公認心理師養成をめぐる東京福祉専門学校の迷走
以前、専門学校でも公認心理師が取得できるという触れ込みで東京福祉専門学校が「大学に準ずる施設だから大丈夫、あとは卒業後実務経験を積むだけ」という趣旨の取材記事を掲載しました。
しかし実際には厚生労働省の認定では、公認心理師になれる大卒後の実務経験施設は家裁、法務省、一部の病院とかなり僅少です。
東京福祉専門学校のホームページを再度確認、
実務経験を積むというのはかなりハードルが高い、これは記事にした僕の問題でもあるので電話して確認をしてみました。
Q「東京福祉専門学校さんのホームページを見ると、卒業後公認心理師になるには2年間の実務経験さえすれば大丈夫と書いてあります。でも公認心理師実務経験のための公認心理師法第7条第2項に該当する認定施設はあまりにも少ない、東京福祉専門学校を卒業して簡単に公認心理師になれるというイメージをホームページに掲載するのはいかがなものかと思います。いま公認心理師をめぐってかなり多くの大学がカリキュラム編成に苦労しているところで、ホームページでこういった宣伝をするのはいかがなものかと思います。」
A(学部カリキュラム説明責任者)
「ホームページを開設した当初は2年間の実務経験をどこかの病院で行なえば可能と考えていましたが、実際には公認心理師として実務経験を積むため、病院が厚生労働省に申請をしてもどんどん撥ねられている状態です。」
Q「それではホームページを見て簡単に公認心理師になれるかのようなイメージを与えるのはまずいのでは?」
A「東京福祉専門学校では精神保健福祉士の資格が取得できます。精神保健福祉士を取得してから病院などに就職、それから実務経験を積んで公認心理師受験資格を得られればいいと考えています。」
Q「でも精神保健福祉士が就職した病院などが公認心理師実務経験施設でない可能性の方が多いわけでしょう」
A「そのあたりは東京福祉専門学校は願書を出す際に必ず学校に来てもらっています。オープンキャンパス
でもきちんと説明をします。」
Q「それでも誤解を招きかねない記載はまずいと思います。高校生が公認心理師になれると安心して東京福祉専門学校さんに行ったらなれないという事実を知るというのはどうなのでしょうか?」
A「ホームページを作り直せということをおっしゃりたいのですか?」
Q「私は心理学ブログを運営しているひなたといいますが、公認心理師制度全般についてきちんとした国家資格になることを目的として書いています。公認心理師は法的に定められたルートできちんとなって欲しいと思います。東京福祉専門学校さんのホームページだけというか、全体的に安易な保証をするのは学校としてどうかと思います。きちんと最初から事実を説明しておかないとまずいと思います。」
A「わかりました」
※ こういった安直な保証をした記載で受験生、入学者を集めようとするというのは非常に誠意が感じられないと思います。
これからからどんどん実務経験施設が増えていく保証は何もありません。
精神保健福祉士を取得できたとして就職した場所が実務経験認定機関となる保証もないからです。
専門学校ルートは確かに可能性はあります。
しかしそれは現時点ではかなり狭き門になっているということを受験生の方々には知っておいて欲しいと思います。
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