ASD、ADHD、HSP、GIFTED
変わりゆく発達障害の概念・新公認心理師に知っておいて欲しいこと

1.概論

DSM-5(アメリカ最新診断基準)でアスペルガー、広範性発達障害、PDDNOS(ほかのどこにも分類されない広範性発達障害)という概念が消えてASD自閉症スペクトラム障害という概念になったのは画期的なことだと思います。

DSM-5は重複診断がしやすくなった診断体系なので双極性障害とADHDの双方の診断を受けている人も多くなってきたという所感を持っています。

この双方の診断が出ているということはそれだけ幅広い医療的支援の可能性を高めているのですが、「やっていきにくいですよ」という宣言をされていることにもなるとも思います。

発達障害の概念は時代によってかなり変遷してきました。

2000年ごろから「軽度発達障害」はI.Q70未満の古典的なカナー型自閉症と違って知的には通常程度以上の発達障害が知的に障碍されていないから軽度」という扱いを受けてきたわけですが、これは大きな間違いでした。

生きにくいという意味ではADHD、ADD、ASDでもLDは知的障害の自閉症と変わらないどころか、むしろ重い場合も多いわけです。

2.発達障害は人の話を聞けないから鈍感という誤解

発達障害の人たちは自分たち障害のことを研究し、知識を集積するのに余念がありません。

きちんと勉強している発達障害の人のカウンセリングをしたら駆け出しの心理職は知識で優に負けます。

昔はアスペルガーと言われていたのだから、とりあえず話すのを聞いていればいいだろうと生返事で話をカウンセラーが聞いていると彼らは敏感なのでそれをたちどころに見抜きます。

HSP Highly Sensitive Person
(きわめて繊細な人)は、障害というよりもその人の特性ですが、これがその人の生き方を阻害することがあります。

スクールカウンセラーをやっていた人にはそんな経験があるかもしれませんがHSPは思春期に特に出やすい、廊下の隅で女の子たちが談笑しているのを見て「僕のことを笑っている」と思い込んでいたのが、女の子たちは昨日見たテレビのジャニーズタレントのことを話していたわけです。

思春期に敏感になると、一見妄想ではないか?と思えるような心情になることはあります。

HSPの人にも出やすいわけです。

心理職の人が「妄想だから統合失調症だ」と勝手に診断してはいけません。

3.発達障害の人が持つスティグマ(社会的烙印)・そして有能性

ビルゲイツやスティーブ・ジョブズ、エジソンのように発達障害でも天賦の才に恵まれた人々は多いです。いわゆるGIFTEDという特殊な才能を持つ人です。

人間の持つ2万の遺伝子のうち、15個程度が変異を来たすと発達障害になります。

しかし発達障害、統合失調症、双極性障害も致死遺伝子ではなく、人類誕生以来脈々と受け継がれていて、必ず人類の歴史上必要だったからいまだにこれらの障害を持つ人が生き残って何かを築いたり、天変地異の準備をしていると考えられるという仮説があります。

男たちはみんな狩に行く、無謀な狩人だけでは狩はうまく行かず、狩は嫌いだけど矢じりを作るのに熱中する矢じりオタクのような発達障害の人がいなかったら人類は滅びていたかもしれません。

我は神の子、神の声を伝えられる統合失調症と現代なら言われるようなシャーマンが戦を収め、人々の心に平和をもたらしていたのかもしれません。

大地震や噴火が起きた、いくらでも不眠不休で働いて高いテンションで人々を自信を持って指揮していた双極性障害の人たちが人類を救っていた可能性もあります。

発達障害の人々へのかかわりとして
、「もうちょっと頑張ればできるからやってみよう」というのは、ひとつの正解かもしれません。

しかし金科玉条のようにそればかりを唱えて無理強いすれば必ず失敗するでしょう。

障害を持つ人の数だけ、そしてその人の毎日の状態によってかかわり方も変わるということを心理職の人たちには知って欲しいと考えています。

これまで発達障害に深くかかわってきた心理職の人たちや、新たに心理職となった発達障害に造詣が深い新公認心理師への期待は大きなものになるでしょう。

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