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読む復習・知覚、社会心理学、応用行動分析、ペアレントトレーニング

◯コラム

・記憶に関連して知能について触れておきます。

知能は流動性知能と結晶性知能に分かれます。

流動性知能は集中、暗記など新しいことに適応するのに必要な知能です。

したがって加齢とともに流動性知能の働きは弱くなります。

知能は流動的になるとだんだん弱ると覚えておくといいのではないでしょうか。

・結晶性知能は加齢があっても古くからの経験に裏打ちされた言語性能力、料理などの家事やその人が専門的にやってきた仕事について忘れることが少なく、認知症の人でも低下しにくい記憶です。

老人は昔のことはよく覚えていてはっきりと話ができますが最近のことは忘れてしまうことがあります。

・レミニセンス現象

例えば無意味綴りの文字列をその場で記憶をしようとしてもなかなか覚えられなくて苦労するのに、数日後不思議と覚えていて記憶を想起できることがあります。

スポーツのトレーニングでも日を置いた方が練習したことをその直後よりも覚えていてうまくできることがあります。

これをレミニセンス現象と言いますが、集中的に記憶をしようとすると疲労がたまるのでリハーサル直後よりも再生、再認能力が高まることがあります。

・知覚

明順応と暗順応

トンネルの中に入ると真っ暗で最初はなにも見えません。

次第にぼんやりとだんだん事物が見えるようになるのを明順応と言います。

逆にトンネルに長い間滞在してからまぶしい光の中に出ると事物が見えにくくなりますが、これも時間が経過すると慣れます。

視覚細胞には錐体と桿体があります。

錐体は明るいところで視覚能力を発揮しますが暗いところでは視覚を働かせることができません。

桿体は暗がりで事物を見ることができます。

すいめいかんあんと僕は語呂合わせで覚えました。

・光背効果

社会心理学用語、出題されました。

「A子さんは美人だから仕事ができるに違いない」

実際は仕事の能力と美人であることは関係ないのですが、そのように感じやすいようです。

・レオン・フェスティンガーの認知不協和理論

人間は矛盾して相反した認知2種類を抱えるとどちらかの認知を変えようとします。

例えば

1.私はタバコが好き

2.タバコは健康に悪いし早死にする

不協和的な認知が起こっています。

そこで

3.タバコはストレス解消のために吸っている、ストレスがたまる方が早死にするだろう、隣の鈴木さんは喫煙者だけど85歳だ、タバコを吸わないXさんは肺がんになった、タバコよりも毎日テレビで見ていると交通事故や事件がたくさん起こっていてそれで死ぬ人が多いからタバコは比較的安全だ。

と認知を変えようとします。

・ハイダーのバランス理論(P-O-X理論)

矛盾した認知が発生した時に認知のバランスを取ろうと認知そのものを変えることがあります。

私(P)はB男さん(O)と親友だ。

B男さんは熱烈な阪神ファンだ。(X)

だけど私は熱心な巨人ファンで阪神は嫌い。

この場合、「私」の認知がどう変わるかというと、

1.そんなB男さんのことを嫌いになる

2.私も阪神ファンになる

と認知を変化させることで矛盾を解消しようとします。

◯ 応用行動分析(ABA)Applied Behavior Analysis

発達障害自閉症児などに行動の前後の環境に介入して問題行動を低減させる行動療法です。

この療法のキモはABC分析と呼ばれるもので、問題行動(暴力、パニックを起こして大騒ぎしている等)の状態で、どんな状況下か(Antecedent)どんな行動をしているか(Behavior)、その結果(Consequence)はどうなったのかということについて分析します。

問題行動はさまざまな要因からはっせいします。

集団の中で自分だけ注目を集めたい、騒いでいる時だけ大人が構ってくれるので、面倒を見ることが強化子になることもあります。

そこで望ましい行動が出ている時、落ち着いている時、なんでもない時だけ報酬を与え、騒いでいる時は無視してしまいます。

これを続けることが問題行動低減につながるわけです。

◯ ペアレントトレーニング

発達障害児等に使われている親教育の手法です。

例えばぜん息を起こしている子どもを普段放置しておいてぜん息の発作が起きた時だけお母さんが背中をさすったりしていると発作を起こす=優しくしてもらえる、と無意識のうちに子どもはぜん息を強化してしまいます。

ぜん息が重篤でなければ吸引器を使って自分で対処してもらえばいいので、何も起こっていない時に褒めることが大切です。

暴れる、問題行動を起こした時には罰を与えても構いませんが、体罰、食事抜きなど重すぎる罰は禁忌です。

騒いでいたらクールダウンさせるためにしばらく別室に移すことも構いません。

罰を与える時は問題行動と関連がある罰を与えます。

ゲームは1日1時間と決めていたのに3時間以上やっている

→おやつ抜き(行動と罰に関連性がないので×)

→約束を破ったので翌日はゲーム禁止(関連しているので◯)

また、子どもの目の前でゲーム機を叩き壊すという罰は重すぎる罰になります。

問題行動にのみ注目するのではなくきちんとできていることをプラスに評価して強化します。

望ましい行動が起きた時に褒めて強化します。