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川崎事件に思う タレント精神科医・心理学者が精神医学・心理学をダメにする

川崎市19人児童連続殺傷事件について報道で精神科医片田珠美氏が「犯人は世間へと復讐をしたかった」と述べていましたが、僕は「なぜそんなことがわかるの?」と即座に思います。

片田珠美氏は続けて「世間に対する欲求不満」「精神不安定」「破滅的喪失体験」「自己愛が強かったのでは」と矢継ぎ早に述べていますが、

犯人死んじゃってるから誰にもわからないのになぜ断言するの?

というのが正直な印象です。

こういった、事件が起こるとその事件についてコメントする「自称専門家」精神科医・臨床心理士は多々いてその度に犯人へのスティグマ、烙印付けを行おうとします。

「死んでしまったけれども犯人は精神疾患患者だったんだろう、病院に通っていてもいなくても患者だ、精神異常者だ、私はそう思うから間違いない」という「識者」の威を借りてマスコミが「ね、そうでしょ?精神疾患患者は危ないでしょ?普通の人よりも精神障害者は危なくてしょうがない」という論調で報じます。

そして一般人が「そうだそうだ奴らは危ない、だから奴らは普段から隔離して見張りをつけよう」と論調はどんどんあらぬ方向に極論化していく、これは議論の集団斉一化現象として社会心理学で言われています。

三段論法でいうと「トムは黒人だ」「トムが犯罪を起こした」「だから黒人は全て犯罪者だ」という誤った世論誘導をマスコミは好みます。

精神疾患患者の犯罪率は一般人に比べて僅少であることは各種研究で明らかにされています。

マスコミの「などとわけのわからないことを言い、当局では詳細な調査を進めています」という犯人=精神障害者という印象操作は9割9分外れていて大抵はそういった犯行は違法薬物使用者によるものです。

実際僕が某措置入院基幹病院で土日に日直バイトをしていた時は事務所に詰めているだけという感じでヒマでヒマで仕方なくて僕が在勤時には結局精神障害者による犯罪のひとつも起こりませんでした。

半タレント精神科医、臨床心理士は昔から数多くいます。

精神科医に対しては「あんた、診てない患者を伝聞で診断する仕事をしてるの?」と思いますし、臨床心理士についても「あんた、アセスメント面接も心理検査もしてないのによくいい加減なこと言うよね?疾患とか障害とか担当医でもないのに勝手に診断していいワケ?」と思うわけです。

マスコミが識者の意見が取ってそれをそのままたれ流すと権威付けられた世論形成につながっていきます。

片田珠美氏も少年の心の闇についての著作があります。

「心の闇」ってナニ?

と思うのですが、少年がヤリ玉に上がっていたころもあります。

どうやら酒鬼薔薇聖斗事件(1997年)17歳バスジャック事件(2000年)に始まって「少年は危ない、罰を重くしようそうしよう」という論調から、世論に敏感な立法府は2000年、検察官送致して少年を刑事罰に処することができる年齢を16歳から14歳に引き下げました。

故意に人を死に至らしめた場合は16歳以上原則検察官送致という法律も同時に定められました。

心の闇ではなくてマスコミの闇、世論の闇でないの?

と思うわけです。

少子化であまりにも少年事件担当者はヒマになり、家裁は少年から家事シフトになりました。

少年事件の絶対数も犯罪比率も下がっています。

殺人事件が最も多かったのは1960年〜1965年の間の若年者成人によるものです。

いわゆるキレやすい団塊の世代です。

少年事件は年々減少の一途を辿っていて凶悪犯罪もほとんどありませんが1件2件の犯罪が法律の世界を動かします。

タレント精神科医や心理学者は実に多く、きちんとした業績を上げているのにもかかわらずマスコミ登場することで自分の価値下げをする人もいます。

それだけなら馬鹿者扱いされるだけなのですが、専門家としての魂を売って自分のクライエントとしての精神障害者、未成年者を売ってどうする、と憤りを覚えるわけです。

同業者からはいい加減なインチキ精神科医心理学者と見られるだけです。

挙げ句の果てには大学教員に収まって有料メルマガを出してテレビ番組のレギュラーになって本業は何をやっているのかと、ねえ名◯先生?と思ったりするワケです。

僕が某マスコミ事務所で糊口をしのいていたときのことですがテレビ局におつかいに行ったことがあり、局員から名刺を出されて「あ、ども」と名刺を返したら、たまたま凶悪事件が起こった日で「あ、心理カウンセラーの人って今インタビューに答えられます?」と聞かれて文字どおり「ふえっ?」と聞き返したことがあります。

確かにライティング、マスコミ関係の仕事はしていましたが、見たことも聞いたこともない事件について何をどう語ればいいのかと。

僕が「ふえっ?」とキョドッて言ったのでそのまま局員さんは忙しそうにどこかに去っていきました。

ちなみにその当時、事件インタビューを受けると短時間で一回10万円が相場でした。

専門家、精神科医や心理学者は自分の一言が精神障害者、少年という本来ならその人権を守られなければならない人たちを追い詰めていく危険性があるということを知っておいて欲しいです。

真面目な学者は守秘義務に注意しつつ、ケース発表の際には個人情報を改変しつつ本人に説明書を手渡して同意書にサインをもらい国立国会図書館に論文が収納されるまでの間、いつでも発表や掲載に関する異議申し立てをすることができる旨をきちんと説明しています。

それは最低限の倫理規定です。

それにもかかわらず何も知らない相手を診断したり分析したりあなた方は自分が所持している資格や同業者に対して大変失礼なことをしているのではないかと。

以上、マスコミ、精神科医、心理学者の持つ深い心の闇について語らせていただきました。

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