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◯「好き」と公認心理師が言われたらどうするの?

公認心理師の勉強を始めると真っ先に「多重関係の禁止」ということでクライエントさんと恋愛関係に陥ることは絶対にダメ、公認心理師の信用失墜行為は資格剥奪になると厳しく言われているテキストを読みます。

臨床心理士も同様で、学部教育のころから叩き込まれます。

ちなみに医師にはこういう規定はありません。

それどころか開業医なら
医師の名誉を傷つけて病院の信頼を落としたと医師が患者を告訴することも理論的には可能です。

それは置いておいて、じゃ、どうするの?という、心理職なら宿命のようなこの問いに答えるのはなかなか難しいことです。

僕がスクールカウンセラーをやっていたとき(以下改変あり)カウンセリング途中でトランス状態に陥ったような風になってチラ見しながら机の上に突っ伏した女の子が僕の反応を窺っていたということがありました。

いちおう職員室に行って「こういうことになっています」と説明して、カウンセリングルームで彼女が根負けして「目覚める」まで僕は本を読んでいました。

名前を大声で呼んでも目覚めない(っぽい)けれども身体症状ではないなあ、何かフォローしなくちゃいけないんだろうなあと相談室の引き戸を少しだけ開けておきました。

あとは別の中学で全力で詰め寄ってきた中学生にメアドやlineアカウントを渡されたこと何回か。

中高生は繊細なので、よしよしと言いながらスクールカウンセラーという立場をきちんと見せるのはそこそこ苦労しました。

大人は症例バレするので詳細に書きませんが、限界設定をバシッとやると見捨てられ体験になるのでとても難しかったなあと思います。

1.「好き」と言われたらどうするか?教科書に書いてあること

⑴「どうしてそう思うんですか?」→転移分析

なぜそういった感情が湧いたかを徹底分析する。

「あなたはお父さんとの関係で満たされなかったところをこのカウンセリングで望んでいるのですね」

早過ぎる(誤った、患者さんの「本当に好き」な気持ちを無視した)解釈の失敗

⑵ 「治療者のことが好き、という感情を持てたということは、治療を受けてだんだん良くなっていく自分が好きということなのでいいことですよ。◯◯さんがそこまで回復したということですね」(にこっ)

⑶ そうですねえ、今具合良くないですよね。だから誰かに頼りたくてそういう風なこと思うのかもしれないですけれどももっと元気になれたら考えましょうかねー(先伸ばし)

2.おうちの千美梨ちゃんに聞いてみました。

僕「ねえ、女性としてカウンセラー受けてて先生のこと好きになってそういう風に教科書的に返されたらどう思う?」

ちみ「んー、誠意がないと思う。こっちが本気で好きだったら、ざけんじゃねえって思うかも」

僕「なるほどねえ」

ちみ「だったらうろたえてパニクるとかそういう本気で動揺してくれたら嬉しいと思う」

僕「そうねえ、クライエントさんも心理師も生身の人間だからねえ」

ちみ「口だけでやり過ごされたりしたらもう患者さんはカウンセリング行けないんじゃないかしら」

僕「うーん」

※ 性的多重関係の禁止はかなり厳しいガイドラインがありますが、裏を返せばそれだけカウンセリングは恋愛感情に近い転移-逆転移関係が生じやすいですし、そういった関係も数多く起きているということです。

ニュースなどで某元臨床心理士の話を読むこともありました。

それは言語道断と思うのですが、とても難しいところがあるのとも思うのです。

クライエントさんのことをきちんと1人の人間、人格として見据えないとカウンセリングという情緒的に複雑な行為はできません。

そしてクライエントさんは共感された経験があまりない人も多いです。

クライエントさんよりも上位に立って見下ろすような(負の相補性-似ていないところを補い合うのではなく、マイナスに働くことをそう言います。クライエントさんが恵まれていない境遇だけれどもカウンセラーは学位を持って鼻にかけているような態度と見られるとこういう現象がお互いに生じます)姿勢と取られると恋愛性の転移は起きないでしょう。

陰性の攻撃性のある転移は生じやすいでしょう。

ひとりの人格として向き合うからこそ発生する、人間の生々しい感情を真剣に受け止め、お互いに傷ついても感情に対峙していくことを成長の資とできればいいと思うのです。

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