ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2019年02月

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「感謝されると自分が気持ちいいからカウンセリングを仕事にしました」by公認心理師Xさん

この言葉を研究会で聞いた時には唖然としました。

この人によるとカウンセリングをやると自分が尊敬されたようで心地よくなる、感謝されたい、だから心理の仕事を選んだとのことでした。

心理職の資質というのは学歴では決まりません。

公認心理師法には定められていませんが研究をしない人よりはした方がいいと思います。

効果ある心理療法をカウンセラーは行って欲しいですし、そのために勉強して技術や知識を身につける研修や学会に参加することにも意義があります。

上記の発言をした人は結構あちこちの研修に出ていて熱心に勉強をしていたのですが、僕が思ったのは何をお前は院や研究会で学んで来たのだと。

クライエントさんは利害関係がない、秘密を守ってくれる人に話を聞いてもらいたい、スッキリとしたいという理由からカウンセリングに来る場合が多いです。

カウンセラーは「またいつでもどうぞ」と言い、一回だけのカウンセリングでも満足して帰る人、カウンセラーの腕前に不全感がありながら帰る人、本来カウンセリングの問題ではなくて現実の問題で、金銭問題や仕事が合わないなどが主訴で、カウンセリングルーム内ではどうにもできないなど初回面接の終わり方はさまざまです。

またなんらかのニーズがある人は再来してきます。

もちろん僕も自分の腕前は100点満点でクライエントさんの誰もが満足して帰っていくとは全く思っていません。

ただ「何のためにカウンセリングをするか、誰のためにカウンセリングをするのか」というと、それはクライエントさんのためであって、当たり前ですがカウンセラーのためではありません。

カウンセラーが仕事に対して抱いている欲望は何なのか、それはクライエントさんには関係がないことです。

夢いっぱいで心理職の仕事にはついたものの、大変なことがいろいろとあって心折れてしまいそうになった。

でも食べるためには心理の仕事を続けなければならないからやっている人というもいるかもしれません。

仕事としてやっている以上、「いやあ、僕もいろいろ大変でしてねえ、この前は彼女とケンカしちゃいましたよ」という風なカウンセラーの個人的な話に興味を持つクライエントさんは通常皆無です。

カウンセラーの家族が病気でやむなく予定変更してもらったときは「この間はすみませんでした」「大丈夫でしたか?」「ええ、おかげさまで助かりました。それじゃあこの前の話の続きですが・・・」

とあくまでもクライエントさん中心に話は進むわけです。

自分の仕事の不満などをカウンセリング中に語る権利があるのはクライエントさんだけです。

公認心理師試験はマークシートだけですし、臨床心理士試験の短い面接で心理職としてその人の根本的な人間的資質を見抜くことはできないでしょう。

だからこそ心理職にはきちんとやってくれ、自分のことよりクライエントさんを先に考えない心理職はいつか失格という烙印を押されかねないぞと思うわけです。

とある大学のカフェテリアで食事をしていたら医学部生たちが「将来どうしようかなあ、内科とか外科はメジャー科だからめちゃくちゃ忙しそう」

「そうだよなあー俺精神科にしようかな、人の話聞いて薬出してればいいだけじゃん?」という話を聞いて「ほう」と思ったことがあります。

志があってよく学んでいてその道一筋に生きる、臨床心理学を愛しているカウンセラーは仕事もよくできますしクライエントさんからも慕われます。

こういうカウンセラーにカウンセリングを受けることができるクライエントさんは僥倖です。

別に糊口をしのぐためだけに仕事をしていても、目の前にクライエントさんが来たら一生懸命になれればそれでもいいのです。

怖いのは自分の実力を過大評価する人、万能感を抱いたり、際限ない劣等感の裏返しで仕事をしようとする人です。

精神科医でも心理職でも、人をコントロールするために仕事をしたいというコントロールアディクション(支配への依存)に陥るととんでもないことになりかねません。

自分の認知枠の中に相手の人間性や人格を無理やりはめこもうとするようになりますし、歪んだプライドを満足させるためにクライエントさんだけでなく周囲を踏み台にして優位に立とうとします。

こんなことを書いているとカウンセリングに期待を持ちつつ読んでいるクライエントさんには申し訳ないなあと思います。

大抵の心理職は熱心、真面目に仕事をしている普通の人です。

その中で尊敬できる心理職に出会えたらそれは素晴らしいことです。

臨床心理士だけでも3万5千人累計合格者がいて公認心理師も2万7千人います。

全員絶対まともですという品質保証はつけられません。

何がなんだかわからずに公認心理師を目指そうとする新入大学生には大学の先生方も臨床のイロハから教えなければならず、大変なことでしょう。

クライエントさんはいつでもカウンセリングをやめたりカウンセラーを変える権利があります。

組織内で暴走したら止める人も出てくるでしょう。

心理職がお互いの立場を尊重するということはいいことです。

ただし相当な規則違反や法軽視の態度を取っていれば通報、通告は同一職種間でも行うことができます。

むしろ通告通報しなければその心理職も同罪というのが倫理的には当たり前です。

ただ、具体的に誰かに迷惑をかけたということがわからない、こういったグレイな発言をするような人はほかの心理職も注意を払って忠告します。

そんな態度で仕事をしていればクライエントさんからのクレームも出るだろうし、所属機関の上司からもきつい指導を受けることになるよ、と。

別に心理職同士で監視し合う必要はありませんが、相互にきちんと物言える自由な雰囲気は大切です。

今後の心理制度でクライエントさんがもっと自由にカウンセラーを選ぶことができたらいいなと思います。

クライエントの方々には言っておきたいことがあります。

そういうことはどの学会のホームページにも書いてありませんが、どろどろとした権力争いをしている心理関係団体の中の人は人格的にどうなのか?と思います。

ブログを書くのにあちこちから話を聞いたり取材をしていると特にそう思いました。

ヤブカウンセラーには気をつけてください
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公認心理師のカウンセリングハラスメント防止策

もうそろそろ公認心理師登録証が届いて晴れて公に公認心理師を名乗れる人たちがたくさん出てきました。

お疲れ様でした。そしておめでとうございます。

今日はカウンセリングという行為そのものが持っている危険性について書きます。

◯ 境界性パーソナリティ障害に関して

現代の精神科難治性疾患の中でも医療をはじめとした各心理分野領域で、本人の苦悩が大きい境界性パーソナリティ障害はその効果的な対処法が課題となっています。

もともと精神病と神経症との鑑別がつきにくい症例に対して境界例と呼んでいたのですが、境界性パーソナリティ構造概念を経て、DSM-Ⅲではっきりとした診断体系の中に境界性人格障害は位置付けられました。

この障害はあらゆる意味で医療の世界でも、どの領域で働く心理職にとっても対処が困難とされています。

診断体系DSMの優れているところは境界性パーソナリティ障害を単独の障害として扱うのではなく、合併している疾患についてもその診断可能性を探ることで、多面的な対応がしやすくなりました。

境界性パーソナリティ障害
Borderline personality disorder BPDはパーソナリティ障害という枠組にとらわれているだけでなく、うつのような気分障害、双極性障害、統合失調症、PTSDと並存した診断を受けていることもあります。

なぜBPDが難しいかというとまずはそのスティグマ(烙印)です。

◯AC PTSDとの関連

BPDの人は幼少期から思春期に至るまで親や他者からのひどいネグレクトや危害を連続的に加えられていた場合が多く、アダルトチルドレンやPTSDの中にもBPDの人は確かにいます。

だから全てのACやPTSDの人をBPDとして扱うと「私は人格的に問題があるの?欠陥があるの?障害なの?」と思われてしまうわけです。

人格障害というのはかなりきつい言葉です。

BPDはそうでない疾患が「BPDだ」と誤診されやすく、その逆も多いです。

BPDはパーソナリティ障害の中では本人の苦しみが強く致死率も高い、危険性を孕む病です。

薬物療法が奏功を呈する場合も多く、他のパーソナリティ障害よりも疾患性が高いと言えるでしょう。

日本の保険医療制度の診断名と実体には解離があります。

医師の診察時に医師が患者さんに紙カルテや電子カルテの病名欄を見にくくしています。

例えば双極性障害に医師が処方ししたくても保険適用にならない薬剤があると統合失調症の病名をつけて保険適用させることがあるわけです。

PTSD、AC、BPDは身体的症状やあらゆる精神病的症状が現れます。

保険診療のために医師がどんな診断名をつけてどんな投薬をするか、医師はその患者さんの状態像を見て処方しているわけです。

院内にいれば心理師もカルテを見る機会はあるわけですが、「BPDか、それじゃあ精神病的な妄想か」「病名が統合失調症か、やっぱり妄想か」として扱うと例えば幼少期の被害体験が何度もフラッシュバックしてそれを体験している患者さんの苦悩は置き去りにされてしまいます。

心理が勝手に患者さんを傷つける判断をしてはいけません。

医療は証人を呼んで事実の有無を采配して認定する司法機関ではありませんが、「家族からの情報」で客観性を求める場合はあるでしょう。

ところが「事実ですか?それとも妄想なんですか?」という判断を医療が求められる場合もあります。

お金や制度がからむと行政や福祉からの要請で情報を開示や参考意見を聴取されることもありえます。

その際に医師、医療現場は患者を「おかしなやつだから」というスティグマを押しつけてしまうと患者さんのその後には命取りになりかねません。

自傷的なアクティングアウト、行動化は扱うことが困難です。

医師にとってはODで入院を繰り返す患者さんに出せる薬は限られてしまいます。

服薬コンプライアンスをさせるのが難しい、そして医療者のプライドも傷つけられます。

「だからBPDはやっかいなんだ」という扱いを受けていた患者さんが転院すると医師や心理職に恵まれて平静になることもあります。

いつと疑われてかかられていて厄介者扱いをされていたらよくなりにくいです。

同じ投薬治療をしていても治療関係が良好だと薬の効き目が違うというのはよく言われていることです。

心理職が医師の診断を広げて患者さんに先入観を持って対処することは感心しません。

医師は困難な患者さんだからこそ心理職にフォローアップを求めているわけで、患者さんの劣等感を深める目的でカウンセリングを命じているわけではありません。

「教科書にも書いてあったから妄想は肯定も否定もしないでおこう」という態度ではちっとも共感的理解にはなりません。

他院の治療に不信感を抱いて転院してきた患者さんのインテーク(初回の見立て)面接をするのは今後も心理職、心理師が多くなるでしょう。

患者さんと一対一できちんと長時間向き合える心理職の役割は大きなものですし、インテークや心理検査は医師の診断にも大きく影響しますので、ここで患者さんと心理職が良好な関係、ラポールを使っておくことは大事です。

さて、心理療法の話になりますが、患者さんがBPDだと診断され、自覚していたら弁証法的行動療法はかなり有効な精神療法です。

弁証法的行動療法DBTはマインドフルネスや瞑想にも似た精神療法で「賢い心」という第三の精神状態を止揚させる弁証法的行動療法は、患者さんの気持ちを落ち着けるための数々のスキルを内包しています。

両腕傷だらけで自らもBPDであろうDBTの創始者マーシャ・リネハンがBPD患者さんを見る目はとても暖かいです。

さて、最近の患者さんはとても勉強熱心で、初めて受診に来る際に自分の病気のことをかなり調べてから来る人も多いです。

成り立ての大学院卒臨床心理士や公認心理師はとてもかなわないでしょう。

弁証法的行動療法をしようとすると自分はBPDと思われた、と察知しますし、トラウマを自覚していないのにEMDRをされるといぶかしく思うわけです。

今や精神療法の王道と言われている認知行動療法にも侵襲性、相手を傷つける可能性はあるでしょうし、来談者中心療法ということでクライエントさんに漫然と話させているうちにフラッシュバックや徐反応が起きる場合もあるでしょう。

心理職が自分は何をしているか、その危険性は何か、どんな方針で精神療法を行おうとしていてそのターゲットと見込みはどうかという、インフォームドコンセントICがきちんとできないと時としてそれはカウンセリングハラスメントになります。

もともと心理が行うカウンセリングには患者さんの短期的、中期的、長期的治療計画を看護や福祉計画のように立てる力が弱いのです。

あまり強力に自分が作ったスケジュールに患者さんを当てはめようとしても無理が出るのですが、ある程度の見通しは必要です。

今回公認心理師に合格したいろんな人たちから話を聞いています。

公認心理師に合格したものの、もともと心理プロパーでないので福祉、看護、教育の自分の主舞台で心理的知識を生かすという謙抑的な人は賢いと思います。

心理の世界は泳ぎ切れないぐらい広い海です。

もし僕があと50年ずっと勉強を続けても今現在の心理療法の全貌はさわりだけしかわからないでしょう。

全世界のカウンセリングの世界でハラスメントが問題とならなかった時代も流派もなかったと言っていいと思います。(偽の記憶事件など)

守秘義務と安全配慮と主治医の指示をすべて守れと矛盾した要求を突きつけられている公認心理師の仕事は今まさに注目を集めています。

公認心理師制度は常に正と見られるか負ととらえられるかの分水嶺にあるわけです。

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毎日変わる新情報・公認心理師協会、臨床心理士団体の混乱によるデメリットと短所と欠点と損失

1.序

◯ 限られた資金でどこの団体にどう入っておけばいいかは複数の資格ホルダーやいろんな学会に登録している心理職にとっては切実な問題です。

臨床心理士会と地方公認心理師協会共同主催研修だとどうも臨床心理士更新ポイント2群が取れるということなので、臨床心理士ホルダーが資格維持のためには日本臨床心理士会と地方臨床心理士会or地方公認心理師協会に入っておけばいいことはなんとなくわかりました。

が、あまりにも情報がコロコロ変わるし公式発表はないしで、果たして日本臨床心理士会に入らなくても地方団体にだけ入っておけばいいのか?

ひょっとして研修ポイントの絡みでは日本臨床心理士会には入っていなくてもOKなのか?

など各団体の動きがバラバラで疑問は山積するわけです。

今後の臨床心理士更新ポイントの扱いについては、日本臨床心理士資格認定協会、日本臨床心理士会、各地方臨床心理士会、日本公認心理師会それぞれが同じテーブルに乗って話し合わないと決まらないと思います。

こういう問題については日本心理臨床学会も無縁ではいられないでしょう。

ただ日本心理学会や公認心理師の会が参入して話し合えば場外乱闘の様相を呈するでしょう。

2.問題点

なぜどの団体からも公式発表がないのか?

会員は混乱しているのに。

ということです。

そしてそれは日本臨床心理士資格認定協会が公式発表をする責任があるような気もしますし、日本臨床心理士会が話し合いの場を設定すべきだとも思います。

しかし資格問題については積年の葛藤が存在することから、「資格認定協会の意地悪っ!バカっ!」と臨床心理士会側で思っていても言い出せない女子高生の片思い気分なのかもしれません。

資格認定協会と日本臨床心理士会30年の軋轢を考えるともっともっと恨みがありそうですがこれ以上は自主規制しておきます。

まあいいやとも思うのですが、臨床心理士資格ホルダーもこれからどんどん更新しないで資格を捨てていく時代になり、臨床心理士は平成時代の遺物の資格になる可能性があります。

存亡危ない臨床心理士、身分不安定な心理職、新しくスタートを切り、これから船出できちんと舵取りしなければならないし育てていかなければならない公認心理師制度、かかわる人々にいいたいのは

ちゃんとしろ

ということです。
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◯ 新情報 地方公認心理師協会・臨床心理士研修救済措置

◯ 日本臨床心理士資格認定協会に電話連絡して確認しました。

Q「地方公認心理師会で日本臨床心理士会と共催研修については第4群ではなく第2群(臨床心理士資格更新重要度が高い研修)になる可能性があると聞きましたがどうなんでしょうか?」

A「そのとおりです。日本臨床心理士会との共催については第2群です。そのように答えるように指導されています。」

とのことです。

※ 以下東京臨床心理士会にも問い合わせをしましたので参考に写しを掲載します。

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東京臨床心理士会

ひなた あきら 様

お問い合わせいただき、ありがとうございます。
昨年5月発行のニュースレター臨時号でお知らせしているとおり、当会主催研修会につきましては、これまでどおり申請手続きを行う予定です。

どの群に該当するかについては、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が発行する

「『臨床心理士』研修機会 承認申請手引書」にあるとおり、同協会の判断になりますが、当会としては、関係諸団体とも連携し、会員が不利益を被らないよう活動を進めていく所存です。

今後とも当会へのご理解、ご協力をお願い申し上げます。



------Original Message------
送信元:"【お問い合わせ(一般用)】Synergy!ジャーナルメール"
送信先:
CC:
件名:【お問い合わせ(一般用)】お問い合わせがありました。
送信日時:2019年02月12日 15:35:14(+0900)
>下記のお問い合わせ依頼がありました。
>内容のご確認をお願い致します。
>--------------------------------------------------------------------------------
>
>臨床心理士番号 :
>氏名      :ひなた あきら
>メールアドレス :himata0630@gmail.com
>お問い合わせ内容:心理学ブログを書いているひなたあきらと言います。

東京臨床心理士会が東京公認心理師協会に変わることで臨床心理士資格更新ポイント第2類から第4類に変わると日本臨床心理士資格認定協会から聞きました。

これに関する真偽、更新ポイントが取りにくくなるという東京臨床心理士会会員が被るかもしれない不利益、事前に会員に十分な説明はあったのかネットに公表してもいい範囲内でご回答いただきたいと思います。
>
>--------------------------------------------------------------------------------
>上記内容をご確認の上、対応お願い致します。
>対応後はデータベースへの登録をお願いします。
>
>
>

◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 一般社団法人 東京臨床心理士会事務局
 113-0033 東京都文京区本郷2-29-2 小山ビル1階
 TEL/FAX  03-3818-1176
 E-MAIL info@tsccp.jp
 URL http://www.tsccp.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇

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◯ 福祉領域公認心理師は待遇改善・公認心理師の給与は?

2019.2.15厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課 評価・基準係から「2019年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」が正式発表されました。

従前から介護福祉士、精神保健福祉士、社会福祉士など福祉専門職の給与は安すぎるという意見があり、福祉政策で専門職の定着化を狙うためにはその待遇改善が喫緊の課題となっていました。

そして今回の改定の目玉はこの専門職種の中に公認心理師も含まれるようになったということです。

今回の改定では経験年数10年以上のこれら専門職員に月額8万円の待遇改善を可能とするというものです。

月額8万円というと大盤振る舞いのように思えるかもしれませんが、月額8万円増額した上で、年収440万円を目指すというものですから、これまでの福祉職がいかに薄給かということが逆に透けて見えます。

福祉分野を担当する心理職は日本臨床心理士会調査2016年度1929人と決して少ない人数ではありません。

同年の臨床心理士会調査では臨床心理士全体のうち、年収200万円台未満の臨床心理士は31.0パーセントで心理士給与は1年中絶賛激安価格大セール中です。

大学院卒業の学歴でも非常勤、無職が52パーセントを占めているのが心理職雇用の実情なわけです。

同調査は臨床心理士中男性22.2パーセント、女性77.7パーセントと、ほぼ公認心理師合格者と同じ男女比です。

確かに(根拠はないのですが)女性の方が共感性も高く、いざという時の対処能力が高いレジリエントさがあることから女性はカウンセラー向きなのかなと周囲を見ていると個人的には思います。

兼業主婦で子育てしながら心理職をしている人は家事育児のかたわら本気で仕事して研修に参加してとものすごく大変そうです。

一人暮らしや自分が家庭を支えて心理の仕事をするということは収入の上ではとても困難です。

さて、福祉領域に話を戻すと、福祉職は心理に限らずいつも人手不足、重労働で薄給というイメージがあります。

放課後デイサービス等もかなり重労働でしょう。

純粋に心理の仕事をしていればいいかというとそういうわけではなく、乳幼児領域でおしめを取り替えなければならない、宿直勤務で疲弊してしまうという話も聞きます。

僕は医療機関付設の作業所(就労継続支援施設)で働いていたことがあるのですが、カウンセリングのかたわらフロアの様子を見ていくというのはなかなか難しかったのを覚えています。

誰がどういう資格を持っているからどう、という点ではグループホームや介護施設ではサービス管理責任者(サー管、サビ管)の権限は大きく、精神保健福祉士や社会福祉士の実務経験者は重宝されます。

実際サー管の責任も職務も重要で大変なものです。

知識・経験の点からも公認心理師が将来制度的にサービス管理責任者になれても使い物になるのだろうか?

と僕も思うわけです。

さて、福祉心理職、公認心理師の長年の経験者の待遇を改善する制度を作りました。

安いと言われている介護福祉士の給与は確かに上げなければまずいでしょう。

制度だけ作ってもその中で心理職がどのように動き働き、福祉全体に貢献できるかは別問題です。

システムの構築が弱い、各福祉施設に丸投げしっ放しで、心理をきちんと福祉の中に組み込むことが必要だという感想を持ってしまうわけです。

これは心理制度のみならず、福祉施設全体への支援が足りないと思うからそのような意見を持つわけです。

 
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