何回か転載しているのですが、この辺りは今後公認心理師の養成、運用に深くかかわってくる部分なので、もう一度載せておきます。

公認心理師法施行規則

第五条 法第七条第二号の文部科学省令・厚生労働省令で定める施設は、次に掲げる施設であって、同条第一号に掲げる者と同等以上の第二条各号に掲げる科目に関する専門的な知識及び技能を修得させるものとして文部科学大臣及び厚生労働大臣が認めるものとする。
一 学校教育法に規定する学校
二 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)に規定する裁判所
三 地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)に規定する保健所又は市町村保健センター
四 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)に規定する障害児通所支援事業若しくは障害児相談支援事業を行う施設、児童福祉施設又は児童相談所
五 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)に規定する病院又は診療所
六 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)に規定する精神保健福祉センター
七 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)に規定する救護施設又は更生施設
八 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に規定する福祉に関する事務所又は市町村社会福祉協議会
九 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)に規定する婦人相談所又は婦人保護施設
十 知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)に規定する知的障害者更生相談所
十一 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)に規定する広域障害者職業センター、地域障害者職業センター又は障害者就業・生活支援センター
十二 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)に規定する老人福祉施設
十三 青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和四十五年法律第九十八号)に規定する無業青少年の職業生活における自立を支援するための施設
十四 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)に規定する労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を講ずる施設
十五 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)に規定する更生保護施設
十六 健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第百三十条の二第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第二十六条の規定による改正前の介護保険法(平成九年法律第百二十三号)に規定する介護療養型医療施設又は介護保険法に規定する介護老人保健施設、介護医療院若しくは地域包括支援センター
十七 法務省設置法(平成十一年法律第九十三号)に規定する刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院若しくは入国者収容所又は地方更生保護委員会若しくは保護観察所
十八 厚生労働省組織令(平成十二年政令第二百五十二号)に規定する国立児童自立支援施設
十九 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(平成十四年法律第百五号)に規定するホームレス自立支援事業を行う施設
二十 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成十四年法律第百六十七号)に規定する独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
二十一 発達障害者支援法(平成十六年法律第百六十七号)に規定する発達障害者支援センター
二十二 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)に規定する障害福祉サービス事業、一般相談支援事業若しくは特定相談支援事業を行う施設、基幹相談支援センター、障害者支援施設、地域活動支援センター又は福祉ホーム
二十三 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)に規定する認定こども園
二十四 子ども・若者育成支援推進法(平成二十一年法律第七十一号)に規定する子ども・若者総合相談センター
二十五 子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)に規定する地域型保育事業を行う施設
二十六 前各号に掲げる施設に準ずる施設として文部科学大臣及び厚生労働大臣が認める施設
(平三〇文科厚労令二・一部改正)
(文部科学省令・厚生労働省令で定める期間)

◯ これらの機関での実習が公認心理師養成大学、大学院で来年から始まります。

もうすでに実習先として手を挙げている医療機関もあるのですが、人数は大規模な医療機関でも10数名程度、1日あたりの実習金額は5千数百円ぐらいになりそうです。

養成大学院に必要な実習時間450時間を1日7時間で割って約60日としても×5千円で合計30万円になります。

実際学費にどの程度反映されるかはわかりません。

それよりも実習先の確保が問題になるだろうということは先般筆者が指摘したとおりです。

厚生労働省が「よろしく」と通知

(公認心理師養成に係る実習生の受入れに関する御協力のお願いについて(依頼)

を出したのですが、これが適切な施設なのかどうかについては今後再検討の余地があるかもしれません。

実習の目的が、クライエントさんへのチーム支援計画の策定や実施を含んでいます。

僕も大学病院実習に行ったことがあって精神科医師の診察に立ち会ったことがあります。

大学病院は患者さんが研修医の実習に比較的慣れているだろうこともあって、割とスムーズに守秘義務を共有している人だろうと解釈されたので抵抗は少なかったかもしれません。

ただ、心身全体の状態を診察で語るのに医師以外の立ち会いを断りたかった人もいるかも知れません。

もうすでに診察室の中にいる研修生を「出て行かせて下さい」と言える人は少ないでしょう。

実習はただの立ち会い、陪席ではなく相当クライエントさんの生活や人格特性にも踏み込んだものになるでしょう。

これが心理カウンセリングだったらどうか。

患者さんとカウンセラーが信頼関係や治療同盟を築くのに苦労してきたカウンセリングはよくあります。

そこで「今日は実習生が立ち会いますけどいいですか?」と聞かれたら断りたいクライエントさんは多いのではないかと思います。

養成の手間を考えると厚生労働省の規定のとおり、最大限15人を一斉指導せざるを得ない場合、どうやって統制を取って集団指導をするのかは課題でしょう。

学校もチーム学校の中で学生をどうやって実習させるのか、大学、大学院や教育機関との協議が必要です。

だいたいにおいて小中高で常勤心理職がいる学校は僅少です。

想定されているかどうかはわかりませんが、大学の自前の相談所も考えられます。

学生同士キャンパスで顔を合わせる、同じサークルに入っていたりする多重関係にも注意が必要だろうなあと思います。

保健所や精神保健福祉センターは適切なように思われますが、まず果たして心理職が指導者になれるだけの数がいるのか(これは全ての施設に共通します)。

様々な施設が列挙されている中、売春防止法違反者のための婦人保護施設はほとんど機能していません。

各福祉施設、発達障害者支援センターや地域包括センターでの実習が可能ならばそれは将来の心理専門職を育てるのにとても有意義なことだと思います。(あくまで当事者の了承済で)

◯ 筆者が感じるのは、こういった国公立、福祉施設だけでなく、各種NPO法人、団体も研修先に入ってもいいのに、ということです。

例えばLGBTQの人たちの支援団体、自助団体は、これからの心理職が一番知らなければならないセクシャルマイノリティー問題に対する知見を深めてくれます。

また、DARCやAAのようなアルコール・薬物依存症の人々、DV被害者の自助グループもあります。

自助グループは「知られたくない」という当事者の方々が多いだろうと思われるので、おいそれとは踏み込めない、ただ心理職としては知っておかなければならない側面もあります。

各研修先に心理職が不在でも大学教員が指導すれば可能実習は可能です。

マイノリティーの人たちに対する理解を深めるためには研修先を広げてもいいのではないかと思うわけです。


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