます。(18、19歳が全て逆送されるというわけではないです。)

※ 逆送とは 警察官→検察官→家裁という順番で事件は来るが、家裁から検察官に送致すると流れが逆になるので「逆送」と呼ばれます。

特定少年の原則逆送事件は、死刑、無期懲役、又は短期(最低限)1年以上の懲役刑事件が原則逆送になります。例:現住建造物等放火罪、強制性交、強盗、組織的詐欺有印(刑法上で短期1年以上の事件はいくつかあります。有印公文書偽造同行使、危険運転致死罪、営利目的覚せい剤所持・譲渡・譲渡、拳銃など不法所持、児童ポルノ製造目的売買。)

※ 全ての事件が検察官を通って来るわけではないく、14歳以上の少年で法定刑罰金以下の犯罪を起こした場合には家裁に事件直送(直送事件)例:過失致死、過失傷害、軽犯罪法違反(ただし一定の事件の重さ:微罪の場合には簡易送致ができます。)

以下復習

検察官送致=14歳以上で可。16歳以上で人を故意に死に至らしめた(殺人、傷害致死)ら原則逆送(※ 今回の改正でこれに特定少年が加わります。)

保護処分=少年院送致、保護観察、児童自立支援私設等送致(旧教護院)、知事又は児童相談所送致(処分を児相に任せます。(児童相談所を通じて児童自立支援施設に入所することもあります。)

家庭裁判所調査官の試験観察(民間篤志家の施設に預ける補導委託、在宅試験観察)中間審判です。審判を経て試験観察になります。試験観察に付された結果、もう一度審判を経て処分が決まります(不処分、保護観察、少年院送致などの保護処分)。

※ 鑑別所に入るのも中間審判です。原則4週間以内で観護措置が執られ、審判を経て処分が決まります。(2週間〜8週間、実務的には4週間)

※ イメージとしては逮捕→鑑別所(家裁調査官の調査及び鑑別技官による心身鑑別(鑑別所教官による行動観察を含む)

※ 過去問にも出ていましたが少年相談も鑑別所の業務の一部です。ヤフーニュースでは一部の鑑別所でオンライン相談を行うことも報じられていました。非行ばかりでなく、育児に関する保護者からの相談、いじめ相談、引きこもり相談にも対応しています。

育児やいじめの相談、無料で受け付けます 少年鑑別所がオンラインで

不処分=裁判官のお説教(訓戒)

審判不開始=家裁調査官のお説教(訓戒)

今回改正によって実名が明らかになるような報道が特定少年においては可能になります。(推知報道=報道から少年が特定できるような報道はこれまで禁止されていました。

覚えにくい複雑そうな概念が少年のカテゴリーです。

「少年とは,20歳に満たない者を意味し,家庭裁判所の審判に付される非行のある少年は,(1)犯罪少年(14歳以上で罪を犯した少年),(2)触法少年(14歳未満で(1)に該当する行為を行った少年-14歳未満の少年については刑事責任を問わない),(3)ぐ犯少年(保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど,その性格又は環境に照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがあると認められる少年)に区別されます。」

検察庁ホームページから引用。

ぐ犯事由は

⑴保護者の正当な監督に服しない性癖のあること

⑵正当の理由がなく家庭により附かないこと

⑶犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し,又はいかがわしい場所に出入すること

⑷自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

です。

また、「ぐ犯性」という概念があります。少年が将来○○という罪を犯すおそれがある場合でなければぐ犯少年とも認められません。

少年院種別についても付記しておきます。

第Ⅰ種少年院

保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない、おおむね12歳以上23歳未満の少年が収容される施設

第Ⅱ種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害のない、おおむね16歳以上23歳未満の、犯罪傾向が進んだ少年が収容される施設

第Ⅲ種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がある、おおむね12歳以上26歳未満の少年が収容される施設です。

第Ⅳ種少年院
少年院において形の執行を受ける者を対象とした施設です。つまり検察官送致となって禁固刑以上の刑罰を受けた少年が入所する施設です。

※ そのほかに3月31日までをめどにWISC-ⅣがⅤにバージョンアップされます。発売されて実際にWISC-Ⅴが手に入る環境にあるなら、きちんと見ておく方がいいと思います。現段階でも実はWISC-Ⅴの下位検査と、どのカテゴリーに入るかはわかっているのですが日本語は探してもありませんでした。

時間がある方は英語文献をネットで探して読んでおいてもいいかと思います。

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グラドル臨床心理学専攻学生

1.はじめに

こういうブログを書いているとあちこちから色々な情報を僕に流してくれる人たちがいるわけで「自称心理カウンセラー」は無資格なのだから倫理的にゆるくても許されてしまう(ことが許されるわけでもない)ことが多いですが、自称臨床心理学を専攻している大学院生のグラドルとしてのあらわな姿が写っているTwitterのアカウントを送ってくれました。

それも単独の女性ではなくて複数人、一体この人たちは大学院で臨床心理学の倫理観として何を学んでいるのだろうと大いに疑問に思ったわけです。

2.起こりうるリスク

この人たちは容姿で「女」であることを売り物にしているわけで、それじゃあ実際に現場に出た時に「あ、この人だ」ということがわかる人にはわかる可能性があるわけです。

病院のカウンセラーとして働いて、患者さんから信頼できる臨床心理士として頼られることができるのか、また、スクールカウンセラーにでもなろうものなら子どもたちに与える影響や保護者からの信用は?と思うわけです。「あーこの人は色んな意味で倫理的にゆるいのかな?」と思われていいはずがありません。

3.対処は?

臨床心理士の場合、日本臨床心理士資格認定協会がビシッとした二次試験を行うわけですが、この人たちを臨床心理士にしてしまっていいのだろうかと思います。そして僕がもし試験委員で、その事実を知っていれば迷うことなく落とし、次年度にもその情報を引き継ぐだろうと思います。

しかしながらグラドルネームで活動しているこういった人たちの本名はわからないわけです。本来なら資格認定協会がこの人たちの本名を探り当て試験には通さないということも必要と思います。

実際、下着撮影会などを行っていた臨床心理士が資格認定協会に通報されたことがあるのですが、本名がわからなかったせいでしょうか。何もおとがめなしに活動しているのを知っています。

臨床心理士倫理綱領を見てみたのですが、ここは明文化されていないところで、まあこういった信用失墜に当たる行為は想定の範囲外だったと思うのです。

Twitter内には確かに臨床心理学専攻と書いてある。また、二次試験(臨床心理士試験?)を受けたと書いてある。こういう人たちが臨床心理士になってしまい、現場で活動することを大変憂います。

4.おわりに

この記事には敢えてリンクを貼りません。僕はそれを臨床心理学を学んでいて、将来心理職につくことを「恥」と考えていて、その人たちの名前を流布することにも大きな心理的抵抗があるからです。

臨床心理学徒にはお金がなくて大変な苦労をして学び、やっとの思いで資格を取得した人たちは多いです。確かにこういった、タレントもどきの活動は一時的に儲かる、あるいは自分自身の女性としての魅力を売り物にすることに快楽や誇りを感じているのかもしれません。

ですが心理職のコンピテンシーとして、10年後、20年後の自分を見すえた時、こういった活動はできないはずだと強く感じるのです。

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「メンヘラせんばい」等オンラインカウンセリングについて考えてみた

某社でサービスを提供している「メンヘラせんぱい」がネットのニュースになっています。

恋愛のことや仕事のことなどを女性限定のクライエントさんがチャットでできる相談サービスです。

相談するのもされるのも女性ということですが、この相談サービス事業はどうかと思っています。「キャバ嬢せんぱい」という現在または過去3カ月以内にキャバクラで働いていた女性が相談に乗ります。

まあこれだけだと「あー、また無資格カウンセラーが幅をきかせているのかあ」で済むのですが(よくないとは思います。)メンヘラせんぱい」はキャバ嬢せんばいのほかに臨床心理士、公認心理師も募集しているということです。

えと、キャバ嬢せんぱいにこういうサービスをするのはまあ自由と言えば自由?なのかなとも思わないのですが、さらに臨床心理士、公認心理師も募集しているということに結構空いた口が塞がらない思いをしてしまったわけです。

こういったサービスを提供している会社の常として、ばーっと「利用者の声」がサイト内に網羅されて書かれています。

おかゆ先生(岡村優希先生)がYouTubeで話していたとおり、こういったクライエントの声が掲載されているカウンセラーは危ない、と僕もそう思います。

元々クライエントさんが相談した内容というのは守秘の義務があって明らかにするようなものではないわけですし、たとえクライエントさんの同意を得られていたとしても「その倫理性に問題がないのか?」と考えます。

恋愛や仕事の相談がほとんどなわけですが、臨床心理士、公認心理師とキャバ嬢3カ月の経験と並べられてしまう、こういうサイトに登録して相談者になるというのは君たちは大学院
で何を学んできてそのスキルを生かすために何をどうしたいのかね?」
と思ってしまうわけです。

2018年に運営会社は大学生起業家によって起業されて、なぜこの時期にまたニュースになったかというと、スペシャルサービスとして、これまではチャットで聞きっ放しだったのが、具体的なアドバイスもしてくれるというスペシャルサービスもしてくれるようになったというわけです。

ここのカウンセラーとなるためには模擬チャットやロールプレイングを受けなければならないわけで、このあたりは通常のオンラインカウンセリングでの研修と同じかもしれません。

確認してみたところ、実際に登録している「心理士」が数人ぐらいいるようで、キャバ嬢と並べられるのはなんだかなあ、と思ったわけです。

キャバ嬢がキャバ嬢の仕事をしている分には別に誰もなんとも思わないわけで、キャバ嬢がカウンセリングの仕事をしているというというとと思うのですが、そこにさらに臨床心理士が加わるとさらに??と思います。

オンラインカウンセリングシステムというのは僕も経験があるのですが、立ち上げ作業というのは実に難しいもので、カウンセリングをやる技能がある、というだけではなくクライエントさんの秘密を守れるようなシステム作りもしなくてはならないです。

オンライン各社がしのぎを削る中、僕も「これからカウンセリングの会社始めたいんだけど」という全く異業種の人たちからの相談を受けることがありました。

「カウンセリング」という響きはなんだか格好良さそうだと思って始めたいと思っても立ち上げの時点で何をどうしていいのかわからないのでとん挫してしまったようです。

また、実際にオンラインカウンセリングをしたこともあり、そこは1往復5千円でした。が到底それだけで食べられるようなものではありませんでした。某大手企業の付加価値サービスとしてのメンタルヘルス相談に登録しましたが全く相談のニーズがなく、結局相談が来なかったのでサービスをやめてしまったわけです。

文部科学省もLINEによる青少年向けの相談事業を行っており、こちらの方は年間1万件の相談が来ていたということで、SNS活用による相談を官の側が主導的に行った成功例だと思っています。

オンラインカウンセリングには各社が参入していて、果たしてうまくいくのか、行っていないかの実際の稼働状況や利益が上がっているかどうかについてはわかりません。

システムを構築しながら実際のオンラインカウンセリングを行っていくというのは結構大変な作業で、そこまでこの「メンヘラ先輩」がしっかりとした事業構築をしているかどうかはわかりません。

恋愛経験が(多分)豊富であろう勤務歴3カ月のキャバ嬢と同格に並べられて心理士(師)の仕事をやるということは一体どうなのかなあと思います。

確かに心理職には仕事はない、あっても給料は安い、のないない尽くしなのですが、自分の仕事は専門性が高い、素人とは違ったものであるという自負と矜持を持って仕事を選んでやって欲しいなあと思った次第です。

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○ のんちゃんの臨床心理士受験記

臨床心理士二次試験も残り1日になりました。そこでのんちゃん@jungphyschology から令和3年度の臨床心理士の二次試験の内容を聞くことができました。

彼女とは情報交換をすることが多いのですが、去年は臨床心理士一次試験に涙を飲んだものの、今年は再チャレンジです。

「民間資格だけど、33年間の歴史があり、河合隼雄先生が心理の専門性を担保した資格だし、臨床心理学の専門家といえば、やはり臨床心理士だと思っているので、全力を注ぎます!」とのんちゃんはやる気に満ちていましたので、今回の二次試験の内容について書いてみます。

※ 彼女は公認心理師の大切さも重視していて、資格を取得済みです。そこについてこれまで語ったことは割愛します。この記事は公認心理師のみの有資格ホルダーや目指している人をdisる目的でUPしているわけではなく、今後の臨床心理士試験受験者に役立てるために書いているものです。

以下のんちゃんの語った内容をそのまま記します。

2次面接試験質問項目

①現在の職場の、発達支援センターでは、どのような仕事をして、いますか?

②臨床心理士の4つの業務の中であなたの中で足らないところ、課題は何ですか?

③大学院時代のケースはどんなケースを担当しましたか?印象に残ったケースは、何ですか?

④心理査定は、どんな心理査定が行えますか?

⑤臨床心理士一次試験は、どのような勉強をしましたか?

⑥福祉領域では、あらゆる多職種連携が必要になると思いますが、どのような連携をしていますか?

⑦臨床心理士資格を取得して、将来的学びたい、やりたいことは何ですか?

去年受けてないのですか?があり、去年は、一次試験で落ちたこと話したら、どんな一次試験勉強しましたか?になりました。

どんなSVを受けていますか?


だそうで、「最後には普通の質問内容であり、圧迫面接ではありませんでした。最後に、臨床心理士として頑張って下さいと言われました。」

とのことでした。

僕が臨床心理士資格を取得した際は心理テストの勉強会でとてもお世話になった先生が試験委員でお互いに「あ」と思いながら試験を受けたものですが、今は試験委員と受験者の地域をバラしてそういうことはないようにしてあるそうです。

前に書いたことがあるのですがフリーの心理職やライターとしてぶらついていた僕はこの資格を取らなかったら果たして心理職としてやっていたかな?とも疑念に思うところで、資格を取得してから本格的に心理の仕事の面白さを知ったような感じもあるので、この資格を取得できたことには感謝しています。

試験委員の最後の言葉は臨床心理士としての活躍をのんちゃんが十分に期待されているのだということを指していてそのとおりになって欲しいと思っています。

日経メディカルの記事

公認心理師等の活用で療養と就労の両立支援を促進へ
でも公認心理師「等」で臨床心理士も診療報酬算定の中に入っていくようです。

中央社会保険医療協議会総会と言えば医療保険点数の算定を行う大変実権のある機関です。

以下同記事から引用

「看護師や社会福祉士が患者の相談支援を行った際に算定できる相談支援加算は現在、公認心理師(臨床心理士)や精神保健福祉士が担った場合には算定できない。しかしこうした職種が両立支援に関わった場合の利点が指摘されており(図2)、対象職種として拡大する案が提示された。同様に、医師または看護師が患者の心理的不安を軽減するための面接を行った場合に算定できるがん患者指導管理料についても、さらなる心理的支援の重要性が指摘されている。」

と公認心理師同様臨床心理士の活躍も期待されています。

スキマ世代の方々もいて、臨床心理士資格一本でやっていく人もいることを考えると朗報でしょう。

のんちゃん始めさまざまな人々が臨床心理士資格や公認心理師資格などの心理資格を手にして現場で頑張ってやっていって欲しいと思います。

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公認心理師試験・この時期のモチベーションの上げ方

1.はじめに

この時期は微妙に難しい時期です。試験まで時間があるようでまだ大丈夫かなと思ってしまう。基礎心理から勉強しようとすると、だいたいにおいてとりかかりの基礎心理はそんなに面白いものではないので(まず心理学史からやり込むと面白くなります。)なかなかとりかかり始められない。

どこからスケジュールを組んで勉強をしたらいいかわからない。再受験はがっくりとしていてなかなかモチベーションが上がらない。そんな受験生の方々のお役に立てればと思い本記事を書き起こしている次第です。

2.とりかかるためのモチベーションの上げ方

「なぜ公認心理師になりたいのか?」原点に戻って考えてみましょう。心理学部、心理学科に入った時から心理職に就きたいと思っていた人も多いでしょう。

そうであれば突き進むのみ、ということになります。資格は武器になります。就職の際も国家資格を持っているということは相当なアドバンテージになります。特に病院勤務の人でも福祉、教育領域の人でも心理職としては一目置かれるのではないでしょうか。

今は過渡期なので臨床心理士の方が資格として強いですし知名度もありますが今後10年経つとどうなるかわかりません。最近では茨城大学が臨床心理士養成課程を廃止して公認心理師のみにしました。

さて、心理職でない他の仕事をしながらこの資格を取ろうとして来た人たちと僕はずいぶん話して来ました。合格者も不合格者もいます。この中には心理職に自分のアイデンティティを感じ、実際に心理職に転職した人もいます。

意欲も相当にありますが、やはり心理専攻でない人が公認心理師の幅広い分野を学習していくことには困難さがあるでしょう。それでも「公認心理師になりたい」のはなぜでしょうか。

他職種の人たちの熱意はかなり高い、というのが僕の感想です。心理学の国家資格を取得して臨床心理スピリットを現在の仕事に生かしたいという人たちです。

ともすると他職種の人たちと心理職は共通原語が乏しく、コミュニケーションに齟齬が生じることがあります。

この辺りに批判があるのは知っていますが「経過措置」として公認心理師法で認められた合法的な受験者なので「多職種連携」がスムーズになるということが期待できます。

「どうして自分はこの資格を取りたいのか」自分に向き合うということが大切だと思うのです。

3.スケジューリングを作る

どんなに勉強が得意な人でも、例えばブループリントのわからない用語を徹底的に調べていたら試験までに間に合わないでしょう。

過去問を解いていればわかるのですがブループリント小項目に掲載されていない問題は多く出題されています。大項目で「健康・医療に関する心理学」であれば心身症のうち何を出題してもそれは試験委員の自由です。

過去問をやる→テキストをやる→ブループリントを調べる

どこからとりかかってもいいですし、スケジューリングは行っていきながら修正に修正を重ねていけばいいと思います。

やり方は人それぞれですが勉強をしていくうちに見えてくる、やるべき分野を克服していくことがきっと役立ちます。

4.「勉強癖」を身につけるには

「勉強をしない」「キライ」ということではこの試験は合格できません。かなり熱心に勉強していた人でも不合格の憂き目を見ています。

ですので「2」と共通するところもあるのですが、直接この資格試験と関係が薄そうでも(でも試験に出ることは十分あり得る)事例センスを磨くために興味のある分野のニュースを丹念に読んでおくことでも、何でもいいので「机or調べ物をするためにPCでもスマホでもそこに向かって関連のありそうな知識をインプットしていくことが大切になるかもしれません。

そして「調べ癖」をつけておくとインプットの仕方は上手になるでしょう。

5.仲間作り

以前にも書きましたが同じ目標を持つ仲間がいると勉強する意欲が湧いてきます。もちろんこれは人によるので、あくまでも自分のペースでやりたいという人はそれでいいと思います。

グループチャットシステムはあちこちにあります。合格者の人が受験生に教える、またはZoomでもそういった試みをしている場合もあります。少しでもそういった機会があれば食いついていってもいいのではないでしょうか。

6.結語

どうしてもモチベーションが上がらない人は模試を受けてみるのもひとつの手段です。その結果焦ることができたら合格への道につながります。結局のところこの試験に合格したければ無理やりにでもモチベーションを上げて勉強をしていかなければなりません。

冒頭に書いた「なぜこの資格を取りたいのか」という自分に向き合うこと、これが第一だと思います。こういったメタ認知ができないとならないと思うのです。とても厳しいことを敢えて言いますが「自分に向き合えない人は試験にも向き合えない」と考えています。

さて、思いつくことをつらつらと書いてみましたが今この時期のモチベーションを上げて合格への扉を開けられる人はぜひ頑張って欲しいと思うのです。

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