心理カウンセラー・ひなたあきらからのメッセージ

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata★gmail.com(★を@に変えてください。)

公認心理師試験/隠されていたブループリントの存在

公認心理師試験が大学で所定の単位を修めた受験者にも認められることは受験の手引きにも明確に記載されていました。

そのためにはA、Bルートで受験できるだけの必要単位数、学習内容を履修していなければなりません。

今回A、Bルートで受験した受験生はいなかったわけですが、Bルートは学部+実習で受験が可能になります。

公認心理師は臨床心理士会と医師団体の(苛烈な?)交渉によって、学部卒でも資格取得が可能になりました。

公認心理師受験資格を専門学校で学べるカリキュラムを計画している学校法人もあります。

さて、公認心理師養成校として認められるためには、法定の機関で一定の時間の実習を含む養成カリキュラムを受けなければならないわけです。

今後、公認心理師養成大学で教えるべき科目のガイドラインとして日本心理学会では2017年12月に「公認心理師大学カリキュラム 標準シラバス」を作成し、2018年3月末までに学会員からのパブリックコメントを求め、2018年8月22日にインターネット上でも公表しています。


さて、僕も含めて皆さんがあれほど勉強して結局試験に出なかった用語も多かったブループリントの「負の相補性」や感情の「高次回路 低次回路」「遺伝心理学」「エピジェネティクス」「DoHad」ですが、このシラバスには掲載されていません。
(公認心理師試験に今後出題される可能性は大いにありますが)

そのかわり、このシラバス自体がブループリントの2〜2.5倍はあろうかというボリュームなので、相当なものですが、中には「ヒューマンエラー」や「潜在記憶とプライミング」を含んでいて、今回の出題範囲の数々の用語も網羅されています。

この用語集を全て勉強する時間を取るのは難しいことですが、かなりの領域と用語が試験と重なっていて、事実上の「もうひとつのブループリント」として勉強しておけばよかったなあと今になってみて思います。

さて、寄せられたパブリックコメントにもあった意見だそうですが、これだけのボリュームのカリキュラムを大学四年間で学ぶことができるのか?

公認心理師が大卒者にも門戸を開く試験である以上、現認者ルートがなくなった後は大卒者にはこのルートしか残されていません。

このシラバスでは、ざっと見てみても基礎心理学分野ではデカルト以来の心理史、コンピュータPDPモデル、経営学、心理学が今後参加する新領域、進化科学、感性科学、社会制度設計、素因ストレスモデル、心理統計はほぼ全領域、プログラミング、信号検出理論、ROC理論、ヒット・ミス・FA・CR、クレイクとタルヴィングパラダイム・・・

寡聞にして聞かない用語も多いです。(僕の勉強不足?)

また、法律分野では刑法、刑訴法、民訴法、刑事施設法、道路交通法、道路運送法、貨物自動車運送事業法が含まれています。

道交法分野は交通心理学の観点によるものだそうです。

シラバスだけで今後の公認心理師養成大学のカリキュラムが拘束されるものでないことは明記されています。

このシラバスは量が多過ぎるきらいはありますが、これから公認心理師受験をする人たちの参考に十分なるでしょう。

公認心理師は成立したばかりの制度で、法案成立に関係した団体が多かったためなのか、かなりの学習量を要請されていくのではないかと思います。

公認心理師の必須学習項目が適切かつ実用的なものとなっていくことを期待してやみません。


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公認心理師受験者たちの試験前の様子、そして近況を報告

 
1.(僕が)比較的仲がいいと思っている秀才A君の場合 (プライバシー保護のために以下大幅に内容を改変しています。)

(試験前)

X-1月◯日

A君「ひなたさーん(個人情報保護のため仮名)、この辰己の参考書いいですよ。」
僕「ありがとう、早速注文するよ」
A君「これはやらんと受からんからねえ」

X月△日

僕「Aさんのとこはなんか仕事大変そうだね。」
A君「うーん、いろいろ仕事の体制変えていかなきゃいかんのだけどねえ、結構面倒だから、まあ試験終わるまで棚上げ!」

  1. (試験直後)

僕「(研究の話などを少しした後)試験どうだった?あちこちのサイトで自己採点できるシステムはあるみたいだけど。」

A君「あー、辰己のに入力す れば結果出るでしょ。まだ早いかな」

(2、3日前)

僕「辰己の結果出たね」
A君「僕、忙しくて入力してないから結果わかんないんだ。試験疲れがまだ残っててねえ。ところで忙しいから、ひなたさん共同研究の分担分やっておいてくれないかなあ?」
僕「う、うん」(触れてはならないところに触れてしまったようだ・・・)

2.先輩Bさんの場合

(試験前3カ月前)

僕「Bさん公認心理師試験の勉強やってるの?」
Bさん「やらないやらない、あんなのやらなくても絶対受かるから大丈夫!」
僕「そうかなあ・・・」

(試験1カ月前)
Bさん「ひなたさん勉強してる?」
僕「もうヘトヘトですよ、Bさん勉強してないんでしょ。」
Bさん「そんなことないよ、勉強やってるやってる、たくさんやってる、いつもやってるよ!ひなたさんも勉強しないとやばいよ」
僕「・・・」

(試験後)

電話「はい、ひなたです。」
Bさん「ひなたさん、試験どうだった?」
僕「いやあー難しかったですね。」
Bさん「結果どう?」
僕「うーんなんとか」
Bさん「うん、僕は大丈夫だったよ、合格点」
僕「・・・」

◯ 勤務先C株式会社

「えっと、上層部で検討した結果、今心理の仕事をしている人にはそのまま心理の仕事を続けてもらいますから大丈夫です。公認心理師を取らなかったからといって不利にはなりません。ということで資格取得は自己責任で。当社はこの件で出せるお金も有給もありません。ただしこの先誰かに来てもらう場合は公認心理師取得者を優先するかもしれません」

僕「・・・(大丈夫かなあ・・・)」

さて、まだいくつか疑問や論点はありありの公認心理師試験、資格です。

誰かが書いていたので試しに僕も「公認心理師 募集」とグーグルさんで検索したら1つのエージェントで100件近くの募集があります。

まだ誰も日本で取得していない資格ホルダーの求人をかけて大丈夫なのかな?

と思ったり。

いろんなところで熾烈な争いをしていた「主治の医師の指示」

ツイッターで存じ上げている開業心理の先生は開業心理に対し、主治の医師の指示がきつければ、いずれ公認心理師資格返上もありうるかのようなことを記述していました。

多職種連携の中で仕事をするのに僕は比較的医師との関係には恵まれていて、医療機関外で仕事をしているときにも「任せた!」という感じが多いのですが、先のことはわからないわけです。

北海道の人々、現認者年数が来年以降になる人々などにはぜひ頑張ってほしいものです。

僕自身も受験したぐらいですからこの制度そのものには賛同しています。

あとは運用面でうまく制度が活用されていくように願うばかりです。

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公認心理師試験について看護師クリピーと話した結果

僕の仕事場の1つに小さな診療所があって、そこには医師は常駐していないものの、毎日非常勤医師がやってきます。

内科、整形外科領域に詳しい8年越しの付き合いのある男性看護師、クリピー(個人情報保護のため仮名とします。)に公認心理師試験の問65の話をしたら「ふーん、呼吸筋障害じゃないの?」と一発で答えました。

「だって若いから認知症は考えられないし、介護されていれば褥瘡の心配ないし、眼球運動も感覚障害も書かれてないでしょ、だから呼吸筋、基礎的な問題ですよね」

とのことでした。

(クリピーは精神科看護師ではないのです。)

試験前に現認者テキストで手の骨の図を見てたら、別の男性看護師のキョロちゃんが「船に乗って月を見れば3つの豆、頭にカギかけたって覚え方するんですよー」

僕「・・・」

キョロちゃん「基本の解剖学ですねえ、難しい問題じゃないですね」

まあ確かに。

今回骨格筋は出題されなかったものの、ALSなんかはメンタルケアが非常に大事だと言われているので、チームの一員として患者さんの心情をどう推察するかが問題となるわけです。

僕「ねえ、大脳の問題わかる?」
クリピー「首から上はわからないですねえ」

僕「覚せい剤って身体的依存はないんだってさ」
クリピー「ほう、じゃ、『ヤクが切れた』とか言って暴れるのは何ですか?」
僕「精神的依存。ところでまさかとは思いますけれども賦活症候群についてご存知でない?」
クリピー「うーん、初めて聞きましたねえ。

その後クリピーと話していて、彼は身体医学全般はわかるけれども精神科は勤務歴がないからさっぱり、という結果でした。

クリピー「ところで今度の土日は臨時健康診断やるんですけど人手不足で、医療職じゃなくても出勤してくれる人を・・・」
僕「あ、このあと急なカウンセリングだった、じゃあね!」

医学領域問題は首から上を扱う問題は精神科や脳外科じゃないとわからないなあとのコメントをクリピーからされました。

医療補助職専門家もその現場にいた経験値がものを言うのでしょう。

公認心理師が活動するであろう職域が五領域と広いのはよくわかります。

ただ、スクールカウンセラーが認知症の知識はなくても勤まるし、広く浅く、という出題意図だったのだと思いますが、広く狭く感じると「難しい」という受験者の感想につながるわけです。

だんだん時間が経って僕自身も頭と心が整理できてきました。

あの試験はあくまでも「受験」であって、ライセンス取得のためのための試験、裁判員制度について医療領域の心理職が知っていなければならない必要性は薄いでしょう。

他分野の領域を知る必要性を問われているわけはなく、「これほどまでさまざまな知識を身につけるために頑張った」というプロセスが評価されるわけです。

勉強してる間はブループリントを網羅するためにがむしゃらだったのですが、試験のための試験(当たり前ですが)ということにようやく納得ができるようになった次第です。


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