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◯ 第2回公認心理師試験直前対策・正答選択のコツ2

学会で出会った心理職と公認心理師試験の話になった際に「事例問題?あんな簡単なもの一問間違えただけだったよ」と言われました。

全154問中38問が事例問題なので事例問題全て制覇できたらそれだけで112点です。

また事例問題に傾斜配点があると仮定してもう一度事例問題を2018.9.9と12.16について隠された正答選択のコツについて再検討してみました。
参考記事:公認心理師試験の正答選択のコツ

1.「するな」の原理

クライエントさんが現実で何か困っていたら、しかるべき現実的対応をすると良くなっていくのは現場の心理職の感覚では正しいです。

しかしこの公認心理師試験はそういったことを勧めていません。

公認心理師が労基署に通報を勧めたり、部内配置換えをするようにクライエントさんから上司に言わせるよう指示したり、保育所を探したりするのは全部×です。

心理職は環境介入や調整が手っ取り早いことは知っていますし、実際にしてもいますがこの試験ではそれはまずい対応として扱われます。

2.「決めるな」の原理

現実的介入をするか、それともまずクライエントさんと話し合って何をどうするか検討するかということを迷う選択肢ではまず話し合うことが正答です。

丹野氏が指摘するとおり、まずは共感をしないといけないのです。

クライエントさんの心情に寄り添います。

ただし共感はクライエントさんがして欲しいポイントにするのであって、こちらが良かれと思って勝手に心理教育をしたり知識伝達をするという誘導はしないということです。

また、休職しなさいというのは越権行為です。

とにかく迷った際には公認心理師は自分で決めるな、勝手に決めないということです。

男女関係によく似ています。

男がぐいぐいリードしてあっち方向に行ってしまったら女性は怒ります。

「こう思うんだけどね、どうかな?」とソフトな男性はウケがいいかもしれません。

この試験はそんな感じの試験です。

何かをする前に2人で相談する、相談して何をするべきか、何を準備するべきかを話し合うことが大事です。

現実介入が必要な際には公認心理師が自分でやるのではなく、クライエントさんに「君のことなんだから自分で連絡して自分で決めたらどう?」とクールに言わないとならないらしいです。

それでも支援を続けないとならないので、支援を必要とするかしないかはクライエントさんに決めてもらいましょう。

いろいろと迷ったら、「これをやったらカウンセラーっぽいかな?」という選択肢を選びましょう。

「ふっ、私公認心理師っぽくてかっちょばいいわ」「俺、イケてね?」という選択肢が正解の可能性が高いです。

3.公認心理師は立場が下

いろんな選択肢があったとしたら公認心理師はいろんな関係者の中でもっとも意思決定と行動力は制限されているので、他の人に指示をしてはいけません。

「管理職教員に報告」は◯ですが「主治医に何かをさせる」「教員にやらせる」は誤答です。

医療現場での公認心理師の立ち位置ははっきりとしています。

これは丹野氏が受診勧奨をする、心理検査をすることは×と言っていたことに加えて、厚生労働省通達(公認心理師法第 42 条第2項に係る主治の医師の指示に関する運用基準について)でも「公認心理師は、主治の医師からの指示の有無にかかわらず、診療及び服薬指導をすることはできない。」とあります。

医師のみが行うことができる医行為に抵触するような服薬指示をするのはもってのほかです。

クライエントさんが「薬飲まない」と言ったら主治医に報告することです。

「飲みなさい」は言えません。

虐待とわかっていても医療機関の公認心理師なら主治医に報告して主治医から通告してもらいましょう。

入院した方がいい患者さんでも公認心理師からそう患者さんには言えません。

公認心理師はチームプレイの中のスターではありません。

4.希死念慮の扱い

漠然としたものならそのままにしますが、なるべく自分で扱わず人に相談業務をやらせることです。

はっきりともうすぐ死ぬから準備しているといった際には有無を言わさず家族に伝達です。

5.総括

何度か書いていますがこの試験は受験者が実務経験から得た、個人的に成功した体験や望ましい臨床哲学・理念を問うテストではありません。

現場ルールとはかけ離れている、試験のための正解を探るゲームです。

あくまで出題者の意図としては従順で組織の一員として働く公認心理師像を求めているのです。

第2回試験まで間がありません。

ご参考まで。