◯ ひどいカウンセリング
上手なカウンセリング、素晴らしいカウンセリングをする先輩カウンセラーがいる反面、思わず顔をしかめたくなるようなカウンセリングの話を聞くこともあります。
カウンセラー本人が自慢げに話したり、クライエントさんからひどいカウンセリングをされたと聞くことがあります。
こんなひどいカウンセリングを受けたら悪化してしまうのではないか、クライエントさんの情報が特定されない範囲で少し書いておきます。
これまでカウンセリングを受けた人の中でこれに近い経験をした人はいなかったでしょうか。
1.講演会での話
とある施設に慰問、講演に行ったカウンセラーがいました。
その施設は社会的ハンディキャップを背負った人がいる場所で、みんな大変な思いをしている子どもたちが入所している施設、
カウンセラーは
「私たちはあなたたちのことを理解したい、していきたい。そのためだったらきちんとあなたたちのいるところまで下りていくから」
と言ったのですが、子どもたちや施設職員はどんな気持ちで聞いたのかなあと。
2.個別カウンセリング
枚挙にいとまがないぐらいカウンセリング被害の話はあると思います。
ドクターハラスメントがあるようにカウンセリングハラスメントもあるわけです。
例えば児童虐待ではとてつもなくひどい虐待が行われていた場合がある。
これはカウンセラーだけでなく、ドクターがもっと悪いわけですが、患者さんの受けた虐待を「妄想」と決めつけてしまう。
挙げ句の果てに妄想かどうか確認するために虐待者の家族を患者に無断で呼びつけて話をして(権限はあるかもしれませんが信頼関係はなくなってしまうでしょう)妄想と断定、カウンセラーにも妄想として扱うように言うわけです。
確かにドクターの言うことにカウンセラーは逆らえないという構造はありますが、「僕は自分が体験したことがないことには共感できないから」とカウンセラーは言い捨てた。
ドクターの言うことに従わざるを得なくても、患者へのハラスメントを行っていいわけでもなく、カウンセラーとしての矜持はないのかと。
3.心理検査
いわゆる投影法の心理検査に詳しいカウンセラーはクライエントさんの奥深くまで分析して見ることができます。
曰く「あなたの傷はあまりにも深い、わたしにはどうにもできない」
ここまでは言い方が悪かったんだろうなあと思います。
自分のカウンセリングの力量を超えた根深いトラウマを負ったクライエントさんが来ることはそのカウンセラーにとってはおかしくはなかった。
「どうにもできない」まではわかります。
だからどうすればいいのか、次はどこの機関に行けばいいのかと紹介(リファー)しなければクライエントさんを見捨てるだけになってしまいます。
4.心理療法の流派
以前から思っていることです。
エビデンス(証拠)がある心理療法として、認知行動療法があります。
嫌悪刺激に暴露する、それがうまくいけば症状は乗り越えられます。
きちんとした認知行動療法家は暴露がうまく行かなかった時の2番目、3番目の手段を考えて治療構造から脱落させないようにしていると思います。
ただし、論文を読んでいるときちんとしたデザインで施行されているものもたくさんありますが、脱落例をどう扱ったのかが不文明な論文もあります。
人間はモルモットではない。
認知行動療法に限らず全ての流派の心理療法に共通することです。
「この人のカウンセリングにはこの流派は合わない」と来られなくなった際に次に行くべき場所を最初から提示しておく必要があります。
患者さんにとってのセーフティネットとインフォームドコンセントを初回から十分に提示しているカウンセラーはどれだけいるのだろうかと思うのです。
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上手なカウンセリング、素晴らしいカウンセリングをする先輩カウンセラーがいる反面、思わず顔をしかめたくなるようなカウンセリングの話を聞くこともあります。
カウンセラー本人が自慢げに話したり、クライエントさんからひどいカウンセリングをされたと聞くことがあります。
こんなひどいカウンセリングを受けたら悪化してしまうのではないか、クライエントさんの情報が特定されない範囲で少し書いておきます。
これまでカウンセリングを受けた人の中でこれに近い経験をした人はいなかったでしょうか。
1.講演会での話
とある施設に慰問、講演に行ったカウンセラーがいました。
その施設は社会的ハンディキャップを背負った人がいる場所で、みんな大変な思いをしている子どもたちが入所している施設、
カウンセラーは
「私たちはあなたたちのことを理解したい、していきたい。そのためだったらきちんとあなたたちのいるところまで下りていくから」
と言ったのですが、子どもたちや施設職員はどんな気持ちで聞いたのかなあと。
2.個別カウンセリング
枚挙にいとまがないぐらいカウンセリング被害の話はあると思います。
ドクターハラスメントがあるようにカウンセリングハラスメントもあるわけです。
例えば児童虐待ではとてつもなくひどい虐待が行われていた場合がある。
これはカウンセラーだけでなく、ドクターがもっと悪いわけですが、患者さんの受けた虐待を「妄想」と決めつけてしまう。
挙げ句の果てに妄想かどうか確認するために虐待者の家族を患者に無断で呼びつけて話をして(権限はあるかもしれませんが信頼関係はなくなってしまうでしょう)妄想と断定、カウンセラーにも妄想として扱うように言うわけです。
確かにドクターの言うことにカウンセラーは逆らえないという構造はありますが、「僕は自分が体験したことがないことには共感できないから」とカウンセラーは言い捨てた。
ドクターの言うことに従わざるを得なくても、患者へのハラスメントを行っていいわけでもなく、カウンセラーとしての矜持はないのかと。
3.心理検査
いわゆる投影法の心理検査に詳しいカウンセラーはクライエントさんの奥深くまで分析して見ることができます。
曰く「あなたの傷はあまりにも深い、わたしにはどうにもできない」
ここまでは言い方が悪かったんだろうなあと思います。
自分のカウンセリングの力量を超えた根深いトラウマを負ったクライエントさんが来ることはそのカウンセラーにとってはおかしくはなかった。
「どうにもできない」まではわかります。
だからどうすればいいのか、次はどこの機関に行けばいいのかと紹介(リファー)しなければクライエントさんを見捨てるだけになってしまいます。
4.心理療法の流派
以前から思っていることです。
エビデンス(証拠)がある心理療法として、認知行動療法があります。
嫌悪刺激に暴露する、それがうまくいけば症状は乗り越えられます。
きちんとした認知行動療法家は暴露がうまく行かなかった時の2番目、3番目の手段を考えて治療構造から脱落させないようにしていると思います。
ただし、論文を読んでいるときちんとしたデザインで施行されているものもたくさんありますが、脱落例をどう扱ったのかが不文明な論文もあります。
人間はモルモットではない。
認知行動療法に限らず全ての流派の心理療法に共通することです。
「この人のカウンセリングにはこの流派は合わない」と来られなくなった際に次に行くべき場所を最初から提示しておく必要があります。
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