カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2019年05月

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◯ キャリア組心理職残酷物語

霞ヶ関本省採用組のキャリアで法律、行政、政治・国際のような東大法学部か経済学部しか取らないよ、というような財務、経産省のようなところは恐ろしく激務です。

昔から離婚の◯◯省、飛び◯りの▷▽省とか、とかくキャリア組の仕事の仕方は無茶苦茶です。

本省課長ともなると指定職なので行政職俸給表を外れて民間企業で言えば黒塗りの車がない迎えに来るようなトップエリートです。

この前心理と関係ない、そういったキャリア役人で心理業務に興味を持ってくれた人と話したのですが、いわく自分は東大出身でないから三流官庁にしか入れなかった(でもかなりの日本の中枢です)。

内地留学で修士、博士号を取得しつつ午前9時から午前4時まで仕事をしていたとのことでした。

彼は同じ省庁の医師が部下にいます。

行政の中枢に入ると医師が医務行政にかかわることがあるのですが、臨床を医師にやらせないのはなんと勿体ないと思います。

そのほかにも中央官庁では厚生労働省では医系技官の採用を昔からやっています。

キャリアの彼の生活を聞いていて、うわあと思ったのですが僕もやや近い生活をしていたことがあるわけで頑張って終電で帰宅して始発で職場に行く、泊まり込みも多々という数年間、あれをもう一度やれと言われてももうできません。

前置きが長くなりましたが、国家公務員総合職人間科学は法務省だけではありません。

過去人間科学分野採用実績があるのは厚生労働省、文部科学省、農林水産省、総務省、警察庁、内閣府、総務省、公安調査庁(!)です。

農林水産省は最近は採用実績がありませんが、昔内定を取った人に聞いたら農村部の社会心理学的調査をやる仕事だったそうです。

公安調査庁は昔から心理職を採用しているのですが、何なのかは恐ろしく、いつものように気軽に電話して「なんの仕事やらされるんですかあ?」と聞こうとも思いません。

さて、国家の中枢で働く人文科学職で立派な人もいますが、若いと野心ばかりが先走って空回りすることもあります。

法務省は検察官をはじめとした法曹がキャリアの中枢を占めていて、その次が法律職、人文科学職はスターダムではないけど大切な仕事です。

そこを飛び越えて検察官を打ち負かして必死になろうとしてもムダなのに頑張ろうとしてる若い人を見ると、できることをやって欲しいなあと思うわけです。

さて、中央エリートは大変だなあ、やれやれ、地方自治体は楽だからいいやと思っていると全くそんなことはありません。

人口10万人に満たない小都市でもデキる行政マンは「これよろしく」と永遠に終わらない仕事をさせられるというのは本当です。

行政キャリアは部下のキャリアが徹夜して作った分厚い資料を持ってくるとぱらぱらとめくって「うーん、もうちょっとvividな雰囲気で」と3秒ぐらいして突き返し、部下はそれから資料お直しのためにまた徹夜のデスマーチです。

こういった話を僕はクライエントさんから聞いているのではなく心理職から聞いているのです。

たまに研修会で会うと「あ、まだ生きてる」と思ってしまいます。

国家だろうが地方だろうが心理職が行政施策をしなければならず、現場を離れて企画立案をさせられると地方でも上級職だからねー、とすごいボリュームの仕事をさせられます。

臨床心理士でも公認心理師でも大学院卒上級職の能力を期待されての仕事ですからキャリア待遇ということになります。

さて、行政場面から解放されて現場で心理職がほっとできるかどうかはその現場にかかっています。

児相は報道で批判を浴びせられていますが365日24時間対応で仕事をしています。

「叩かれた子どもが泣いてる」程度だと児相は身動きが取れないのが現状です。

命が危ない子どもでも家庭内再統合を迫られるという矛盾した仕事を児童福祉司も児童心理司もしています。

専門家以外の短期研修を受けた素人行政新卒者が児相に入って来ます。

児相所長も定年間近の行政職や飛び石のひとつの石として所長業務をすることがありますので児童行政にかかわってくれるかどうか。

児童福祉司、児童心理司の専門家はいつも厳しい局面に置かれています。

心理職は採用上級が臨床心理士資格なのでそれを活用して就職することもありました。

多分これからは公認心理師にシフトしていくでしょう。

地方上級心理職は資格不要で採用する場合はもあります。

大学院卒でなくても採用してくれるので優秀な学部卒の人材が心理の現場に出てカウンセリングやテストをしています。

自治体採用で病院心理職をしていれば医療心理の仕事ができます。

別に臨床心理士や公認心理師資格は採用必須条件ではない場合が多く、心理療法士という職名で仕事をしている公務員もいます。

患者さんにとってはいいカウンセリングをして欲しい、◯◯県の職員なら信頼できる、ということで資格は二の次です。

そうやって現場で通常の心理職(は決して楽と思いませんが)をしている人もいれば修羅場のような児相の戦場で働いている心理職もいます。

そして心理で採用されて行政職の中に混じって書類仕事をしてキャリア扱いされると「できて当たり前」と思われます。

ノンキャリアから一線引かれて人間関係に溶け込むのが難しくなると仕事もやり辛くなります。

行政業務で困った時には相談できるスーパーヴァイザーもいません。

中央省庁ではみんな徹夜続きなので課長補佐クラスの40代キャリアが机に突っ伏しているとみんな可愛そうに思ってそっとしておきます。

ところがそのままお亡くなりになっていた例があると別ルートから何件か聞いたことがあるので都市伝説ではないのかもしれません。

中央でも地方でも心理職は公務員なのでとても安定しています。

新卒から心理職をしていてそのまま長く勤められれば待遇としてはとてもいい職場です。

「お金に困ったことはないんです」と研修会で言っていた公務員が一斉に白い目で見られていて「この場におけるジョイニングをしなさい」と思われていたのを見たことがあります。

公務員心理職も働いてみないと実情はわからない世界でしょう。

「いろいろな人生の選択肢がありますしこれからどうやって仕事を選んでいくか、はっきりとした答えはないんですねえ」とクライエントさんに同調している心理職は同じことを自分にも言っているのかもしれません。

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公認心理師の会・設立記念講演会が厚生労働省から5月15日に後援を受けています。

この件について僕は「後援」という行政の意味合いについて厚生労働省公認心理師推進室に電話確認してみました。

僕「公認心理師の会の設立記念講演に後援を厚生労働省さんがするというのはどういう意味合いがあるのでしょうか?」

担当者「後援を公認心理師の会から要請されました。それに当たっては必要書類があって、当方と関係があるものについては意義などを審査して基準に該当するものについては後援をしています。申請があっても目的が関係ないものについては後援しません。」

僕「ひとつお尋ねしたいのですが、厚生労働省さんが今回の講演会の後援をするということは今後ずっと公認心理師の会を後援し続けて行くとか、公認心理師に公認心理師の会に入会を勧めるということになるのですか?」

担当者「違います。あくまで今回の講演会の後援をするというだけのことでそれ以上の意味はありません。

ということでした。

掲載了解済です。

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(ちみちゃんとお出かけして偶然撮れた名前がわからない可愛い鳥)

◯ ギャンブル依存に期待されるメンタライジング・動機付け面接と公認心理師のかかわり

・から美の独白

1.今日は朝10時の開店と同時にダッシュで出玉の出る台を確保できた。ラッキーな日だった。

おかげで夜10時までやって15万出せた。

新台のキャラも役物も演出も音楽もすごく私は大好き。

これなら明日も勝てる。明日もまた来ないと。

途中ピンチだったけど常連仲間のアキラにタバコ一箱もらって運が変わった。

2.開店と同時にダッシュで新台に向かったらコケそうになってジジイに新台を取られて今日は散々だった。

いくらつぎ込んでも確変来ない、千円札が魔法のようにマシンにどんどん吸い込まれていった。

今日はマイナス20万。明日会社に出勤しないとクビだと社長から電話がかかってきた。

あいつはいつも私のジャマをする。

もう1日あれば今日の負けを取り返せる。

そうしたら毎日勝っていけばこれまでの負けが取り返せる。

3.今日はたまっていた営業事務の計算をやった。

あんな仕事1カ月に1日だけ帳尻合わせればいいんだから毎日出勤する必要ない仕事なのに会社はムダばかり多い。

昨日のことを考えていて、新機種に途中で移っておけば勝てたということに気づいたらすごく悔しくなった。

手が震えていてタバコの煙を肺に思い切り吸い込んだら「社内禁煙なのに何やってるんですか?」と新入社員のひね美に言われた。

あわてて飲みかけのコーヒーにタバコを突っ込んで消した。

まだタバコ一口目なのに。

ひね美まだ入社して半年もしないのにイキがってる。

先輩を立てない。

最低。

昼休みユウヤから電話かかってきた。

毎日ものすごい数の金融会社からの不在配達票来るけどどうなってるんだと怒ってた。

ユウヤはバカじゃないかと思う。

これからショウタにいろいろ金かかるのにどうするんだと言われた。

いくら借りてるんだと言われたけどわかるわけねえじゃん、あんまり人追い詰めんじゃねえよ。

じゃ、給料前借りしてよと言ったらわかったとは言ってた。

勝てる日が続いたら借金なんかすぐ返せてそれどころかかなりプラスになって浮く。

3.ユウヤから50万円渡されて、会社から前借りしたからこれでなんとかしろと言われた。

足りないけど2日あればかなり勝てる。

4.今日は気分転換にスロやってる最中に社長から電話かかってきた。

すいません。カゼで、と言ったら、周りの音うるさいね、と言われたからすぐ切った。

見に覚えのない電番からどんどん電話かかってきて、こっちは台に向かって真剣勝負なのに、邪魔。

こういう電話がなければもっと勝てる。

店出てからすぐ着拒してる。

5.社長から昨日の夕方電話かかってきてこれ以上休んだら雇えないとか脅しに入ったから仕方なく仕事に行った。

相変わらず手が震える。

タバコを3箱吸って気持ちを落ち着ける。

そのあと孫を見せるからと約束してたから私の実家にショウタを連れて行った。

親と話す。

ユウヤの女遊びが激しくてうちは借金だらけの生活だから苦しいと泣きながらお父さんに話した。

前もって電話しておいたから100万もらえた。

町内会の体育祭準備費用80万円使い込んでたからマジヤバい。

お父さんの金で穴埋めすることにする。

6.仕方なく仕事に行った。

帰宅したらユウヤがもうお前とは別れてショウタを引き取ると言っていてワケがわからなかった。

育児も家事もやってないって言われて腹立つ。

そりゃそうだけど大金がかかってる。

ユウヤが俺名義で作ったカードはお前にはもう使わせないと勝手なことを言う。

ひどい。

ユウヤが会社のカウンセラーに勝手に相談してた。

精神科行けとかキチ◯イ扱いされて超ムカつく。

ユウヤは何でも自分一人で決める。

私の自由意志はない。

ユウヤから人間のクズと罵られた。

そんなこと私も自分でわかってる。

何で人の弱みをえぐるのか、コイツは愛情がない。

(3カ月後)

7.ユウヤから無理やり脅されて病院に連れていかれた。

ハァ?私頭おかしくないんですけど。

おじいちゃんの院長が、「から美さん、実はとっても辛かったんでしょう」

と言われて超マジ泣きした。

涙が止まらずに30分ぐらい泣いてそれでも聞いてくれた。

そのあと心理の白衣を着た先生のところに行った。

院長先生が言った「依存症」その治療は一生続けて行かなくちゃいけない。

かなり辛いけどそれでもから美さんがここに来られたことは大きな意味があるんですよと言われた。

せっかくですから一緒に頑張ってやっていきませんか?

と言われてまたマジ泣き。

この日だけで一生分涙流しまくった。

心理の先生から「明日やめていられる自信ありますか?」

と聞かれてありませんって答えたら正直でいいですね、から美さん無理は禁物ですよって言われてまた泣いた。

帰宅してユウヤから今の借金額を示された。

クレジット協会やらあちこちで調べたらしい。

ぼーっと聞きながらユウヤは私を愛しているのかもしれないと思った。

私名義の借金が500万、ユウヤ名義が120万円、そっかあと思った。

ユウヤもわかってないけど利子を払わないで済むとかなんとか調停とか自己破産とかあるらしい。

自己破産ってブラックじゃん?

何でまた私を追い詰めるの?

とユウヤに言ったら怒鳴り合いの大ゲンカになった。

くたびれ果てて寝た。

8.ユウヤが私を信用してるわけじゃないから、そこはけっこうムカつく。

でも院長は神様みたいだし心理の先生は励ましてくれる。

うちは田舎だからギャンブルだけじゃなくていろんな依存の人が来るんですよ、と心理の先生に言われながら自助ミーティングに出てる。

酒飲み過ぎて仕事も家庭も失ったおじいちゃんの話を聞いて私もそうなる寸前だったんだなあと思う。

いろんな人が来ていてゲーム課金すごかったと若い男の子から言われて、見返りないのに1日30万円もゲーム課金するのおかしくねっ?て思ったけど私も同じ。

明日はガマンできますか?自信ありますか?って心理の先生に言われてわかりませんって答えるとそうですね、そのとおりですね、今週はよくがんばりましたねって言われた。

でも心理の先生が言うことはイチイチ正しくてもひどいって言ったらそれは当然そう思いますよね、から美さん正しいですよって言われた。

わかってもらえた。

ホッとしてその日は疲れて帰って寝る。

私の心の中では荒れ狂う波が今でも収まらない。

でもいつか陸のある地面にたどり着きたい。

※ 依存症治療にはメンタライジング概念が有効です。

例えばから美さんがただ依存症でいくらでもお金を使っている状態を自分で問題視していないならば、それは誰にもメンタライジングされていない状態です。

ユウヤから罵倒されているだけでもそれはメンタライジングされていません。

依存症治療病院の医師や心理から支えてもらい、家庭でもユウヤから治療のために励まされ、そして自分の自己肯定感を強めることができたとき、初めてから美さんは自分をメンタライジングすることができるようになるのです。

ここで心理職に期待されるのはメンタライジングの中でも「治療者やチームとの建設的な契約の形成などを含む、関係性の構築を考慮に入れていること」

「メンタライザーションと境界パーソナリティ障害」A・ベイトマン/P・フォナギー著 岩崎学術出版社

から引用

「患者もセラピストも、メンタライジングのプロセスに関与するのであり、メンタライジングする両者の能力は両者の情動処理能力(つまり、感じながら考えること、および考えながら感じること)に依存しているのです。」

「愛着関係とメンタライジングによるトラウマ治療」素朴で古い療法のすすめ J・G・アレン 北大路書房

から引用

メンタライジング理論は精神分析から派生しています。

また、依存は虐待とも深い結びつきがあると多くの研究が指摘していますので、トラウマへの癒しが依存のカギになります。

そして依存治療が自分を依存症と自覚を持つ以前の段階で有効なのは動機付け面接motivational interviewing, MIです。

変わりたい願望Desire

能力Ability

理由Reason

必要性Need

結果Commitment

のDARNーC

のチェンジトークをクライエントさん自身の口から引き出せるか。

この場合から美さんが泣き出して辛さを認めたことからチェンジトークは始まりました。

依存症では相手を責めるような発言は治療的ではありません。

だから(Open and Question)

開かれた質問で相手から何が起きているのか聞き、是認(Affirm)し、聞き返し(Refrective Listening)し、要約する(Summerize)

のOARSがキモになります。

「動機付け面接 〈第3版〉上」ウィリアム・ミラー他2人 星和書店

依存は根深く、「やめられていますか?」「ええ、今日は、でも明日はわかりません」の連続の毎日を生きるクライエントさんはとても辛い思いを毎日しているます。

メンタライジングをカウンセラーが行い、自己理解や自覚を勧めて共感していくことが治療につながるのです。

ブループリントにも掲載されているメンタライゼーション、メンタライジング、動機付け面接は公認心理師試験でも出そうだなと思っています。

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※ 実在する人物の許可を得て記事にしました。

◯ 保健師兼公認心理師つぐみさん

僕「つぐみさんみたいに精神保健領域で働いてきた保健師さん、結構公認心理師取ってるみたいね」

つぐみ「看護師ってね、なんでもやるから最初は外科病棟でオペ中にメス投げられたりね、診療中にもカルテ投げつけられたり外科の先生にされるとこから修行始めたわけよ」

僕「外科系って昔は大変だったよねえ」

つぐみ「今でもそうよ。外科系だと『あーらセンセ、いつもお手手が悪さしちゃうんだからあ』って言ってうまくあしらわないと」

僕「へえ、で、つぐみさん保健師取ってからすぐメンタルヘルス関係始めたの?」

つぐみ「市役所の地域保健師ね、それからまた病院で看護師やってから企業かな?」

僕「企業っていってもつぐみさんがいた会社の規模だと産業保健の中でもメンタルヘルス業務最初からはやらせてくれなかったでしょ」

つぐみ「そうねえ、健康診断、要指導社員への健康指導とか病院行かせるとか、社食のメニュー改善とかね」

僕「社食だからきちんとカロリー計算されてるわけじゃないんだ」

つぐみ「入札で入ってきた田舎の食堂だからカレー、ラーメン、カツ丼が中心よお」

僕「産業保健師さんって本当にいろいろやるよね」

つぐみ「そそ、禁煙キャンペーンとかウォーキング推奨月間とかね。そういう成果を学会発表できたのはよかったかな。」

僕「会社のお偉いさんでも人事管理とか労務管理とかできる人とできない人がいるから保健師さんにやらせてるところもあるよね」

つぐみ「うーん、労働安全衛生業務をやるのは本当はどっかの課の課長業務?と思ったけど、ヒヤリハット事故防止とか、労災ゼロ運動やったりとか、なんでもやらされてねえ」

僕「課長っていうより部長に近そうな」

つぐみ「だから総務部マネージャーで部下の教育とか職長を集めて健康保健教育とかね」

僕「うん」

つぐみ「だから中災防(中央災害防止協会)心理相談員の資格取ってね、産業カウンセラー取ったら勢いでシニア産業カウンセラー取ってそれからキャリコン(国家資格キャリアコンサルティング技能士)取ってそこの会社でメンタルヘルス責任者もやることになったのね」

僕「看護師さんって人体に詳しいだけですごいって思うけどつぐみさんは保健師さんやってそれからかなりまた勉強したんだねえ。保健師さんって熱心な人多いよね」

つぐみ「でも非常勤のままマネージャーやってて、会社が産業保健部門ね、特にメンタルヘルス部門縮小するっていうから出稼ぎに行かないと食べられなかったのよ」

僕「ふんふん」

つぐみ「あちこちで講演とかやってたからね」

僕「うん」

つぐみ「まあすぐ仕事見つかって10社ぐらいかけもちで仕事したり官公庁とかいろいろね」

僕「つぐみさんなんでもできるから頼られたでしょ」

つぐみ「リワーク(病休者復職支援とかね」

僕「うん、民間はどこも大変そうだねえ」

つぐみ「いや、実は公務員関係がかなり大変なのよ」

僕「ふうん」

つぐみ「保安職、公安職って普通の公務員以上に労働制限とか撤廃してるでしょ」

僕「そうだよね」

つぐみ「だからね、カウンセラー雇わなくちゃってことで委託されて行ってる◯◯▽の職場とかすごいのよ」

僕「うーん、保安関係はすごくメンタル状態悪いって聞いたことあるよ。外部への心理支援はしても内部の職員ケアしないって元特別国家公務員の博士から聞いた」

つぐみ「でしょ?、私が『今週も来ましたーっ』行くとね」

僕「うん」

つぐみ「『やあようこそいらっしゃいましたつぐみ先生』ってお偉いさんがずーっと喋っててね」

僕「うん」

つぐみ「職員のカウンセリングとかできないっつーか意図的にさせない雰囲気なのよ」

僕「あらー」

つぐみ「ま、もっと上の方に今チクッて慌てさせようと思ってるんだけど」

僕「保安関係は大変そうだねえ」

つぐみ「警察以外にも司法警察員で逮捕権与えられてるとこはどこもね、内部のルールがすっごく厳しい」

僕「うん」

つぐみ「いつも仕事で惨状目にしたり24時間体制とか宿直とか激しいのよ」

僕「大変そうだねえ」

つぐみ「だからメンタル状態すごく悪いけどケアする人いないから、公務員って言っても実は辞めちゃう人も多いけど、表には出ない数字よねえ」

僕「うん、つぐみさんって保安関係だと今までどこの仕事してたの」

つぐみ「◯◯、××、☆☆、@@とか」

僕「ふうん、ほぼ保安関係網羅してるんだねえ」

つぐみ「資格いろいろ取ったりいろんな経験させてもらってたから、公認心理師試験なんとかなったけどね」

僕「大変な現場多そうだから無理しないでくださいね」

※ 場数を踏んでる精神科看護師さん、産業保健師さん、保健所の精神保健福祉相談員さん(いずれ精神保健福祉相談員には公認心理師も登用されるでしょう)は医学知識があり、訪問ケアをする際にも身体医学知識があるととても役立つでしょう。

保健師さんは医療に加えて産業場面では産業保健師、行政場面では行政保健師、教育保健師と3つの領域を持って仕事をしています。

保健師、看護師は現任者ルートが終わると公認心理師資格は取れなくなりますが、まず各精神衛生の最前線て活躍している方々に公認心理師でキャリアアップしてもらうのは十分ありだと思います。

心理職プロパーとしても教われる部分は多いのですから。

これまで公務員心理職については裁判所と法務省矯正局についてしか書いていなかったのですが、公務員心理職は官公庁でも自治体でもかなり多く活躍しています。

また、公安関係心理職も多いのですが、つぐみさんが言う通り、公安保安関係職員は職務がハードな割にはケアが行き届いていません。

内部スタッフケアが不足しがちなのです。

心理職、精神保健職が集まって仕事をしているような職場でも心理、精神保健専門職がなんらかの精神疾患を発症することはあります。

そこで他の心理、精神保健専門家が予兆を感じてストップできるかというとできません

うつ病にせよ、双極性障害にせよ、統合失調症でも頑張って仕事をしようとすればやりきれてしまいます。

そして倒れた時に初めて周囲が気づくのです。

専門家集団にしてこのありさまですから、一般の職場ではなおのことわからないわけです。

今は公認心理師制度は始まったばかりの移行期ですが、多くの職場に公認心理師が浸透していき、その成果が試されている時期と思います。

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AIカウンセラーが公認心理師、臨床心理士を超える時

以前「AIカウンセラーは公認心理師の夢を見るか?」という記事を書いたのですが、思いのほか反響があったのでまたAIカウンセラーの持つ課題について考えてみます。

まず、心理カウンセラーが通常のカウンセリングの中で行っていてその中で収集しているデータは実に膨大な量になります。

週1回50分のカウンセリングを1日5人行っていて、それが10年ということになると相当な量の情報が集積されます。

人間がカウンセリングカルテや電子カルテに記載するならかいつまんで情報を取捨選択することができますがAIにはそれはできません。

以前メラビアンの法則では対人関係コミュニケーションでは言語によるコミュニケーション要素は7パーセントしかないと指摘してエビデンス・ベイスド・メソッドの方法論に(もっと言うなら研究仮説)にも疑義を持ったという記事を書きました。

AIカウンセラーは人間の表情を読み取って、どんな感情を抱いているか、それに対してどう受け答えすればいいかも可能とするでしょう。

語調、服装などノンバーバルなコミュニケーション概念をAIカウンセラーは理解できるようになると思います。

そうだとすればそれは1人50分でも膨大なデータとなるはずです。

それではこのビッグデータをどうやって保管するか、現状で患者カルテを暗号化してクラウド上に保管されるというシステムはもう出来上がっています。

さて、そのためにはAIカウンセラーがクライエントさんにインフォームドコンセントを取らなければならないわけですが、人間でないAIと人間との契約は果たして有効なのかという問題が生じます。

カウンセリングは医行為でなくとも精神療法、心理療法と言われる行為です。

AIカウンセラーがクライエントさんの状態を分析してこういった言葉をかけるのがいい、こういう決断を勧めたい、技法でこういったものが有効と思えるなど、かなり細かなところまでインフォームドコンセントを取らないと倫理的にまずい場面が多々出てくると思います。

人間のカウンセラーはかなり注意深くクライエントさんに接する話し方を自然に、そして教育を受けながら覚えていきます。

「その時にあなたが行った行為について、私はあなたが自分のことを傷つけようとした、というようにも読み取れますが、もし私にそう言われたらどう感じますか?」と迂遠なように思えてこういった問いかけの仕方はHYPER SENSITIVEな人には必須な場合があります。

手術同意書のように、このAIカウンセラーにカウンセリングを受けたことによるいかなる損害についても責任は取らない、という契約書について人はサインするでしょうか?

法的に有効性が認められにくいこういった契約書があったとしてもクライエントさんが自死した場合、遺族は納得するでしょうか?

法的な側面としてはAIプログラムエンジニアが自傷他害のおそれがあり守秘義務を取り払わなくてはならない場面と守秘義務が守られるべき場面を想定してプログラムを作るだろうけれども、エンジニアたちは公認心理師ではなく医療者でもありません。

AIには倫理的義務はないですし、何か問題が発生した際にはプログラムを書き換えればいいわけです。

カウンセリングを1時間真剣に行うというのは心理職にとってはとても厳しい行為です。

「今日は先生をこのナイフで殺そうと思って来ました」

「私の命をを助けてくれるのは夫ではなくて先生です」

という人間対人間だからこそ起こりうる、そして極限的場面への介入はそもそもAIカウンセラーと人間の間では起こりえないですし、的確な回答もAIカウンセラーにはできないのではないかと思います。

チャートにしたがってAIカウンセラーが行うカウンセリングはクライエントさんにとって納得がいくものなのでしょうか。

AI「今日はお疲れのように見えます。どうですか?」

クライエントcl「ええ、会社で嫌なことがありましてね」

AI(ここで「はい」と言ってオープンクエスチョンにして相手の自由に任せるのか、「どんなことがあったんですか?」と聞くべきなのかのかを決めなければなりません」

パターンα「はい」

「カウンセラーさんに話したいのですけれども、課長にはいつも無理やりに仕事を押し付けられて、納期も短く切られて・・・」

AI「大変ですね。」

「そうなんですよ、それでですね」

とここまで書いていて僕自身なんだか虚しくなりました。

人の心を心底から理解してくれたり、理解できなくてもそのように努力してくれていたり、未熟でも未熟なりに必死になってくれているカウンセラーに人は話をしたいと思うのではないでしょうか。

30年後には滅びると言われている営業マンの大部分ですが、営業マンに支払う人件費よりも、コストカットをしてお客さんにより安い見積書を出せる、車の性能について正確に答えられるAIの方があてになると考える人は多くなるでしょう。

パターンβとして「どんなことがあったんですか?」

と聞いて「実はですね」と話し始めなければならないクライエントさんは壁打ちだけをしている気持ちになるのではないでしょうか。

AIが医療に進出した方がいい場面は多々あるだろうと知人の内科医の先生と先日話していたのですが、徴候を記入して何科にかかるべきか振り分ける、患者さん到着前に病院にデータが届いていれば最大限70パーセントの手間のカットになるのでは、ないかとのことでした。

手術も「神の手」よりも素早く正確な手技はAIが優れているようになるかもしれません。

僕が受けた教育で精神科医師が話していた例がありました。

時間がない中ドリフターズ診察で「食べてる?眠れてる?気持ちは大丈夫?また来週!」との結果自死してしまった患者さんがいました。

待合室を通りすがった時に独特の異様で暗い雰囲気があったけれどもなんとも言えない、感じ取ったとしか言えない、だからまたそういう患者さんが来たらしつこく診察して「実は・・・」と言う患者さんの命を助けている、こういった「勘」はAIには無理です。

診察やカウンセリングの補助としてAIカウンセラーがクライエントさんの表情や様子、仕草を分析して初期段階で治療者に情報提供する診療補助はできるかもしれません。

カウンセラー「(PCの画面を見ながら)◯◯さん、かなり疲れていてストレスがあるとAIのデータから読み取れますね」

クライエント「先生、そのとおりですけど、僕の顔や様子を見たらそう思うでしょ?」となるだけのような気がします。

これが他科なら血液検査結果数値や画像診断結果という客観的データを示せるのですが、ことメンタル面については見て聞いてみないとわかりません。

性懲りもなくカウンセリングアプリをダウンロードしてみたのですが、細かいニュアンスは全く伝わらないので諦めて消してしまいました。

AIカウンセリングの可能性について最近よくネットで見かけます。

僕のブログはなんとなくきれいごとを言って「AIがこれから科学技術の進歩によって発展して、人間のカウンセリングと相互補完していいところをクライエントさんが取れるようになれる時代が来るのを待ち望んでいます。」

というような「優等生的なことを言って締めくくりやがって」と知人から言われることもあります。

ただしカウンセリングについてははっきり違うと言えます。

AIは人ではないのでカウンセリングはできません。

以上

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