北海道公認心理師試験総括
1.総括
北海道の追試は難しいという評価が多かったのですが、問題発表があってひと通り僕も自分で解いてみました。
第1回目2018.9.9試験よりも難しかったという感想が多かったですが確かに僕も難しいと思いました。
内容を検討してみましたが、聞いたことがない理論、学説が出ている割合が多いと感じる方も多かったでしょう。
合格率も初回試験79.6パーセントに対して64.5パーセントというのは厳しかった試験の結果を示していると思います。
2.率直な直感的感想
「難しいなあ」と思いながら解きました。
予備校でも難易度が高い問題が多かったという講評が出ています。
北海道追試組の人たちの中には「本試験が受けられればよかったのに」と思っている人たちも多かったのだろうなあと感じました。
3.公認心理師試験に求められている知識
基礎分野は「ここは捨てた」という学習方法は致命的になる可能性があります。
心理基礎分野を苦手としている人でも実験法、統計、発達心理、記憶、学習領域は必須です。
応用分野では、元々自分が活動している分野に自信があればいいでしょうけれども、狭くて深い知識も要求されます。
医療領域で仕事をしている人は多いでしょう。
リハビリ部門の心理職は詳しいと思いますが、クリニックなど勤務の心理職が普段触れない脳科学分野の学習は必須です。
受験者のみなさんが感想を述べていたとおり、高齢者、認知症やその対応についての問題も多かったです。
特に認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)は必修と改めて思いました。
児童福祉領域は緊急性が高いことから今後も頻出でしょう。
主要5領域(医療・教育・福祉・産業・司法)は自分の活動分野でなくともきちんと学習を深めておかないとならないと思います。
3.求められている学習方法
基礎を固めるためには心理学検定、身体医学や法律行政をしっかりと知っておくためには精神保健福祉士、社会福祉士過去問を解いておいた方がいいです。
それからDSM-5はポケット版でもいいので、きちんと熟読しておかないとならないでしょう。
精神薬理学も必ず出題されます。
最新の精神薬理学の教科書は読んでおきたいものです。
難しい知識は要らなさそうです。
SSRI、抗精神病薬、ベンゾジアゼペン系抗不安薬の作用と副作用は押さえておかなければいけません。
賦活症候群が本試験、追試と連続して出ていました。
セロトニン症候群、アカシジアやジスキネジアは把握しておかないとならないでしょう。
心理テストは自分で施行したことがなくてもその概要を網羅して覚えておかないといけません。
点数を稼ぐには精神医学、心理、教育領域の厚生労働省及び文部科学省のガイドラインやパンフレットの熟読が必要です。
司法分野の学習については裁判所や法務省のホームページはかなり親切に一般人向けに説明していて、有用です。
そして公認心理師法は辰已のテキストを暗記するまで読み込むとかなりの得点源になります。
ダイバーシティの概念からLGBTの問題も出ていましたが、これからも1問は出題されると思います。
認知行動療法も丹野氏が推しているとおり出題されていましたが、基礎的な教科書を2、3冊読んでおけばいいのかなと思います。
精神分析はサリヴァンやエリクソンがまた出題されていたので、出題委員会は好きだなあと思いましたが、これからも出る可能性が高いかもしれません。
4.試験の解法
知らない用語、学説が出ていたから投げやりになる必要はないと思いました。
この試験についてはいろいろな人がそう述べていますが、公認心理師試験は落とすための試験ではなく、知識と臨床能力があるかを測るための試験です。
国語力でわかる問題も多いです。
昔見た運転免許試験で「高齢者は人生経験が豊富なので歩行していても注意する必要はない」というサービス問題がありました。
今回の追試でもサービス問題がいくつもありましたが、ストーカー男性にカウンセラーが「はっきり断らないあなたが悪いんですよ」というような事を言うカウンセラーは皆無なので、この対応が正しいと思った人はいなかったでしょう。
知らない領域と感じても、常識、ヒューマニズム重視の視点から正答できる隠れサービス問題も多かったです。
5.結語
僕は第1回試験よりもこの追試に出題委員会の本音が出ていたような気がします。
難問でもきちんと出題して、その対応能力を見極めたいのではないかと思います。
今後の公認心理師試験は多分この追試の水準の難易度がスタンダードになるのではないでしょうか。
多くの人が言っているように、特にケース問題は「自分ならこうする」ではなく「出題者の意図は何か?」を解き明かすために作られています。
この試験に挑戦するために得られる知識は臨床活動をする上でも有用になる、そう思って前向きに取り組んで欲しいと考えました。
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1.総括
北海道の追試は難しいという評価が多かったのですが、問題発表があってひと通り僕も自分で解いてみました。
第1回目2018.9.9試験よりも難しかったという感想が多かったですが確かに僕も難しいと思いました。
内容を検討してみましたが、聞いたことがない理論、学説が出ている割合が多いと感じる方も多かったでしょう。
合格率も初回試験79.6パーセントに対して64.5パーセントというのは厳しかった試験の結果を示していると思います。
2.率直な直感的感想
「難しいなあ」と思いながら解きました。
予備校でも難易度が高い問題が多かったという講評が出ています。
北海道追試組の人たちの中には「本試験が受けられればよかったのに」と思っている人たちも多かったのだろうなあと感じました。
3.公認心理師試験に求められている知識
基礎分野は「ここは捨てた」という学習方法は致命的になる可能性があります。
心理基礎分野を苦手としている人でも実験法、統計、発達心理、記憶、学習領域は必須です。
応用分野では、元々自分が活動している分野に自信があればいいでしょうけれども、狭くて深い知識も要求されます。
医療領域で仕事をしている人は多いでしょう。
リハビリ部門の心理職は詳しいと思いますが、クリニックなど勤務の心理職が普段触れない脳科学分野の学習は必須です。
受験者のみなさんが感想を述べていたとおり、高齢者、認知症やその対応についての問題も多かったです。
特に認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)は必修と改めて思いました。
児童福祉領域は緊急性が高いことから今後も頻出でしょう。
主要5領域(医療・教育・福祉・産業・司法)は自分の活動分野でなくともきちんと学習を深めておかないとならないと思います。
3.求められている学習方法
基礎を固めるためには心理学検定、身体医学や法律行政をしっかりと知っておくためには精神保健福祉士、社会福祉士過去問を解いておいた方がいいです。
それからDSM-5はポケット版でもいいので、きちんと熟読しておかないとならないでしょう。
精神薬理学も必ず出題されます。
最新の精神薬理学の教科書は読んでおきたいものです。
難しい知識は要らなさそうです。
SSRI、抗精神病薬、ベンゾジアゼペン系抗不安薬の作用と副作用は押さえておかなければいけません。
賦活症候群が本試験、追試と連続して出ていました。
セロトニン症候群、アカシジアやジスキネジアは把握しておかないとならないでしょう。
心理テストは自分で施行したことがなくてもその概要を網羅して覚えておかないといけません。
点数を稼ぐには精神医学、心理、教育領域の厚生労働省及び文部科学省のガイドラインやパンフレットの熟読が必要です。
司法分野の学習については裁判所や法務省のホームページはかなり親切に一般人向けに説明していて、有用です。
そして公認心理師法は辰已のテキストを暗記するまで読み込むとかなりの得点源になります。
ダイバーシティの概念からLGBTの問題も出ていましたが、これからも1問は出題されると思います。
認知行動療法も丹野氏が推しているとおり出題されていましたが、基礎的な教科書を2、3冊読んでおけばいいのかなと思います。
精神分析はサリヴァンやエリクソンがまた出題されていたので、出題委員会は好きだなあと思いましたが、これからも出る可能性が高いかもしれません。
4.試験の解法
知らない用語、学説が出ていたから投げやりになる必要はないと思いました。
この試験についてはいろいろな人がそう述べていますが、公認心理師試験は落とすための試験ではなく、知識と臨床能力があるかを測るための試験です。
国語力でわかる問題も多いです。
昔見た運転免許試験で「高齢者は人生経験が豊富なので歩行していても注意する必要はない」というサービス問題がありました。
今回の追試でもサービス問題がいくつもありましたが、ストーカー男性にカウンセラーが「はっきり断らないあなたが悪いんですよ」というような事を言うカウンセラーは皆無なので、この対応が正しいと思った人はいなかったでしょう。
知らない領域と感じても、常識、ヒューマニズム重視の視点から正答できる隠れサービス問題も多かったです。
5.結語
僕は第1回試験よりもこの追試に出題委員会の本音が出ていたような気がします。
難問でもきちんと出題して、その対応能力を見極めたいのではないかと思います。
今後の公認心理師試験は多分この追試の水準の難易度がスタンダードになるのではないでしょうか。
多くの人が言っているように、特にケース問題は「自分ならこうする」ではなく「出題者の意図は何か?」を解き明かすために作られています。
この試験に挑戦するために得られる知識は臨床活動をする上でも有用になる、そう思って前向きに取り組んで欲しいと考えました。
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