公認心理師上級資格正式発足始動

まだ合格発表前ですが、もうすでに公認心理師上級資格は始動しています。

日本老年精神医学会では日本老年医学会老年医学会認定専門心理士そして上級専門心理士制度を創設しました。

本年度の申請期間はもう締め切られて終了しています。

過渡的措置として2022年3月31日までですが、受験資格の中には公認心理師資格取得者が(まだ日本で誰も取得していないのですけれども)含まれていました。

老年精神医学会は日本精神神経学会という、精神医学の重要な学会とも緊密な関係があります。

老年精神医学会は老人心理、認知症研究分野ではなかなかの重要学会です。

心理学系の学術集会への参加、老人分野における学会発表(日本心理学会、日本心理臨床学会日本老年行動科学会)が老年精神医学会の心理資格取得のための要件です。

老人心理学分野では二階建て部分の資格の必要性が高いと言えます。

今後改正の可能性はありますが、心理職が技法の専門的トレーニングを受けるのに、民間資格をもって受講資格ありと認めている学会が、その要件を公認心理師にシフトさせていく可能性も十分にあります。

二階建て部分は心理学学会でも医学会でも専門性を高めるために必要ではないかと各所で論議されています。

だから公認心理師は入り口資格に過ぎないから合格率も高く、ペーパー心理師は不要という論もあるのですが。

医療、教育、福祉、産業、司法5分野のその領域で働く心理職の資格を作ろうという主張があります。

いずれも二階建て資格を目指しているのですが、さて

もし通れば、どんどん公認心理師という国家資格が細分化されていきます。

認知行動療法、EMDR、LD、応用心理学、学生相談、家族療法、犯罪、芸術療法と、もっともっと細分化は各学会ごとに可能になります。

せっかく国家資格を取得してもそれを生かすどころか、活動領域によってどんどん新たな二階建て部分を要求されていくと、非常勤者が多く、掛け持ち領域が多い心理職の立場は苦しいものとなっていくでしょう。

せっかく国家資格はできたけど合格は簡単にはさせない。でも専門上級資格はちゃんと取ってねというスタンスは心理職に荷重な負担を強いることになり、現場に混乱をもたらしかなません。

現段階では公認心理師が一体何人誕生して、どの領域で活動していくのかはわからない状態です。

制度がどのように定着してしていくかの形態も実情も現段階ではさっぱりわかりません。

先走って各学会がどんどん専門資格を作るのではなく、公認心理師のそれぞれの領域における活動や定着具合を観察、しばらく様子を見ていかなければならないと思うのです。


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※ 和菓子屋さん店内。お店に掲載許可をもらいました。

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