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◯ 公認心理師取得まで1千万円かかる

公認心理師資格取得、今学部で学んでいる学部生の人たちが公認心理師取得までにどのぐらい学費を払わなければならないのかということで試算してみました。

モデルとしたのはとある私立大学の学部、大学院入学金で、まずは学費だけを電卓で叩いて計算しました。

その地域では名門と言われる大学、偏差値60ぐらいです。

改めて見ると大学で心理学を学ぶというのは設備費やら実験費、実習費などいろいろかかるということがわかります。

そこの大学では大学院卒、無事公認心理師試験にストレートで合格したとして入学金と学費だけで1千万円という試算でした。

自宅生ではなくて下宿ならばさらにお金はかかるでしょう。

このぐらいの偏差値の大学に受かるためには小中高から塾通い、お坊ちゃんお嬢様なら家庭教師をつけたり個別指導塾に通っていたとしてもおかしくありません。

そして地元ではトップ高校、あるいはその大学の付属校、育ちがいい人は幼稚園からその私学に通っているかもしれません。

公認心理師は実習の困難さからか、1年時からGPA学力選抜を行う大学も多いようです。

「公認心理師になる!」と決めて名門大学に入学して無事GPAを通って院試を受け、そこの大学院公認心理師養成課程に進むのはなかなかハードルが高いことです。

結構な名門大学学部を卒業してから自大学の院に進まず(進めず)それほど名の通っていない院に進んで臨床心理士になっている逆ロンダリングをしている人もいます。

そうするとまた受験、転居も伴いますし、国公立→私立になる場合も余分に資金がかかります。

それで公認心理師試験に無事1回で合格できればいいのですが、臨床心理士試験を振り返っても試験に2度、3度落ちてから資格を取得したという話もままあります。

臨床心理士試験合格率6割というのは、易しいようでなかなか厳しい試験です。

院卒者で毎年必ず4割が不合格となっているという計算になります。

公認心理師も合格率6割くらいに落ち着くのではないかと言われています。

その間受験勉強をしながらどこかで働ければいいのですが、心理職は資格職の色彩が強いことから、浪人している間、心理の仕事をせず、研究生をやりながら受験勉強に明け暮れる人も多いでしょう。

なんとなく入学時の偏差値に臨床心理士合格率は比例しているような気がしています。

それでも例外は多々あって、臨床心理士指定大学院の場合は徹底して受験対策をするところは合格率が高い、逆に心理学の課程授業だけをやって受験勉強は個々人に任せるよ、という大学院は合格率が低いような気がします。

公認心理師各実習先を見ると1日当たり実習生受入れ5千円程度の病院が多いようです。

公認心理師養成を謳っていないとこの先学部も院もジリ貧になりそうな現在、実習にコストがかかるからといって、学費を一気に跳ね上げるわけにいかないです。

それでも実習費用はなんらかの形で学生さんにも反映はしていくでしょう。

じゃあ国公立ならお金がかからなくて大丈夫なの?というと、どこの国公立でも心理課程は比較的人気が高く入学時偏差値も高い、そこに入学するための教育投資もそれなりのものだったと思います。

心理職=坊ちゃん、お嬢様が多いという正の相関関係はあると思います。

「先生は私と育ちが違うから、私が育ってきた苦しい境遇なんかわからないでしょ?」

という、患者さんから見た負の相補性は残念ながら多分本当のことですが、当の心理職は高学歴低収入なことに変わりはありません。

医療をめぐる教育体制は大きく時代とともに変化しています。

医学部に入るには国公立だと地頭の良さに加えて相当の教育投資も必要です。

私立医学部も早慶をたやすく凌駕する偏差値が必要、学費は高いのは本当ですが、少子社会で名門私大は学費の大幅値下げで学生集めをしています。

歯学部はかなりのハイコストローリターン、リスクリターンになってしまいました。

心理職はかけたお金の分即座に戦力になれるわけでもなく、新卒心理職はさまざまな研究会や学会に出て自己研鑽をしなければならないでしょう。

そう考えるとなかなかコストがかかる仕事だなあと感じるわけです。