
公認心理師の会会長丹野慶彦氏の素顔とその主張、狙いとは?
公認心理師の会は非常に強気、認知行動療法アゲ、精神分析サゲという印象を代表の丹野氏の言動から持たれています。
これは丹野氏が日本心理学会で提出した例のpptパワーポイント資料に基づいているのでしょうけれども、元々丹野氏はとても真面目な認知行動療法研究家です。
丹野氏の略歴です。
1954年生、63歳、現在東京大学総合文化研究科教授です。
総合文化研究科は東大でも比較的新しい学科ですが、認知行動学科が設置されているところから数々の認知科学に対する研究を行ってきた丹野氏にとってはまさにうってつけのポストと言えるでしょう。
青森県出身、大学学部時代には文学運動を行ったこともあります。
SF作家説明スタニスワフ・レムに関する随筆家もあります。
東大心理学科、同修士課程卒業後は国立群馬大学で医学博士を取得します。(群馬大学大学院医学研究科生理学系専攻博士課程修了)
丹野氏が医学部で生理学を専攻したというのには訳があり、もともと丹野氏の学究的興味は脳と統合失調症における認知機能、精神物理学でした。
丹野氏の研究業績は統合失調症患者の弁別閾閾値が通常人と異なっていて、細かい感覚を覚知するのが困難、それが思考過程にも影響を与えているのではないかというものでした。(東京大学出版会「統合失調症の臨床心理学」)
統合失調症患者や一般人でも持ちやすい妄想的知覚、観念についての分析は貴重なもので、まさに「認知」が精神に及ぼす影響についての研究が行われています。
丹野氏が基礎心理学を重視するのもそのバックグラウンドからは自明で、知覚や認知という人間の基本的生理的な機能の歪みは精神にまで影響を及ぼす、その関連を探ることが精神療法にもつながるというものです。
これまで公認心理師受験勉強に参考書として使った人も多い有斐閣「公認心理師エッセンシャルズ」ですが、第Ⅳ部「心理学関連団体」には
1.一般財団法人 日本心理研修センター
2.公益社団 日本精神科病院協会
3.一般社団法人 日本心理学諸学会
と並んで
⑴心理学検定
⑵日心連加盟団体
が記載されています。
心理臨床学会は53学会のひとつとして一行、記載されています。
日本臨床心理士会や臨床心理士については全く記載がない参考書です。
あれ?丹野氏も臨床心理士なんだけどなあ。
と彼の経歴を見ていると疑問に思うわけです。
研究業績は学会発表、査読論文、著作を含めると膨大な数で、かなり精力的な研究家です。
僕はそれほど熱心に認知行動療法を勉強したわけではないのですが、丹野氏の訳書、著書があるかなあと思って書棚を見てみたらそれでも5冊ありました。
古いものだと金子書房の「認知行動療法の臨床ワークショップ」(訳書、丹野氏が第1章を執筆、筆頭編者)で、パニック障害、強迫性障害、統合失調症の認知行動療法を暴露エクスポージャーを交えながらどのように行っていくかという、理論も実践も充実した名著です。
2008年星和書店の「認知療法・認知行動療法事例検討ワークショップ⑴」も素晴らしいものです。
2008年の対人恐怖とPTSDへの「認知行動療法」(星和書店)はPTSDへの刺激の暴露はPTSDを増悪させる可能性が高いという研究結果もあることから論議のあるところでしょう。
さて、公認心理師の会が認知行動療法一色に彩られているのを見て納得したわけですが、これがもしネーミングが「公認心理師の会」ではなかったとしたらここまで世間の反発はなかったと思います。
「公認心理師による認知行動療法研究会」「認知行動療法を学ぶ公認心理師の会」ならいいのですが、認知行動療法=公認心理師にしてしまったためにこれほどの論議を引き起こすことになりました。
さて、公認心理師の会加入者は全国2万8千人の公認心理師のうち何人になるでしょうか?
僕の周囲は誰も加入希望者はいないのですが、今後同会の動向を生暖かく見守っていきたいと思います。
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