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◯ 産業公認心理師ちゆみちゃんリベンジ

前回の産業公認心理師ちゆみちゃんの続きです。

※ 以下、本記事はフィクションであり、実話に基づいて5パーセントほどの脚色しかしてありません。

ちゆみ「リベンジっつーても別にひなたさんに恨みはないんだけどさ。」

僕「うん」

ちゆみ「とりま、うちの本社はきちんと病院があるから精神科の先生がいるし心理師(士)も多いからいいんだけどさ」

僕「うん」

ちゆみ「私のいる支社みたいな事業場だと私ひとりしかメンタルの専門家はいないのよ。」

僕「産業医の先生は?」

ちゆみ「週3回ぐらいくるけど、消化器内科の先生で割とすぐいなくなっちゃう。お医者さんは時給高いから長時間雇えないって人事の人が言ってた」

僕「うん」

ちゆみ「そうするとね、うちの支社みたいに大きなところは支社機構の事務所もあれば製造現場もあって、ホワイトカラーもブルーカラーもいて、それぞれみんな忙しいから、結構メンタル病みの人とか出てくるワケよ。っつーか異様に多い。」

僕「うん」

ちゆみ「そうするとね、産業医の先生がいない時とか、ほら、私まじめに仕事やる系の人だから早出残業をしてる時にホケカン(保健管理センター)に患者さん運ばれてくるわけよ」

僕「うん」

ちゆみ「ホケカン勤務だから仕事は白衣がデフォなドレスコードで結構通勤着とかテキトーで楽でいいなって思ってたら、社員のみなさん、白衣着てるともれなく私のことを全科目診られるお医者様と誤解してるみたいなのよそこがやばたんたん」

僕「うんうん」

ちゆみ「で、聞いてくれる?『この人ストレス性胃炎なんですけど』って来た人が七転八倒して冷汗流してお腹押さえて『苦しい、痛いよー』って言ってるわけね。私に一体どうしろと?」

僕「どうしたの?」

ちゆみ「確かにストレス原因みたいだけど、話聞く以前の問題じゃん。○ンシロンや○田胃酸渡して帰したっつーわけには行かないから、すぐ時間外救急行かせたわよ、メンタルが絡んでるかもっていうと何でもかんでも私のところに来るワケなのよ」

僕「うーん」

ちゆみ「過呼吸とかね、上司に怒鳴られると過呼吸起こすクセがついている社員だからこいつの性根を叩き直してくれって依頼があって、ま、それだけでも『はあっ?』なんだけど」

僕「うんうん」

ちゆみ「で、その過呼吸がすごく熱い作業所での激しい肉体作業だったらしいから、あぶねーって思ってね」

僕「うん」

ちゆみ「だって過呼吸は確かにしてるけど白目むいてけいれんしてるじゃない、担架で運ばれてきた患者私にどうしろっていうのよ。一刻も早くなんとかしないと卍シヌ」

僕「どうしたの」

ちゆみ「即救急車呼んで1泊入院させた。治ってから私のところに来て『先生のカウンセリングのおかげです、ありがとうございました、おかげで命が助かりました』ってそれ私何もしてないから。」

僕「ま、そんな時に心理に何か期待されても無理だけど救急車呼んだのは救命になったよね」

ちゆみ「それな!わかりみが深い。ボーダーっぽい人が過呼吸で運ばれてくることもあるけどね、昔なら紙袋当てさせて終わりってことだったかもしれないけど、私はきちんと循内行かせてる。確かに心因だけかもしれないけど、もし心肺機能の異常だったら命にかかわるじゃん。検査してもらわないと」

僕「賢明だね」

ちゆみ「うちの会社って心理をどうも安上がりな精神科医がわりに雇っているらしいのよ

僕「あるかも」

ちゆみ「あとね、心理士採用したことがなかったから、健康診断の一環の問診要員として最初は非常勤で雇ってたのよ」

僕「うん」

ちゆみ「でね、あまりにもメンタル疾患が多いからさ」

僕「大きな会社だしね」

ちゆみ「北海道から九州まで心理士20人ぐらいバスに乗せて各事業所を回らせてなんとかしようとしていたみたいよ」

僕「うーん」

ちゆみ「実際、常駐の精神科医いないし、私の支社の産業医の先生は私のこと信頼してくれているっていうか、丸投げして『メンタルはちゆみ先生よろしく』ってことだからね、私勝手に患者情報提供書書いて産業医の先生がいるときはハンコあとからもらってる」

僕「でも産業医の先生がいない時は?」

ちゆみ「うちの本社附属病院に行かせるいとまがあれば心理情報提供書書いてる。拝啓、精神科御担当外来先生には日ごろから御高診いただきまして誠にありがとうございます。とか書いてね、御侍史と御机下の違いわからないけどとりま書く」

僕「医者の仕事半分やってるみたいな」

ちゆみ「給料は三分の一だけどね、情報提供書いつも数限りなく書いてるわ。」

僕「うん」

ちゆみ「新しい社長がね、自称メンタルヘルスに理解ある系って言っててね」

僕「うん」

ちゆみ「俺が社長をしている間に精神疾患をゼロにする」ってそれムリだから」

僕「そりゃそうだ」

ちゆみ「でもまあ安定してる仕事だからさ。支社のバレーボール大会の選手だから猛サーブキメて頑張る。納涼祭はバンドのボーカルやるよ。熱血ちゆみちゃん」

僕「よくやってるよねえ」

※ いつも外国と比べてしまうのですが、事業所に常駐の産業医を雇うのが難しい場合には日本にもナース・プラクティショナーのような制度があればいいなと思います。

ナース・プラクティショナー制度は上級資格のナースがそのまま医学部進学ができたり、ナースでも臨床医と看護師の中間的な役割を持っていて、診断、投薬、治療を行えます。

産業現場事業所にそういった専門職がいたら心理でなくても心強いでしょう。

日本でナース・プラクティショナー制度のような構想を立てようとしたら医師団体から猛反撃を受けて潰されてしまうと思います。

翻って公認心理師上位資格を作ろうとしているのは日本公認心理師協会も公認心理師の会もやっていることですが、公認心理師の地位向上よりも、現場の心理職は利権目当てじゃね?とか、自学派アゲ他学派僕滅だろ?とか、評判がよろしくないです。

高尚な理念を掲げて上位資格を創設したいなら、アメリカのナース・プラクティショナー制度に匹敵するような権威を持った資格をまずきちんと創設してからでないと現場の公認心理師はついて来ないと思います。

職務権限(権力ではないです)と資格はセットでないと誰も取りたがりません。

公認心理師は臨床心理士や他資格の心理職が「取っておかないとこの先まずい」と危機意識を持って取得した人が多いです。

必要性がある資格を取りたいのは当たり前のことです。

君たちヒラ心理職にはよくわからないかもしれないけれどもわれわれ上級者たちが君らのために上位資格を作るから、どんどん取りたまえという姿勢だと団体に加入して資格を取りたがる人は少ないんじゃないかなあと思うのです。

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