読むだけ簡単復習・ピアジェ、ヴィゴツキー、共同注意 公認心理師試験
◯ ピアジェの発生的認識論
ピアジェは知的発達について子どもが外界認識するための心的枠組みとしてシェマ(認知的枠組み)の存在を規定しました。
シェマはあらゆる領域の環境との相互作用であり、思考法の源泉です。
シェマは「同化」「調節」「均衡化」の3つに分類されます。
・同化
外界から入ってきた情報をシェマに合わせて変化させること
・調節
同化がうまくいかない場合、思考法の方を変化させる
(同化と調節を繰り返すことによって、周囲の環境に子どもは自分を「適応」させていき内的に「体制化」を全部の発達段階で行う)
・均衡化
同化と調節の双方を含む。
シェマの新しい経験との均衡状態を作り上げる。
ピアジェの知的発達の4段階
1.感覚運動期
2.前操作期
3.具体的操作期
4.形式的操作期
⑴ 感覚運動期
0〜2歳
世界を自分が作り上げる刺激によって構成されると認識(おもちゃ遊びは主体的に行った結果、世界を作り上げる)
ア 「対象の永続性」を獲得
ア ぬいぐるみを箱に入れて布をかける
イ 子どもは布をめくってぬいぐるみを取り出そうとする
・生後1年ぐらいからこれが可能になる
→表象能力/目の前になくても事物が存在しているということを認知する
ウ「循環反応」をする。
(ア)第一次循環反応
乳首ではなくて自分の指を吸
うことを代償にする。
(イ) 第二次循環反応
事物の関係性を理解
おもちゃを取るのにおもちゃ
についているヒモを取ればい
い。
何度も布に触ったり、面白いと思ったことを繰り返す
エ 模倣期(〜8カ月)
自分と相手の発声、動きを模倣できる
オ 顔の模倣(8カ月〜12カ月)
自分の表情は見られないけれども相手の顔の模倣をすることができる
カ 延滞模倣期(18カ月〜)
相手が不在の時でも記憶していてあとから動作の真似をすることができる
⑵ 前操作期
生後2歳〜7歳
1歳半から2歳で獲得した「象徴機能」(「言葉」「ふり」「物事を別のものに見立てる」=「おままごと」「ごっこ遊び」)を使えるが、思考がまだ論理的に組み上がっていない。
ただし、象徴的思考期(2歳〜4歳)では事物がそこになくても後から思い出して絵に描くことが可能
直感的思考期(4歳〜7歳)
未体験の出来事でも正しい判断を直感的に行うことが可能に。
× 家が地面から生えてきた
◯ 家は人が組み立てた
ア 中心化
目立つところにだけ注目する→コップの水をより高いコップに入れると水の体積が増えたと錯覚(保存課題)
・知覚的操作ができないので「前操作期」という。
イ 実念論
自分の認識が実現されることが当然、想像が実現されると思い込む
ウ 人工論
人間を含めた全ては人工的に作られたと思い込む
エ アニミズム
事物、無機物(鉄、石など)にこころがあると信じ込む
⑶ 具体的操作期(7歳〜11歳)
抽象思考はまだできないで、目の前の「イス」、「りんご」には思考が及ぶ段階。
ア 第一段階(7歳〜8歳)
「保存概念」が備わり、水をある容器から別の容器に移しても量は同じということがわかる。
イ 第二段階(9〜10歳)
(ア)交差概念
異なる2つのグループの共通項
を抽出できる
(イ)観念の供応
山の模型を見て、別の角度か
ら見た状態を推測できる。
ウ 思考の可逆性
重なったブロックをバラバラにし
ても同じもの。また元の形に組み立てることもできるようになる。
⑷ 形式的操作期
ア 仮説的演繹思考
三段論法の使用が可能になる
「10センチの定規は20センチの定規より短い」
「20センチの定規は30センチの定規より短い」
を提示されて
「10センチの定規は30センチの定規より短い」
という演繹が可能になります。
イ 組み合わせ的思考
ものの組み合わせを順序立てて行うことによって正解を導き出すことができる。
積み木模様を作成するのに適当にランダムで行うのでなく、順序立てて考える。
ウ 計量的比例概念
ある変化がほかの変化にも影響を及ぼすことを理解
◯ ヴィゴツキーの発達理論
ピアジェは子どもが環境に働きかけることによって発達するという理論を打ち立てました。
ヴィゴツキーは、文化・歴史を構築する他者が子どもの発達に影響を与えると考えています。
・発達の再近接領域
1.子どもが1人でできる行動
2.援助を大人がすればできる行為
※ 1.2.の間の発達途上の領域のことを最近接領域と言います。
他者が子どもに働きかけることによって最近接領域から1人でできる行為に発達させます。
3.道具概念
ヴィゴツキーにとっては、「道具」概念が注目されています。
道具は工具の他言語もコミュニケーションの道具です。
◯ 共同注意
3〜4カ月から始まり12カ月ぐらいからより発達していく。
指差し行動に示されるように大人に自分の注目点に気づいて欲しい、大人と同じ場所を見る。
大人の評価をその表情から参照する。
物-大人-自分
の三項関係が成立する。
大人-自分
であれば二項関係
他者の感情を参照しようとする社会的参照が発生。
他者理解が発展することによって「心の理論」成立が可能になる。(他者は当然に自分のことをわかっているわけではなく、説明が必要)
命令的共同注意は遠くにある食べ物を取って欲しいという注意の形式
叙述的共同注意は自分が注目しているものを他者に注意して欲しい、例えば外の車を見る。という行為。
※ 公認心理師試験はゼロから書かせる試験ではなく、見覚えのある単語を選択する再認試験です。最後まで諦めずに読み続けるだけで合格に近づけると思います。