
◯ 公認心理師・臨床心理士を高給で雇いたい採用側の本音
1.承前
以前「心理職がCOVID-19でやらなければならない事、自らをアピールしなければならない事」という記事を書いた時、日本心理臨床学会、日本公認心理師協会、公認心理師の会、日本臨床心理士会、東京公認心理師協会、以下神奈川、埼玉、北海道、宮城、愛知県、大阪、京都、福岡にそれぞれ以下のようなメールをしました。
拝啓 貴団体におかれましては時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、今回御連絡申し上げましたのは、COVID-19流行について心理職の活動の実態とそれに付随して心理職のあり方に関する提言です。
公認心理師は2回の試験を経て3万5千人あまりが誕生しており、心理職にとっては大きな追い風となっております。
そこでCOVID-19に関するメンタルヘルス対策にかかわっている心理職、緩和ケアや家族のケア、子どものメンタルケアは国際的にも極めて重要なものとみなされています。
そこで提案したいのは、COVID-19にかかわる、サイコロジカルファーストエイドを遠隔テレワーク、または前線で感染症対策を十分に行ってから不安を抱く人々に対する心理的支援を貴団体が有償無償にかかわらず積極的に行うことです。
また、心理職は現在、公認心理師が国家資格となったことから、全国各地で雇用のニーズが高まっております。
ハローワークのような公的機関、また民間の就職エージェント(例:Kaigojob.com、こころJOB(メディカ出版)、indeed、求人ボックス、コメディカルドットコム等)でもさまざまな領域で働ける心理職を求めています。
貴団体でも呼びかけを行って、現在休業状態であったり、資格取得しただけの心理職の方々、また経験豊富な心理職の方々を現場で雇用してもらえるよう、会員の方々に積極的に就労努力を促すよう、僭越ながらご提案させていただきたいと思います。
敬具
心理学bloggerひなたあきら拝
そこで4月27日埼玉県公認心理師協会からメール返信をいただいております。
ひなた あきら 様
メールをありがとうございました。ご提言に感謝いたします。
いただいた内容は理事会で共有させていただきました。
当会と致しましては、今回の未曾有の事態に、会員がさらに学び、
求められる場で支援を行えるようになるよう、発信の努力を続けて参ります。
また、心理的支援がいつでも誰でも受けられる社会になるように、
心理職の職能団体として、会員への意識への働きかけも含め、
どのような方策が取れるか考え、行政との連携なども含め努力して参ります。
今後とも宜しくお願いいたします。
埼玉県公認心理師協会
すでに紹介したのですが、愛知県公認心理師協会からも返信をいただき、当会は設立間もないのですが激励の言葉と受け止めて頑張ります。
という内容のものだったのですが、僕が求めていたのはCOVID-19への対応(もちろんこれは重要)で、各団体ともホットラインは引けなくとも少なくとも相談先を紹介するなど、さまざまな工夫をしているように思えました。
ただ、僕がこの質問で各団体に問いかけた後段の ハローワークのような公的機関、また民間の就職エージェント(例:Kaigojob.com、こころJOB(メディカ出版)、indeed、求人ボックス、コメディカルドットコム等)でもさまざまな領域で働ける心理職を求めています。
という点も重要だと思っています。COVLD-19があるからヒマ、なので魂の洗濯をするためにインドア趣味に没頭したり普段できなかった家族サービスをしたり、ということも大事なのですが、医師、看護師、臨床検査技師が文字通り命がけで仕事をしている中、心理職がその存在価値を示すことができなくてそれでいいのか?
ということです。僕も残念ながら内向きの情報発信が中心です。これを勝機にして、と火事場のなんとやらみたいなことは毛頭考えていませんが、COVLD-19が長期化するほど、そして今まで十分にダメージを受けた人々へのメンタルケアは必ず必要ということを臨床現場にいて肌で感じています。
さて、各領域で心理職を求めている現場では優秀な心理職が喉から手が出るほど欲しいということを先般聞きました。
オファー先が提示できる条件とレベルが高い心理職(はすでに安定した地歩を得ている)の乖離があります。今後実働心理職の数は僕の目算だとあまり臨床心理士が唯一の心理資格だった時代とは変わらないと思っているのですが、医療職内のヒエラルキーは変わらなくても、内向き、そして外向きのアピールもどうしても必要となってくる、公認心理師制度創設はその追い風となっています。
例ですが、国境なき医師団が求めているのは全くゼロから見知らぬ場所に派遣されて手洗いのための水もない、言語が通じない場所でもメンタルヘルス体制を構築できるだけの企画力がある人間で、精神科医をチームの一員として迎え、企画して指揮系統に組み込める堂々とした指導力です。
高い企画力と問題解決能力があってどこへでも出ていける心理職は心理職というよりはむしろ組織内起業者かもしれませんがそれが求められているのです。
開業心理領域の先生方はこれを十分ご承知のことと思います。
さて、僕が心理職に対して求めるのは、僕自身も心理職なのですが一般市民でもあります。そうすると心理の人にはこんなことをやって欲しいなあという期待もあります。内向けの活動だけでなく外向きの活動で、待遇をアップさせたければ心理職+αの企画力が必要になり、たとえば治験コーディネーター+心理はかなりの待遇が期待できます。リーダー的な役割が取れれば若くして年収1000万円もあり得ます。
今回のCOVLD-19についても公務員はボランティア休暇が取れますし、経験を積むことは外向きの能力を身につけることにもなります。
従来の心理職としての役割だけでなく、さまざまな能力を発揮できるとアピールできたらもっと心理職の待遇は底上げされてアップされていくものと思います。
photo&lyric by 𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ໒꒱⋆゚
白黒つかない
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色が映えるこの世界
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