79ECBE73-6B02-4CD8-B789-51BD3A2FA880

◯ 公認心理師向けの倫理相談機関は存在しない

さて、昨日の記事で厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課 公認心理師制度推進室(長い)に問い合わせてみたところ、公認心理師が倫理・実務上で困惑して戸惑っている際に「どこに相談したらいいのか?」という質問に対する答えは

「ない」
ということだったので、それについてはいまだブラックボックスのままです。

日本心理研修センターも公認心理師試験機関と公認心理師登録機関に過ぎないので、こういった相談には乗れないと思います。

公認心理師法第四十一条

公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。

は罰則規定があり、

第四十六条 第四十一条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

となっています。

労働契約法第五条安全配慮義務違反に問われるような場合、クライエントさんが希死念慮を示している(漠然と消えてしまいたい〜もう準備して死ぬ用意できてます、のスペクトラム中の死への欲動の強さをアセスメント、判断するのは困難です)あるいは過労死寸前、でも会社には言ってくれるなと言われる、さて安易に会社に言うと秘密保持義務違反になります。

でも誰にもクライエントさんが言わずに死んだ、遺書が残されていて「カウンセラーだけは知ってくれていた。話を聞いてくれてありがとうございました。」とでも記載されていたら秘密保持義務違反どころではなくて大騒ぎです。

公認心理師は安全配慮義務違反、危険を知りながら何もしなかったという債務不履行で莫大な損害賠償請求をされることにもなりかねません。

「トラック運転手をやっていますけれども最近ふっと意識が途切れることが度々あるんです。この前は歩行者ひきそうになって驚きました。でも他に仕事ないですし、家族を養わなくちゃいけない、今退職したら死ぬしかないんですよ」

というような究極の選択
の告白があったら公認心理師はどうしたらいいのでしょうか?

カウンセラー向けの保険商品があるのは知っていますが、保険引き受けの問題ではありません。

心理職のような資格商売は資格に傷がついたり資格喪失するとまさに死活問題です。

「個別の相談に乗りますからうちの協会に加盟してね」と公認心理師職能団体が言うのもかなりの筋違いと思います。

制度が確立された専門職と異なって、制約の内容も不明確、倫理はまだふわふわしているのが公認心理師資格です。

臨床心理士倫理規定とかなり重なる公認心理師独自の倫理を遵守していかなければなりません。

「主治の医師の指示」は医師団体と臨床心理士会が火花を散らしたあげく医師団体が勝利したわけです。

それを理由に資格剥奪されるのは不条理だと今も感じますが、せめて法文だけでなく、きちんと整備されたガイドラインはないかというと、それもない有様です。

何人も公認心理師を除名して人柱を出してから倫理基準を決めるの?

とこの体制のゆるさと解決策を誰も持っていないことに危機を感じています。

追記:先日案内させていただきましたが、萩野谷俊平博士が司法面接トレーニング実験被験者をサンプル数収集のため、募集しています。臨床心理士の方は報酬付きで司法面接を詳細に学ぶことができます。興味のある方は是非萩野谷先生にご連絡してみてください。
実験参加者募集案内pdf(クリックすると案内が開きます)

※ 当サイトは公序良俗に反するサイトを除きリンクフリーです。また、当サイトからのリンク先情報についての真偽は保証しかねますのでご了承ください。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ
(スポンサードリンク)