◯ 公認心理師Gルート現任合格者への反発
僕のブログへのコメントを含めていろんなところで公認心理師合格者、非心理職Gルート合格者への反発や危惧を聞くことがあります。
「ペーパーテストに合格しただけで心理専門職としての能力があると認めてもいいのか?」
「そもそも受験資格を甘い基準で合格させてしまって心理職として使い物になるの?」
という厳しい意見、
「臨床心理士は大学院で心理テストを取れるトレーニングを受けているけど公認心理師に非心理職から合格してもテスト取れないでしょ?」
などなどです。
公認心理師合格者で非心理専任職として合格している職種としては小中高教員、精神保健福祉士、社会福祉士、作業療法士、介護福祉士、ケアマネジャー、キャリアコンサルタント、看護師などなど多数の職種の人たちがかなりの努力をして心理の勉強をイチからして合格している人たちがいます。
実際に聞いたことがあって?と思ったのは受付事務員、年数が明らかに足りない現任者です。
そしてこういった人々への反発は主に臨床心理士のように心理専門の心理職の人たちが抱くことが多いでしょう。
勉強オンリーだけで合格した、公認心理師施行令に定める施設勤務者が受かっている、ここに危惧が発生しています。
これをどう解釈するかというと、まず試験機関の日本心理研修センターはこれまで約2万8千人の(第1回、第2回合計)現任者の精査をすることは無理なので、最初から審査をしないことに決めて願書を受け付けています。
そして実際のところ、上記の職種の人々が心理相談業務をしていないかというと、少なくとも週1回定期的継続的に相談業務を行っていればOKという基準からすれば実際その資格がある人たちはとても多いわけです。(受験していない人たちでも)
そして結局どういった現象が起こっているかというと、病院など心理専門トレーニングを受けている人材を求めている職場では臨床心理士及び公認心理師双方資格保持者のみ採用という求人が出ています。
また、上記の心理非専門職種の人々でも心理専業職に職種転換するために元の資格職を捨てて心理職になることがあります。
しかし心理職は職種転換してまでなるのにそれほど魅力的なのか?
という問題があります。
何しろ他職種で築いてきたキャリアを全て捨ててしまうわけですから新卒扱いで給料は大幅にダウンします。
実際そういう人がいて心理職をどうしてもやりたいから、という理由で他職種から臨床心理士に進路転換して年収150万以上減った例があります。
公認心理師試験は特殊なクセがある試験で現役の臨床心理士でも落ちることがあります。
一方で非心理専業者がこの資格を取得することへの反発があるわけです。
資格は取ることに意味があるわけではなく、どうやってそれを生かすかに意味があります。
例えば危険物取扱主任者でも玉掛け、クレーンでも取得してその資格と関係ない仕事をしている人は多いです。
ただしさまざまな資格を持っていると自己啓発意欲が高いと周囲から見られる、非心理職でも転職に有利かもしれません。
特に事前審査はない資格です。
心理職は大学院を出てから自己研鑽を積んで各種技能、技法を身につけている人たちがほとんどです。
もし公認心理師資格取得した他職種の人が心理職のやり方に異議を唱える、心理職としての見立てをする、ということになると確かに反発は出そうです。
現任者ルートは公的に認められているのでそこで公認心理師間で軋轢を生じさせるのは詮無いことのように思えます。
非心理職資格取得者と心理専門職がどのように協働協業していくかが今後の課題となると思います。