ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2021年10月

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【令和3年10月29日14時】第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表
※ 公認心理師試験解答及び合格者内訳については思想・学術的意図が入っているものではないため、この図表は著作権保護の対象にはなりません。(2021.13.31公益社団法人著作権情報センター照会)

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GO!GO!僕らの原田隆之さん。野良カウンセラーについて大いに語る

1.はじめに

今日は第4回公認心理師試験の合格発表日です。そこで僕も満を持して年間3日ぐらいしか消化していない、なけなしの有給を今日は取得しているので記事の執筆三昧の1日を送ろうと思っているわけです。

さて、原田隆之さんという臨床心理学担当の大学の先生がいます。あまり詳しくない方もいらっしゃるのではないかと思い簡単に説明しておくと一橋大学で社会学を専攻(略)現在筑波大学教授で(略)また「公認心理師の会」の司法なんちゃらの委員で(略)と大変どえりゃー先生であることは間違いありません。

2.原田さんの今回の記事

原田さんはインターネット上に定期的に記事を書いています。今回の記事は「野良カウンセラー」についてです。いわく、臨床心理士や公認心理師を取得した、キチンとしたトレーニングを受けたカウンセラーに比べて資格のないカウンセラーを「野良カウンセラー」と呼んでいます。

原田さんが言うとおり開業している「心理カウンセラー」はネット上で探す限り有資格者よりもアクセスしやすくなっています。

ちな、「カウンセラー」で検索をかけたところGoogleさんにお金を払って広告を掲載してある民間カウンセリング機関がいくつも出てきたので、さすが原田さんだと感心している次第です。

まあぶっちゃけ言うと原田さんは無資格カウンセラーは「先生」と呼ばれて肥大した自尊心を満たしたいとかそんな理由でカウンセリングをやるのはけしからんとか、トレーニングを受けていないのだからアセスメント(心理査定)ができないとか、無資格カウンセラーのことを徹底的にdisっています。

というわけで僕も原田さんがそんな認知の歪んだ自尊心を持っているはずがないので「先生」ではなくてさん付けで呼んでいる次第です。

また「野良カウンセラー」だけでなく、勢い余って臨床心理士等の「有資格者」に対しても自己流でフロイトやユングを解釈して勝手に使っているのはいかがなものかとか、認知行動療法家でもないのに数時間研修を受けただけで認知行動療法家を名乗るように我流で使っている、認知行動療法をやるならば数百時間の研修を受けるべきだと、同一職種に対しても返す刀でバッサリと切り込んで激おこしています。

まあそうですよね。平均年収300万以下が半数を占める心理職はきっと借金をしても自己破産をしてでもきちんとしたトレーニングを受けなければなりません。

きっと何年もかけて教育分析を受けて立派な精神分析家になったり、ユング研究所に留学してユング派分析家になれば原田さんも大喜びなのだろうと思いました。

あ、そうだ。原田さんが言うように日本はメンタルヘルス対策に300億円ぐらいかけて2〜3兆円に上るメンタルヘルス損失を防ぐべきだと。

そうであれば2〜3兆円の損失を回避するために国費で全ての有資格カウンセラーに数百時間のトレーニングを受けさせるお金を出してもらおう、もし原田さんがそれを公約にしてワンチャン今回の選挙に出馬していたならば僕は迷うことなく原田さんに投票していたことでしょう。

そうすると原田さんが「原田先生」になれたのに、と実に惜しい気持ちがしました。

原田さんは、野良カウンセラーが非常に宣伝がうまくホームページもキレイに作成している、それが人気の秘訣とも書いてありましたし、数万円のカウンセリング料金を取るのもけしからんと書いていました。原田さんが300億円出すべきだと言ったので、どこにその財源があるのかさっぱりわかりませんし、どうやって誰が財務省を説得してくれるのかもわかりませんが、そこは原田さんの手腕に任せましょう。

原田さんが認知行動療法以外の心理療法をdisろうとしているのはきっと僕の勘違いかもしれません。あと、原田さんが自分の流派以外の認知行動療法に対しても、なう激おこなのもきっと僕の勘違いなのでしょう。

まさか原田さんが自分の信念と異なる心理療法は全て否定して「原田療法」原田ン療法をやりたがっているなど、そんなことがあるはずはないのです。

原田さんのいつもの原田節は非常に耳に心地良く、血圧が上がりそうな感覚がするのもきっと僕の気のせいで、きっとその声を聞いたらASMRとなって何度聞いても同じ主張を繰り返す快感にきっと寝入ってしまうでしょう。

3.おわりに

僕は原田隆之さんの快刀乱麻を斬るような主張を何度も宣伝しています。そしてこの原田さん記事は実はなかなか人気があるのです。

今回も「野良カウンセラー」というなかなか誰もが思いつかない用語を作り出した原田さんのセンスには感心せざるを得ません。

決してTwitter界隈で揶揄されていて品のない言葉だと思われて、いくら誹謗中傷を受けていても僕は原田さんにずっとつきまとってついていくつもりです。

最後に一言、これだけ原田さんの宣伝をいつもしていますが、全くの僕の善意から行っていることであり、

謝礼はお断りさせていただいておりますのでどうぞお気遣いなく

今後とも舌鋒鋭い原田さんの言説を楽しみにしている次第です。新公認心理師になれたみなさん、これから(僕はあまりに山が高すぎてムリですが)原田さんのような立派な臨床家を目指していきましょう。

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公認心理師必要数>登録者数が意味するもの

2021.9月末現在で公認心理師登録者数は42,678人です。公認心理師資格創設まで最も心理職の民間資格として数が多かった臨床心理士推定稼働人数32,000人、ほか臨床発達心理士、学校心理士、特別教育支援士等を含めると心理職の稼働人数が5〜6万人というのは、公認心理師カリキュラム検討会の試算ですが、だいたいこのぐらいの数値でいいのかな、と思います。

来年度でGルート受験の経過措置は終わるのですが、合格者人数は確かに6万人程度は欲しいものだと思います。

というのもこの経過措置Gルート登録者(決してdisっているわけではないので誤解なきよう)の中には他職種の方々も多く、この資格を取得したあとに心理学スピリットを持ちながら元の職種で働く人も多いと思われます。

元々心理職の国家資格として創設された資格なので、もし心理職全員が公認心理師を取得していると仮定するならばどうしても人数が足りないです。

以前書いたように(カリキュラム検討委員会でも言われていたとおり)、僕の周囲にもいたのですが、もう心理職を退く年齢になって来ていて先が見える、もう現在の資格で心理職として十分やっているから公認心理師はわざわざ受験しないという人たちがいます。

どの資格、例えば医師は毎年8千人近くの合格者を出しています。どんな職種でも引退していく人たち、職を退く人たちはいます。

多分、ですが2024年、公認心理師養成大学から大学院を出た「純粋培養組」の毎年の合格者数が1,000人程度と仮定すると、ちょうど引退者数を新卒者が埋めていくことになるのではないでしょうか。

専業の心理職として転職して多分働いて行かないであろう教師、看護師etcが相当数多いことを考えると、公認心理師数≒心理職数とは考えにくいです。多分第4回、第5回の試験だけでは必要公認心理師数は足りない数になってしまうのではないでしょうか。

これにはメリットとデメリットの両方が考えられます。メリットとしては、年収300万円以下が50パーセントを占める心理職の待遇が改善されていくことが見込まれます。

医師も日本医師会の意向で合格者数をかなり抑えています。過当競争で医師が余るのを避けるためです。

この人数抑制策に失敗したと僕が見なしているのは専門職の中では歯科医師、司法試験です。

ご存知のとおり都市圏における(郊外・地方も)歯科医院はコンビニより多く、次々と廃業しています。全額自費医療のインプラント等の審美歯科が経営に成功しているかというと、僕のような門外漢やさぐれライター崩れが安い値段で宣伝文を書いていたことを思うと「?」と思います。

ちなみに勤務歯科医の平均年収は300万円と言われています。私大なら卒業まで数千万円の学費を支払い、64.6パーセントの合格率(最さ新)をくぐり抜けても、です。

司法試験はさらに大変な状態になっていて、合格者数を増やしたためにサラリーマン金融に過剰な利子を払った人たちに対する払い戻し請求をネカフェに泊まりながら行っていた「ケータイ弁護士」も生まれたのですが、その後どうなっていくのでしょうか。

大変失礼なことを言いますが、心理職は元々ろくに食えない仕事のように思えます。何の理由かわかりませんが(試験に受からない、取得しようとしないetc)数が足りなくなると、今ですら「有資格者の心理カウンセラーってドコ?」と思う国民が多い中で、心理職とカウンセリングを受けたい人の距離はますます離れてしまうでしょう。

さて、長々と前提を書いてきたのですが、やはり公認心理師の数は多分第5回試験を経ても不足しているような気がします。

国家資格なのであまりに試験レベルのクオリティを落とすわけにもいかない、しかしながら出題範囲は決まっているので、地道に過去問を解いていけば正答できる問題も増えました。

あまりにも出題範囲からかけ離れた難問奇問ばかり出していたら何の試験かわからなくなってしまいます。そこである程度の難易度にしてある程度の人数が合格できるように調整していることは想像に難くありません。

元々この試験は入学試験のように定員が決まっていて、倍率が高ければ上位点数者から順番に合格させるような「落とすための試験」ではありません。6割きっちりと正答が取れれば合格できるという資格試験です。

僕は第1回受験者で正答率「6割程度」というのは何割なのだろうか、予備校の出している正答例は本当に当たっているのだろうか、この公認心理師制度、公認心理師試験制度や難易度はどうなっていくのだろうか、国家は心理職について何をどう考えていてどういった方向に舵取りをしていくつもりなのだろうか、という素朴な疑問からこのブログを書き始めました。

令和4年度には公認心理師制度の見直しが始まり、その中には試験制度も入っているものと思います。官側ではこの第4回試験もひとつの試金石として公認心理師数を充足させていくように工夫をした結果が今日の試験結果に反映されていくと思うのです。

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第4回公認心理師試験合格発表カウントダウン

1.はじめに

といっても新たに何かすることがあるわけではありません。ただし発表直前、今回の試験の論点や特徴を整理してみます。

2.割れ問の扱い

各社解答速報で正答例が異なっている「割れ問」がありますが、この正答が気になります。

問146.いじめで不登校になった子どもについてまず公認心理師が教員に最初に確認するべきこととして②欠席日数、なのか⑤学級における児童全体の様子、なのか。

プロロゴスでは根拠を示して解答を②と発表しています。

プロロゴス、公認心理師試験解答修正2021.9.21版
(拙ブログ記事)

また、最終問題問154
望まない妊娠をした18歳の女性が産んだ乳児をこの時点で措置するべき措置先として(2正答肢選択問題)
①乳児院、は鉄板としても

②里親委託or⑤母子生活支援施設

のどちらが望ましいか、ですが僕は子の福祉を重視して里親委託にしました。母親が乳児と一緒にいることで母性が育つことを期待してか⑤選択肢が望ましいという見解も多くあります。

公認心理師試験割れ問・里親委託・母子生活支援施設
(拙ブログ記事)

この最終問題154は専門家の中でも意見が割れていることから不適切問題として扱われる可能性もあります。

この試験の6割ボーダーラインが138点であることを考えるとギリギリの点数の受験者にとって6点というのはかなり大きな点数です。

3.今後の方針

特にGルート受験者は来年が最後のチャンスになります。合否境界線上にあると思っている人は、ルートにかかわらず勉強を始めている人もいます。

それはあと半年あまりという次回試験日を念頭に置くと、かなり適切のような気がします。また、こういった合否線上、または今回の試験は無理だっただろうという人が再受験を考えている場合、もし途中で勉強に休憩期間を挟んでいたとしたら早目にまた学習を始めることが賢明でしょう。

何度も書いているのですが一度試験に落ちていると「落ち癖」がついてしまいます。何回か受験をしてみて点数が上がらない、あるいは点数が低くなってしまうという人には何か理由があるはずです(勉強時間の致命的な不足等)。

その見直しをしないと「今度の試験は最後だから簡単になるだろう」というような根拠のない楽観的な見通しは禁物になります。

4.メンタルコンディションの管理

ダメだっただろう、という人が必死で学習を再開するのは合格に近づくにはとてもいい方法です。というかそれ以外の方法はありません。

僕は「問題レベルがやさしかった」と言われ続けている第1回受験者ですが、各社予備校等の解答を見て「まあ大丈夫だろう」という点数が出ていても不安でたまらなかったです。

受験番号を職場のホワイトボードに書いておいたりスマホのメモ帳にも残しておいたり、合格番号が通知してあるサイトを何度も見に行ったりと相当強迫的になっていたのを覚えています。

かなりホッとして安心できたのは合格通知が来てからです。そういう心持ちで過ごしている方々も多いのではないでしょうか。

マークシート式の試験というのは無情なもので、その人が行ってきた努力の時間を測定するものでもないですし、勉強したけれども試験に出なかった領域について特別に得点加算もありせん。

合否どちらにせよ気持ちを切り替えてまた元の生活に戻っていかなければなりません。

心理学専修者以外にとっては6年間分の学習をここで補填しなければな、ないのですからかなり難関の試験です。知っているGルート他職種の方でどうしてもこの試験を通りたかった人は家庭を犠牲にして、自身もふらふらになって受験をしてなんとか合格したとのことです。

今回そうやってたゆまぬ努力の結果として(ルートは何でも)合格を手に入れる人もいるでしょう。

また、そうした尊い努力をしても結果が報われない人もいるでしょう。そういった人たちは、この次にどうするか、迷うところはかなりあるものだと思います。

5.結語

話が少し飛躍するかもしれませんが、以前臨床心理士の資格を持っていてもその資格とは何ら関係ない仕事について幸せに生活している人たちを何人か見たことがあります。

この試験の困難さに次の受験を諦めた大学教員も何人か知っています。

つまりどんな選択をする、したとしてもそれはその人なりの考え方と生き方を示しているものです。何事にもコストパフォーマンスというものはあるわけで、生活を全て犠牲にして公認心理師資格を取得しようとするのも本人の自由ですが、それだけの価値がその人にとってあるかどうかということを考えてしまいます。

いずれにせよ明日の発表を待つしかないので、迷っている方はまた明日考えるチャンスがあるのだということを前向きにとらえることもできるでしょう。

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日本心理研修センターから10月27日付けで合格発表通知方法についてのお知らせが出ています。

第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)に係る合格発表について

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