心理カウンセラー・ひなたあきらからのメッセージ

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata★gmail.com(★を@に変えてください。)

2018年12月

◯ 公認心理師制度成立までのストーリー

多分とても一回では書ききれない内容になると思いますし、それこそ日本の心理職の歴史を振り返るぐらいの勢いになることになると思います。

心理職には昔、資格はたとえ民間資格でも資格なんてものはありませんでした。

心理学系大学院卒業者は変わり者が進学するところで、基礎心理学、社会心理学など応用心理学を学んで大学教員になるためのプロセスのようなものでした。

国立旧帝大の大学院を卒業しても就職はない、オーバードクターも溢れている中で一部の恵まれた、チャンスをつかんだ卒業生は学部卒でも病院に心理職と就職をしてきたわけです。

故河合隼雄先生は1928年生まれ、1959年時にアメリカにフルブライト留学、今回公認心理師合否通知を受け取った際に日本心理研修センター長として記されていた村瀬嘉代子先生は1935年生まれです。

村瀬嘉代子先生の夫でもあった故村瀬孝雄先生は国立精神・神経センターから立教大学教員となり、のちに東大教授ともなったわけです。

もっと遡ると1919年生まれの故霜山徳爾先生など、日本の臨床心理学を切り開いた先駆者たちは、大塚義孝先生など、ここでは列挙し切れないぐらい数多く、何の資格もない無冠の心理職が細々と病院で働いていました。

1964年、臨床心理学の団体としては初めて日本臨床心理学会が設立されました。

このころから心理職の資格化は望まれていましたが、同団体と政治性の方向で決裂した構成員のかなりの人数が1982年、日本心理臨床学会を設立しました。

その後1988年、初の臨床心理士試験が行われ、初の受験者数は1841人、合格者数は1595人でした。

だんだんと臨床心理士資格をそのまま国家資格としてスライディングさせようとする機運は高まっていきます。

以前も書いたわけですが、二資格1法案として臨床心理士と医療心理師を創設しようとする試みがありましたが、2007年に流れています。

二資格1法案は、臨床心理士が構成した日本臨床心理士会は大学院卒必須の資格を創設したかったことに対し、医師団体は医療心理師という医療に特化した大学学部程度の資格創設と、臨床という言葉を認めず、社会心理士という言葉を使用することを求めていました。

日本臨床心理士会は悲願として心理職の国家資格化を望んでいたわけですが、医療心理師創設側の意向にそぐわず、日本心理学諸学会連合(51学会加盟、日本臨床心理学会も日本心理臨床学会も団体会員)が加わって初めて医師団体と心理側が同じテーブルについて協議をすることができました。

みなさんもご存知のことですが、心理士会側では心理職はきちんと医師の指導監督の下で仕事をすると約束したのが仇になって公認心理士法42条2項主治の医師の指示という文言が入ったわけです。

臨床心理士会は医師の指導と協議のように柔らかな表現に変えようとしましたが叶いませんでした。

これを断ったら公認心理師法は成立しなかったでしょう。

公認心理師が看護師や理学療法士のような診療補助職でないということははっきりしています。

つまり医師法上で特例として認められる、医師のみしか専権的にできない医行為を代行する必要はないわけです。

ところが厚生労働省のガイドラインに対して医師団体側は、心理支援についても環境調整や心理教育は医行為になるのではないかと、法案成立前に徹底して公認心理師の権限を狭めようとしましたが、これも叶わず結果的に公認心理師法は成立したわけです。

ここに来るまでに日本臨床心理士会、日本心理臨床学会など25団体が加盟している臨床心理職国家資格推進連絡協議会、医療心理師国家資格制度推進協議会(全国保健・医療・福祉心理職能協会、日本精神科病院協会、日本総合病院精神医学会等)(25団体)、日本心理学諸学会連合が集まって公認心理師試験機関の日本心理研修センターを設立することになりました。

臨床心理士資格認定協会が試験機関としてふさわしいという声もあったのですが、資格認定協会は国家資格化の最初から反対の立場を表明していて、公認心理師試験にも反対していたわけです。

ここで書いたのはとても端折られていて、書ききれないほどのおよそ50年の歴史があるのですが、折を見てまた触れたいと思います。

心理職の方々、医療職教育職など関係の方々、クライエントさん、患者さんの方々もよいクリスマスをお過ごしください。

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◯ 公認心理師制度への危惧

2012.5.19奈良県臨床心理士会で山崎修先生が「心理士の国家資格化と日本臨床心理士会の動きについて」という記事を書いています。

このころと最近の情勢はかなり変化しているのですが、山崎先生がこのころに抱いていた危惧は現在全く心配がなくなったというわけでもないので、新しい問題提起材料ともなると思い、紹介しておきます。

山崎先生は臨床心理士の国家資格化の5つのデメリットになりうると思われる問題をあげています。

1、スクールカウンセラーは廃止されるかもしれない。もし存続しても校医(精神科医とは限りません)の指示のもとでしか動けなくなるかもしれない。

2、これまでのようなスタイルでのカウンセリングはできなくなるかもしれない。

3、臨床心理士が行ってきた災害時の心理的支援は不可能になるかもしれない。

4、医療以外での臨床心理業務や開業はできなくなる可能性がある。

5、大学卒ベースになるので病院における賃金は低下する恐れがある。つまり、今以上に生活の保障がなくなる。

「1」については、スクールカウンセラーの募集はそろそろ出始めていて、要領を読むと公認心理師も臨床心理士も同等の資格要件として募集されていて、時給もこれまでと変わらない(つまり、予算は引き揚げられなかったのだろうと推察されます)ことがわかります。

これまでどおり臨床心理士が公認心理師と同等にきちんと採用されていくのかどうかはわかりません。

長年スクールカウンセラーが勤めていた臨床心理士のみの有資格者が学校に採用されず、新しく公認心理師となった人が優先的に採用されることはあり得ます。

文部科学省のスクールカウンセラーの運用の位置付けはチーム学校を主体としたものになっていますので、校医が公認心理師法42条2項で公認心理師が「主治の医師」として指示を仰ぐ対象とはならないでしょう。

ただし、児童生徒に主治の医師が存在した場合には、公認心理師は従わなければならない、臨床心理士のみの資格保有のスクールカウンセラーは主治医の指示に従う必要はないということになります。

教育現場を経験した方ならわかるでしょうけれども、チーム学校での最高指導者は校長です。

スクールカウンセラーが、「主治の医師が」と言っても校長は公認心理師の言うことを守る必要がないと判断すればそれまでですし、チーム学校のメンバーの了解なく勝手にスクールカウンセラーが主治の医師に連絡したら公認心理師はクビになりかねません。

この辺りでスクールカウンセラーが今後困惑する事態が出てくることは容易に予想されます。

「2」についてですが、僕は精神科に勤務する公認心理師であってもいちいち主治の医師の了解を取らなくてもいい事柄は多いと思います。

クライエントさんがAという事柄を言った、そこで共感すべきか支持的にかかわるか、どんな技法で介入すべきかいちいち医師に指示を仰がれたら医師も持たないでしょう。

そもそもカウンセリングはクライエントさんの状態を良好にする目的のため、包括的な主治の医師からの指示によるものだと考えるべきです。

医師の指示を必要とするような重大な事柄についてのみ必要だろうと思います。

あくまでこれは僕の見解なので、公認心理師制度発足によって、カウンセリングに今後支障を来たす場面も出てくるかもしれません。

「3」の災害時における臨床心理士の心理的支援についてですが、DPAT(災害派遣医療チーム)Disaster Psychiatric Assistance Teamに臨床心理士が関与できるかできないかは今後わからないとしか言えません。

DPATは臨床心理士の臨床心理技術者を現地に派遣していました。

スクールカウンセラーの派遣事業も同じです。

国境なき医師団にも臨床心理士が加わっています。

これらの募集が今後公認心理師を中心としたものになるかもしれないという可能性はありますが、心理職全体のかかわりを否定することはないでしょう。

「4」は僕も危うく思っているところなのですが、精神保健福祉士や社会福祉士が独立開業することはありません。

心理カウンセラー事務所は何の資格がなくてもできるわけですが、そもそも開業カウンセリングをしていいか悪いかの法的根拠もないわけです。

公認心理師の業務独占化は今後数十年経たないと論議し尽くされないでしょうけれども、公認心理師の資格を持つがゆえに開業業務に制限が出てくることはあるかもしれません。

やはりそこには「主治の医師の指示」の解釈も問題になるわけです。

また、法的見直しが今後行われる際に公認心理師についてはなんらかの制限がつけられる可能性は随時あると思います。

「5」は、さもありなんという感じです。

現在でも公務員心理職を中途採用する場合には大卒者、院卒者で給与には差をつけている場合があります。

それまでに応募者が勤務していた経験値加算と同じです。

次年度新入学生の公認心理師受験はAルートの新院卒ルートが中心になり、Bルート学部+実務経験も加わるわけです。

Bルートがあるんだから公認心理師というのは大卒程度の資格で、大学院に行った人はたまたま行って資格を取っただけ、と無理な解釈をされてしまうと困るわけですが、絶対にないとは言えません。

何かと法的に守られることが多い公的機関と違い、小規模で独立した組織ではどんな判断が行われるかわからないわけです。

以上、2012年に臨床心理士の先生が抱いていた疑問は今でも公認心理師、臨床心理士の双方に共通する問題だと思うのです。


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◯ 公認心理師受験者たちと食事会の

心理職の年末というものは、研究会の打ち上げのこじんまりとしたもので、大きな学会とは違って僕らはいつも細々とやっています。

遠方から来る人が多く、女性陣のリクエストもあり、ノンアルコールでそこそこ安く、お洒落なお店でやります。

(なお個人情報保護のため、というより僕が忘れているので各人の頭文字はシャッフルされています。)

A君「今年は受験や学会で疲れたなあ。出張から帰ってきたばかりでとにかく公認心理師の現任者講習から始まってまだ疲れが取れない」

Bさん「僕は企業勤めだからシビアだよね。疲れてるとかいっても勘弁してくれないよ。なんとかギリギリで公認心理師受かってよかったよ。今まで部長職だからっていっても落ちてたら情け容赦ないだろうからね」

僕「Bさんのところは厳しそうだなあ。たまたまここの(研究会の)人たちは受かっていたみたいだけれど後輩は落ちてたから大変だよなあ」

C君「そうそう、僕の病院の後輩でもね、臨床心理士試験も3度目で受かった人が公認心理師初回はダメだったって」

僕「新卒まもない受験者だと今回の試験はケース問題重視で臨床的な勘を問われたから不利だったかもね」

C君「ひなたさん資格が二階建てになったらどうするんですか?」

僕「医療公認心理師があちこち応用ができそうだけど受からせてくれるのか受けさせてくれるのか・・・」

A君「もう知らん、今回めちゃくちゃ金かかってるのに加えてまた公認心理師団体まで入るのいやだし、臨床心理士会もやめようかな。義務でもないし」

C君「どんな団体でもそうやって組織率が低くなると発言権がなくなるよね。でも自分でお金払いたくないし」

Dさん「そう言えばうちの会社に勤めてる庶務係長試験に落ちたって言って悔しがってた。もう受けないって腹立ててた」

僕「庶務の仕事はは心理相談じゃないからよかったんじゃないかなあ。Dさんの会社、あんまりそういうゆるいことしてると目つけられたらこれから新卒で心理で入ってくる人たちも大変になりそうだね」

Eさん「うちのクリニック試験受かったからって特にお給料上がらない。資格手当元々ないし」

僕「ワンマン院長はオーナー社長と同じだからねえ。心理の人は相当我慢強くて志が高い人じゃないと勤め続けるのは大変そうだねえ」

Eさん「そう言えばFさん仕事やめるんだって。」

僕「Fさん博士持ってるから仕事場で優遇されてたし、論客だから一目置かれてたし、一番安定して働いてたみたいなのにね」

Eさん「地方から都会の職場に移ってアカポス(アカデミックポスト=大学教員)狙うみたいよ」

A君「僕はスクールカウンセラーが長かったからまたスクールカウンセラーやりたいなあ。私立の常勤のスクールカウンセラーないかなあ」

僕「そういうところの採用はそこの卒業生優先みたいだねえ。でも挑戦する価値はあるんじゃないかなあ」

※ この研究会に僕が所属してから数年経ちますが、その中で約3分の1の心理職が職場を入れ替わっています。研究会の出入りも多く、とかく人の動きが激しいという感じです。心理は3人集まると必ず転職の話になるのが通常です。専門家集団というのはそんなものです。

Jさん「私、起きたらどっかで求人ないかなって見るのが生き甲斐なのよ、あー今の職場大変」

僕「わかるわかる」

Jさん「今回は公認心理師関係の団体の混乱がそのまま投影されて現場の心理が混乱してるって感じね」

僕「さすがJさんは分析系の人だけあって鋭いねえ」

※ 別に公認心理師の話ばかりでなく、お互いの仕事場の話とか、家庭の話とか、心理職も人間なのでまあ適当に話をしてこの日は終わりです。

年の瀬を迎え、師走の名のとおりご多忙なみなさんが多いのではないかと思いますがどうぞご自愛ください。


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◯ 公認心理師に期待されるパワハラ事案への対処

産業場面で働く心理職でも医療現場で働く心理職でもパワハラで参っているクライエントさんへの対応に困ったことが少なからずあると思います。

心理職がクライエントさんからそういった訴えかけがあることを詳細に聞いて医師に報告すると、診察の結果「適応障害」「うつ状態」という診断名がついて休職になることがあります。

適応障害というのはある意味人聞きが悪い診断名だと僕は思うのですが、その人の適応能力が悪いととらわれてしまうのではないかという危惧を持ちます。

カウンセラーはあくまでクライエントさんの話を聞いているだけなので、職場への介入がしにくい、医療側、医師も患者さんから聞いた話の事実の正誤の認定はしません。

もちろんそのための調査もしません。

適応障害やストレス障害の患者さんに対して医師は診察の結果「1カ月の休養が望ましい」「環境調整の要あり」と診断書を書くわけで、それに引き続いて会社は診断書が出た直後から、出勤させないという措置をとることがほとんどです。

ただ、診断書関係なし、仕事に来られないのなら辞めてしまえというようなブラック企業が多々存在することも確かです。

心理職は間に立って何も出来ないことが多く、苦慮します。

心理職としての「個人的ではあるけれども専門家としての知見」を求められ、パワハラを辞めさせるように伝える機会もありますが、企業は心理職の意見を曲げてとらえて通報者や患者さんを処罰対象にすることもあります。

クライエントさんの意向を十分に汲んで回答していてもそういうことはあります。

公益通報制度はわりと簡単に利用できるのですが、心理的ハードルが高くてクライエントさんは申立てをしにくいです。

公益通報であれば通報者は完全に保護されますし、いざとなったら労働基準監督署が動いてくれるという強みもあります。

しかし公益通報に関しては心理職はクライエントさんにした方がいい、しない方がいいと言うことは法的権限がないので絶対にできません。

心理職が扱うのは個人的なメンタルヘルスが主なので、いかにクライエントさんが職務上困っていても勝手にあちこちにアウトリーチ(外部との調整)をすることは越権行為になるでしょう。

パワハラ防止の法的整備を厚生労働省が行うことが報道されていますが、産業現場では産業医を核としたメンタルヘルス6人衆の積極的権限を与えて欲しい、医療現場からの勧告はもっと重視して欲しいと思います。

パワハラ発言でで有名なのはとある企業で高層ビルから会議の際に部下に「ここから飛び降りろ」と言った社長がいました。

いかに指導目的があったとしても精神的打撃を与えるような発言はパワハラです。

いわゆるブラック企業と呼ばれる企業は、社員がメンタルダウンしても社員を守ってくれないどころか退職を迫る場合も多いのです。

せっかく法整備を行うのであれば、心理職を含む産業現場の専門家がもっと主体的、積極的に介入する機会を与えて欲しいとも思うわけです。

心理職が国家資格化された今だからこそ、行政が産業メンタルヘルスの権限を強化する機会だと思うのですが、いかがなものでしょうか。

心理職の側としてもパワハラの6類型やセクハラ、マタハラ、介護ハラスメントの知識をひごろから深めておく必要はあるでしょう。

このあたりは多分今後の公認心理師試験でも出てくる設問だと思いますし、公認心理師は当然知っているだろうとみなされるだろうとも思います。

法制度や整備は毎年どんどん変化しますのでそれに対応できないといけません。

少し話はずれますが、今回の北海道追試では犯罪者処遇についてのRNRモデルが出題されたようです。

RNRモデルによる受刑者処遇は特に再犯率が高いと言われていて、被害者も精神的に相当の打撃を受ける児童性愛加害者に対しての効果が期待されます。

加害者臨床に携わった人であれば知っていることですが、小児性愛者は事件にならない暗数で数百人の被害者を出していますので、その効果的、心理的専門更正プログラムの開発は喫緊の課題です。

どの領域の知識であっても、自分の職務領域と全く無関係な知見ということではないので、心理職としては多くの知識を得ておく必要はあるのだと思います。



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対応者:川村学園女子大学心理学科学科長北原靖子教授

Q「ホームページを見たらかなり公認心理師実習を充実させていらっしゃるように思います。公認心理師養成についてどのような実習をお考えでしょうか」

A「学部4年時には医療機関での実習を中心に考えています。1年次では福祉領域中心、3年次では教育領域と、段階を経て進めます。」

Q「多領域にわたる実習が必要とされる中では司法関係の実習先確保は困難ではありませんか?」

A「さいわい本学には司法・犯罪領域の教授がいますので、これまでも講義で警察との協力実績があります。ただいま刑務所の見学の手配を進めています。」

Q「教育領域についてはどうですか?」

A「教育委員会とのつながりで、地域の学校での実習を行う予定です。」

Q「産業領域についてはいかがでしょうか?」

A「本学大学院修了生からは140名臨床心理士が育っており、その中には産業領域で働く心理職もいます。そういったつてを使っていきたいと考えております。」

Q「医療領域は、心理検査のみでなく実際にケースを持ち、スーパービジョンを受けるという高度に専門的な実習内容も必要となるかと感じます。その点についてはいかがでしょうか。」

A「本学教授に精神科医と心療内科医がおり、現在でもケース指導も行っています。適切に連携を取って行っていくことが可能です。」

Q「ちなみに1年時に行う福祉実習の内容とはどのようなものでしょうか。」

A「社会福祉協議会の協力を経て地域の助けあいネットワークについて学んだうえで、特別養護老人ホーム、保育園、子育て広場といった福祉施設にかかわっています。また希望者対象に、小児医療・療育の施設見学も行います。」

Q「これから公認心理師を目指す学生さんに対して望むことは何ですか?」

A「本学で公認心理師を目指す学生も、最初は国家資格を取ろうかと思って入学してきますが、仕事の本格的なイメージまでは固まっていません。まずは福祉領域の実習を通して、『助けたい』という素朴な気持ちから、地域ボランティアと、要支援者に合ったやり方で支援する資格取得者との違いを自覚して、自分らしい将来設計を自分で考えてもらいたいです」

Q「きちんと学生さんに自覚を持たせるということですね。」

A「そうです。」

Q「貴大学ではGPA(一般教養を含む成績評価システム)は行わないのでしょうか」

A「一年次の実習申請段階ではGPAなどを用いた事前選抜は行いません。学生の興味、希望を尊重して考えていきます」

Q「川村学園というと幼保教育に強いというイメージがあります。実習には関係ありますか?」

A「本学付属の保育園は大学に隣接しており、学部の実習先施設になっています」

Q「これからの公認心理師制度についてのお考え、世間に対して伝えたいことなどがあれば聞かせていただけないでしょうか」

A「生まれたばかりの資格で、この資格がどうなっていくかを冷ややかな目で見ないで、暖かく見守って欲しいと思います。たとえば、これまで高齢者にかかわる専門職は多くいましたが、心の問題に特化した専門家はいませんでした。社会が必要性を認めていけば、活躍の場は広がるでしょう。」

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