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◯ 公認心理師試験に発達障害者協会から疑義

発達障害者当事者協会から第1回公認心理師試験、発達障害に関する問題について疑義がでました。

問91

問91 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)の基本的な特徴として、
最も適切なものを1つ選べ。

(1) 場面緘黙
(2) ひきこもり
(3) ディスレクシア
(4) 言葉の発達の遅れ
(5) 通常の会話のやりとりの困難

で、厚生労働省から出ていた正解は

(5) 通常の会話のやりとりの困難

となっていたわけで、

発達障害者当事者協会の主張を要約すると発達障害者は意思疎通の困難なカナー型(知的遅れをともなう)だけではない。

清明に意志が通じる発達障害者がほとんど、そうでなければ発達障害者と支援者の意思疎通はできない。

協会は当事者と支援者と十分に意思疎通をしながら活動を行っているのにどういうことなの?

というものでした。

これは確かに発達障害者協会の方に理があります。

元々ASDは自閉症スペクトラム障害なのであくまでスペクトラムです。

だからいろんな人がいるわけなので、心理職の人も現場で見ているし、当事者の人たちも「困難」な人の集団が発達障害当事者というわけではないのです。

僕の感想では発達障害の人たちは少なからずGIFTED、天賦の才に恵まれた人たちが実に多いという印象を受けています。

ツイッタラー当事者の人たちが作った発達障害に関する資料は実に精緻なもので、その知識と研究の深さは

凡百な心理職は負けます。

GIFTEDの中で有名(確定診断を受けているかどうかはわかりませんが、ビルゲイツやApple社を創設した故スティーブ・ジョブズ、シリコンバレーで働くエンジニアたちはほぼ全員が発達障害と言われてもいますが、彼らなしでは最先端技術の進歩はありえないわけです。

有名な発達障害当事者にテンプル・グランディン女史がいます。

彼女は71歳になります。

高い知能を持つ発達障害(自閉症)として生まれ育ち、生育過程でどうにも人間関係がうまく行かなかった。

そこで「私は牛と一緒に生きるの」と結婚をしたり人付き合いをしながら生きることを諦めたわけです。

頭の良い彼女は心理学を修めた後、動物学に移ります。

彼女の研究対象は牛の食肉加工でした。

肉牛として育てられているので必ずある年齢で食肉化される、苦しまずに愛する牛たち。食卓まで運ばれるようにしたいという信念から、彼女は牛が生命を全うするのに最も苦しまないで済む加工法を考案してそれを機械にしました。

この業績によってグランディン女子は全米動物愛護団体と食肉協会双方から表彰されるという快挙を遂げます。

「大好きな牛を結局食べるために命を奪うことに抵抗はない?」という趣旨の質問に彼女は「あら、牛は食べられるために生まれて育てられたのだから人間とは違うのよ」とさらっと答えています。

さて、この人たちは意思疎通が困難で何もできない人、何かあるとごまかすためにその場しのぎででたらめを言う人なのか、

公認心理師試験の 「通常の会話のやり取りの困難」 というのは重い言葉です。

当事者研究、発達障害の人たちが自ら自分たちで行っている研究はかなりハイレベルで、この発達障害者協会でも積極的に推進されています。

有名な北海道の当事者集団「べてるの家」は自分たちで組織の運営を行うこと、研究も行っています。

これだけ自立している活動は立派なものだなあと思います。

どこかの内紛の末に人集めも統制も取れない専門職団体にも見習って欲しいところが多々あるなあと思いました。

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