ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2019年07月

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公認心理師協会副会長から主治医師の指示に対する挑戦状

日本大学文理学部心理学科教授津川律子先生は、同大学臨床心理センター長、臨床心理学専攻主任である他、日本臨床心理士協会会長、日本公認心理師協会副会長の要職を務める方です。

その津川先生の「面接技術としての心理アセスメント 金剛出版 2018」は、公認心理師制度導入正式決定、試験直前に上梓されたものです。

「臨床家のあり方とは」という臨床哲学がちりばめられた書籍となっています。

別に津川先生が心理職に表立って「挑戦状」を突き付けているわけではありません。

ただし、公認心理師法第42条第2項の「主治の医師」の指示とクライエントさんの利益や守秘義務が相反した際の心理職の働き方について見ていると津川先生の対応から、公認心理師の動きというものを見ることができます。

以下、津川先生のあげたものの中から今回取り上げたい事例です。

この著作中p171、【事例から学ぶ➃】「うつ病」内、事例3.「ひげボーボー状態の男性」のケースです。

医療機関の知人から紹介されたこのクライエントさんは、津川先生先生が勤務する地域の相談室にやって来ました。

津川先生はカウンセリングをするに当たって主治医の了解を得ることについてクライエントさんから了解を取ります。

そこで津川先生は自分の名刺を添え、カウンセリング開始許可申請書などをしたためてクライエントさんの男性に渡します。

次回セッションの際、クライエントさんは封筒ごと津川先生が書いた書類を返納しました。

クライエントさん曰く「カウンセリングは受けていいけどその手紙も名刺も持って帰ってくれ」と医師に言われて受け取ってもらえなかった。

理由は医師が外部機関と連携したことがないから、というものでした。

ひきこもりがち、内気なこの青年は主治医について「その先生、僕に似てるんです」と述べます。

津川先生はその行為を「主治医をかばう」傷つけないようにするという意味で、青年クライエントさんと主治医の間に素晴らしい人間関係が構築されていると判断しました。

さて、この文献を元に心理職仲間と議論したのですが、この場合、どのように対応するのが正解だっただろうか?

という話をしました。

津川先生の見立てではこの青年はコミュニケーションに課題を持っている。

僕が思ったのは、そうであればこの青年は主治医に津川先生からの提供書を渡さなかった、渡せなかったのではないだろうかということです。

津川先生が書いているとおり、この青年は主治医と津川先生との板挟みになっていました。

主治医に連絡をしなければ、医師に無断でカウンセリングをすることになる。

カウンセリングはクライエントさんにとって有益なものか、場合によっては有害なものになるかもしれない危険性を常に持っています。

他機関で勤務する治療者2人の間にいるクライエントは違った指示を受けて忠誠葛藤の問題に直面するかもしれません。

だとするとなんとかして医療機関と連携を取りたいものですが、内気な青年は主治医に気を遣い、そして津川先生に気を遣っています。

産業領域心理職の友人は「こういう時にはどうしたらいいんだろうねえ」

と言いました。

僕は「公認心理師法だけじゃなくて医療安全の視点から見たらどうなんだろうね」と答えました。

クライエントさんが主治医とカウンセラーの双方を傷つけたくないと思ってこのような対応をしたと考えるなら、クライエントさんに「ごめんね、悪いけどきちんと直接主治医の先生と連絡を取ってあなたのことを話しておきたいの。主治医の先生と私の方針がが違ったら、あなたが困るでしょ?」

これが優等生的回答です。

そうしたがる心理職も多いでしょう。

ただし、そう言った途端にもうカウンセリングに来なくなってしまう、その発言そのものが十分にこの青年にとっては侵襲的です。

さて、津川先生はどうしたかというと、この青年の気持ちを慮りながら、青年を追及せず、最終的には主治医とも連携を取っていきました。

主治医の判断が仰げなかった=公認心理師の悪、としてしまうと公認心理師はどんどんクライエントや患者さんを追い詰めて「言うことを聞けなかったらカウンセリングはしません」という冷たい対応になってしまいます。

それは国民が望まない公認心理師増だと思うのです。

公認心理師の自由度は文字通りクライエントさんの運命の生殺与奪を握っていると思うのですが、いかがでしょうか。

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読む復習・森田療法 内観療法 動機付け面接 ストレスチェック 公認心理師試験

◯ 森田療法

・開祖
森田正馬医師

自身が東京帝国大学医学部在学中に仕送りが途絶え金銭的に困窮する。

「勉強をやるしかない」と医学の勉強に没頭して葛藤を吹っ切る。

この体験が元になる。

森田療法理論=神経質理論

(森田療法の適用範囲も神経症(不安症、強迫症、パニック障害、不眠症、心身症)が中心であり、神経質性格がターゲットに)

ヒポコンドリー性基調(自己の心身に病的なものが存在するのではないかという果てしない不安。

このヒポコンドリー基調を鍛えることが森田療法の目的

神経質性格は「とらわれの機制」が働いていて自分はこうでなけらばならない、死ぬのではないかという観念にとらわれる。

・「悪いことが起きるのではないか、不安で仕方ない、心臓がドキドキする」→実際に心臓に神経が集中するので具合が悪くなる→精神交互作用

症状を取り除くのではなく「あるがままの自分」を受け入れること

・森田療法入院治療の実際

1.絶対臥褥期

狭い個室で寝た切りになり3日間〜1週間程度全く何もさせない。苦悶の時期
「煩悶即解脱」

2.軽作業期

軽作業をしながら日記を書く、治療者がコメントをする、外を眺めるでけなど活動制限。こだわりを捨てる。

3.重作業期

薪割り、大工などの汗をかく作業をひたすら行う。

無心に体を動かして喜びを感じる。

読書は軽い内省を過度に促さないもの。

4.社会復帰準備期

日記、読書療法。

森田療法は不安を打ち消すのではなく、不安をそのままにして不安とともに生きていくことを目標にしています。

◯ 内観療法

1950年代に吉本伊新が浄土真宗の「身調べ」という修養法から発展させた。

他者視点、脱我

集中内観療では他者から「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を課題として考えさせる。

両親、家族、恩師

内観療法は1週間半畳スペースで外観刺激を断つ。

上記3つをひたすら3年〜5年範囲で思い出し、1時間ごとに3分〜5分程度で治療者が報告を受ける。

朝6時から夜9時まで

治療者はクライエントに共感、激励、毅然とした父性的態度といたわりの母性性を共存させる。

クライエントの症状には言及しない不問的技法。

適応病理:不安障害、解離、身体表現性障害、神経症、心身症

日常生活の中で行う「日常内観」もある。

◯ 動機づけ面接-Motivational Interviewing,MI

元々動機付け面接は、カウンセリングの中でも問題意識が薄い、アルコール依存患者や犯罪加害者について行われているものです。

治療アドヒアランスが薄い糖尿、禁煙などの生活習慣病への応用も期待できます。

変わろうという意識が薄い、あるいは変わりたいけれども変われる自信がない、変わったらいいことがあるのか?という疑問を抱いているクライエントが対象者となります。

このようなクライエントが変わりたいう意識を引き出すためには、治療者側の強制ではなく、クライエント自信が変わりたいという自己動機付け発言(チェンジトーク)が必要になります。

チェンジトークはDARN-Cが必要になります。

Desire 変化への欲望、希望、願望
「一体変化したらどうなれるか?」

Ability 可能性、過去の成功経験を思い出し、できる能力があると信じること

Reason 変化する理由、変化できたときのプラス面は?

Need 逆に変化しなかった際のデメリット(失業、離婚、逮捕、入院等)

Commitment 結果を出すための具体的手順

・動機付け面接の原則

1.共感
まずクライエントが言うことを否定せずに話を聞く

2.矛盾を広げる
共感しながら話をクライエントにしてもらっているうちに、明らかに矛盾している発言をクライエントがしていることを気づいてもらう。

治療者が矛盾を指摘するわけではなく、あくまでクライエント自身に気づいてもらう。

3.言い争いを避ける

非難することはクライエントの自己洞察を阻害する

4.抵抗を手玉に取る

変化しようとすると抵抗が出て来たり、対社会、対人関係での軋轢が出て来てしまいます。

そこで「自分はダメだ」というのではなく「そこまで頑張っているんですね」と抵抗を逆に励ましの材料に使うこともします。

5.セルフエフィカシー(自己効力感)を支持する

小さなことでもクライエントが達成したことを賞賛します。

・動機付け面接におけるOARS

O=Open ended question
自由に自分の気持ちを話せるようにする。

A=Affimation
是認、変化への意欲ある発言を是認する。

Refrectlve listening
おうむ返し、さまざまな言い方でクライエントの言い方を言い換えて動機付けを高める。

Summarize
要約してどの時点にカウンセリング経過が位置しているのか、クライエントの現状を共有する。

治療者はあくまでクライエントに寄り添っているだけで、上位ではない。

目標はクライエント自身が洞察に達成すること。

治療者はクライエントが自主的に変化への意欲が湧くようにガイドする、クライエント中心主義。

作業同盟を結び、計画は動機付けが高まる理由についてだけでなく、むしろ「いつ、どうやって変わるか」に焦点を合わせる。

◯ ストレスチェック制度

2015年12月実施

労働安全衛生法第66条に新たに規定、事業者が毎年1回医師、保健師、厚生労働省大臣の研修を受けた看護師、精神保健福祉士、歯科医師、公認心理師が実施するストレスチェックテストを施行、その後希望者に対して医師の面接を可能とすることを義務付ける。(事業所内部または外部委託)

テスト結果の回収は事業場が行ってはならない。

結果の第三者や人事担当者の閲覧は厳禁。

ストレスチェックテストの結果は医師等から直接本人に通知される。

本人の同意なしに事業場への通知をしてはならない。

医師などの実施者は高ストレス者に対し、面接指導必要者を本人あてに通知する。

結果も医師等が保存。

事業場は医師等の面接結果を5年間保存する義務。
※ 医師との面接実施を希望した時点でその本人のストレスチェック結果は事業場に提供されます。

ストレスチェックテストの結果高得点だった者のうち、申し出者は医師の面接を受けることができる。

申し出者について事業者は不利益な扱いをしてはならない。

実施義務 (労働安全衛生法だけでなく、安全配慮義務違反で労働契約法にも違反するおそれあり)

参考: 労働契約法第5条「従業員が安全・健康に働くことができるように配慮する義務」

対象:50人以上の事業場は実施あり(ちなみに50以上というのは、産業医を選任すべき事業場でもある。労働安全衛生法施行令)
このストレスチェック制度対象には地方公務員、私立公立学校を含む

50人未満の事業場で実施する場合にも本指針に従う義務あり。

ただし、50人未満の事業場については報告義務なし。

罰則は50万円以下の罰金(未実施、報告せず、虚偽報告)

50人というのは「正規社員」という意味でなく、常態として雇用している契約社員、パート、アルバイトを含みます。

(1年以上契約、就業時間4分の3以上)

労働基準監督署への報告義務

解雇、雇い止め、不当な配置転換の禁止

職場環境の分析とアドバイスを受けることができますが、集団規模が10人未満の場合には個人の特定が可能になってしまうので10人未満全員の同意がなければ結果を入手できません。

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お手軽読む復習 司法面接 医療法 医療事故 児童福祉施設・公認心理師試験直前

◯ 司法面接とは、虐待を受けた児童に対し、虐待の事実があったのかどうかを確認するための面接です。

通常の心理面接と違ってケア、治療的な側面は持っていません。

あくまでも虐待があったのかどうかという事実確認のための面接です。

この面接の実施者は

・検察官
・警察官(心理警察官以外も含む)
・児童相談所職員
・家庭裁判所調査官

が考えられます。

虐待の事実の調査というだけで子どもに対し侵襲性があるのでこの司法面接は1回だけ子どもに対して行われます。

子どもは「じゃあ、お父さんからひどいことされたんだね」と誘導されるとそのままに「うん」と言ってしまう、または「知らない、わからない」と回答を拒否することが多いので「何があったのかな?」等open questionで訊きます。

子どもの時間的概念は大人よりも弱いです。

「え、そんなことがあったの?」

と一見受容するかのような白々しい驚きの反応は子どもが「しまった」ともう口を開かなくなります。

◯ 医療法

・目的(概要)
医療を受ける者の適切な選択の支援

医療の安全を確保する

医療機関の整備によってるため医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。

第一条の五

・病院とは

主体
医師または歯科医師

二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

・診療所とは

医師または歯科医師が患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

クリニック、医院も含まれます。

・他、医療法に規定される施設(医療提供施設)

3.介護老人福祉施設

4.介護医療院

5.助産所

6.調剤を実施する薬局

※ 医療法に規定されていて、公認心理師法施行令第5条で公認心理師の経験施設として(公認心理師法第7条)認められている施設は病院、診療所です。

・ 地域を支援するための病院=地域医療支援病院

地域支援病院の要件

⑴ 他医療機関から紹介された患者の診療を実施、研修として医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療従事者)に行わせる。

当該医療機関に勤務しない医療従事者に施設、設備を提供

⑵ 救急医療体制を備えている

・特定機能病院(第四条のニ抜粋)

一 高度の医療を提供する能力を有すること。
二 高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。
三 高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。
四 医療の高度の安全を確保する能力を有すること。

etc

・臨床研修中核病院

高度な臨床研修を行うことが可能な病院

「医療事故」

医療法には定義されていませんが

医療事故とは、医療機関が患者の死を予見していなかった状態で死亡または死産が発生した時のことを言います。

以下医療法に規定

医療事故が起きた際には遺族に説明の義務を負う

医療事故調査・支援センターに報告

医療事故調査を行う

医療事故調査支援団体に支援を求める(専門学会等)

・医療安全支援センター

医療安全に関する啓発機関・自治体が設置

・病床機能報告制度

病床の報告を毎年都道府県知事に報告

⑴ 高度急性期
⑵ 急性期機能
⑶ 回復期機能(リハビリ)
⑷ 慢性期機能(長期入院)

・「医療計画」の策定

・病床種別

⑴ 精神病床
⑵ 感染症病床
⑶ 感染症病床
⑷ 結核病床
⑸ 療養病床(長期間)
⑹ 一般病床

◯ 医療計画とは?

一次医療圏/市町村単位

二次医療圏/複数の市町村

三次医療圏/高度先進医療に対応、都道府県単位

◯ 児童福祉施設種別

※ 児童福祉法に規定

(児童福祉施設等)
第七条 この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、
児童厚生施設、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、 肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設 及び児童家庭支援センターとする。

⑴ 助産施設
妊産婦と子が入所
経済的理由等

⑵ 乳児院
乳児養育状況の安定

⑶ 母子生活支援施設
配偶者のない母子が中心(かつて
の母子寮)、退所後の自立支援

⑷ 保育所
両親共働きで保育が困難、病気で
保育が困難等

⑸ 幼保連携型認定こども園
幼稚園、保育所双方の特徴

⑹ 児童厚生施設
児童館等

⑺ 児童養護施設
親の養育が困難な児童

⑻ 障害児入所施設

⑼ 児童発達支援センター

⑽ 児童心理治療施設(旧「情短」情
緒障害児短期治療施設)
心理的問題を抱える児童を短期間
入所させて安定化を図ることを目
的とした施設

⑾ 児童発達支援センター
福祉型(心身障害)医療型(四
肢や体幹に不自由)に分かれま
す。
通所施設。

⑿ 児童自立支援施設
旧教護院、非行性のある児童を
児童相談所の措置あるいは家裁の
審判で収容

⒀ 児童家庭支援センター
他機関との連絡調整

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公認心理師試験直前・司法 お手軽読むだけ復習

司法領域はイメージが湧きにくい領域です。

さて、ブループリントの用語で司法領域を復習します。

1.医療観察法

刑法第39条
第一項 心神喪失者の行為は、罰しない。
第ニ項 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

措置入院歴がある精神疾患患者、宅間守が大量殺人を池田小で大量殺人を行ったことが立法のきっかけです。

重大な他害行為を行った者でも措置入院から病状が安定したと当該入院施設で判断されるとそれまでは何の観察もなく社会に戻っていました。

・医療観察申立権者

検察官

・条件

他害行為を行った者が刑法39条心神喪失、心神耗弱を理由に不起訴、無罪、刑の軽減となった。

・手続き

裁判所で裁判官及び精神保健審判員(精神科医師)の合議体で審理、対象者には弁護士がつけられる。

この間対象者は鑑定入院を経て入院
、通院、医療措置不必要の審判が出る。

なお対象者には社会復帰調整官がついて(保護観察所管轄)再犯防止、社会復帰を支援。

2.犯罪被害者等基本法
警視庁ホームページから

・主体

国・地方公共団体

・対象

被害者、遺族

・対策

1.相談及び情報の提供

2.損害賠償の請求についての援助

3.給付金の支給に係る制度の充実等

4.保健医療サービス・福祉サービスの提供

5.犯罪被害者等の二次被害防止・安全確保

6.居住・雇用の安定

7.刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備

◯ 犯罪被害者、遺族の刑事裁判への関与

刑事裁判について判決に対して意見を述べることができる。

裁判における心情意見陳述は判決に影響を及ぼしますが、最終弁論に近い被害者の最終意見陳述は判決、量刑に影響を及ぼしません。

非公開を原則としている少年審判への被害者等の関与も可能。

ビデオ等で別室から被害者等が裁判風景を見て意見陳述をすることも可能。

付記:被害者支援センター(警察管轄)で無料でカウンセリングを提供しています。

3.保護観察制度
法務省HPから

対象

⑴ 少年

ア 保護観察処分を少年審判で受けた少年

イ 少年院仮退院者

⑵ 成人

ア 懲役、禁固刑からの仮釈放者

イ 保護観察付執行猶予者

主体

保護観察官及び保護司(民間の篤志家)

(通常数十人程度の保護司を保護観察官が監督するが、保護観察官が直接対象者を観察する「直接担当」直担・制度あり)

1.一般的遵守事項

再犯をしない、定期的に保護観察官や保護司の面接を受ける(遵守事項を守らない際には再収容も可能)

生活状況の報告、居所、居場所の申告

2.特別遵守事項

犯罪や対象者の特質に合わせた遵守事項

例:不良交友を断つ、性犯罪プログラムへの参加

4.裁判員裁判 (裁判所HP

・対象

地方裁判所で審理される事件のうち

殺人罪、傷害致死罪、強盗致死傷罪、現住建造物等放火罪、身代金目的誘拐罪など、一定の重大な犯罪についての裁判で裁判員による審理が行われる。

死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に関する事件(法2条1項1号)

法定合議事件(法律上合議体で裁判することが必要とされている重大事件)であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に関するもの
(法第2条2号)

・ 合議体

裁判官3人、裁判員6人で審理が行われる。

ただし、被告人が事実を争わない事件については裁判員4人と裁判官1人

合議体では過半数の賛成多数で有罪判決が確定、うち裁判官1人、裁判員1人の賛成が必要となる。

この条件が満たされない場合には被告人無罪となる。

評議・評決は非公開です。

裁判員となったことは他者に話してはいけない、裁判員の評議内容も秘密にしなければならないという義務が裁判員にはあります。

裁判員は特段の事情がない限り選任されたら拒否することはできません。

詳しくは裁判所HPのQ&A

5.ハーグ条約

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約

親権者から国外に子を奪取した相手方から子を親権者のいる国に戻す条約。

この条約が及ぶのは子が16歳未満まで。

16歳以上であればこの条約の範囲外。

子の連れ去りだけでなく子の面接交渉権についても対象となる。

外務省HP

6.少年事件

・対象

⑴ 犯罪少年

罪を犯した14歳以上20歳未満の少年

⑵触法(しょくほう)少年

刑罰法令に触れる行為をしたが、その行為の時14歳未満であったため、法律上、罪を犯したことにならない少年

(例:13歳で人を殴り傷害致死事件を起こした)

⑶ ぐ犯少年

20歳未満で、保護者の正当な監督に従わないなどの不良行為があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれのある少年

・ぐ犯性

将来的に放置しておけば◯◯罪を起こす可能性が極めて高いこと。

漠然と悪い少年だからなんとなくぐ犯という理由では警察が家裁に送致しても犯罪事実なしとなります。

家の中に万引きで盗んだ品物かあふれている→窃盗罪を起こす可能性あり=ぐ犯性

・ぐ犯事由

三 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年

イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。

ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。

ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。

ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

・全件送致主義

地検では軽微な犯罪や反省が十分という理由で不起訴、起訴猶予となる場合がありますが、家裁には軽微な事件でも警察は送致しなければなりません。

・少年事件の処分

⑴ 審判不開始

家庭裁判所調査官の調査で終了・少年の起こした事件の重さや反省の程度など(調査官が決めるわけではなく、調査官が不開始意見を出しても少年審判官(裁判官)の決定で審判が開始される場合があります。

⑵ 不処分

審判を開始したものの処分をしない。

ア 非行事実なし

イ 反省の程度、環境、事件の軽重

⑶ 保護観察

⑷ 児童自立支援施設送致(昔の教護院です)

なお、児童自立支援施設は家裁の処分で入所する場合のほか、児童相談所の措置による場合もあります。

⑸ 少年院送致

(⑶、⑷、⑸は保護処分)


児童相談所長等送致、検察官送致処分もあります。(後述)

※児童相談所長等送致は、家裁で処分はしないからいったん児童相談所等に送致するというものですが、実務上はほとんど行われていません。

・観護措置

少年の起こした事件について最大4週間(特例で8週間)少年鑑別所に収容、科学的な検査や行動観察を経て少年の処分を決めます。

観護措置に関して不服申立て制度があります。

・検察官送致

14歳以上、死刑,懲役又は禁錮に当たる刑が定められている罪の事件が対象。

16歳以上の少年で故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合は,家庭裁判所は,原則として,事件を検察官に送致しなければならない。

(傷害致死を含みます。)

検察官送致となった事件は公開の法廷で裁判を受けます。

・少年院種別

【第1種少年院】
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満のもの(第2種少年院対象者を除く。)を対象とする。

【第2種少年院】
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満のものを対象とする。

【第3種少年院】
 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね12歳以上26歳未満のものを対象とする。

【第4種少年院】
 少年院において刑の執行を受ける者を対象とする。

※ 少年院に送致するに当たっては、家裁は一般短期(半年ぐらい)、特修短期(3カ月程度)、2年以内と定められている長期処遇を比較的長期、相当長期の処遇勧告もできます。

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美容整形公認心理師さなみちゃんの憂鬱

さなみ「心理カウンセラーの面接に来たみなみさなみです。」

事務長「あら、電話は可愛い声だったけど、実物も悪くないわね。あなた何歳?」

さなみ「はい、25歳です」

事務長「うん、合格、じゃ、うちのクリニックでは40歳で通してね」

さなみ「えっ」

事務長「ほら、うちのクリニック来た患者さんに『うあわ、40歳なのにこのクリニックの施術を受けてるからこんなに若ーい』って思われたら宣伝になるでしょ?だからあなたは今日から40歳」

さなみ「・・・はい・・・」

事務長「私も40歳だけど65歳で逆サバ読んでるんだからね。ところでウチのクリニックのウリはわかる?」

さなみ「はあ、ホームページ見たからいろいろとやってるなあと」

事務長「まずはフェイスでいうとボトックス注射はきちんとおススメしてね、それからほうれい線へのヒアルロン酸注入、それから顔のたるみのリフトアップ」

さなみ「えっ、そういうこと大学院で習ってない」

事務長「それはどうでもいいから。あと高濃度ビタミンC注射とか点滴ね、プラセンタ注射は回数多く来てもらっているうちに他の施術も受けたくなるように勧誘してもらってるのよ」

さなみ「はあ」

事務長「で、セット価格で夏の割引セールや学割を今だけやってるから、お客様になるべく多く限定パックおススメして」

さなみ「えっ?私が?」

事務長「当たり前でしょ、美容整形外科のカウンセラーなんだから売らなくちゃ。ウチのクリニックは院長の方針で国家資格の公認心理師所持者だと美容カウンセラーにもハクがつくかなって」

さなみ「うーん」

事務長「お客様でね、若くてお給料も安いから施術にためらっている人にはウチのクリニックのビューティ分割ローンをおススメしてね。『1日当たりわずかコーヒー一杯の値段ですから』って言えばハードルも下がるから」

さなみ「おいくらのコーヒーをどのぐらいの期間飲むんですか?」

事務長「気分次第でトークの中で笑顔で電卓叩けばいいじゃない。あとバストね」

さなみ「ちょ、待っ」

事務長「タブレットに写真入ってるからカウンセリングの時にはこの写真見せてあげて。生理食塩水バッグはバストが石灰化したりしこりが残るか、除去術をしなきゃいけないけど、うちのクリニックはヒアルロン酸注入と自己脂肪注入で自然なバストアップしてるの。もっとも今バッグ入れてるクリニックはないけどね」

さなみ「いろいろやってるんですね。ですけど・・・」

事務長「うちの脂肪注入バストアップはね、本人の太ももから抽出した自己脂肪を遠心分離器にかけて不純物を除去してから注入しているから異物反応が起きにくいのよ。そしてヒアルロン酸は分子が大きいから通常は1年しか持たないのに3年持つのがウリね」

さなみ「はあ」

事務長「高濃度ビタミンC点滴は週1回をオススメしてね。あと酸素カプセルセット価格で今25パーセント引きだから」

さなみ「あのですね、ところで私心理カウンセラー採用って聞いたから面接に来たんですけど」

事務長「うん?だから合格よ。ウチのクリニックはビューティアンドスリムメンタルカウンセラーB&Sメンタルカウンセラー認定資格発行してるからその証書にローマ字でキレイにサインしておいて。ところで公認心理師の資格証書ってあるの?」

さなみ「えっ、これですけど」

事務長「センス悪いドムラサキ色のケースねえ、中身も小学生が町内会の相撲大会でもらえる賞状みたいな・・・

さなみ「うん、で、私カウンセリングの仕事志望して来たんです」

事務長「あなたどこに住んでるの?」

さなみ「埼玉県所沢市ですけど」

事務長「うーん、うちね、南青山にあるクリニックだから、あなた表参道に住んでて、そこのマンションから来たっていう格好してきてくれる?今着てる服◯ニクロなんでしょ?」

さなみ「えっと、ラフな格好で面接来て下さいって書いてあったから」

事務長「じゃ、むしろ高いスーツがいいわね。持ってなかったらうちでいい白衣用意してもいいし」

さなみ「はい、私大学院で認知行動療法で修論書いて児童対象の限局性学習障害の研究してたんですけど、ちょっとここの仕事は・・・」

事務長「そこにあるカウンセリングルームはすごく立派な内装なのね、お客様がVIP待遇されてるって感じられるように」

さなみ「えっと」

事務長「で、このクリニックの向かいにエステサロンがあるじゃない」

さなみ「ああ、あれですね」

事務長「エステ脱毛は施術が完全じゃないこともあるし、何回も通わなきゃいけないから医療脱毛の方が安心で結局安いってお客様には言ってね。痛みも少ないし。」

さなみ「はあ」

事務長「お給料は初任給28万円プラス当社規定の歩合給ね、初任給は3カ月保証、あとは実力主義ね。新卒でこんなに出してくれるところないでしょ」

さなみ「まあそれはそうですけど、1日コーヒー何杯分のお給料なんですか?」

事務長「売上によっては◯ターバックスの最高級コーヒーが何杯分も飲めるわ、じゃ、明日8時半出勤ね。笑顔でお客様を安心させてどんどんクリニックの売上げに貢献してね。院長にあいさつしてもらいたかったけど、院長は今日は福岡院行ってるの。1人で大阪院と3つ掛け持ちしてるから。でも電話に出るときはそういうことは言わないように」

さなみ「えっと、ありがたい話ですけどそう言えば私他にカウンセリングのバイトやってて毎日来られないの思い出して」

事務長「あら、うちのクリニック土日もカウンセリングもやってるし21時まで空いてるからその仕事の合間に来てね。こっちもありがたいわ」

さなみ「あのですね、こういう美容整形外科って私知識もないし本当に効果があるかどうかわからないし」

事務長「大丈夫、私がしっかり教えるから一緒に頑張りましょう。最初はみんな素人なの」

さなみ「あの、忙しいから今日は帰ってからいったんよく考えてみようかと」

事務長「はい、じゃ、この雇用契約書にハンコとサインね。そしたら今日は終わりね」

さなみ「いえ、結構で」

事務長「そうなのよ、うちは結構いい評判があってお客様からも従業員からも評価が高いのよ」

さなみ「ぅ゛〜ゎ゛カゝ丶)まιナニすひ″レよ″せω」

事務長「わかってくれてありがとうね。さなみちゃんがハンコついた契約書預かったわよ。じゃ、明日から私たちの仲間ね、私たちのお金、じゃなくてお客様への最高のサービスのために頑張りましょ!」

さなみ「レよレヽ─」

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