◯ 公認心理師制度は性悪説に基づいたものなのか?

公認心理師受験のため、公認心理師法を穴が空くほど読み込んだ受験生の方は多かったと思います。

復習しつつ今後の公認心理師制度について考えていきたいと思います。

◯ 公認心理師法第三条第二号

第三条
次の各号のいずれかに該当する者は、公認心理師となることができない。

二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者

※ 以前公認心理師法解説編でも書いたのですが、例えば時速60〜80キロメートルオーバーで運転して捕まったとします(僕には信じがたいスピードですが)。

そうすると速度超過でも罰金刑では済まず、懲役刑が求刑される本式裁判になります。

いわゆるDQNな人が「執行猶予がついたぜ、ラッキー、金払わなくて済んだ」と言った発言を聞いたことがあります。

しかし執行猶予がついたにせよ懲役刑には違いありません。

禁固刑より重い懲役刑実刑判決が出たら公認心理師免許は取り消されます。

◯ 公認心理師法

第三十二条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を取り消さなければならない。

 一 第三条各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至った場合

※ これは「必要的取消し事項」に当たるので、大臣は該当者の公認心理師免許を必ず取り消さなければなりません。

さて、医師の私的非違行為や保険点数不正請求などは毎年話題、ニュースになっています。

処分機関は厚生労働省医道審議会です。

医道審議会処分結果を見てみます。

例えば刑法典だと覚せい剤を含む多数の薬物使用所持で捕まった歯科医師が医業停止3年、詐欺で3年、覚せい剤取締法違反で2年の業務停止です。

とある医師が業務停止1年6月、この医師は過失運転致死、道路交通法違反で、懲役2年6月、執行猶予5年の有罪判決を受けています。

つまり医師、歯科医師は刑法典に違反して懲役刑になろうが診療報酬不正請求をしようが「停止」ということでのちに医業を再開できます。

公認心理師の秘密保持義務も他職種に比べて重いものです。

医師、看護師の秘密保持義務違反は秘密漏示罪に当たります。

(秘密漏示)
第134条  医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

◯ 次に再度公認心理師法です。

(秘密保持義務)

第四十一条 公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。

第四十六条 第四十一条の規定(秘密保持義務)に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

※ このように行政処分としても刑罰としても公認心理師は重い処罰が課せられることになります。

「主治の医師の指示」についてもコメディカルや福祉職に比べて重い規定になっているということは再三各方面から指摘されているとおりです。

どのような議論や立法経緯があって公認心理師法罰則規定となったのかは不明ですが、法で定められたものを守らなければ他職種に比較して厳しい処分は免れないということです。

約2万8千人が(北海道はこれから発表ですが)合格した公認心理師は倫理的には大変厳しい目で見られていることは間違いないでしょう。

今後誰かが何かの処分を受ければ「それ見たことか」と新制度公認心理師は危ういものになります。

まだ主治の医師の指示の概念は曖昧な定義のままです。

クライエントさんが主治の医師に情報を伝えるのを断固として拒否した場合にはどうすればいいのか明解な答えはありません。

守秘義務と安全配慮義務の間にも立たなければならず、秘密保持と人命の比較衡量をしなけれはなりませんが、結果があっても迷っている際に絶対的正解はありません。

私的関係、多重関係が禁止されている中でそれを遵守することが難しい機関に公認心理師が勤めている場合もあるでしょう。

真面目に仕事をしていくほど倫理的問題という壁に当たるかもしれません。

公認心理師は、そのような厳しい目で見られていることを念頭に置きながら毅然としつつ自らの職務に誇りと矜持を持ち、業務をこなしていくしかないのだと思います。



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