ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2021年06月

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とある心理職の1週間(ひなた編)

◯はじめに
前回と同じようにネタにつまったので自分のことをサラサラと書きます。前回思いのほか評判が悪かったのでまたやります。

1.月曜日 (この前書いたのでry

2.火曜日

カウンセリング 5 件をやって泣きそうな気分のまま帰宅する。なぜならば僕は人間がキライで人の話を聞くのもキライでついでに人間嫌いでコミュ障でそれでも一人でいることができないからだ。ウィニコットが言う、一人でいることに耐える能力をどこかに置き忘れてきてしまったに違いない。仕方なく友達に片っ端からラインをしてみるが男女とも何の返信もない。

ふて寝をしていると妹からメールが。病身の父が遠方になんだか権利関係が面倒な猫の額ほどの土地を持っていて、その処分のために保証人が必要とのこと。「保証人、おばさんに頼んだけど断られた。私は遠距離だし、司法書士の先生から言われたけど父さんの子どもがやった方がいいと思うの」と相変わらず迂遠で詳細な書き方をしている。

「お前が困るなら俺が保証人になってやっても構わない」と上から目線で帰すと返信がない。

ちなみに僕は妹の LINEを知らない。友人たちに出すように「時間があるから LINE してやってもいいけどどうする?」と誤爆したら大変だ。そう言えば今借りている借家の保証人の期限が切れそうなので妹に頼むという約束を以前からしていたのを思い出す。

「拝啓 妹様 従前からお約束していた借家の保証人についてですが…」「なってやってもいい」と返信が来る。妹は看護師なので父について医学用語満載でメールしてくる。全部わかる振りをしているが実はよくわからない。そこで法律用語で返信するとわからなくなるようだ。いつもささやかな戦いに勝って虚しくなる。兄妹でどうしてこんなに性格が違うのだろうかと思う。

3.水曜日

今度は心理テストをやる。WAIS-IVをやってて、最も仲の悪い心理士が作った自動計算ソフトがよくできていて素点を入れるとほとんど計算してくれるので重宝している。仲が悪くてもいいところはいいと認める。われながら人格者なのかもしれないと思う。

今日は WAIS day と決めていたので一気にやったらまるで自分の知能がどんどん低下してきたように思う。マスク越しにただでさえカツゼツが悪いのに聞き取れない患者さんはかわいそうだと思う。そう思ったら変えればいいのに「人間そんなに簡単に変わるものじゃない」と言い聞かせて認知のゆがみを正す。認知行動療法には尊敬する先生たちがたくさんいる。

心理テスト結果の解釈は明日にしよう。職場でA-ADHD テストを買ってもらったので試しに自分でやってみたらほぼ満点。見なかったことにして帰宅する。

4.木曜日

明日は整理収納アドバイザー1級も持っている先輩カウンセラーの先生が職場に来るなあと思ってかろうじて床の見える自室の写真を撮る。

Y先生と共同で持っているケースについての打合せをひととおりした後、先生に部屋の写真を見てもらうと「まあ、こんな片付け甲斐のある部屋なんて素敵」とキラキラと目を輝かせながら言う。

この人は変態かもしれないと思いおそるおそる「あの、おいくらで」と聞くと「こんな素晴らしい部屋、お金なんて要らないから片付けたいなあ。でも遠いからなあ(先生は少し遠方に住んでいるのでカウンセリング以外に休日に仕事をさせるのはかわいそう)目をキラキラと輝かせているので、やはりこの人は変態かもしれないと思う。そう言ったら「変態上等、ひなた君のような重病じゃないから」と言われてとても納得をした。

5.金曜日

今まで避けていた上司にオンラインで心理臨床学会に出るから8月と9月に休みが欲しいというと途端に険悪になる。「お前、俺がコロナ対策でどれだけ苦労しているのかわかっているのか、だいたいそういうことはコロナが始まる前に言え」とかなり怒られたのでお互いに無言のままPC に向かう。

「先生、今度これでもオリンピックやるんですよねえ、すごいですねえ。先生も大変なわけですねえ」と言うとマシンガンのように今度は語り始める。なぜか話題がスライディングしてそのうちに上司の母校の○應義塾の話になる。この話はまだ 100回ぐらいしか聞いていないのでそれほど飽きていない。

5.土曜日

月イチ程度、ごくたまに食べに行くラーメン屋に行く。そうしたらマスターが「毎度どうも、今日は私服ですか、いつもスーツなのに珍しいですね」とニコニコしながら挨拶してくれる。味噌ラーメンを注文して「味噌は味の調整が難しいから、味薄めっていうのは本当はやっていないんですけど、常連さんだけにはちょっと工夫しているんですよ。」と言われてとても感心する。

僕なんぞは街中やスーパーで患者さんから声をかけられても覚えていないことがある。カゴをのぞき込まれて「お、今日は半額のネギトロで一杯ですかい」と言われてドギマギしながら「あ、えと、いやネギトロ丼を」と言う。「あれは一体誰だったのだろう」と顔も名前も忘れていて、われながらひどいなあと思う。

6.日曜日

本格的に眠いので寝る。今日は土曜日で明日も休みで嬉しいなあと思ってスマホを見ると「日曜日」とあって驚く。なんだか1日損した気持ちになった。そう言えば日曜昼からクルマ屋さんに修理の申込みをしていたのをすっかり忘れていた。また明日電話しよう。

7.まとめ

心理職といっても勤め人なので毎日とてもつまらない、エキセントリックとは縁のない生活をしているのがご理解できたのではないかと思います。僕は性格的にも普通で、貧相で冴えない生活をしている何のとりえもない人間です。もっと私生活を充実させなければいけないと切に思っています。

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mugiwara.

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◯ 心理臨床学会対面大会中止のお知らせ

定期であちこちの心理関係のホームページなどを巡っているのですが、すでに6月15日に

第40回大会における対面大会(8月19日)中止のお知らせ が出ていたようです。 

いわく

2021年6月15日

会員 各位

一般社団法人 日本心理臨床学会
理事長 藤原 勝紀
大会委員会委員長 伊藤 良子
第40回大会実行委員会委員長 岩壁 茂

第40回大会における対面大会(8月19日)中止のお知らせ

 第40回大会は、対面大会を8月19日、Web大会を9月3日~26日に行う予定で準備してきたところでございます。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない状況等に鑑み、対面大会については開催しないことといたしました。
対面による事例研究を大切にしている当学会としましては、苦渋の決断ではありますが、ご理解いただければ幸いです。
なお、Web大会は予定通り開催いたします。


とのこと。

(電話)

僕:ど、どどどうしよよよ。合わせて全国研究会の予定してたのに(極めて小さな研究会・動揺を隠せない)
僕:というわけで森林の対面大会中止になってたから、研究会も中止にしないと
A子:えー、こっちは会場とか取っちゃった。キャンセルしなくちゃ。キャンセル料かかるのかしら。メールの連絡網でひなた連絡して!
僕:え、呼び捨て?!ま、そりゃいいんだけどやべーなー
A子:早くしといて。ワタシ会場キャンセルするから
僕:うい

というわけでコロナのせいなので仕方ないのですが、これが国のワクチン政策が少しでも進んでいれば、いやうちの新卒臨床検査技師B君に聞いたら「うーん、日本人の7割ワクチン接種しないと集団免疫は獲得できないんじゃない?」とのこと。    

まあ確かにそりゃそのとおりですが、ワクチン打つのも打たないのも個人の自由、ワクチン打たない人々、特に医療機関では退職を余儀なくされているワクチンハラスメント(ワクハラ)も起きているようで、まあこれはこれで強制するようなものではないわけです。

例えば病院に行きたくない人に職場が「行け」ということもできないし、その逆に行きたい人を行かせないこともできず、それはまるでホスピタルハラスメントのようなものになるわけです。

ということでまた休暇を取っておうちでポテチやマックを食べながらの学会参加になりそうですが、予定通りポスター発表もあるようです。

現に2021.6.28現在全国1,283人の新規感染者が出ているわけですし(これでオリンピックやろうとしているのがすごい)オリンピックには妙に(別の意味で)感心しました。

ここから先は(未確認・学会事務局はコロナ禍で電話通じない)よくわからないのですが、このページを見ると口頭発表、自主シンポジウム、「コロナ禍における「心理的な困難」に関するアンケートご協力のお願い」(6月末日予定・おい早すぎるだろ)とか「「日本心理臨床学会 2021年度 会員動向調査」ご協力のお願い」(こっちは9月末日)もあるので時間ないながらこっちには回答しようと思っている次第です。

まあ6月15日発表ということで遅まきの記事です。だって僕がYouTubeを忙しく見ている間にTwitterに流れてなかったもん。もう知っている人は当然知っているわけですが、口頭発表(を聞きに行く)予定だった人は早めにホテルをキャンセルしておきましょう。

特に勤務先からお金や特別休暇が出る人はいくらバレないだろうと思っても僕の100万読者を誇るブログからあちこちに情報が流れたら(その前に心理臨床学会ホームページを見て)バレてしまうのでまあしゃあないなと思う次第です。

情報は早めに収集しておくに越したことはないなと思った出来事でした。
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臨床心理士・公認心理師あるある(職場編)

1 序

以前「公認心理師・臨床心理士・心理職あるある」を書いてみたのですが、意外と好評でもなく不評でもないフツーの記事だったので、みなさんの熱いリクエストに応えてその続編を書いてみます。僕や他の人(了承済)の心理職の方々の個人情報保護のため、2パーセントぐらい改変して書いてあります。

2 職場でやらされることが違う

(1) Aクリニック

院長:いやあ、うちは心理の人に本当に来てほしかったんだよね
Bさん:ありがとうございます
事務長:じゃ、まず受付やってもらうから。患者さんが来たらカルテ出して、それから日付スタンプを押して、院長室のカルテ入れに入れて、それからまたカルテがこっちのドアから出てくるから、処方箋このレセコン(レセプトコンピュータ)に打ち込んで。カルテに「1do」と書いてある場合にはふせんの薬そのままで、何も書いてなかったらそのままで、「2do」になっている場合にはまたふせんの薬そのまま出してね
Bさん「はあ」
事務長:うちの院長、ここでクリニック出すのすごく借金したりとか苦労したのよ、だから頑張ってね
Bさん:あの、心理検査とかカウンセリングは
事務長:ああ、うち、心理の人にはインテーク(初回面接)やってもらっているのよね、受付2人いるけど、あんまり受付1人にしておくと大変だから、ちゃちゃっと 15分ぐらいで終わらせてね
Bさん:はあ
B さん:(午後9時なのに仕事終わらないなあ)
事務長:ほら、うち新設のクリニックだからほかのところに負けないように、勤め人の人が夕方来られるように他のクリニックに負けないように夜遅くまでやっているのよ
患者 D さん:いやあ、こんなに夜遅くまでやっていると仕事終わってから来られるからあ
りがたいなあ
患者 E さん:あの、私5時半に予約してたのに、そっちの都合で「夜間加算」っての勝手に取って、ひどくない?
Bさん:あの、すみません、申し訳ありません
事務長:でね、うち、木曜と日曜休診になっているけどその日はレセプトやってもらうから
ね。 保険事務所に請求するやつ。間違ったらその分うちのクリニックの収入にならないから、きちんとやってね

(数カ月後)

Bさん:あの、なんか私ここの仕事についていけないからやめたいと思って・・・
事務長:あ、じゃあ院長に話してくるわね
院長:じゃ、お昼休みになったからBさん、話そうか
Bさん:かくかくしかじかで、私、ここの仕事に向いてないと思うんですけど
院長:(カルテを見ながら) B さん、適応障害だね。抗うつ剤出しておくから。仕事は休まないできちんと来てね
Bさん:あ

(2) 間に挟まれる

就労継続支援施設「イルツラF」(Gクリニック付設)

(面接時)
H:サービス管理責任者:うん、臨床心理士の人は利用者さんの気持ちをきちんとわかってくれるから期待してたんだよねえ。
Iさん:はい、あの、頑張ります
院長:せっかく雇ったんだからカウンセリンばんばんやってね。うちの病院、格安のカウンセリングウリにするから
Iさん:はい、頑張ります
H:サビ管(サービス管理責任者) I さん、フロアをカウンセリング、カウンセリングって勝手にいつも空けられると誰もフロアにスタッフいなくなって困るんだよねえ
Iさん:はい、すみません。
H:サビ管は毎日請求立てたり、とにかくやる事務仕事が多いから、フロアにきちんといてくれる人がいないと

(院長)
院長: I さん、ペアレントトレーニングで集団認知行動療法ってできる?
Iさん:はい、前発達障害の親たちにやってたことあります
院長:うち、臨床心理士で生活指導員のIさんにいてもらうだけじゃ、赤字なんだよねえ、少しでも稼いでもらわないと
Iさん:ごめんなさい
院長:土曜診療だから、その後にペアレントトレーニングやってもらうから。そうだ、あと水曜の夕方もやってもらおうかな
Iさん:あの、何か手当ては?

院長:いやだからIさん雇ってるだけで赤字なんだから
Iさん:すみません
院長:うちのクリニックと就継はね、いろいろとまだ広げたいことがあるんだよ。今は額面20万円だけど、そのうちボーナスも出るようになる。額面20万のまま我慢していくか、それとも年収を全員1千万円取れるようになるかはわからないことだから。夢を持ってね

3. おわりに
今回、医療機関、クリニック2つについてだけ見てみました。クリニックというのははっきり言って院長が社長、采配を振るっている、いわばワンマン企業と同じです。こういった院長が労働法に詳しいわけはなく「明日から来なくていいよ」と言われたら本当にそのままクビになってしまいます。しかしながら他にやることがない心理職はどこに移ることもできず、そこにいたままになってしまいます。いろんな求人を見ていると「○○クリニック」と書いてあっても「本当に大丈夫かなあ」と思ってしまうのは僕がうがち過ぎなのでしょうか。

若い人は最初にこういったクリニックで経験を積むことも多いのですが、無理のないようにまずは自分を大事にして働いて欲しいと思う次第です。
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Hinata.

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(自称)タレント臨床心理士・公認心理師って・・・

1. はじめに

先日みたらし加奈さんの記事を書いたばかりですが、みたらしさんのことを今から書いているのではないということをまず誤解のないように明言しておきます。僕は、みたらしさんについてはかなりハイクオリティな創造性があって、結構なものを世に出していると思っているのですが(「マインドトーク」等)今はツイッターでも YouTube でも顔出し、DM で相談を受け付けたりと素人心理士が情報発信することができるようになっています。

2. タレント心理士(師)の実態

従前から犯罪者がなにかやらかすとドヤ顔で「この人は○病ですね。○障害ですね」と見てもいないのにさぞ診たかのようにメディアに出て来る精神科医や心理士にはげんなりとしていたのですが、別の意味でなんだか見るとがっくりと気落ちしてしまうような心理職の人がいることも確かです。

素人が手軽なにSNS 等に顔出し名前出し(匿名でも実名でも)いろいろと語れるのはまあいい時代と言えばいい時代です。実は匿名でも臨床心理の世界を語っても構わないというのは、「信用失墜行為がなければいいよ」と僕は個人的に思っているわけです(そういう公式見解を聞いたこともあります。)。

自分の営業がてら、まあそこそこ(問題性が高いということで)話題になっている心理職の人たちを見ていると、特に営業モードでクオリティが低いものを見ると(誤解なきように言っておくとツイッターでの僕のフォロワーさんはかなりレベルの高い人たちが多いと思っています)が、自営で相談受けつけますよ、何でもどうぞ、安くしておきますよ、なんなら無料でやりますよ(無料カウンセリングというのは初回だけサービスでやるもので、その後気に入ってくれたら有料にするのがセオリー)という人、そのうち成長していっぱしのカウンセラーになっていくのかもしれませんが…

この人乗り越えられるんだろうか…」という人もいます。SNS の怖いところは、トップに自己紹介、動画などを持ってくるとそれが一生無限のサーバーの世界の中に永遠に残ってしまうところです。

だからこそクオリティが高い、「あ、これすごい、クライエントさん(引きもきらず、じゃなくても)心理職から見て「いいな」と思うものを作って欲しいわけですが、「私が心理士になったきっかけわぁ」「こんなことやあんなことができましてえ、経験はぁ」「でもってね、私の趣味は○○でね」みたいな動画を見ると唖然としてなんだか出来の悪い、なんとかビデオを無理やり見せられているようないやーな気持ちにさせられてしまいます。

心理職が見る、セミプロ(プロではない) 開業カウンセラーへの目は厳しいです。そしてクライエントさんの見る目はもっともっと厳しいです。「無料です」「格安です」「私の趣味の話もしたいのでどんどん DM(メッセージ)下さいね!」というのを聞くと脱力してしまいます。

カウンセリングを受けたいという人がカウンセラーの趣味を知りたいと、一体思うのでしょうか?クライエントさんは自分の問題解決のために必死です。まあ僕がこんな駄文を書いていると「誰のこと?「どんな人」という疑問は当然沸くのでしょうけれども、ちょっと話題になっている人を例にしてあげただけで、もっともっとこういった自称、タレントになりたい心理士は多いんだろうなあ、これからも出て来るんだろうなあと思うと暗澹たる気持ちになるわけです。

心理職の開業の世界は大変厳しいです。まず自分を安売りしない。そしてニッチなところでクライエントさんの心をつかむ。「なんでもいいから、まあ相談に来てくださぁい」というのはタブーである、というのは心理職でなくても商売の基本です。いろいろな開業心理職の人たちの情報を見ることも多いのですが「素人?」と思う人もいます。

昔から多分そうなのですが、心理職、心理クラスタというだけで人が寄って来る、ということは全くありません。「子どもの相談に乗ります」「不登校の相談をします」「自分探しをしましょう」さて、そういったキャッチだけで「これは素晴らしい」と思える見込みクライエントさんがどれだけいることか、誰目線で誰をターゲットにしているのかわからない。何を目指しているのか迷走しっぱなし、という印象を受けてしまうわけです。

オンラインカウンセリングにしても、開業対面カウンセリングにしてもきちんとしたコンセプトがあって倫理基準がしっかりとしていれば構わないのです。先日の cotree の炎上のように経営者の理念がきちんとしていないと大変なことになります。cotree はあの舌禍さえなければいちおう機能していたシステムだったと思います。売り物はしっかりとした形になっていて欲しいし、質も高く、コンセプトもしっかりしていて欲しいいと思います。

3. おわりに

上記にあげたのは一例です。善意ある、きちんとしている心理職で SNS やメディアに顔出ししている人たちがダメだし、質の悪い人たちだとは思いません。だからこそ心理士そのもののクオリティが問われるようなことはして欲しくないと考えています。

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ᴛʜᴇ ᴀɴsᴡᴇʀ ɪs ɪɴ ᴍᴇ.

自分が選んだ道が正解かどうかを考えるよりも、自分が選んだ道が正解だったと言える未来を迎えにゆくことに目を向けた方がいい。あすのことは誰にも分からないのだから。

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下山晴彦さん、おまゆう公認心理師制度創設に至るまでの「仲間割れ」 

1.はじめに 

下山晴彦さんの臨床心理 マガジンi NEXT note、6月3日号 では国家資格公認心理師創設をめぐる「仲間割れ」について書いてあります。これはあくまで下山さん視点で、どうも医師団体と心理団体、そして下山さんの独自の視点とそれぞれ異なっているので検証してみます。

2.下山説(臨床心理マガジンiNEXT2021.6.3前掲から)

(1) 日本の精神医療の失態は精神病患者を長期に収容していたことから始まった。そこで厚生労働省は方向転換を迫られたが心理職を含めた多職種連携による包括支援を行うことになった。これは日本医師会や日本精神病院協会も合意をしていたよ。

(2) 河合隼雄先生は文科省と連携、医師の下で働く医療心理師と独立主体的に動く臨床心理士の二資格一法案を唱えた。(が、結局流れた※理由記載なし)

(3) 精神医療の問題があまりに深刻だったから公認心理師ができたんだよ。
New!(新説)

(4) この二資格一法案の中で臨床心理士を国家資格派にしようというのは河合隼男はじめとした強硬派・ユング派・精神分析派と医療と妥協しても国家資格化するという「妥協派」がありました(学歴要件には触れられていない。) 強硬派と妥協派の意見が遅れたから国家資格化が遅れたんだよ。強硬派が悪いんだよ。

(5) 日本心理学会(しもやみんの宿敵?東大の先生丹野さん率いる)が勝手に後出し公認心理師カリキュラム出して混乱しちゃった。そしたらね、医学とか法律とかいっぱい入れちゃったから、今の公認心理師試験が難しいのは日本心理学会を恨んでね。

(6)なんだか職能団体は2つになっちゃった。一つは日本公認心理士協会(医療との妥協派)
日本公認心理師の会(医療支持派-しもやみんの宿敵丹野さんの率いる団体)になっちゃった。僕は認知行動療法やってるからっていっても医療支持派「公認心理師の会」じゃないからね。

※ 二資格一法案からの歴史がすげえ書き換えられていて河合隼雄先生が全部悪いかのように感じるのは僕だけではないはずです。

3.日本精神科病院協会(日精協)の主張

※ここはただ「精神科医師」ではなく、精神科病院、クリニック経営者でなければ正会員になれないという、「お坊っ○や○団体」と口の悪い人は揶揄する団体です(僕は尊敬する精神科医師の先生方が星の数ほどたくさんいるのでそんなことはひとかけらも思っていません。思っていません。※大事なことなので繰り返しました。)

(1) 二資格の併存は現場の混乱を招くばかりだから僕らはとても困ったけれども反対してこの法案を流したんだよ。

(2) 「心理師」名の一法案にして医師の指示を受けるようにしようよ。

(3) 日精協は精力的にこの「心理師」の一資格一法案に対する働きかけを行ったことから、僕らの活動のおかげで公認心理師法は成立したんだよ。

4.日本心理臨床学会

(1) まず日本臨床心理学会というものがあってね、1964 年に国家資格の創設を目指して設立されました。しかし1969 年大会で、日本臨床心理士学会は資格問題について紛糾、理由は反権力闘争が盛んで、国家資格創設で心理職が権力を持つことで反対の声が強かったから。(現在でも日本臨床心理学会は「患者」の立場からの入会も認めています。)ということで学会は分裂。

(2) 1982 年に日本心理臨床学会が設立されていきなり国家資格を作るのは難しいからということで16学会が協力して日本臨床心理士資格認定協会が設立されて、臨床心理士資格が民間として 1989年にできた。(会長河合隼雄)

5.中間まとめ

あれ?下山説と日精協と日本心理臨床学会の言うことってずいぶん違うじゃん。というのが僕の印象です。だいたいにおいて下山説だと日精協が主張している医師団体側の働きかけが書いていないし、河合隼男先生が文化庁長官を異例の2期務めてその間に一資格一法案が進んだことも書いてないし、河合先生の尽力は「強硬派」になっちゃっているなあ、認知行動療法学派は公認心理師資格創設のためにナニを一体やった功績があるんだろう?というのが僕の印象です。

6.続き

さて、6月23日に下山さんの臨床心理マガジンi NEXTの続編 が出ました。

下山さんは、日本の心理職グループが対立分裂を繰り返してきたのでお互いに遺恨を残している、さて、そこで現場に出る心理職は基本技術として認知行動療法を学ばなければならない。「認知行動療法こそが心理職の共通言語になる。」とぶちあげている提唱してるわけです。

さて、この対談は伊藤絵美先生と下山さんとの対話となっているわけですが、伊藤先生は現在の公認心理師試験のあり方について否定はしていない。「認知行動療法は共通言語と(なり得るだろう)」という割とリベラルな立場、下山さんが「そうですよねえ、やっぱり認知行動療法しかないっすよねえ」と「あれ?伊藤先生付き合いがいいし真面目な性格なのは知ってるけど・・・いいように利用されているのでは?(あくまで個人の感想です。)

また下山先生は心理職が認知行動療法以外の技法を使うことも「仲間割れ」と呼んでいる…伊藤先生は自分の開業精神療法の軸として認知行動療法があることを紹介している、というそんな印象を受けてしまったのです。

お願い、
みんなワタシ(誰?)のために争わないで、特に下山さんはみんなと仲良くして!

というのが前回、今回の臨床心理i NEXT を読んだ印象でした。
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