◯ 憧れのステキなお医者様と結婚するためには
1.はじめに
医療業界の頂点、高学歴高収入、多少ルックスが悪くたってガマンしてあげる。恋愛上手なワタシが手ほどきしてあげる。あるいはこれだけSNSが発展しているとTwitterで片っ端からお医者様をフォローすると女性ということでフォローバックしてくれてお友だちになれるかもしれません。
お医者様はイケメンも多く、Twitterに顔出しをしている人もいるので「まあどうしよう」と想像して夢ふくらむかも知れませんが、ここで厳しい現実を知っておかなければなりません。
2.お医者様のお家柄は普通ではない
まず庶民とのお家柄の違いを見てみます。私大医学部だと学費は寄付金含めて6年6千万円ぐらいでしょうか。私大出身の先生は診察の時は威張らず笑顔で接してくれる先生方が多いのですが、それは育ちの良さというゆとりがあります。
おうちは代々お医者様、もちろんお義母様は超お嬢様です。お医者様の家系を辿ると普通ではありません。ウィキペディアに載っている政治家や有名大学の先生が親戚縁者に山ほどいます。
きっと憧れの先生はさらっと「ああ、叔父さんは◯商事の重役でね。」と話し東大慶應等エリート街道のご親戚も多いのです。
国立大卒のお医者様が庶民的かというとそういうわけではありません。小さなころから普通でないエリート教育を受けるには莫大な教育費がかかっています。国公立も私大も度外れた地頭の良さと努力と育ちの良さ&プライドを抱えているのです。
3.お医者の「普通」の結婚相手とは?
お医者様はもれなく超お嬢様と結婚します。お嬢様のお父様は最低でも年商数十億はある実業家でしょうか。これには理由があります。最初は勤務医としてスタートした医師もいずれは開業したいという夢を持っています。できれば借地貸しビルよりも自前の物件がいいですよね。
そして建物は内装ばかりでなく、手術をする、CTを撮るなど設備投資もかかります。CT1台4千万円ぐらいですね。リースでもいいですが内科、外科、普通の科でだいたい7千万円ぐらいは開業で飛んでいきます。勤務医は研修医が終われば年収1千万円は固いです。ただし勤務医は研修医に引き続いて無茶苦茶忙しく、医師も医師の世界で厳然としたヒエラルキーがあり、それを崩すことはできませんので、外科系などは主執刀医(あるいは監督役の副執刀医)に手術中に足を蹴っ飛ばされることもしばしばです。
早朝出勤、深夜まで帰れず毎週当直、早く独立して一国一城の主になりたいと思うのは当然のことでしょう。さて、そこで普通の家庭にお婿さんの開業資金を出せるでしょうか?
脳外科を開業したいと思ったら数千万円の CT スキャンのほかに1億近い MRI も必要ですし、患者が急変した時のために入院病棟も必要になります。
お医者様が結婚したいと思っているのは、いくら頭がよくて顔立ちがいいからといって、また、どんなに狩りが上手な肉食系でも容易には狩ることができない相手だということを覚えておきましょう。億単位でスポンサーになってくれるお嬢様、代々お医者様で婿に入ればそのまま病院の引継ぎができる、そろそろ引退して2代目に仕事を任せたい大先生(おおせんせい)の娘です。
もしくはお坊ちゃまなので家柄がハイパーエクセレントなご家庭のお嬢様なのです。これならば自分で勉強をしてお医者さんになった方が早いぐらいです。
4.婚活エージェントを利用する
さて、世の中には「医婚会」(仮名)などの医師と婚活をしたいという女性のためのエージェントがあふれています。どのエージェントも大都会の一等地のビルの中に大フロアの事務所を構えていますが、新卒医学部生は毎年8千人、世の中に結婚適齢期、上記の超高いハードルを潜り抜けてまだ未婚でいる男性医師がどれほどいるでしょうか。限られたパイを奪い合おうと思っても婚活エージェントに登録している男性医師の数は疑問に思えるところです。
その中でイケメン、高身長細マッチョなど自分好みの男性を選ぼうとしても無謀なことのように思えます。上記に述べたように、婚活市場に出て来る医師の結婚相手は超お嬢様というだけでなく美貌にあふれた 20 代前半の女性がほとんどです。「医婚会」で熱心にお見合いをしようとしている女性会員でごく普通の家庭に育った普通の容姿の20代後半から30代、果ては 40 代の女性がどれだけのパーセンテージで医師と出会って結婚できるかは甚だ疑問です。
5.注意点
僕は何かの間違いで医師の結婚式に出席したことがありました。奥さんは看護師だったのですが、新郎友人テーブルからは「あーあ、あいつ負け組だよなあ」と言う声が口々に聞こえました。知人看護師女性に「お医者さんと結婚したいと思ったことあるの?」と聞いたら「いやもうそんな夢を追ってる年齢じゃないから」と答えた彼女は20代後半でした。
確かに看護師さんも合コンで知り合ったほかの女性でも美人は多いでしょう。しかしひょっとするとひょっとしなくても医師にとってその相手はその場限りの遊び相手で医師はただのチャラ男という可能性も高いわけです。世の女性の方々はそういう不真面目な男性にはひっかからないで欲しいと思います。
とはいえくだんの看護師と結婚した男性医師は非常に真面目に奥さんと結婚したわけですし、「可能性がないわけではない」という、まだるっこしい言い方しかできません。実際に庶民の女性と結婚して幸せに生活している医師の家庭も多いわけです。
6.おわりに
日本と違って欧米では男女平等の考えが行き届いているため、男性医師の収入を当てにして結婚しようとすると「Why、なぜ君たちは自立して自分で稼ごうとしないんだい?」と言われかねません。それにお金を稼ぐ旦那さんが性格的に最高の旦那さんとは限りません。人格的に陶冶された方でない可能性も高いです。稼ぐ=奥さんにお金を自由にさせる、というわけではないのです。
それに年収 1 千万円の家庭というのは思ったほど裕福なわけではありません。東京23区のはずれや市部に自宅を買うと1億円、猫の額のように狭い家です。
それから子どもにお父さんと同じような高いレベルの教育を受けさせようとすると悲鳴を上げるような経済状態に陥ってしまいます。サラリーマンや自営業者でも年収1千万円稼ぐ男性はいます。時としてプライドが高く帰宅してからも「先生」扱いされたがるかもしれ
ないお医者様が最適な結婚相手かどうか、人は職業ではなくて人柄で見るものだということをここは強調しておきたいものです。
ひなたあきら
photo by ᴷᵁᴿᴼ' @PhotoKuro_
Tweet