ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

2019年01月

性犯罪被害者ほか犯罪被害者などを対象としていると思われますが、犯罪被害者には警察が公費負担をして、被害者が自分で選んだカウンセリングを受けた場合に公費負担が行われるという制度についての紹介です。


http://www.pref.kagawa.jp/police/kenkei/johokoukai/pdf/tsutatsu/kouhika/h29kouhi94.pdf

「そこで、深刻な精神的被害を受けている犯罪被害者等が、精神科医等(精神科 医、心療内科医及び臨床心理士をいう。以下同じ。)によるカウンセリング等(カ ウンセリング及びカウンセリングに付随した検査をいう。以下同じ。)を受診す る場合の経費を公費で負担することにより、精神的被害の回復及び経済的負担の 軽減を図ることを目的とする。」

これが公認心理師も加わる可能性は充分にあると思います。

http://victims-mental.umin.jp/topics/01.html

一般向けパンフレット

「警察庁では、平成28年度からは、犯罪被害者等が自ら選んだ精神科医、臨床心理士等(警察による部外カウンセリング委嘱を受けている者か否かを問わない。)を受診した際の診療料又はカウンセリング料を警察において支払う、カウンセリング費用の公費負担制度に要する経費について予算措置を講じ、同制度の全国展開を図ることになりました。

 カウンセリング費用の公費負担の対象者、範囲および手続きは、各都道府県の警察によって異なります。カウンセリング費用の公費負担を希望される方は、各都道府県の警察にお問い合することをお勧めします。」

※ こういった制度について知らない患者さんもいるでしょう。

心理職もきちんとクライエントさんに説明しておける知識が必要だと思います。
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中央社会保険医療協議会p3資料です。

臨床心理技術者が国家資格となった際にカウンセリングが診療保険点数として加算される可能性について触れています。

「 資料1-2 厚生労働省

(1) PTSDが幅広く保険診療の対象となる見通しがあるか、そのための条件は何か。

(回答)

診療報酬の算定要件については、中央社会保険医療協議会において、医療の提供者、医療の費用を負担する保険者や患者の代表、学識経験者等が議論し、 その有効性や安全性等について議論され決定される。

そのため、PTSDが幅広く保険診療の対象となるかどうかについても、P TSDに対する治療の有効性や安全性等について中央社会保険医療協議会で 議論し、検討する必要がある。

厚生労働省

(2)臨床心理技術者が専門的な精神療法を実施した場合に、診療報酬の対象となるために は、どのような条件が必要か。

(回答)
例えば、「I005 入院集団精神療法」や「I006 通院集団精神療法」などの精神科専門療法は、精神科医師及び 1 人以上の精神保健福祉士又は臨床心理技術 者等により構成される2人以上の者が行ったものを評価している。

臨床心理技術者が単独で行った精神療法が診療報酬の対象となるかどうか、 中央社会保険医療協議会において、その有効性や安全性等を議論し、検討する 必要がある。

厚生労働省

(3)臨床心理士が国家資格となった場合、臨床心理士による精神療法が診療報酬の対象と なる可能性はあるのか。

(回答) 診療報酬の算定要件については、中央社会保険医療協議会において、その有効性や安全性等について議論され決定される。

そのため、精神科専門療法の算定要件についても、中央社会保険医療協議会で議論し、検討する必要があり、臨床心理士が国家資格となった場合に、臨床 心理士が行った精神療法が診療報酬を算定できるようになるかどうかについ ても中央社会保険医療協議会において議論される必要がある。

厚生労働省

(4)精神保健福祉士と臨床心理士とで、診療報酬上の取扱いに差があるのは、職務の性質 や技能の内容が違うことによるのか。

(回答)

職務の性質や技能の内容が違うからである。 精神保健福祉士は主としてケースワークを行うが、臨床心理士等の臨床心理技術者は主として心理療法を行うなど、職務・技能の内容が異なる。

ケースワークとは、精神障害者や家族を対象として、主として社会福祉的な観点から問題解決や課題遂行を援助する技術である。

(5)精神科専門療法の診療報酬の点数が算定できる種類と実施者について。

(回答)

下線部分を追加記載。

厚生労働省

区分
診療報酬の点数が算定できる実施者
I001 入院精神療法
精神保健指定医その他精神科医師
I002 通院・在宅精神療法
精神保健指定医又はこれに準ずる者,精神科 医師
I002-2 精神科継続外来支援・指導料
精神科医師,その指示の下,保健師,看護師, 作業療法士又は精神保健福祉士
I003 標準型精神分析療法
当該療法に習熟した医師,当該療法に習熟し た心身医学を専門とする医師
I003-2 認知療法・認知行動療法 I004 心身医学療法
当該療法に習熟した医師
I005 入院集団精神療法
精神科医師及び1人以上の精神保健福祉士 又は臨床心理技術者等により構成される2 人以上の者
I006 通院集団精神療法
I007 精神科作業療法
作業療法士
I008 入院生活技能訓練療法
少なくとも 1 人は看護師,准看護師又は作業 療法士のいずれかとし,他の 1 人は精神保健 福祉士,臨床心理技術者又は看護補助者のい ずれかとする
I008-2 精神科ショート・ケア
作業療法士が専従者として最低 1 人必要
I009 精神科デイ・ケア
I010 精神科ナイト・ケア
I010-2 精神科デイ・ナイト・ケア
I011 精神科退院指導料
精神科医師,看護師,作業療法士及び精神保 健福祉士が共同(医師が説明)
I011-2 精神科退院前訪問指導料
医師,医師の指示を受けた保険医療機関の保 健師,看護師,作業療法士又は精神保健福祉士

厚生労働省

I012 精神科訪問看護・指導料
精神科医師の指示を受けた保険医療機関の 保健師,看護師,作業療法士又は精神保健福 祉士
I013 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理科
精神科医師
I014 医療保護入院等診療料
精神保健指定医
I015 重度認知症患者デイ・ケア料
作業療法士が専従者として最低 1 人必要

小西構成員ご照会

(回答)

「I006 通院集団精神療法」は、入院中の患者以外の患者(外来患者)において、精神科医及び 1 人以上の精神保健福祉士又は臨床心理技術者等により構 成される2人以上の者が行った場合に限り、算定できる。

厚生労働省

(1)臨床心理士あるいは心理技術者が精神科外来通院者に保険診療で行える 心理療法について確認したい。それはないということでよろしいか。

小西構成員ご照会

厚生労働省

(2)PTSD に対する認知行動療法は保険診療外であり、現在日本で行われてい る定式化された持続エクスポージャー法(PE)については、自費診療しか 道はないということでよいでしょうか。

(回答)
持続エクスポージャー法は、通院・在宅精神療法の中に含まれており、精神科医が保険診療で行うことができる。

ただし、通院・在宅精神療法の要件を満 たした場合に限り、算定することができる。

※ 通院・在宅精神療法の要件

1 入院中の患者以外の患者で、退院後4週間以内の期間に行われる場合は週2回を、その他の場合は週1回をそれぞれ限度として算定。

2 診療に要した時間が5分を超えたときに限り算定。

ただし、初診料を算定する初診の日においては、診療に要した時間が30分を超えたときに限り算定。


https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kuwashiku/suishin/kentokai/mental/k_4/pdf/s1-2.pdf

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◯公認心理師のハイリスク妊産婦加算

※ 一旦消してしまった記事ですが、正確な情報を一部加筆修正した上で再掲します。

厚生労働省で毎年診療報酬点数表を出しています。(平成30年度診療報酬改定関係資料(医科・調剤))

全文495ページもあるPDFです。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196430.pdf

公認心理師がかかわる業務で診療報酬請求ができるようになったことは周知の通りです。

あまり知られていないかも知れませんが、「精神疾患を合併した妊産婦への指導管理に係る評価」について「ハイリスク妊産婦連携指導料」1及び2に規定されているのでここで紹介しておきます。

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◯ 公認心理師は科学の子になれるか。期待と現実

心理学は意識心理学、内観から始まってその反証として、実験重視の潮流になりました。

知覚、認知心理学が現在の認知行動療法の流れの根底になっています。

一方で目に見えない無意識の存在を仮定した精神分析、ユング心理学になるとさらに無意識世界を発展させて人類が共通して持っている集合的無意識を取り扱うようになりました。

認知行動療法全盛期になると、どの疾患や症状についてもエビデンス(証明力)がある論文が次々と出されていき、保険診療では認知行動療法が認められる動きとなっているのは周知の事実です。

ただし、心理療法の流れを見ていると必ず揺り戻しがあり、認知行動療法の中でも瞑想に近いマインドフルネスが重視されています。

さらに心身統合心理療法としてソマティックサイコセラピーが注視されるようになって来るとボディワーク、ダンス・セラピー、スピリチュアル、仏教的概念が癒しに役立つという、およそ統計や実験、データとは縁がない世界の流れがどんどん提示されつつあります。

PTSD治療者の精神療法を行う医師でも、ソマティックという言葉がこれほど定着する以前からヨガ、ダンス、そしてスピリチュアルを重視するヒーラー、レメディを使用するホメオパシー療法のような代替医学を勧めている先生もいます。

ついこの間ほかの医療職の人に「心理療法とか学派っていくつぐらいあるの?」と聞かれて「400ぐらい?」と答えて驚かれました。

箱庭は?芸術療法、音楽療法は?科学なのでしょうか。

科学だけが正しいのでしょうか。

僕が心理職として行っているのはクライエントさん一人一人のために行っているオーダメイドのカウンセリングです。

心理職でも「自分は◯◯の学派だからこういうやり方しかしません」という言い方をされたらクライエントさんは不安に思うでしょう。

絵画療法や中井久夫先生が統合失調症患者さんに対して行った共同空間分割法も言葉だけに頼らないセラピーです。

(僕のカウンセリングによくありがちな話・ほぼフィクション)

僕「◯◯さんのイメージってこんな悪いやつが気持ちの中で邪魔してるって感じ?」(適当なバイキンマンみたいなイラストを描く)

クライエントさん「そうそう、そんな感じね、じゃ、正義の味方みたいなの描いてよ」

僕「えー、僕絵下手だから◯◯さん描きなよ」

ク「私お客さんだからひなたさんは言うこと聞かないと」

僕「わかったよ、こうかな?」

ク「ひなたさん、これほど絵が下手ってその仕事に致命的じゃね?」

僕「うーん、大学で習わなかったから」

ク「いや、ひなたさんの場合はそれ以前の問題でしょ、向き不向きっていうか才能っていうか」

(以上)

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催眠、イメージワークのように身体と心双方にダイレクトに働きかける心理療法もあります。

細分化されていく心理療法の中で身体性は常に注目されている概念です。

この間医療機関勤務の若い女性心理職と話していて彼女が「痛いって言っているのが取れるまでがカウンセリングの目標」と言っていたのに対し、別のカウンセラーが「それはカウンセリングの目標になるの?無理じゃないの」とやり取りをしていたのを見たのは印象的でした。

彼女はとても優秀で、多くのクライエントさんから慕われていてケースワーク的な動きも巧みに行い、マジシャンのように思われているとほかの病院スタッフから聞きました。

心理カウンセリングはきちんとクライエントさんの状態を見ながら実施すると、数十年来の症状除去、緩和をしたり、身体に働きかけて体も楽にすることがあります。

治療同盟がきちんとできて、信頼を得たカウンセラーとクライエントさんの関係性は安定しています。

それでも何らかの理由でカウンセラーを交替しなければならなくなった時(引っ越しなどで医療機関を変える場合など)「前のカウンセラーの先生はこうしてくれたのに今の先生はしてくれない」というのはありがちなことです。

僕のところから去っていったクライエントさんがその後カウンセリングを中断してしまったと連絡が来ることがあると心配になります。

もちろん逆パターンもあって僕の知らないところで僕のカウンセリングからドロップアウトしている人もいるのだと思います。

心理の仕事が国家資格化されて、従前から行っていた心理療法の質がこれまで以上にブラッシュアップされたものを期待されると思います。

心理職が科学的であることにこだわっていてもクライエントさんの求めている世界観はもっと身体性に根差しているものかもしれません。

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◯ 公認心理師登録待ち心理職たちの雑談

Bさん(139点合格、試験に落ちたら産業保健心理EAP会社の営業部長などの役職が危なかったらしい)「ひなたさん、いつもブログすごいね、ボリュームあって読みきれないから読んでないよ。どうやって時間作って書いてるの?」

僕「いつも愛読ありがとうございます。おうちで恋人にぶーぶー言われても生返事しながら彼女の話聞かないで書いてるんですよ。自己犠牲の精神で道楽にまい進してます」

Bさん「自分だけのために家庭を犠牲にしてるんだね、その利己性と自己愛はすごいなあ。えらいよ。ひなたさん週1回またバイト増やすんだって?」

僕「研究会の産業部門長からどうもお褒めのお言葉ありがとうございます。バイトはねえ、うーん、休みがなくなるから考え中」

C君「Dさん合格して大学の非常勤一コマ増やせたらしいよ」

僕「お金になるけどD君の家から大学まで遠いから大変そうだなあ、あ、Eさん、僕のところにFさんから研修企画メールの誤爆きてたからプリントして持ってきた」

Eさん「ヤダ私、それひなたさん向けのあて名だからやらないよ」

僕「Fさんのクリニック院長がどんどん仕事増やすからテンパってるみたいよ。誤爆何回もされてるけどもう僕の順番じゃないって言ってるのに」

Eさん「ふーん、ひなたさんよく彼女と話しておいて」

僕(面倒だなあ、でもFさん大変そうだから手伝った方がいいのかなあ)

C君「そういえばGさん勤め先の病院のお医者さんと結婚するんだって」

Bさん「Hさんもそうだよね。Iさんは事務長と結婚するみたいだね、彼女たちの活躍はある意味組織への強力なジョイニング(同一化)だね」

Eさん「私それ学会発表のテーマにしようかなあ、で、私も素敵な医者様から見初められるの」

僕「『他職種連携との結婚行動の有効性について』とか?サンプル数集まらないしRCTできないねえ」

Eさん「そ、そ、事例研究か質的研究。知ってる?Jさん転職するらしいよ。」

Bさん「彼女教育博士号持ってるから田舎から都会の大学教員にでも出るのかねえ」

※ だいたい月一でやっている研究会では空き時間に雑談をしているのですが、この日休憩時間中に話していたのはその他の人も含めて女性が多かったです。

心理職の男女比は、日本心理研修センター第1回公認心理師試験合格発表からも、女性75パーセントと女性社会です。

元々女性が心理職を目指す、女性の方が繊細で細やかな気配りができる人が多い、非常勤生活のかたわら家庭を持つというのは女性の方が共働きだとやりやすいなどさまざまな理由はあると思います。

心理職の集まりは小さな村のようなものです。

いつも集まっているメンバーのほかにもいろんな地域の心理職とつながりが自然とできていきます。

そうすると大きな集まりや学会などで顔を合わせます。

ここの研究会は学派や所属機関もばらばらなので、逆にそのおかげで目先が違った転職、学会、資格、研究会、論文などの資料の情報交換の機会にもなります。

この研究メンバーに限らず、転職がちな人たちは多く、常勤公務員になってもまた仕事を変えます。

退職したら一期一会のようで、狭い世界なので意外な場所で再開する場合もあるのです。

心理職の世界ではひごろの行いなど、悪い噂が広まるのも一瞬ですし、逆に面倒見がよく、熱心に臨床活動や研究をしている人は皆もよく知っていますし慕われます。

クライエントさんが転居、転院する際などに連絡調整をしてスムーズに新しい環境に馴染めるようにあらかじめクライエントさんの了解を得た上で情報交換する場合もありますので、こういったちょっとインフォーマル混じりの雑談で心理職同士の人間関係を構築することが大事だったりします。

カウンセラーの性格も人間性もさまざまだと素のカウンセラーの人たちに接していると感じます。

ここには書いてないのですが、僕も接していて苦手なカウンセラーもいます。

当人はかなり熱心な努力家という場合もありますし、いろいろです。

クライエントさんで、カウンセリング関係に行き詰まりを感じていたら、お互いの相性の問題もあるでしょうから可能性を広く考えたほうがいい場合もあります。

僕はクライエントさんが突き放さなれたという印象を持たないように慎重に言っていますが、度が過ぎてカウンセラーショッピングにならなければほかのカウンセラーに会える機会を作って一度相談してみるのも事態を打開する手段になるかもしれないと思っています。

僕よりもフィットしたカウンセラーと問題解決を目指していくのもいいかもしれません。

見捨てない、見放さない、束縛もしない、クライエントさんの価値自由性を阻害しない職業人でありたいなあと思っています。

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