心理カウンセラー・ひなたあきらからのメッセージ

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata★gmail.com(★を@に変えてください。)

公認心理師についてほか心理職らと話したある日のこと

先日ちょっとした、とても小さな学会と研究会の中間のような集まりがあって某所に出かけました。

何かのポイントにもならないような集まりです。

僕「あ、Sさんお久しぶりです。1年ぶりですよねえ」

Sさん「今日はグループAの司会だから僕も早くきたんですよ。昨日出る前も北海道はマイナス11度でしたよ。たまたまこっちに来る機会があったんで来られて良かったですよ」

M君(東北で働いている人)
「北海道の人たちは公認心理師試験どうでした?」

Sさん「んー知り合い10人ぐらいいるけど落ちたって話は聞いてないですね。言わないだけかもしれませんけど。これから公認心理師協会に入ろうか公認心理師の会にも入らなきゃいけないのか様子見ですねえ」

僕「64.5パーセントでしたよね。激戦でしたよね。」

Sさん「まあなかなか」

僕「団体加入は様子見って人たちが多いみたいですねえ」

M君「本試験と北海道の試験両方やってみたけど結構やさしかったですね。ところでお金がないから登録申請まだしてないんですよ。子ども生まれたばかりだし、いやあ公認心理師っていろいろお金かかって高いですねえ」

(この人は本試験直後に「もうダメだったから来年受ける」って言ってたんだけどなあ。でもいろいろ大変そうだなあ)

A君「ところでひなたさん今日ミニ発表でしょ。またマイナーな技法の発表しますね」

僕「イメージ療法手法の紹介ですよ」


(発表)

僕「と、PTSDに使われる手法はナラティブな物語療法でもあります。イメージ療法とのセットでアディクション、依存や強迫性障害にも効果がありそうです。」

Cさん(この研究会を主催しているかなり切れ者)「質問ですが、そういった特殊な技法をやる時は公認心理師法の主治の医師の了解は不要なんですかね」

僕「関係団体に聞いてみたら◯◯団体の理事の方は包括的に主治医はカウンセリングの命令を出している、例えば認知行動療法が有効かなあと思っていても話をとにかく聞いて欲しい場合、さっと技法を変えて来談者中心療法で話を聞く場合もあります。技法について主治の医師の了解を取らなくてもそこは心理職の裁量ではないかと。来談者中心療法も侵襲的になることは多いので、インフォームドコンセントでしっかりと患者さんの了解を取っておけばいいのかと。ネガティブな結果になってしまったら報告するべきと思いますが。」

Cさん「なるほどねえ、ひなた先生調べたんですねえ」

僕「いやありがとうございます、ま、こんな風にいろんな絵を描いてもらってそれからお話広げたり。」

※ 本物は出せないのでちみちゃん画伯と僕とで共同で描いた絵を展示してみました。

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精神科医N先生「いろんな技法をミックスして実施しているのはエビデンス、証明力があります?」

僕「あるものもありますしないものもあります。僕はN先生がご存じのとおり、エビデンスだけが精神療法とは思わないでやっているところがありますけれど。毎回統制された方法でイメージや心象世界を患者さんに実施していないのでランダムに割り付けをしたRCTのような研究はしてきないのですけど」

(以下ミニ発表他の人たち続き)

エビデンス重視で医療領域の方法論、僕のように実際の活動の紹介など。

僕(みんな頑張ってるなあ)

※ この会合は精神科医や心理職だけでなく企業人事の人など公認心理師受験をしていない人もいました。

守秘義務の関係から事例発表はなく、まあ和気あいあいとした感じの集まりです。

心理職の人たちは公認心理師にまつわる事柄をいろいろ気にしつつ日常業務やら研究やら忙しそうです。

関係他職種の人たちも精神衛生には大きな関心があるようで、こういった草の根的な集まりもまたいろいろインフォーマルな情報交換になった有意義な日でした。

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(厚生労働省に電話)公認心理師と臨床心理士の違いは?

「公認心理師と臨床心理士の違いがわからない、それじゃあ大元の厚生労働省公認心理師推進室に聞いてみよう」と思い立って電話してみました。(ブログ掲載について推進室了承済)

Q「公認心理師と臨床心理士の違いはなんですか?」
A「国で定めた資格か民間団体が認めた資格かということで、やっている仕事には変わりありません」
Q「・・・ほかにはありませんか?」
A「養成課程が違うとか、公認心理師は法律で規定されていて、臨床心理士はその規約で決められているということでしょう」
A「ありがとうございました」

さて、現在日本臨床心理士会では代議員選挙が行われています。

会員向けページに全て記載されているので、詳細には言及できないのですが、どんな実力ある代議員でももうどうにも変えられないのは「日本臨床心理士会と日本公認心理師協会は別団体として扱われることが決まっている」ということです。

今から日本臨床心理士会と日本公認心理師協会をひとつにしましょうか分けましょうかという議論は終わっています。

なので次の論点としては大まかに2つがあげられるでしょう。

1.臨床心理士と公認心理師との共存共栄

このあたりの無難な主張(公約)を掲げる候補者はきっと多いでしょう。

しかし国民のみなさんもクライエントさんも、当の心理職の大多数も、果ては医療、教育機関や行政まで、公認心理師と臨床心理士の違いがわかっていないわけです。

さて、大元の行政機関厚生労働省が「違いはない」と言っているのですから同じ趣旨の資格で共存共栄をどうやってするの?

と思うわけです。

2.臨床心理士と公認心理師はそれでも違う

これは臨床心理士制度堅持、公認心理師とは違っているという主張をしている人たちはまだ多くいるのだということです。

日本臨床心理士会は確かに国家資格創設に際して中核的な役割を取ってきた団体です。

今回公認心理師試験が終わって、公認心理師に求められている素養と臨床心理士のそれとの微妙な違いがあることは判明しました。

今回公認心理師資格を敢えて取ろうとせず、臨床心理士資格、制度にこだわった人々はある意味気骨がある人々です。

かつて心理職国家資格創設議論が進む中で、国家資格は大卒の資格になるらしい、それじゃあ院卒の資格臨床心理士は国家資格の上位資格にして専門性を高めて国家資格所持者に対して指導的な立場になればいいんじゃないの、よし、そうやって生き残ろう、という主張がありました。

ところが公認心理師が創設されることが決まった途端、医療、教育、福祉、産業、司法5領域に加え、僕は何を目指しているのかさっぱりわからない「専門総合公認心理師」なる概念まで出てきてしまいました。

情勢はガラッと一変してしまいました。

これが学会資格ならわかるのです。

初級、中級、トレーナー、上級トレーナー、専門指導者など各種学会ではさまざまなステージをもうけてある学会もあります。

さて、何の変わりもないと厚生労働省から 言われてしまったこの両資格、求人を見ても並列だったり、公認心理師の方を優先する募集も出ています。

どっちが優先されるのかというと保険点数が将来的も取れるだろうし、実習生指導もずっとできる公認心理師になってしまうことは想像に難くありません。

臨床心理士が専門資格として生き残っていくための戦略は困難がともないそうです。

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公認心理師試験基礎分野不要論


1.基礎心理学とはそもそも何か?

前回、公認心理師試験に基礎心理学は必要なのか、という記事を書いたあとに周囲から少し反響があったり、自分でも調べてみました。

感覚、知覚、認知心理学を中核とした基礎心理学こそが心理学の王道、基礎を学べばおのずと応用が効く、臨床活動も可能になる、したがって公認心理師試験には臨床心理学の科目は不要だ、という見解も今回あったと聞きます。

また、それを敷衍していくと公認心理師養成課程でも基礎心理学のみで臨床科目は必要なくなるという説です。

基礎心理学にはどんな分野が含まれるかには識者によって定義が異なります。

日本基礎心理学会の基礎心理学の定義によると「感覚,知覚,認知,記憶,学習,動物行動などの基礎的な実験心理学や,歴史,原理,方法など行動やそれを支える心の働きについての基本的な問題」ということです。

定義者によっては、脳科学、数理統計学、果ては性格心理学、人格心理学からユング深層心理学まで含める場合もあります。

2.論点

学習、条件付けは臨床場面で使われる応用行動分析ABAで児童の問題行動の解決、自閉症児へのかかわりとして必須の知識です。

認知理論が認知行動療法の基礎となっていることも周知のとおりです。

脳科学はてんかん、リハビリテーション心理学、認知症の中核症状や周辺症状BPSDの理解には不可欠です。

脳科学分野で脳の異変が起きている部位と精神症状はアルコール依存でもトラウマ研究でも深く、無縁ではありません。

統計数理がわからないとエビデンスベイスドの実証的研究はできません。

知覚に関する分野は迷うところで、心理物理学として、知覚測定法は何か公認心理師業務をやるのに役立つの?

と聞かれたら答えに窮します。

心理学史は、心理学の成り立ちを理解するためには役立ちますが、ヴントの意識心理学は何か?という事柄は公認心理師の実務には関係なさそうです。

記憶分野は頻出ですが、どこまでどう重み付けをしたら臨床に役立つ実践的な公認心理師試験になるのかということについてはよく吟味する必要があります。

3.実際の試験

第1回試験、北海道追試でも純粋に基礎心理学で、臨床場面で関係なさそうな知識は配点配分の関係もあり、点数にはさほど影響はなかったような気がします。

公認心理師試験出題範囲ブループリントで記載されていてもこれら基礎科目は重点科目とはならなかったという印象も受けます。

4.関係団体の公認心理師研究活動への認識

ここで大事なのは公認心理師法の、公認心理師の業務の定義です。

(定義)

第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。

二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

※ 以上ですが、どこにも公認心理師の職務の一環として研究活動が必要だとは書かれていません。

ちなみに話題の日本公認心理師協会でも「研究」が業務であるとは明記されていません。

公認心理師職能団体を分派分列を促進したという批判をされている公認心理師の会でも研修は行うと書いてありますが研究について明記されていません。

試験には研究方法を出題するけれども研究は仕事の中に入っていないよ、というやり方は齟齬をきたしていると思います。

ア 研究活動にも関与できるように公認心理師の職務範囲を見直す。

日本心理臨床学は現任者の学歴制限を見直して専門学校卒でも(今後専門学校での公認心理師養成課程も出てくるようですし)研究活動に関与できるようにする。

イ 添え物程度に公認心理師試験に出題して、実践重視とするなら基礎科目は出題しない。

ウ なぜ公認心理師の出題にこういった分野が必要なのかということをきちんと説明する。

※ ア、イは極論です。

現実的なのは「ウ」で、法律と試験範囲、シラバス(教育課程)が現在はばらばらです。

その整合性についてきちんと説明責任アカウンタビリティーを果たして欲しいと思うのです。

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