ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

mars 2020

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◯ 公認心理師・臨床心理士は数学ができないと給料が安い?

AERAの3.23号が手元にあるのですが「入試でも仕事でも数学は捨てるな」というタイトルの特集記事があります。

早稲田政経入試が数学を必須科目にしたこと、メガバンクや大手生保が理数系出身者が増えてきている事が取り上げられています。確かに生保会社は東大ほか有名大学数学科から保険数理人(アクチュアリー)を採用しています。

アクチュアリーの仕事は高等数学を駆使するもので、加入者の掛け金、各疾病の発生率、企業としての経営が成り立つ数値を緻密に計算して他社よりも魅力的かつ保障が充実していると顧客が満足できる保険商品を設計しなければなりません。

数学科学部卒のアクチュアリーはかなり以前から採用されています。東大、京大、早稲田理工等有名大学出身者しか採用されていないのですが、各企業は建前として、学歴でアクチュアリー採用試験をしているわけではなく、数学の入社試験を課してたまたま優秀な成績を取った学生が有名大出身と言っています。

AERAでは将来的に、MARCH以上の大学でも数学必須となる可能性についてを指摘しています。考えてみれば、経営、経済、商学部は数理を使う近代経済学や統計、簿記等を扱うわけで、私立文系だからといって数学と無縁でいられるわけではありません。

さて、公認心理師、臨床心理士試験は統計科目が必須です。現在出題パーセンテージはそれほど高くありません。公認心理師法は研究を業務として規定していないにもかかわらず、試験問題を見ると自力で研究活動ができる基礎的知識取得を要求しています。

心理系大学院の修士論文では、国文科や英米文学科ではないので、読みました、こうでした、という文献研究のみの研究論文はまず認められません。院試で研究計画を出させる大学院も多いのですが、筆記試験がいくらできてもきちんとした研究計画が出さないと合格できない大学院は多いです。

さて、前述AERAでは数学受験で経験した人はそうでない人と比べて90万円年収が高いという結果を掲載しています(数学が必要な大学は難関だから就職がいいかもしれないというだけの話かなと思いながら読んだのですが)。

心理職がカウンセリングをする、心理検査をする上では心理検査の計算はしますが、それは数学ではありません。心理職は「科学者ー実践家モデル」だと現任者講習でも叩き込まれます。統計数理的な研究でないと研究として受け入れられませんし、論文を提出しようとしても偉い先生方の査読で撥ねられます。

文献研究でも全くダメということはないのですが、例えば文献データベースを利用してあらゆる心理学の論文の中に例えば「倫理」がどの程度重視されていて倫理のどんな側面が強調されているかを統計処理します。

量的研究と対比される質的研究TEM手法もありますが、かなりしっかりとした研究設計をしてコーティングを行うというレベルの高さが要求されます。

さて、心理学の研究を極めて次は博士号を取ろうとした際に、臨床心理学、医学博士、教育学博士を取る人もいますがどれもレベルが高い統計処理研究が必要と思われます。

大学教員になれれば確かに収入はアップしますが、そのためには独自の着眼点と研究業績の積み重ねが必要です。

医療の現場で働いているから関係ないや、と考えていると大病院では医師、看護師と共同研究することもあり「なんで心理の先生は統計ができないの?」と思われてしまいます。下手をすると採用されないかもしれません。

また、保健師はデータの集積をアウトプットしていくので統計には強いです。大企業で産業医と働く保健師は健康に関するデータを使って健康教育をしますが、心理職はできません、だと対内外的にあまりよろしくない可能性があります。

EAP従業員支援プログラムを各企業にプレゼンする際、弊社のメンタルヘルスプログラムを導入した結果、これだけの数の企業でこれだけのメンタルダウンする社員が減り、企業にとってはコストパフォーマンスが高いです、というパワーポイントを使った説明にも数的処理は必要です。

開業心理職は数字との戦いでもあり、事務所の家賃、人を雇うこと、損益分岐点を計算するのは勘だけではなく簿記の知識があった方が便利なわけで、確定申告の度に会計士や税理士にお願いしていたらそれだけ支払いが大変になります。成功率数パーセントのベンチャー起業は課題が山のようにあります。こういった課題の解決ができたら開業領域には相当役立つでしょう。

AERAの特集にも書いてありましたが、これからはビッグデータ分析、AI化はどんど?企業内で進んでいきますし、そうした手法を身につけていかないと企業人は生き残れなさそうです。医学は膨大な症例をビッグデータ化しようとしています。情報集積は精神医学でも臨床心理学でもデータベースの構築が可能になります。コクラン共同計画(現在COVID-19により世界中の論文購読絶賛無料大解放中)のようなエビデンスデータベース集積の日本版も可能になります。

カウンセリングはひたすら対面で相手の話を聞いて満足をしてもらうもの、それは確かにそうです。ただ、認知行動療法はほぼ全て統計的エビデンス、証拠に基づいて研究を進めているのでアメリカでも日本でも保険点数化は早かったです。

河合隼雄先生ご存命だったころはエビデンスだけでない、心の世界が今よりは重視されていたような気がします。これまで統計化されにくかったナラティブ、物語的な(社会構成主義)心理療法は統計的検証が行われていくと次第にその効果の有益性が認められていくかもしれません。

心理職の世界は「あの人は良くなってよかったね」で終わることが多いのですが、なぜうまく行ったのか、どんなアプローチが有効だったのか説明することができればなお良いと思います。あまりそれを好まない謙虚な人も多いでしょうけれども、ある心理検査の科学性、例えばEMDRのようにエビデンスが確立しているものだけでなく、心理職の存在意義を説得力のある科学性で説明することができる人は能力があると見られるでしょう。

発展しつつある膨大な量の数理的データ処理、仮説検定、AI戦略は臨床心理学に対しても新たな側面を提供する可能性があり、そこに馴染んでいくことがこれからの心理職の能力として試される可能性があります。心理職という人種は有益だという認知が広がれば待遇もより良いものになる可能性があるということです。

photo by sora

my follower,have rare sence

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(注記:本稿は新型コロナウイルスに関する記事ですので抵抗がある方はそのまま読まずに閉じてしまうことをお勧めします。) 以前から日本を代表するトラウマ研究者として僕は精神科医西美也子先生Nishi-Shirakawa-Miyako先生(日本トラウマティック・ストス学会理事)に注目しています。先生の著作「赤ずきんちゃんとオオカミのトラウマ・ケア」(アスク・ヒューマン・ケア 2016)は絵本の体裁を取っていますが、トラウマケアについて大変含蓄がある奥深い示唆のある本です 。

先生が院長をされている「こころとからだ・光の花クリニック」のTwitterアカウントがあります。そこに掲載されていたDr. Ana Gomezの動画がかなり子どものトラウマケアに役立つと思いましたので紹介させていただきます。
 

この動画ではストップ・コロナウイルスで、コロナウイルスが可愛らしいキャラクターで描かれています。全編に歌が流れていて、気持ちの中に訴えかけてくるメロディ、そして幼児の姿があります。

「脳は知っているよ」というフレーズ、リラックスを促し、落ち着くことの大切さ、そして「また大丈夫、気持ちが回復する」というというメッセージが述べられていました。

脅威、怖さ、そしてその怖さは普通であること、こういった際には孤独感、自分が死ぬかもしれない、大切な人をなくすかもさしれない恐怖もあるのだと述べられています。

こういう時に役立つのはハグ、信頼、そして子どものEMDR (Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して、エビデンスのある心理療法です。)によく使われるバタフライハグが紹介されています。(ただし、EMDR専門家がついていないバタフライタッピングは好ましくないという見解も強くあることは注記しておきます。)

この動画の最後を締めくくるメッセージです。落ち着いて考えること、世界は安全な場所、全てうまく行く。Sleep and have dreamsです。これは子ども向けの動画のようで、大人にも信じていて欲しい事柄がたくさん含まれています。

「脳は知っているよ」というのは、脳が確かにこの危機場面、についてなにが起きているのか、そして何が起こるのか知っているということでしょう。それは世界の終焉という意味ではないはずです。

この動画を作成したDr. Ana Gomez著「こわかったあの日に」2012年 東京書籍も絵本ですがトラウマ治療を扱っている名著です。

さて、トラウマ治療を受けなければならない人々は命がけです。治療を受けられない=死を意味する場合も本当にあります。そういう意味では治療も大切です。

光の花クリニックでは遠隔治療を行なっていますし、トラウマ関係のワークショップもまたオンラインで行なっています。世界中の子どものトラウマケアを行う団体はこの新型コロナウイルスCOVID-19対策を熱心に行っています。

例えばEMDREUROPEでは、
(英文)

ニュースソースの信頼性を確認すること、ニュースに暴露されすぎないこと、医療システムが示す衛生概念に従うこと、いつもと同じでいること、運動、休息、食事の大切さについて書いてあります。(意訳)

3.11の時も津波の映像を見て気持ち悪くなる人たちが続出したように、COVID-19のショッキングなニュースに触れ続けることは大人にも子どもにも危険なことです。

情報が正確になければ不安になるのは本当のことですし、そのために厚生労働省の正確なニュース源を参照するのは悪いことではありません。しかしその暴露時間は長ければ不安を、特に子どもには悪影響を与えます。

大人がCOVID-19について子どもにどんな情報、そしてどんな心理的な支援を行うかは大切なことです。大人が「不安だ、この世は終わりだ」というような破局的なメッセージを伝え続け、いろんなものを買い占めて家の中に積んでおいたら子どもはいったい何を感じるでしょうか?

患者さんはさまざまな事を感じながらこの世界の中を生きています。衝撃的な事を人生の中で体験し過ぎている人はもう何も感じないかもしれません。それは回避-麻痺のトラウマティックな状態なので好ましくありません。

または(精神に限らないのですが)ベースライン疾患を持っている人はこの状態で自分の病気と世界の状態の2つに怯えているかもしれません。

この記事を読んでいて、自ら恐怖をどうにもできないぐらいコントロール不能だと感じた人は<b>助けを誰かに求めてください。</b>それはトラウマケアの専門家であれば望ましいのですが、メンタルヘルス専門家、そうでなくともあなたが信頼できる先生、家族、同僚、上司、誰でもいいのです。

Vive hodie.(Latlne)
今日を生きよ

僕らの生きている世界は決して崩壊しない。だから明日を信じていたいです。byひなた
※ 写真はフォロワーのsoraさんのものを使わせていただきました。

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◯ 認知症

DSM-5は認知症を「神経認知障害群」NCD neurocognitive disordersカテゴリーに定義付けました。NCDはmajor NCD(従来型)とMCI Mild Cognitive Impairment(軽度)に峻別されます。厚生労働省の資料にDSM-5の診断基準が引用されています。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html

高次脳機能障害と同様に、一過性の意識混濁状態で、薬物や疼痛、ストレスなどが原因のせん妄と認知症は区別される必要性があります。

認知症は大きく分けて3種類があり、アルツハイマーAlzheimer型認知症(全体の50パーセント)、レビーLevy小体型認知症(10〜20パーセント)、脳血管型認知症(15パーセント)、ピック病(数パーセント程度)に分かれます。実際には認知症には70種類程度がありますが主な認知症は上記4種類です。

認知症カットオフ値はHDS-R20点未満ということは裁判所成年後見人制度のurlから以前引用しましたがMMSE-JだとMCIが27点、認知症は23点がカットオフ値となっています。

1.Alzheimer型認知症

アルツハイマー型認知症は男性よりも女性に多く見られます。症状としては記憶を司る海馬がダメージを受けるため、短期記憶が障害され、さっき起こった出来事を忘れてしまいます。

見当識にも障害が見受けられ、何月何日か、今の季節はいつなのかが分からなくなります。外出すると道に迷う、また実行機能障害として、今までできていた料理ができなくなることがあるのです。こういった認知機能障害から二次障害が起こり、物取られ妄想に発展する事もあります。不安、抑うつ症状が前景に出てくる事が多いです。

Alzheimerが中程度に進行するとさらに障害程度が進み、失行で着衣の着脱ができない、電話がかけられない。テレビの付け方がわからない。失禁してしまうなどの行為で、かなり自尊心が傷つけられます。徘徊を伴うこともあります。後期になると言語能力が失われて意思疎通はかなり困難になりますし、栄養を自力でとることも難しくなり、排泄はほぼ自力ではできません。

2.Alzheimerの治療

初期〜中期であればDonepezil商品名アリセプト、Rivastigmine商品名イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ、Galantamine商品名レミニール、進行が進んだ場合にはMemantine 商品名メマリー(PTSDへの治験も行われています。)が薬物療法として使われます。

しかしどの薬物療法もAlzheimerの進行を遅らせることはできても根本的な治療薬ではなく、徐々に進行する疾患です。

2.Levy小体型認知症(DLB:Dementia with Lewy Bodies)

パーキソニズムの運動緩慢さ、歩行の障害を伴います。記憶障害、遂行機能障害の他、この認知症の特徴として幻視、錯視が起こり、合併症として妄想が発生することがあります。睡眠時異常行動も生起します。記憶障害の程度はAlzheimerより軽いです。

投薬治療に反応しにくく、むしろ少量でも精神薬で悪化することがあることから、環境を急に変えず、作業療法士や理学療法士が心理・運動機能面でのサポートを行うこと、明るい部屋として機能低下を防ぐことが推奨されています。

3.脳血管型認知症

脳梗塞で脳の血管が詰まるとその先の脳の各部分が挫滅します。脳の部分によってそれぞれ損なわれる機能が異なり、左後頭葉が挫滅すると右半側空間無視、右後頭葉が挫滅するとその逆になります。そうすると片側の認知ができず、歩行をしていても転倒の可能性があり、食事も半分認識している側だけ食べてあとは残してしまうこともあります。

前頭葉、頭頂葉に梗塞部が起こると短期記憶が阻害され、易怒的になり感情障害を起こし、何度も同じことを聞きます。

脳梗塞の再発予防のために血栓を作りにくくするWarfarinワーファリンやAspirinバイアスピリンが使われます。梗塞が起こりにくくなりますが、反面出血した時に止血しにくくなるという点が要注意です。

脳梗塞は血栓が詰まる病気なので心筋梗塞も起こりやすくなります。また、どの認知症でも同じですが、高齢者には糖尿など基礎疾患がある場合も多く、生活の質の改善のためにはベースライン疾患の治療が大切になります。

4.ピック病

ピック病は比較的若年者、早ければ40代でも起こる疾患です。前頭葉及び側頭葉前方に萎縮が見られます。特徴は情緒の不安定さ、さっきまで笑っていたかと思うと急に泣き出したりします。また、人格障害が見受けられるようになり、平常の精神状態からいきなり怒りだすことがあり、他の認知症の周辺症状でも起こりますが、ピック病だとさらにその傾向が強くなるようです。

ピック病では万引きで捕まるなど道徳性への影響もあります。常同行為を繰り返します。

5.診断

診断は脳の萎縮部分を確認するためCT、MRI、またSPECT (Single Photon Emission Computed Tomography、放射線同位元素を注射しての脳画像診断)でドーパン量の流れを見て異常を測定(Levy小体型認知症にも使われます。)PET(陽電子放射断層撮影:Positron Emission Tomography、脳血管障害の検査にも使われます。)で脳血流を調べます。  

Alzheimerは前述のとおり進行を遅らせる薬はありますがピック病にはありません。

認知症の周辺症状BPSD Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(認知症の行動と心理的症状=周辺症状)は主として知覚、感情障害で幻覚妄想、焦燥感、攻撃性、怒り出して暴力を振るう、抑うつ状態、睡眠障害、徘徊などです。

6.心理検査の例

・MAS不安尺度
・MEDE多面的初期認知症判定検査
・AQ日本語版
・日本語版LSAS-J
・EAT-26
・M-CHAT
・長谷川式知能評価スケール(HDS-R)
・MMSE

6.治療

根本的薬物治療はないのですが、精神療法としては「回想法」といって、昔話をするなど患者さんが好きな話をする、そして環境を整えることが奨励されています。患者さんが言うことを否定しない「バリテーション療法」、今日の日付けや季節を認識してもらうリアリティー・オリエンテーション(現実見当識訓練)もあります。

※ 写真はTwitterフォロワー𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ꕥ
さんのものを使わせていただきました。この写真の空のように全ての認知症の患者さん、ご家族、支援する方々の心に平穏が訪れますように。

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(フォロワーさん柊様画)
日本心理研修センターに同じような回答を得たのですが、ネットに掲載していいかどうか?と尋ねたところ、厚生労働省公認心理師制度推進室に尋ねて欲しいとのことだったので「厚生労働省さんがこんな多忙な中電話するのは悪いなあ」と思いつつも連絡してみました。

僕:「現状、コロナがこんな感じですが公認心理師試験延期とかあり得ますか?」

担当者:「今のところありません。発表どおり実施予定です。」

僕:「今後延期になるとか。北海道追試みたいに」

担当者:「それはどんな情勢でも同じですね。変更があればお伝えします。」

ということでした。

大変厚生労働省さんが忙しい中恐縮しながら電話したのですが、この情勢の中お気をつけてくださいとしか言いようがありませんでした。

以上

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◯ 公認心理師・臨床心理士は「先生」なのか?

心理の仕事をしていると「先生」と呼ばれることがあります。患者さんにとっては、自分の話を専門家が聞いてくれる相手は「先生」なのでしょう。医療関係者で「先生」と呼ばれるのは、医師、心理士(師)、理学療法士、作業療法士、あんま針灸マッサージ師です。小さなクリニックだと院長の性格にもよるのですが、心理職を先生扱いする(からといって給料が高いとは限らない)医師もいれば、医師のみが先生なんだという態度で接してくる医師もいます。

医療現場だと心理職は精神保健福祉士や社会福祉司と同じぐらいの待遇のことが多いですが、精神保険福祉士は「先生」と呼ばれると「いいえ、違います」と言います。デイケア心理職は患者さんと同じ目線でないと難しいので心理職もさん付けでしょう。

ちなみに薬剤師は医療ヒエラルキーの上では第3位、医師>>歯科医師>>>>薬剤師ぐらい?の感じです。薬剤師は高い専門性と長時間労働に耐えて勉強を欠かさず、笑顔で接客?しています。新卒の若い人でもすごいなあと思います。

薬剤師は調剤薬局だと年収700万〜800万、理系で医学部と同科目で受験しているので医学部崩れの屈折した人も中にはいますが、憧れの薬剤師を最初から目指していた人は誇りを持って仕事をしています。薬剤師は勉強が欠かせませんし、患者さんにとってもそうでないと困る非常に専門性が高い仕事です。研究会、勉強会では薬剤師はお互いを「先生」と呼んでいます。

教育現場だと子どもにとっては大人は誰でも先生なので、給食のおばちゃんも用務員さんも「先生」で、実際そういった現業職の方が子どもの心をつかんでいることもあります。僕はスクールカウンセラーとして働き始めた時に「先生」と呼ばれてびっくりしました。

司法関係だと家裁調査官は庁内ではお互いにさん付け、少年保護者、家事当事者からもさん付けです。少年院経験者の少年や保護者は「先生」と呼ぶことが多いです。鑑別技官、法務教官を先生と呼んでいるからでしょうか。家裁調査官はお互いを「先生」と呼び合うことは決してありません。主任調査官まではさん付け、次席からは役職で呼びます。

裁判所は調停委員のみが堂々と「先生」の地位を獲得していて、
調停に調査官が立会すると調停委員から先生と呼ばれることはあります。

裁判所は法曹がスター、どんなに小さな裁判所支部の簡易裁判所裁判官(カンパン)でも赤じゅうたん、調査官は総合職といっても異質の人文科学職なので先生扱いをお互いにしたり、あるいはそういう現場を見られたら書記官、事務官から猛反発されます。裁判官は割と大らかな裁判官も多く「調査官の先生の試験観察を受けてね」と少年審判で言う場合も多いです。

また、保護観察官は保護司の「先生」たちを束ねているので、そういった意味では「スーパー先生」です。

福祉現場だと児童福祉司は相談にいろいろと乗ることが多いので児童保護者から先生と呼ばれます。社会養護施設でも先生、小さな施設だとさん付け、老人施設だとさん付け、就労支援施設も利用者さんとスタッフを大きく差別化したらお互いに気まずいでしょう。だから「さん」付けです。

これから公認心理師を目指す大学生、高校生のみなさんにはぜひ知っておいていただきたいところですが、精神科医の成田善弘先生が書いておられたように「先生がいるおかげで僕は生きていられます」と言われて鼻高々な思いをしたらとても危ないことです。

なぜならば「先生がいなくなったら死んでやる」という裏のメッセージを含んでいるからです。心理職の仕事では「今日は話を聞いてもらって全てすっかり良くなりました。助けていただいてありがとうございます」と言われることはまずありません。

そんな風に言えるような心にゆとりがある患者さんはいませんし、もしいたとしたらその人は初めからカウンセリングを必要としない、とても健康度が高い人かもしれません。

心理職は泊まり勤務がある看護師よりも給与は安いです。医療職ヒエラルキーの中で診療放射線技師と臨床検査技師と心理職のどちらの方が高い地位なのか聞かれても僕にはわかりません。

先生と呼ばれたいから心理職になる、これは違うような気がします。院卒なので努力してきたことはよくわかりますし、医学博士や教育学博士を持っていて大学で非常勤で教えている人もいますがそれはクライエントさんには関係ないことです。

心理職はきちんと人の話が聞けて、その人が得意としている流派で検査やカウンセリングができればそれで十分だと僕は思ってしまいます。

クライエントさんは自分のことで必死です。心理職のプライドにかかずらわっている心の余裕はありません。それが当然です。

僕なんぞはただの匿名ブロガーで、時たま読者の方から先生と言われると、とても違う気がします。実はアルバイトをクビになり毎日スーツで出勤している振りをして公園で泣きながらWikipediaと◯ちゃんねるで心理学の知識を調べながら毎日どうでもいいことを書き連ねている人です。だから花の写真が多く撮れるのです。と言ったら毎日読んでいただいている総読者12人の9割方の人、10.8人が「ああそうか、だからこいつはどうでもいい文章ばかりかいているんだな。もうやめよう。」「か可哀想だからまあ読んでやるか」と納得してくれるかもしれません。

毎日毎日クライエントさんの苦しい話を聞いて身を削りながら仕事をして、コメントやメッセージをいただくこともある心理職の方々に対して頭が下がる思いでいます。患者様にも高校生大学生さんも僕の拙い文章を読んでいただいていつも感謝しています。この場を借りてお礼をさせていただきます。

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