ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2019年10月

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◯ 臨床心理士・公認心理師は若い方がいい?年配の方がいい?

これは実はとても難しい問題です。心理職は目の前にクライエントさんがもうすでにいるので自分より若い人がいいのか、年配の人がいいのか、性別はどちらなのか等は聞けません。

ただ、僕も(たまには)心理職以外の人と話すので、確かに年配の人の方が経験があるから頼りになりそうだとか、ただ人の話を聞いてりゃいいのなら俺にもできるとか、色々な意見を聞くことがあります。

昔から言われている事ですが

年配で勉強熱心な心理職>若くて勉強熱心な心理職>若くて謙虚な心理職>年配で勉強しないけどおごり高ぶって威張っているだけの心理職

という構図があります。

クライエントさんは若いというだけで敬遠する人もいるでしょうけれども、精神科医でも心理職でも「新しい勉強をしていて最新の薬の知識があって海外の論文もよく読んでいる」「最新の心理療法の知識があっていつも勉強を怠らないでいる」若い人たちは優れた実力があると思います。

心理職のコンピテンシー(発達段階)を考えたら、若いうちは児童相手の仕事の方がやりやすい。

かな?と思ったりしますが、若くて実力がある心理職のカウンセリングを感心しながら受けている年配のクライエントさんもいます。

それでも若ければ経験値は少ないというのも本当なので、年齢と実力の相関関係はρ=0.40(弱い相関関係)ぐらいがあるのかなと思います。

年配で堂々とした心理職、臨床心理士制度がない当時の若いころから入職して患者さんと野球部を作って汗を流し、当直中の他職種と夜中まで和気藹々と話して組織へのジョイニングをして・・・

という講演を聞いて感動したので僕が知っている患者さんをそこの病院に紹介してカウンセリングを受けてもらったら

患者さん「偉そうにしていばられていただけで話聞いてもらえなかったよ」

僕「・・・」

と言われ、話者、講演の上手さ、理念、カウンセリング能力は別物だと悟りました。

ついでに言うなら受けた教育の内容が立派でそれを理解して身につけている人、聞き流しただけではないかと思える人、というのは年齢と関係ありません。

また、他分野から心理職に転換して来る人もいますが、前職の経験、経歴を十分に活かしてカウンセリングをして信頼されている立派な人たちもいます。

馬齢を重ねるだけの心理職になりたくないなあと思う一方、本当に若い新卒の人たちの熱心さにも頭が下がる思いです。  

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◯ 厚労省10.25発表「今後の公認心理師試験のスケジュールについて」

2019.10.25厚生労働省から「今後の公認心理師試験のスケジュールについて」文書が出ました。

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000559931.pdf

それによると2020年、次回第3回公認心理師試験は来年6月ごろとのことです。

そして第4回2021年は5月、第5回は4月、以下第6回3月、第7回は2月として、新卒者が試験に合格したらその資格を手にして就職できるという体制にするという計画です。

厚生労働省によればこれはほかの福祉系の資格に合わせたものということです。

なぜ第1回試験が9月に行われたのかは、行政の都合によるものなのでしょうけれども、確かに新卒者D2ルート受験者が公認心理師資格を手にして就職できないという意味では不都合もあったでしょう。

新カリキュラムで公認心理師養成課程を学んでいる学生向けの試験になっていく、ということは、将来的に現任者受験資格がなくなった後、公認心理師課程で純粋培養されてきた受験者のための試験としてシフトしていくということです。

この資格には長年の生みの苦しみがありましたが、さらに今後時を経て、その性質も変質していくのだろう、その向かう先に明るい未来があれば良いと思っています。

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◯ 臨床心理士・公認心理師の転職話

臨床心理士、公認心理師は3人集まれば転職話になります。

というか2人でも転職話をします。

専門職ならではでしょうか。

また、みなさん条件がいい職場を探しているのでそういった情報交換が盛んなのは、それぞれに恵まれない労働環境にいるからでしょうか。

常勤の心理職公務員だからといって転職をしないわけではありません。

公務員も結構辞めていくのは心理職だからでしょうか。

多忙過ぎる、給料が良くても体が持たない、薄給過ぎるなど転職理由はさまざまです。

心理職は自分がやりたい領域の仕事に就きたいので転職することもあります。

福祉、教育、医療、司法、産業5領域で自分のやりたい領域に移る人も多いです。

また、働き始めてみたものの、仕事時間が長くて育児に支障をきたしたり、お給料や人間関係、勤務地、旦那さんの転勤で転職、退職していく心理職の人も多いです。

〜ある日〜

A君「この前同僚の心理のKさんと一緒になってさ、今後の転職とか家庭とかライフサイクルについて2時間ぐらい熱く語り合っちゃった。心理職の人生は問題が山積だねえ。うちらは給料安いし公務員っていってもみんな途中でやめちゃうしねえ」

Tさん「私、福祉にいたんだけどねえ、とにかく忙しかったのよ。毎日9時は当たり前で心理に詳しいと心理と福祉両方やらされてねえ、残業代途中でカットされて超過勤務多いと組織内でカウンセリング受けさせられるのよ。だから超勤務カット。若くても手取り30万40万当たり前。他の部局の余ってる残業予算かき集めて出してたんだけど。で、ストレスたまるから仕事終わったらみんなで二次会で打ち上げ出かけるのー。若い女性ばっかりだけどすぐやめちゃうのよお」

G君「うちもね、EAP(従業員支援プログラム)だったけど社長がやり手でねえ、心理出身じゃないからビジネスとしてメンタルヘルスをとらえていたからどんどん飛び込んで仕事取ってきて大変だったよう。日付け変わる前に帰れなかった。太陽が黄色かった。転職したらすごく貧乏。中間がいいな」

A君「また◯市役所今年も受けなきゃなあ(A君の出身地)」

僕「毎年毎年受けて落ちてたらマイナス評価の記録ばかりたまっていくんじゃ・・・」

A君「年中行事だからいいのいいの」

※ 心理職はふらふら転職しながらステップアップする人もいますが、自ら望んでステップダウンする人もいます。

女性が多いので家庭との両立はとても大変そうです。

アカポス(アカデミックポスト、大学教員)は博士号必須、薄給多忙で時間関係なく土日も何かしら仕事や学会業務、研究をしています。

どこに転職しても青い花はなさそうです。

ただし臨床をやりたいという気持ちは誰もが強く持っている、それが心理職をこの仕事を続けさせている理由になっているのでしょう。

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◯ 公認心理師団体への加入人数は如何に?

2019年10月23日現在、日本公認心理師協会、公認心理師の会からの加入会員数の公式発表は出ていません。

双方とも発足の会には相当な地位にある錚々たる国会議員が挨拶に訪れ、権威ある団体ということは間違いないと思います。

今ここでかなりの人数がこの2つの職能団体に加入していれば公式に数は発表されているのではないかなあと思うのですが、日本公認心理師協会は2019年9月までの入会費1万円を無料としていたのが、2020年3月までに延期されました。

会員が集まらないのかな?

と邪推してしまいます。

どこの団体でも職能団体の会員数や組織率は低くても発表しているのですが、これも相当低いのかな?

と思ってしまいます。

実際、僕の周囲の公認心理師20人ぐらい、その人たちが知っている公認心理師も20人ぐらいいて、「誰も加入者いないよ?」と言われます。

認知行動療法家で著作がある心理師の人も「ムリ」と言っています。

これらの現象がなぜなのかか考えてみました。

1.職能団体が2つに割れている事

マスコミ関係者から「これは一体どういう事なの?」と聞かれたことがありますが、これは僕は正解が出せず、なんとも答えられませんでした。

2.臨床心理士関係各団体の存在等の負担が心理職にのしかかる

2015年7月1日現在臨床心理士数27,934人(日本臨床心理士会、日本臨床心理士資格認定協会)であり、日本臨床心理士会加入会員数は19,533人で組織率は約70パーセントです。

臨床心理士は資格更新性なので臨床心理士会に加入し、臨床心理士会主催の研修に参加できるということはこの団体に所属する上で大きなメリットです。

年会費は8千円です。

そして地方の公認心理師協会や臨床心理士会に所属する会員も多いでしょう。

地域の情報が得られるのは心理職として各分野にわたる横のつながりを得られるという良さがあります。

年会費は数千円、5千円から7千円ぐらいでしょう。

そして臨床心理士のうち多くが入会している心理臨床学会、学会員は2万9千人、出席者は毎年8千人程度です。

学会費毎年9千円+参加費7千円(一般会員)+交通費+遠方からだと宿泊費もあり、ボーナスのある職場でも自費参加だとかなり金額がかかります。

この学会参加も臨床心理士資格更新のための重要なポイントとなります。

自腹で各団体に所属し、また勉強熱心な心理職は様々な興味や学派の学会やワークショップに参加しています。

また、スーパーヴィジョンで個別指導を受けていればその分のお金も時間もかかります。

3.公認心理師団体に所属することで何が得られるのか?

以前も述べたのですが精神保健福祉士協会は組織率14パーセント、社会福祉士協会は20パーセント程度です。

介護福祉士に至ってはわずか5パーセントです。

(ソーシャルワークタイムズ参照)

国家資格になってしまうと職能団体に所属するメリットがなくなってしまうのでしょうか。

国家資格と言えば日本医師会は6割、看護協会は5割という例もあります。

日本医師会は診療報酬の確保という目的があり、これは医師にとっての生命線です。

看護師は待遇の改善という点で大きな課題を抱えています。

これらは政治的な問題とも言えます。

4.積み残された課題

公認心理師団体組織率が上がらなければ上位資格を作って「医療専門心理師」などを作ることも考えられます。

こういった動きは、心理職にまとまりがないので医師団体の側からすでにもう出てきています。

組織率が低い、よしそれじゃあうちの団体とリンクさせるために公認心理師試験をこっち側に持って来るために傾向を変えるか、と試験そのものを政治的に変質させることがあってはならないという危惧を抱きます。

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◯ 日本赤十字社ポスター宇崎ちゃんへの臨床心理士のコメントは是か非か

日本赤十字社がマンガ「宇崎ちゃんは遊びたい」の巨乳のヒロインをポスターに起用、これは環境的セクハラに当たるのではないかと国内外のTwitterで大きな話題になっています。

日本赤十字社としては「血液が足りない、いつも萌えキャラでアナウンスして血液を確保しているので今回も同じことをしただけ」という理屈がありそうです。

僕はこの問題自体は日赤運営側できちんと話し合いをして然るべきだと思いますし、フェミニズムに詳しい識者の意見を聞いても良いかと思います。

僕が違和感を覚えたのは大学の臨床心理士、心理学准教授がテレビのインタビューに答えていたことで、内容としては「今後も議論が必要」というなんとなくお茶を濁したような回答だったのですが、僕が思ったのは何で臨床心理士がこの問題にテレビに出て答えているの?

ということでした。

この准教授は公認心理師教科書も書いています。

准教授は内科学、健康科学も専門分野で、その意味では医療関係についての有識者とも言えますが、やっぱり臨床心理学を専門分野としている人です。

この献血ポスター問題に識者が語るとすれば、表現の自由とその制限に詳しい社会学者が適任ではないかと思いました。

昔から犯罪が起こると犯人が死んでしまっていても犯罪者に診断名をつけたり心理分析をする精神科医や心理学者は多いのですが、見て(診て)ないことを語っちゃっていいの?

と思っています。

マスコミが意見を容れ物とするコップなら、識者は世論を主導する指導者です。

若者たちがカリスマ性のある指導者の下でふらりと自分の意見を失って右往左往する様を古くは社会学者マックス・ヴェーパーは「日々の仕事に戻れ!」と喝破しました。

心理職の仕事はクライエントさんに向き合うこと、日々の実践が基本です。

臨床心理士が公共の場で心理学と関係ないオピニオンを述べていたら「私は先生から潔癖すぎるって批判されているの?」あるいは「僕のオタク趣味は先生から見たらおかしいのかな?」とクライエントさんから誤解を招きかねません。

この問題について僕は敢えて自分の見解を出しません。

それは心理学を学び実践する者の本旨ではないと思いますし、心理学を生業とする人は意見を求められたら言う、という受動的立場ではなく、謙抑的になることで臨床心理学の営みを守って欲しいと思うからです。

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