対応者:川村学園女子大学心理学科学科長北原靖子教授

Q「ホームページを見たらかなり公認心理師実習を充実させていらっしゃるように思います。公認心理師養成についてどのような実習をお考えでしょうか」

A「学部4年時には医療機関での実習を中心に考えています。1年次では福祉領域中心、3年次では教育領域と、段階を経て進めます。」

Q「多領域にわたる実習が必要とされる中では司法関係の実習先確保は困難ではありませんか?」

A「さいわい本学には司法・犯罪領域の教授がいますので、これまでも講義で警察との協力実績があります。ただいま刑務所の見学の手配を進めています。」

Q「教育領域についてはどうですか?」

A「教育委員会とのつながりで、地域の学校での実習を行う予定です。」

Q「産業領域についてはいかがでしょうか?」

A「本学大学院修了生からは140名臨床心理士が育っており、その中には産業領域で働く心理職もいます。そういったつてを使っていきたいと考えております。」

Q「医療領域は、心理検査のみでなく実際にケースを持ち、スーパービジョンを受けるという高度に専門的な実習内容も必要となるかと感じます。その点についてはいかがでしょうか。」

A「本学教授に精神科医と心療内科医がおり、現在でもケース指導も行っています。適切に連携を取って行っていくことが可能です。」

Q「ちなみに1年時に行う福祉実習の内容とはどのようなものでしょうか。」

A「社会福祉協議会の協力を経て地域の助けあいネットワークについて学んだうえで、特別養護老人ホーム、保育園、子育て広場といった福祉施設にかかわっています。また希望者対象に、小児医療・療育の施設見学も行います。」

Q「これから公認心理師を目指す学生さんに対して望むことは何ですか?」

A「本学で公認心理師を目指す学生も、最初は国家資格を取ろうかと思って入学してきますが、仕事の本格的なイメージまでは固まっていません。まずは福祉領域の実習を通して、『助けたい』という素朴な気持ちから、地域ボランティアと、要支援者に合ったやり方で支援する資格取得者との違いを自覚して、自分らしい将来設計を自分で考えてもらいたいです」

Q「きちんと学生さんに自覚を持たせるということですね。」

A「そうです。」

Q「貴大学ではGPA(一般教養を含む成績評価システム)は行わないのでしょうか」

A「一年次の実習申請段階ではGPAなどを用いた事前選抜は行いません。学生の興味、希望を尊重して考えていきます」

Q「川村学園というと幼保教育に強いというイメージがあります。実習には関係ありますか?」

A「本学付属の保育園は大学に隣接しており、学部の実習先施設になっています」

Q「これからの公認心理師制度についてのお考え、世間に対して伝えたいことなどがあれば聞かせていただけないでしょうか」

A「生まれたばかりの資格で、この資格がどうなっていくかを冷ややかな目で見ないで、暖かく見守って欲しいと思います。たとえば、これまで高齢者にかかわる専門職は多くいましたが、心の問題に特化した専門家はいませんでした。社会が必要性を認めていけば、活躍の場は広がるでしょう。」
(スポンサードリンク)