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※ 実在する人物の許可を得て記事にしました。

◯ 保健師兼公認心理師つぐみさん

僕「つぐみさんみたいに精神保健領域で働いてきた保健師さん、結構公認心理師取ってるみたいね」

つぐみ「看護師ってね、なんでもやるから最初は外科病棟でオペ中にメス投げられたりね、診療中にもカルテ投げつけられたり外科の先生にされるとこから修行始めたわけよ」

僕「外科系って昔は大変だったよねえ」

つぐみ「今でもそうよ。外科系だと『あーらセンセ、いつもお手手が悪さしちゃうんだからあ』って言ってうまくあしらわないと」

僕「へえ、で、つぐみさん保健師取ってからすぐメンタルヘルス関係始めたの?」

つぐみ「市役所の地域保健師ね、それからまた病院で看護師やってから企業かな?」

僕「企業っていってもつぐみさんがいた会社の規模だと産業保健の中でもメンタルヘルス業務最初からはやらせてくれなかったでしょ」

つぐみ「そうねえ、健康診断、要指導社員への健康指導とか病院行かせるとか、社食のメニュー改善とかね」

僕「社食だからきちんとカロリー計算されてるわけじゃないんだ」

つぐみ「入札で入ってきた田舎の食堂だからカレー、ラーメン、カツ丼が中心よお」

僕「産業保健師さんって本当にいろいろやるよね」

つぐみ「そそ、禁煙キャンペーンとかウォーキング推奨月間とかね。そういう成果を学会発表できたのはよかったかな。」

僕「会社のお偉いさんでも人事管理とか労務管理とかできる人とできない人がいるから保健師さんにやらせてるところもあるよね」

つぐみ「うーん、労働安全衛生業務をやるのは本当はどっかの課の課長業務?と思ったけど、ヒヤリハット事故防止とか、労災ゼロ運動やったりとか、なんでもやらされてねえ」

僕「課長っていうより部長に近そうな」

つぐみ「だから総務部マネージャーで部下の教育とか職長を集めて健康保健教育とかね」

僕「うん」

つぐみ「だから中災防(中央災害防止協会)心理相談員の資格取ってね、産業カウンセラー取ったら勢いでシニア産業カウンセラー取ってそれからキャリコン(国家資格キャリアコンサルティング技能士)取ってそこの会社でメンタルヘルス責任者もやることになったのね」

僕「看護師さんって人体に詳しいだけですごいって思うけどつぐみさんは保健師さんやってそれからかなりまた勉強したんだねえ。保健師さんって熱心な人多いよね」

つぐみ「でも非常勤のままマネージャーやってて、会社が産業保健部門ね、特にメンタルヘルス部門縮小するっていうから出稼ぎに行かないと食べられなかったのよ」

僕「ふんふん」

つぐみ「あちこちで講演とかやってたからね」

僕「うん」

つぐみ「まあすぐ仕事見つかって10社ぐらいかけもちで仕事したり官公庁とかいろいろね」

僕「つぐみさんなんでもできるから頼られたでしょ」

つぐみ「リワーク(病休者復職支援とかね」

僕「うん、民間はどこも大変そうだねえ」

つぐみ「いや、実は公務員関係がかなり大変なのよ」

僕「ふうん」

つぐみ「保安職、公安職って普通の公務員以上に労働制限とか撤廃してるでしょ」

僕「そうだよね」

つぐみ「だからね、カウンセラー雇わなくちゃってことで委託されて行ってる◯◯▽の職場とかすごいのよ」

僕「うーん、保安関係はすごくメンタル状態悪いって聞いたことあるよ。外部への心理支援はしても内部の職員ケアしないって元特別国家公務員の博士から聞いた」

つぐみ「でしょ?、私が『今週も来ましたーっ』行くとね」

僕「うん」

つぐみ「『やあようこそいらっしゃいましたつぐみ先生』ってお偉いさんがずーっと喋っててね」

僕「うん」

つぐみ「職員のカウンセリングとかできないっつーか意図的にさせない雰囲気なのよ」

僕「あらー」

つぐみ「ま、もっと上の方に今チクッて慌てさせようと思ってるんだけど」

僕「保安関係は大変そうだねえ」

つぐみ「警察以外にも司法警察員で逮捕権与えられてるとこはどこもね、内部のルールがすっごく厳しい」

僕「うん」

つぐみ「いつも仕事で惨状目にしたり24時間体制とか宿直とか激しいのよ」

僕「大変そうだねえ」

つぐみ「だからメンタル状態すごく悪いけどケアする人いないから、公務員って言っても実は辞めちゃう人も多いけど、表には出ない数字よねえ」

僕「うん、つぐみさんって保安関係だと今までどこの仕事してたの」

つぐみ「◯◯、××、☆☆、@@とか」

僕「ふうん、ほぼ保安関係網羅してるんだねえ」

つぐみ「資格いろいろ取ったりいろんな経験させてもらってたから、公認心理師試験なんとかなったけどね」

僕「大変な現場多そうだから無理しないでくださいね」

※ 場数を踏んでる精神科看護師さん、産業保健師さん、保健所の精神保健福祉相談員さん(いずれ精神保健福祉相談員には公認心理師も登用されるでしょう)は医学知識があり、訪問ケアをする際にも身体医学知識があるととても役立つでしょう。

保健師さんは医療に加えて産業場面では産業保健師、行政場面では行政保健師、教育保健師と3つの領域を持って仕事をしています。

保健師、看護師は現任者ルートが終わると公認心理師資格は取れなくなりますが、まず各精神衛生の最前線て活躍している方々に公認心理師でキャリアアップしてもらうのは十分ありだと思います。

心理職プロパーとしても教われる部分は多いのですから。

これまで公務員心理職については裁判所と法務省矯正局についてしか書いていなかったのですが、公務員心理職は官公庁でも自治体でもかなり多く活躍しています。

また、公安関係心理職も多いのですが、つぐみさんが言う通り、公安保安関係職員は職務がハードな割にはケアが行き届いていません。

内部スタッフケアが不足しがちなのです。

心理職、精神保健職が集まって仕事をしているような職場でも心理、精神保健専門職がなんらかの精神疾患を発症することはあります。

そこで他の心理、精神保健専門家が予兆を感じてストップできるかというとできません

うつ病にせよ、双極性障害にせよ、統合失調症でも頑張って仕事をしようとすればやりきれてしまいます。

そして倒れた時に初めて周囲が気づくのです。

専門家集団にしてこのありさまですから、一般の職場ではなおのことわからないわけです。

今は公認心理師制度は始まったばかりの移行期ですが、多くの職場に公認心理師が浸透していき、その成果が試されている時期と思います。

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